少年トッパ

蛭薙さん、負けるな。

 先日、ある本屋で本を2冊買った。新人らしきレジの女性はやることなすこと遅くて、しかも客への気遣いも欠けている。横にいた先輩っぽい女性が本にカバーをかけてくれたのだが、それを新人さんは僕の目の前で乱暴にはがしてしまったのだ。どうやらバーコードが上手く読み取れていなかったらしく、再び読み取り機を当てるためにはがしたようだ。しかし、あまりにも本の扱い方がぞんざいなので、こっちは内心ムッとしてしまった。それに、この時に買った2冊は、どっちも人様に見られたら少々恥ずかしい本だ(なので、ここにも書名は書かない)。なのに、公衆の面前で(ってほど周りに大勢の人がいたわけじゃないけど)、一度かけられたカバーをはがすんだもん。ったくもう。

 そのあと、領収書を書いてもらった。「書籍代でよろしいですか?」と問われて「はい」と答えたが、心の中では「本代でいいって」と叫んだ。「書籍」と「本」。画数では前者が10+20=30で、後者なら5。労力は6分の1で済むわけだ。でも、どこの本屋でも「本代」ではなく「書籍代」と書いてくれる。僕が店員なら「本代」とさえ書かず「本」とだけ書くだろう。
 続いて、その女性は担当者欄に自分の名字を書いた。蛭薙。んんん? 何て読むんだ? 彼女の名札を見ると、確かに「蛭薙」と記されている。えっと、ひるなぎ? う~ん、こんなことを言っちゃ全国の蛭薙さんに申し訳ないけど、あんまり好感度の高い名字じゃないっすよね。しかも画数が多すぎ。12+16=28じゃん。彼女はこれまでの人生で何度もこの名字を書いてきたわけだ。試験を受ける時も、車の免許やらパスポートやらを取得する時も、恋文をしたためる時(があったかどうか知らないけど)も、蛭薙と書いてきたのだ。ご苦労様。僕は彼女の肩に、そっと手を置い……たら警察に通報されるかもしれないので、心の中で彼女の肩に手を置いた。

 僕の場合、名字の画数は少ないが、下の名前の方は結構多い。それが子どもの頃からイヤでイヤで仕方なかった。名字は5と6、名前は12と15。下に行くに従って画数が増えるのである。安定感があるとも言えるが、終わりに近付くにつれて手間が増すわけである。一番イヤだったのが習字の授業の時だ。ほら、左端に小さく自分の名前を書くでしょ? でも、小さく書かなきゃいけないわけだから、文字がつぶれて何が何だか分からないようになってしまうのよ。まあ、もともと字が下手だったせいでもあるけど。
 しかし、それでも僕の場合は、下の名前の画数が2文字で27。蛭薙さんは名字が28だ。これで名前に「麗」とか「薫」とか「憲」とか「鑑」とかが使われていたら、もう大変なことになる。たとえば同じ3文字の名前でも、二井一(ふたいはじめ)なら総画数は7だが、蛭薙麗(ひるなぎれい)なら48。7倍近い差があるのだ。そういう名前の方がいたら、ホントに同情しますわ。お疲れ様です。

 というわけで、蛭薙さん。これからも大変だろうけど、負けないように。あと、早くテキパキ仕事ができるようになってくださいね。本の扱いは、くれぐれも丁寧にお願いします。

 ……なんて呑気に書いてる場合じゃない! 仕事しなきゃ。えっと、『立喰師列伝』も『リバティーン』も『トム・ヤン・クン!』も『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』も観ましたが、ゆっくり感想を書いてる余裕はありません。あ、伊良部シリーズの新刊『町長選挙』も読みました。さすがに面白かったです。さ、仕事しよっと。

コメント一覧

トッパ
●おおたけさん

コメントどうも! 興味がある話題の時には書き込
みさせていただきますね。

●くるぶ氏

確かに! 僕だったら、点数が悪いときにはそれを
言い訳にするもんね(笑)。
くるぶし
44画の僕のいとこが昔怒ってました。
「テストで名前を書く段階でみんなより出遅れる!」って。
おおたけ
http://blog.kansai.com/benelop
カバーはがされるなんてたいへんでしたね☆
不動産ブログ公開中です☆よければ遊びにきてください♪
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