♪あなたと結ぶ福祉の輪♪

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いっぽいっぽ-まどか10歳-5

2007年11月06日 | Weblog
 「お母さん、はい。」ダウン症のまどかは学校から帰ると、
連絡帳とプリントが入ったクリアケースを渡す。どこの家庭でもよくある
光景だろうが、まどかは言われなくても、毎日自分から渡してくれる。
 小さいときから、生活スキルを身に着けるために、日常の何気ないことを
繰り返し教えてきた結果、習慣になったのだろう。おかげで学校からの大切な
連絡を逃すことは殆どない。

 実は、高校一年の長男貴裕は、いまだにここが
難しい。中学になると、学校からの連絡事項も増える。そのころは、本人が
意識的にならないと、親は何も分からないまま。繰り返し注意をしても、
状況は変わらない。受験が近づいた頃には、さすがに私たちもチェックが日課
となった。

 成長と共に、いつか自然に出来ると楽観的に考えていたが、
身についていないことを習慣化するのは、大きくなってからの方が大変だ。

 どうしたら忘れないで親に渡せるか、本人も努力はしているけれど、上手く
いかないようだ。幼少時代に習慣になっていれば、簡単だったに違いない。

 思えば、貴裕は小学校のとき、まどかのことで忙しい私のことを気遣ってか
わがままを言わない子だった。いや、我慢してくれていただけかも知れない
けれど。

 私は普段は放任なのに、しくじると「なんでできないの」と責めるだけ。
貴裕がきちんと理解できるように工夫してこなかったという反省がある。
何も出来ない所からの、スタートだったまどかの場合は、本人が理解できる
方法で、忍耐強く繰り返し教えてきた。

 この違いは何だろう、と考えることがある。「障害児教育はも子育ての基本と
同じ」と、よく耳にすることがある。確かに「手を掛けないと子供は育たない」
という事実は、障害のあるなしには関係ない。

 プリントは一例に過ぎないが、社会できちんと生きていくために、
身に着けなければならないことは、まだまだ沢山ある。
これからは、子育ての仕上げに入ろうとする時期だ。
気がついた今からでも遅くはない。2人から学んだことを生かして、
頑張っていこう!

ダウン症親の会 いっぽいっぽクラブ代表
幸田 啓子さんの記事より。