あ可よろし

「あきらかによきこと」は自分で見つける・おもしろがる
好奇心全開日記(不定期)

いただいた本

2015-07-09 | 本(文庫本)
百田尚樹さんの『夢を売る男』を読みました。何かと話題の百田さん。実は「はじめまして」です。

先日、同年代の3人(私と、長年(高校時代から)のお友だち関係という男女2人)で飲み食いをしたときのこと。女性が男性に「ありがとう。面白かった」と返したのがこの本でした。返された男性が「よかったらどうぞ」とそのまま私へ。「今度いつ会えるかどうか…、返せなくなるから」と断ろうとしたら「文庫だし、返さなくて良いし、あげます」と。
何でも、男性が女性に「読ませたかった」というものだったそうで、そういう彼の気持ちなども含めて、読ませていただきました。

丸栄社は、ジョイント・プレスで本を出版している会社。その敏腕編集長(というか優秀な営業部長?)・牛河原は、あの手この手で主婦、フリーター、団塊世代の男など、さまざまな人たちの書いた原稿を出版までもちこむ。著者には「素晴らしい内容だから是非とも出版したい」と誘うが、本当に惚れこむ作品などなく、実情は自費出版とかわりがない。すべては出版不況の中にある出版界において、利益追求が目的。そんなあるとき、自費出版専門のライバル会社が、低価格で本が作れるとの広告を出した。

帯に「出版界のタブーに切り込む問題作」って文言があったけど、タブーでも何でもないじゃない? 今じゃ大手出版社だって会社名を変えて自費出版専門の部署を作っているくらいだし、昔から「出版部数の○%は著者の買い取り」とかってこともあったし。
まあ、この本に書かれていること以外に、本当のタブーはまだまだあるのだけど……。
で、なんであの男性は、この本を女性に読ませたかったのか。ひょっとして女性は自分の書いた本を出したかったのか? そういう人だったの?

読後の感想は、「百田さんはやっぱりテレビの人なんだな~」ということでした。物語の中盤に、牛河原と部下の荒木が高級焼き肉店で話すシーンなんて、テレビドラマそのものだったもの。状況の説明に終始するドラマの台本そのものでした。
しかし、勉強になりました。出版界、本当に大丈夫? 私はずっと良い本が読みたいだけなのよ。ヨロシクね。
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