●コンテナが普及しない理由は日本人とアメリカ人の着眼点の違いか
◎コンテナ普及に対する数字は真実か?
コンテナ(K8S)の普及率 VMwareの言い分
本番稼働環境でK8Sを利用している率
2018年 30%
2020年 59%
2021年 65%
従業員1000人以上の350社
これが事実なら、大企業が使うソフトのほとんどがコンテナ化されたという
事になるが。。。そんなことはないだろう
この利用しているの定義がうさんくさい
これは日本のデータなのだろうか?
◎日本のk8S利用は5%?
一方で、ZDNetJapanの調査によれば
2021年7~9月でkK8Sを「本番環境を含め本格的に」利用している率は
5.1%
開発環境など一部で採用が
23.8%
とのことだ。
対象は336社 うち36.8%が1000人以上の大企業
本番環境を含め本格的に利用 5.1%
開発環境など一部で採用 23.8%
今後採用予定で導入検討中 27.7%
採用していない予定もない 43.5%
この結果はZDNet Japan の調査だから日本だろう。
日本の場合ほぼ利用されていない。
それどころか、約半数が利用の予定もない
ということになる。
これに対しVMwareは「採用の予定がないが40%もあるのは今後本格的な普及が期待できる証拠」と述べているようだが、これは強弁に見える。
「予定がない」とまではっきりいう企業は当面は可能性がないと見て良い。
◎コンテナ化したいアプリは業務アプリ、ファイルサーバ、DB、NW?
業務アプリ 57.4%
ウェブサイト 41.1%
データベース 28.6%
ファイルサーバ 25.3%
ネットワーク 18.4%
はじめ、コンテナ化しているアプリかと思ったが、したいアプリだった。
それなら納得が行く。
期待値から読み解けるのは、「業務用IT基盤の運用効率化」を期待しているということだろう
しかし、コンテナ化したいものとできるものが一致していない。
希望のなかで、ユーザから見て直接的に便益を得る形での
コンテナ化はできそうに見えない(製品内部でコンテナが使われるかも
知れないが)
◎コンテナ導入予定がない理由は明確なメリットが見えないから?
最初の設問で「採用していない予定もない」回答者に対して理由を訪ねた結果
よくわかっていない 45.9%
スキル知識がない 31.5%
適用できる業務なし 32.2%
理由はないが使わない 15.8%
導入コストに見合わない 5.5%
ここで面白いのはコストに見合わずという回答があることだ。
フリー記述の理由にシステム管理部門の学習コストが高すぎる と言う課題が
書かれているのも興味深い。
つまり、コストはライセンスではなく、新技術習得と流儀変更にかかるコストということである。
コンテナ化したいアプリが社内IT基盤であることと上記の日導入理由から、社内IT基盤の維持管理にかかる膨大なコストをコンテナで省力化を期待しているが、費用対効果がないと判断したということだろう。スキル・知識経験がないというのもここに含まれる(ないから学習コストが生じる)。
よくわかっていない というのは、便益が見いだせないと読める。
よくわかった結果、導入に繋がるのか?というと、多分そうではないだろう。
なぜなら、改善対象が社内IT基盤の運用管理省力化である限り、同じ結果にたどり着くだろうから。
これらのアンケートから読めるのは、日本企業は
・社内IT基盤の維持管理に大きな負担を感じている
・顧客向け事業基盤の維持管理は差ほどではない
・社内IT基盤維持管理の省力化にコンテナを期待しているが。。。
・全く異なる技術を習得しないといけないこと=コスト増
運用スタイルも変わること=業務手順変更が生じる=コスト増
から費用対効果がないと見なしている
といったところだろう。
本来、コンテナ技術は対外サービスの迅速な更改(見た目をチマチマ直さないと相手が飽きるようなサービス)のために使って、投資がかかっても売上増に繋がるならよしという発想で使わないとダメなのだろう。
しかし、日本企業は別の領域=売上を直接生まない社内ITの効率化にコンテナを期待している。 その発想だと投資がかかるだけなうえに既存のバイナリアプリケーションをコンテナ化改造できるわけでもないから結局約立たずという結論になるのだろう。
昔、
アメリカ人は売上向上を見て、
日本人は経費節減を見る
と感じたことがあるが、今回の情報もそれを裏付けているように感じる。
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