週末恒例、名古屋で公開される新作映画の注目作はコレ!
☆『セールス・ガールの考現学』 <シネマトゥデイ>
モンゴル映画。アダルトグッズショップで働くことになった女子大生が主人公だそうです。予告編の印象だと、すごく面白そう。
※上映館/センチュリーシネマ
☆『せかいのおきく』 <シネマトゥデイ>
阪本順治の新作。声を出せなくなった女性が主人公の時代劇だそうです。主演は黒木華。
※上映館/ミッドランドスクエアシネマ/イオンシネマ名古屋茶屋
◎『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』 <シネマトゥデイ>
鈴木亮平主演のTVドラマの劇場版。このシリーズは欠かさずに見ておりました。
※上映館/ミッドランドスクエアシネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/イオンシネマ大高/イオンシネマ名古屋茶屋
◎『赦し』 <シネマトゥデイ>
殺害事件の加害者と被害者家族が抱える葛藤や苦悩を描いた法廷劇だそうです。
※上映館/伏見ミリオン座
◎『聖闘士星矢 The Beginning』 <シネマトゥデイ>
車田正美の人気マンガ、まさかのハリウッドでの実写映画化。主演は新田真剣佑。
※上映館/ミッドランドスクエアシネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/イオンシネマ大高/イオンシネマ名古屋茶屋
◎『不思議の国の数学者』 <シネマトゥデイ>
韓国映画。脱北した天才数学者と落ちこぼれの高校生との交流を描いたヒューマンドラマだそうです。
※上映館/センチュリーシネマ
◎『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』 <シネマトゥデイ>
説明不要ですね。アメリカなどすでに公開中の地域では記録的な大ヒットとなっているようです。ゲームに疎い自分はスルーしようかと思ってましたが、予告編を見るとなかなか楽しそう。アニメーションとしての完成度もかなり高いような気がします。
※上映館/ミッドランドスクエアシネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/イオンシネマ大高/イオンシネマ名古屋茶屋
●ドキュメンタリー
◎『中森明菜イースト・ライヴ インデックス23』劇場用4Kデジタルリマスター版 <シネマトゥデイ>
1989年の野外ライブを映像化。シングル曲すべてを歌ったそうです。見応え&聴き応えありそう。
※上映館/ミッドランドスクエアシネマ/伏見ミリオン座/中川コロナシネマワールド/イオンシネマ大高/イオンシネマ名古屋茶屋
◎『NEVER MIND DA 渋さ知らズ 番外地篇』 <シネマトゥデイ>
※上映館/名古屋シネマテーク
◎『アダマン号に乗って』 <シネマトゥデイ>
船に設けられたデイケアセンターを訪れる人々と、サポートするスタッフたちの姿を捉えたドキュメンタリーだそうです。
※上映館/伏見ミリオン座
『アングリーバードとバナナ合唱団』 <シネマトゥデイ>
※上映館/シネマスコーレ
『グレート・グリーン・ウォール』 <シネマトゥデイ>
※上映館/名古屋シネマテーク
●リバイバル&特集上映(一部のみ)
『書かれた顔』
ダニエル・シュミットの1995年の作品。主演は坂東玉三郎。
※上映館/名古屋シネマテーク
大須シネマ、三越映画劇場、シアターカフェに関しては、各自でチェックしてくださいませ。
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●観た映画
『ヴィレッジ』※一見の価値あり
実に気合いの入った力作。犯罪者の息子だと迫害されてきた主人公を横浜流星が見事に演じているし、一ノ瀬ワタルの憎々しさも真に迫っていました。黒木華は、もちろん好演。なので見応えあった、と言いたいんですが……。
<以下ネタバレ>えっと、ラスト間際で発見されるスマホは、死体と一緒に埋められていた、というわけだよね? それは、いくら何でもあり得ないでしょ。自分たちに不利になるような画像や映像を散々撮られているわけだから、真っ先に処分しようと思うのが普通じゃない? それを思い付けないほど動転していたわけ?
しかし、一人で死体を運んだりしたわけじゃないだろうから、どっちかが途中でスマホを処分しなきゃマズいと思うはずじゃん。もしかしたら僕が何か重要な部分を見逃してる?
あと、どうにも不自然に思えて仕方なかったのは、工場見学に来た小学生たちが喜ぶ場面。お菓子工場とか玩具やクルマのメーカーならともかく、廃棄物処理の設備を見て、そうそうはしゃいだりする?
さらに不自然だったのが、取材に来たカメラマンたちが、黙々と分別作業するスタッフたちにレンズを向けながら「いい画が撮れた」みたいなことを言う場面。いやいや、まったく面白味がない映像じゃん! おそらく、村の産廃施設が注目すべき存在であることを強調しようとする余り、かようにヘンテコな描写が続いてしまったんでしょうね。この映画、かように随所でツメの甘さが目立ちます。
とはいえ、閉鎖的なムラ社会の不気味さはしっかりと描かれていたし、何よりも、こういう重い題材をメジャーな作品で取り上げるという姿勢は立派。一見の価値はあるかと思います。
『レッド・ロケット』※オススメ
落ち目のポルノ男優が主人公。しかも、一目惚れした十代の少女を口説き落とそうとする話なので、コンプライアンスを重視する昨今では「そんな映画、観たくない!」と思う向きもあるかも。しかしまあ、ダメ男がジタバタもがく話が好きな方にはオススメです。
とはいえ、この主人公、ダメな奴ではあるもののプロの俳優だっただけに、さすがに口は達者。人をたらし込む能力に長けています。見習うべき点も多々ある、と言えるかどうかはともかく、魅力がある人物なのは間違いありません。見た目もカッコいいです。
でも、それより何よりもこの映画で素晴らしいのは、主人公に見初められる少女を演じたスザンナ・サン。純朴そうに見えて実は超弩級の好色ぶり、という展開は下衆な男の邪な願望を大いに満たしてくれたりもしました(よね?)。
ちなみに彼女、なんと映画館のロビーで監督にスカウトされたそうです。原石ってのは、どこに転がっているのか分からないもんですね。
というわけで、映画自体のおすすめ度としては10点満点で7点ぐらいですが、スザンナ・サンに関しては10点。新しい映画スターの登場を見逃すべからず。
『聖地には蜘蛛が巣を張る』※オススメ
娼婦ばかりが犠牲になる連続殺人事件をめぐるドラマ。主人公は女性新聞記者で、彼女が懸命に真相に辿り着こうとする過程が描かれるわけですが、観客には早い段階で犯人が明かされます。なのでミステリー要素は薄く、それよりもイラン社会を根深く覆っている男尊女卑の様相を生々しく描いた作品となっています。
殺人シーンもあります。これがけっこうリアルなので、そういうのに抵抗がある方はあらかじめ覚悟した方がいいかも。
<以下ネタバレ>映画が残り20分か30分ぐらいになった時点で犯人は逮捕されます。これにて事件は解決して大団円……かと思いきや、真のドラマはここから始まります。汚らわしい存在である娼婦たちを殺害した男は、犯罪者ではなく英雄ではないか、というような声が湧き上がるわけです。こういう事態、今の日本社会でも実際に起きそうなだけに、すごく現実味がありました。
●読んだ本
『しろがねの葉』千早茜
直木賞受賞作。野生児のようでもあるけど実は賢くて感性豊かな女の子が主人公です。幼くして痛ましい目に遭った彼女が、決して安穏とは過ごせない環境の中でどう生き延びていくか、という物語。そう、かの傑作『ザリガニの鳴くところ』を彷彿とさせる設定で、主人公を応援せずにはいられないタイプの小説。読みながら、彼女が幸せな人生を送ることをひたすら願っておりました。オススメ。
『TRY48』中森明夫
寺山修司が今も生きていてAKB48のようなアイドルグループをプロデュースしたら……という物語。ものすごく大量の資料を参照しているだけに(巻末の一覧が圧巻)、寺山修司に関する様々なエピソードが次から次へと披露され、その精力的な行動力に圧倒されます。
そして、その大半は今の社会の価値観では完全に白眼視される……それどころか法的にもアウトだったり、メディアの世界から追放されて当然のようなものばかり。当時は本当に極端な男性優位社会であり、特権的な地位を持つ者の横暴が許されていたんですよね。ドキュメンタリー映画『世界で一番美しい少年』でのビスコンティの振る舞いを思い出したりもしました。
それはともかく、この小説には60年代以降に活躍した様々な演劇人や舞台役者、小説家などが実名で続々と登場します。唐十郎と寺山修司との乱闘とかも詳細に描かれているので、そっち方面に興味がある方にはオススメ。
●お気に入りor気になるMUSIC
SHERBETS『Midnight Chocolate -EP-』
錦織一清『歌謡 Style Collection』
少年隊のニッキによるカバー集。しっとり聴かせるナンバーが多くて悪くはないんだけど、もうちょいポップな曲の方が似合うんじゃないかな。
●テレビの新番組の感想あれこれ
『波よ聞いてくれ』を見ました。小芝風花、しっかりとミナレ(主人公の名前)になりきっておりました。さすがの演技力。
今後の展開が楽しみ……と言いたいところですが、原作は最新巻まで読んでいるので、どんな風に話が進むのかは知っているわけです。これは『鬼滅の刃』も『推しの子』も同様で、こういう場合は「物語を楽しむ」というより「どうアレンジされているか楽しむ」という感じになりそうです。
福山雅治&大泉洋の『ラストマン―全盲の捜査官―』も見ました。面白いじゃん。型破りな人物が常識外れに思える言動で活躍し、硬直した組織の中で働く面々を唖然とさせる――という、よくあるパターンのドラマなんですが、会話のテンポが良くて大いに楽しめました。
というわけで今シーズンは面白いドラマやアニメが多いので、見たいもの全部を追っかけるのは大変そう。どうしよう。
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明日、このライブに行ってきます。
「NAGOYA SOUND PRESS SHOW 2023」
【日時】 2023年4月29日(土) 16:00(15:30開場)
【場所】 名古屋市公会堂 大ホール
【出演】 阿部真央/岡崎体育/Omoinotake/TOMOO/マハラージャン
阿部真央のライブにはデビュー当時に2回行ったきりなので、約12年振りかな? 他の面々は初めてです。岡崎体育は一度ナマで聴いてみたかったので、すごく楽しみ。