ひかりとしずく(虹の伝言)

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『放射能汚染と学校給食』牧下圭貴著 (岩波ブックレットNo.875) を読んで

2013-12-30 | ともこレポーターによる記事
この本は2013年6月4日発売のものです。

福島第一原発事故から二年が経ち、国としても放射能の汚染についての対策として基準値も2012年4月に決められたことなどの流れの説明もあって、わかりやすいと思いました。食品の暫定規制値、500ベクレル→一般食品の基準値100ベクレルと低くしましたから、安心してくださいと言わんばかりですが、とんでもありません。100ベクレルの汚染物質は、事故前はドラム缶に詰められて、危険物質として扱われていたものなのです。

各家庭で気をつける以外ないのでしょうか?東北産のものを避けて食べないのは神経質なのか、または、風評被害を起こしている加害者なのでしょうか?

きちんと測って、心配のないことがわかると、被災地のものでも、復興に協力できるし喜んで取り寄せて使いたいのです。全品検査ではない測定の仕方、高い設定の基準値・・・。電気を使ってきたから仕方ないのでしょうか?40歳以上の私たち夫婦とその親の代は我慢してもいいとして、子どもたちには与えたくないです。

子どもたちへの影響を考え給食の検査も始められてはいるものの、全品を一斉に混ぜた陰膳方式で放射能の影響がわかったとしても、事後報告となってしまうもので、目的として、大人たちが安心したい為のもののようであることなどから、決して十分な対策がとられていると思えません。

そんな中、全国の中で色んな独自の対策を立てている市町村や学校の例が詳しく紹介されており、それを通して、参考になったり、改めて理解ができると思いました。
静岡県の放射能汚染が出たとわかった冷凍みかんの取り扱いについても、市町村によって対応が違って、扱うのをやめたところもあれば、出すけどその個人に任せるとかいうお便りを配布した学校があって、これも、家庭によってどう対応したのでしょう?その場合、自主的に「食べない」を選んだ子どもと食べた子どもの気持ちはどういったものでしょう?「食べない」と言った子どもに揶揄する言動がなかったか、など心配ですが。
私は「世田谷こどもを守る会」の主要メンバー、マダムトモコさんが厚生省の発表をまとめて発信してくれている放射能汚染の検査結果のメールマガジンを取っています。お勧めです。この本でも活動が紹介されています。

食品の放射能測定は、機器によって正確さが違ってきます。本書では詳しく書かれており、参考になりました。
「ゲルマニウム半導体検出器」 これは購入金額が一千万円位とかなりの高額。機械も重く液体窒素を用いるとか。
「シンチレーションスペクトロメータ」 250万円程。
・ NaI(TI)シンチレーションスペクトロメータ
・ ヨウカナトリウム・ナトリウム・シンチレーションスペクトロメータ 
「遮蔽付き食品用シンチレーションカウンター」 これはセシウム、カリウム40、ガンマ線を区別できないものとのこと。

今、食品流通業ではサーベイメータ(携帯用の測定器)や遮蔽の無いシンチレーションカウンターで測って、「自主測定をしています」といっている所もあるとか。正確さも考慮に入れて判断するべきです。

精度を上げるには、刻んで密度を上げる事と、水分を減らす事、また時間を長く取ってみるなど。
ガイガーカウンターは空間の放射線を測るもので、食品に含まれている量はわかりません。

学校の給食は、2009年に栄養教諭制度が作られ、食育推進計画を成されようとしてきたところだったのです。なので今後も放射能に注意を払うのは勿論、農薬や添加物からの危険も子どもたちに教えてから、地場産のものを安心して、感謝していただくというところまでして欲しいです。経費を安くあげることよりもそういう対応をできるように考えて欲しいと思います。

今後も、まだまだ測定が当たり前になってきますね。半減期や、日本の粘土質な畑の土からの吸収がいつなのか、山から下りてきた水に含まれた放射能が出てくるのは?など。
測定結果への対応もきちんと考えながら、正確に測って表示して売るのが当たり前の世の中になって欲しいです。出荷停止になった農家さんにもきちんと保障がなされることを願います。

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