野老の里

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奥武蔵へようこそ 2020年12月5日 入山の古峯神社からサッキョ峠を経て正丸駅

2020年12月08日 | 奥武蔵へようこそ
(古峯神社のピークから初花集落を見下ろす)

注意!柏木沢からサッキョ峠に向かう林道は私有地で通行できません。

古来川沿いには人の生活にとって必要不可欠な水を求めていくつもの集落がつくられてきた。当然集落を結ぶ道も主に川沿いを中心につくられてきたのだが、尾根を越えて集落を結ぶ道というものもある。これが峠道だ。もちろん川沿いに集落がつくられるような大きな川も遡っていけば山を越えて向こう側の集落とつながることは間違いない。しかしそうした大きな川ではなく、純粋に小さな集落同士を繋ぐものとして峠道が開かれることもよくある。横瀬町と飯能市、旧名栗村との境を形成する正丸尾根にはこうした峠道がいくつもあった。前回歩いた虚空蔵峠もその一つで、古い地形図を見るといくつもの集落を繋ぐ峠道の一つだったことがわかる。その正丸尾根には虚空蔵峠と同じく峠道が使われなくなったサッキョ峠がある。サッキョ峠は古い地形図にも峠道が描かれておらず、また麓に顕著な集落もないので、どのように道がつけられていたのか定かではない。ただサッキョ峠の位置から考えると現在の旧正丸峠と同じく初花と正丸とを結ぶ道だったのではないだろうか。

今回は横瀬町初花からサッキョ峠を目指して歩いてみることにした。奥武蔵登山詳細図(吉備人出版 以下登山詳細図とする)を見ると初花から旧正丸峠を結ぶ秩父往還の途中に柏木沢があり、この沢沿いに林道があるようだ。当初はこの林道を使って傾斜の緩い柏木沢を遡ってサッキョ峠に至る予定だったが、以前旧正丸峠を越えた際にこの林道が立入禁止とされていた記憶があった。現在もこの道は使えない可能性は高い。さてどうするか。登山詳細図の著者である池田和峰氏のブログを読んでいると「古峰神社から長久保  2019.5.26(日)」という記事に柏木沢の右岸にある572m峰に登った旨が書かれていた。そこでこの道を利用して572m峰から北東へ延びる尾根伝いに進み、鞍部から柏木沢を詰めてサッキョ峠に行く計画とした。サッキョ峠まで行ければどこへ下りても良いので、一応伊豆ヶ岳まで行くものとした。

初花集落から古峯神社
前回と同じく芦ヶ久保駅へとやって来る。ただ前回と異なり、今回は登山口まで歩かずに松枝行きの西武観光バスを利用することにした。駅前の石段を下り、ボタン式の信号機で国道を渡ると芦ヶ久保駅バス停がある。バスの待避所があるので通行の妨げになることはない。寒空の下40分近くバスを待つのは面倒だが、近くにある道の駅あしがくぼのトイレを行き来しているうちにバスがやって来る。バスは上り坂をスイスイと進み、10分で登山口最寄りの長渕バス停に着く。松枝方面にはバス停の標識が無いのでザゼンソウなどを見に利用する場合には注意が必要だろう。

秩父往還の一部である旧正丸峠道の入り口はバス停から少し登った所にある。以前ザゼンソウを見た帰りに利用したときはもう少し距離があったように感じたが、実際はすぐ近くにある。民家の脇の舗装路が秩父往還で、やはり以前訪れた時は民家の敷地の一部と思い込んでいたのだが、よく見れば道路の両側に家があるだけでしっかりとした公道である。南沢を渡るとやや傾斜の急な道路が続く。しかし5分と経たずに旧名栗街道との分岐である追分に着く。すっかり葉を落としたミツデカエデの古木と石造りの道標が相変わらず出迎えてくれる。旧名栗街道が雑然と荒れ気味なのも相変わらずだ。

(民家の左から旧正丸峠道が延びる)


(追分のミツデカエデと道標)

追分からは緩い上り坂で、橋を使って一旦右岸へ渡る(地理院地図とはこの辺り道の付け方が異なっている)と左手に急な崖がそそり立つ柏木沢が見えてくる。柏木沢の左岸に林道が分岐するが、記憶にあった通り立入禁止の看板とロープ柵が設けてある。これで林道を使うのは無理であることがはっきりとした。追分まで戻り、池田和峰氏が記していた古峯神社への道を探してみる。すると追分の道標の向かいにピンクテープが括り付けられており、南沢には丸太が渡してあるのが見える。その丸太に向かって薄い踏み跡があり、これがハイキングルートとなっているようだ。思ったよりしっかりとした丸太橋を渡ると踏み跡があるが、かなり薄い。

(柏木沢沿いの林道は立入禁止)


(ここから南沢を渡って古峯神社へと至る)

丸太橋を渡った所は572m峰からほぼ真西に位置し、これから歩く所は比較的尾根がはっきりとしているといってよいだろう。踏み跡はジグザグの九十九折となっており、急傾斜の尾根を歩くには良い。途中突き出た岩があり、南から巻いて上に出る。更に上に向かおうとすると池田和峰氏のブログにも載せられていた古峯神社の鳥居が見えてくる。傍らには「古峯神社のアカヤシオ自生地」と書かれた標柱が立つ。これは横瀬町観光協会のHPにも文化財の項目に掲載されていて、九十九折の踏み跡が付けられていることにも納得がいく。但し鳥居の周辺は杉檜の林で、アカヤシオは見当たらない。

(古峯神社への踏み跡)


(突き出た岩を回り込んで上に出た)


(古峯神社の鳥居)

鳥居を潜って杉林を登っていく。この辺り、かなり踏み跡が薄い。左手に岩場が見えてくると踏み跡が左右に分かれる。岩場の上に出ることが可能なようだが、踏み跡は頼りなく、バランス感覚に衰えを感じる人は登るのを避けたほうがいいだろう。慎重にトラバース道を進んで岩の上に出ると横瀬観光協会のHPに掲載されているものらしきアカヤシオの木が生えている。冬枯れの現在は麓にある民家まで見えるので、記事にもあるように道路からアカヤシオのピンク色の花が見えたとしても不思議ではない。岩場からは尾根伝いに登ることもできそうだが、一旦分岐まで戻る。

(アカヤシオの生える岩場を望む)


(アカヤシオ)

右手に延びる本線と思えた踏み跡も途中で消えてしまう。しかしよく見れば薄い踏み跡もあるようで、それを辿ると再び比較的明瞭な九十九折となる。九十九折は杉檜の林を抜けていくが、北側はアカヤシオなどの雑木林となっているようだ。ハイキングルートながら歩く人が多くないせいもあって鹿の糞がやたらと落ちている。踏んでも大して気にはしないのだが、新しい糞は柔らかくて急坂だと滑ってしまうので、できるだけ避けていく。アカヤシオの木が生えていた岩場から10分ほど登ると古峯神社の祠が立つ山頂に出る。周囲はアカヤシオなどの雑木林に囲まれ、冬枯れの今は明るい。山頂からは木の間越しではあるが甲仁田山が望め、初花集落の民家を見下ろすことができる。ずっと急坂続きだったので、ここで一息入れる。

(人が通らないので鹿の糞が多い)


(古峯神社)


(古峯神社のピークからの眺め 左端の鉄塔が立つピークが甲仁田山)

尾根と沢を進んでサッキョ峠へ
Androidスマホアプリの地図ロイドを開くと古峯神社のある山頂は572m峰の少し手前に位置するようだ。古峯神社の山頂からは緩やかな尾根道が延びる。一旦小さな鞍部に下りて登り返すと572m峰の山頂だ。ここは古峯神社の山頂と異なり見晴らしは全くない。地形図を見ると572m峰から北東へは広めの尾根が延びているように見える。ところが実際には細い尾根で北側にある広葉樹の低木が枝藪となって進路を邪魔する。細い檜が植えられた南側に作業道と思しき踏み跡があるので、それを辿っていく。しばらく南側のトラバース道を行くとやや急な下りとなり、尾根も広くなっていく。広くフラットな尾根になった辺りで572m峰から完全に下りてきたようだ。

(572m峰の山頂)


(572m峰付近は歩きにくい細尾根)


(南側の作業道を使って下りていく)

広くフラットな尾根は歩きやすく、踏み跡は無いものの、余計な心配をせずに歩ける。さて気になるのは南側にある柏木沢だ。おそらく立入禁止となっている林道がだいぶ近くまで登ってきているはずだ。南側を注視しながら歩いていると林道が見える。あれを使えばかなり楽になるのだが、とりあえずは尾根を行けるところまで行こう。林道を見ながら歩いていると林道脇に看板がある。緩やかな斜面を下って看板を見ると「おうれん試験地」と書かれている。「おうれん」をネットで調べると生薬の原料である黄連のことであるらしい。この辺りが黄連の栽培地であるならば、林道を立入禁止とするのは相応の理由があるといえる。

(フラットな尾根に出た)


(フラットな尾根は歩きやすい)


(林道脇の看板)


(林道 これが使えればサッキョ峠まで登るのは楽なのだが…)

尾根に戻り、更に進む。地形図に描かれている小ピークは実際に歩いてみると小ピークと感じないほどの高まりで、そこから下るとツリーハウスと重機が置かれた広場脇の鞍部に下り立つ。池田和峰氏はこの鞍部から更に尾根伝いに登って虚空蔵峠の南西にある長久保の山頂へと至ったという。鞍部からは北へかなり深い沢が下っている。池田和峰氏の記事には踏み跡がある旨記載されているが、自分はとてもじゃないが下る気にはならない。さてサッキョ峠に行くには林道を使ってしまうのが手っ取り早そうだが、入口の看板を見てしまった以上あまり利用したくない。そこで沢が大きく二つに分かれる辺りまで林道を使わせてもらって、後は沢に下りて詰めることにした。沢も私有地内ではあるが、林道を堂々と歩くよりはましだろう。

(鞍部へと下りてきた)


(ここを登り返すと長久保へと至る)

柏木沢に延びる林道は流石に歩きやすく、また緩い沢という地形の利点が十分活かされている。沢が大きく分かれる辺りには橋が架けてあり、林道も二つの沢に沿って延びている。橋を渡り、南東に延びる沢沿いの林道を進む。右下に見える沢が大分浅くなってきたので、沢へと下りる。沢には踏み跡もあるように感じるが、作業道あるいは獣道なのだろう。中心に多少枝や石が堆積するが、傾斜は緩く歩きやすい沢と言っていい。コンクリートで護岸された地点を過ぎると沢が二手に分かれる。コンパスを使って調べるとサッキョ峠につながる沢より一つ西にある沢であるようだ。左の沢を登っていくと再び沢が分かれる。おそらく右の沢がサッキョ峠へ取り付けるはずだ。

(少しの間だけ林道を使う)


(沢が大きく分かれる辺り 林道に橋が架けられている)


(沢へと下りる 中央部には水の流れがあるが、浅くて靴を濡らすほどではない)




(沢を登っていくとどことなく踏み跡らしきものもある)


(この奥で沢が分かれる 正面の沢を入るとサッキョ峠に至る)


(この沢は登らずに渡る)


(再び奥で沢が分かれる 今度は右へ)


(右の沢に入った辺り)

既に涸れ沢なので中心部を登っていくが、足元が崩れて歩きづらい。沢を詰めるにつれて傾斜もかなり急なものとなっていく。振り返るのも恐ろしいくらいだが、頭上には鞍部らしき尾根の撓みも見える。あと少し頑張ろう。太腿が攣りそうになりながらも登りきると峠の手前で林道に出る。立入禁止となっている林道が峠のすぐ下にまで延びてきているのだ。林道からは薄く踏み跡らしきものがあり、それを辿ると道標の裏手から尾根に出る。サッキョ峠に到着だ。時計を見ると追分からサッキョ峠まで70分強掛かっていた。初花集落から旧正丸峠へは登山詳細図だと70分となっているので、旧正丸峠経由よりは若干時間が掛かっている。単純に横瀬町から飯能市へと抜けるのなら旧正丸峠を使うのが早いということになるのだろう。しかしかつて虚空蔵峠とコカシアゲ峠ノクボの峠道を使って刈場坂や岩井沢の集落と結ばれていたので、初花から刈場坂や岩井沢へ行くのであればサッキョ峠を使うという選択があったのではないだろうか。しかも柏木沢は緩い沢なので、峠道を付けるには都合が良かったものと思われる。

(写真ではわかりにくいが沢を詰めるとかなりの急傾斜となる)


(林道に出た)


(林道の広い場所で一息入れる)


(峠の手前は何となく踏み跡があるようだ)


(サッキョ峠)


(サッキョ峠から横瀬町側を見下ろす 峠からだと林道があるのもわからない)

いくつもの峠道を経て正丸駅
サッキョ峠に着いたことで今日の目的は達成してしまった。さてどうやって下山しようか。サッキョ峠から飯能市側を覗き込むとかなり急な斜面が下っている。何やら薄く踏み跡があるようにも見えるが、これが単なる作業道なのかそれとも峠道の名残なのかは定かではない。ここを下るのは当然ながら無理なので、正丸尾根のハイキングコースをとりあえず旧正丸峠まで歩くことにする。サッキョ峠のすぐ南にあるピークは親不知と呼ばれているが、その名に相応しくかなりの急坂だ。途中木段が流失してロープが掛けられている。正直な話、山慣れない人も歩くようなハイキングコースとするには不適だろう。土留めの木段はお金が掛からない工事方法ではあるが、皆木段を避けて通るし、結局土砂も流失しやすい。いっそ大弛峠や榛名山の天目山辺りのように木製の階段を設置してしまったほうが良いのではないだろうか。

(サッキョ峠には飯能市側へ向かって何となく踏み跡があるように見える)


(微妙に九十九折があるようにも見えるのだが作業道だろうか?)


(親不知の山頂直下 木段が流失している所がある)

親不知のピークを越えると杉檜の林の中を歩きやすい尾根道が下っていく。こういった道ばかりならよいのだが、実際に歩くと随所に歩きにくい木段のある困ったちゃんなのだ。飯能アルプスはあまり好みでないと以前書いたことがあるが、それでも正丸尾根に比べれば酷くない。変化の乏しくわかりにくいアップダウンが多いことが飯能アルプスの問題点であって、むしろ道の付け方としては巻き道もしっかりと設けていてそれなりに歩きやすさに配慮されている。本来サッキョ峠周辺のほうが古い地形図にも道形が描かれるほどに古い道のはずで、この作りには首を傾げてしまう。一か所細い岩尾根があるが、あとは特別危険な所は無い。松茸山への分岐も延びる大グミを過ぎると木段で大きく下り、旧正丸峠に着く。

(親不知)




(大グミから牛立久保までは古い地形図にも載っている古道の一つである この辺りは歩きやすい)


(一か所だけ岩場の細尾根あり)


(唯一のビュースポット 左端に天覚山・大高山が見える)


(大グミ辺りまでは良い道が続く)


(大グミ)


(最低鞍部が旧正丸峠)

旧正丸峠に初めて訪れた10数年前には横瀬町側は深い笹藪に覆われていた。しかし年々藪は薄くなり、今では鞍部のU字も見えるすっきりとした峠になった。峠ノ沢の美しい渓谷美や歩きやすい九十九折、そして優美なU字形の鞍部といったように、旧正丸峠越えはバラエティに富んだ楽しい山歩きになるとおススメできる。ハイキングコースは旧正丸峠から正丸山へと木段を登り返すが、もう土留めの木段は沢山だ。峠道を下って一旦市道に出る。この峠道は本当に歩きやすく、初心者向きである。しかし本当は山慣れた人にこそ歩いてほしい。何度水害によって道を壊されても歩きやすさを維持し続けた知恵と努力が感じられる道なのだ。

(旧正丸峠 だいぶすっきりとした印象になった)


(旧正丸峠からは正丸峠ガーデンハウスへの道が延びていた 峠付近の平場はその名残だろうか?)


(峠道は歩きやすい 若干笹藪が濃い所もある)


(この辺りが松茸山への分岐となる)

舗装された市道に下りてからは現在の正丸峠へと向かう。峠ノ沢を使って正丸駅へ出てもよいのだが、まだ10時を過ぎたばかりだ。朝早起きしてやってきたのに2時間ばかりの山歩きでは流石に勿体ない。せめて長岩峠くらいまでは尾根歩きを楽しみたい。硬い舗装路歩きは足腰にくるが、ハードル状の木段を越えるよりは良い。旧正丸峠の入口から歩き始めて10分で正丸峠ガーデンハウスに着く。ここは何度も経営が変わったが、現在は営業中だ。元々は昭和初期に厚生道場という名の建物があったという所で、また古い地形図には旧正丸峠からここを通って大蔵山集落へと下りる道も描かれている。旧正丸峠の周辺を散策するとこの道の名残のような平場も見つけられる。

(正丸峠ガーデンハウス)

正丸峠ガーデンハウスの周辺はHPにもあるように奥武蔵の山にしては広葉樹が多い。1~2週間早ければ綺麗な紅葉が見られただろう。更に10分ほど登れば奥村茶屋の立つ正丸峠に着く。既に観光客がいて、意外と冬場でも賑わう所らしい。ここは古い地形図には何も描かれていないが、旧正丸峠よりも標高が低く、また谷の傾斜が比較的緩やかだったので、道路建設には適していたのだろう。地理院地図を見ると正丸峠の西に神社記号があり、何やら建物が立っているようだ。一度も訪れたことがないので寄り道をする。峠から川越山へ向かって石段を登り、尾根を進むとトレランのグループとすれ違う。これ以降、下山するまで10数人の登山者と出会った。ベンチのある所から西に延びる尾根に乗り、不安になるほど下ると結構大きな祠がある。何の神様を祀っているかは定かではないが、立派なものだ。



(正丸峠ガーデンハウス周辺は広葉樹が多い)


(正丸峠)


(峠からの眺め)


(神社への道 踏み跡は無い尾根だ)


(神社の祠 意外と大きな建物である)

神社の祠前からは巻き道が延びていて、それを使うと石段脇のロープの張られた辺りに下り立つ。奥村茶屋の裏から伊豆ヶ岳への縦走路に入る。細かなアップダウンや木段のある尾根ではあるが、正丸峠より北の尾根よりは格段に歩きやすい。20分かけて長岩峠手前にある小高山(現地表示では720m)に着く。地形図には描かれない山頂ではあるが、尾根が十字に延び、山頂であることが予想できる。この辺りの知識は「2万5000分の1 地図の読み方」(平塚晶人著 小学館)に詳しく書かれているので是非読んでいただきたい。小高山は二子山と甲仁田山が見られるビュースポットだが、冬場は木の間越しに武川岳や蔦岩山なども見られる。

(神社前からは巻き道が延びる)


(奥村茶屋裏手からは尾根上に良い道が延びる)


(土留めの木段は結構多いがステップが低く歩きやすい)


(のんびりと歩くのに良い道だ)


(小高山の山頂標識)


(冬枯れの時期は武川岳(左)が見える)


(小高山から見る二子山・甲仁田山)

小高山を下りると長岩峠に着く。峠からは名栗元気プラザへの道だけが下りていて、大蔵山集落へは大蔵山を経由しないと下れない変形した峠だ。目の前の尾根を登り返した所が大蔵山だが、峠道は山頂の少し下から延びている。踏み場が低く歩きやすい木段を下ると少しの間緩やかな尾根道だ。亀岩のある660m峰より遥か手前から南側斜面をトラバースしていく。亀岩が見られる雑木林の辺りはかなりの急斜面で下りは要注意。亀岩を過ぎれば傾斜がいくらか緩み、ふたご岩を経て分岐である実谷のふたまたに着く。昨年の台風で流された所はしっかり直されていた。整備の行き届いた大岩沢沿いの道を下り、馬頭さまに着く。あとは大蔵川沿いの舗装路を下るだけだ。30分弱で正丸駅に着いた。電車が来るまで15分とちょうど良いタイミングだった。今年は新型コロナウイルスの影響で思うように出かけることができず、埼玉県の山ばかり歩くことになった。その分、今まで歩いたことのあるスポットを深堀することができ、充実した山旅を楽しむことができたと思う。個人的には納得の行く山歩きができた一年となった。

(長岩峠)


(大蔵山)


(亀岩へ向かって下る)




(亀岩の前の雑木林 紅葉が美しい)




(亀岩)


(道の補修は終わっている)


(実谷のふたまた)


(大岩沢を下る)


(馬頭さま)




(大蔵川沿いの紅葉)

DATA:
芦ヶ久保駅(西武観光バス)長渕バス停7:57→8:01追分(旧名栗街道分岐)→8:32古峯神社→8:39 572m峰→9:25サッキョ峠→9:33親不知→9:50大グミ→9:54旧正丸峠→10:19正丸峠ガーデンハウス→10:32正丸峠10:42→11:01小高山11:08→11:09長岩峠→11:12大蔵山→11:23亀岩→11:28ふたご岩→11:37実谷のふたまた→11:45馬頭さま→12:10正丸駅

地形図 正丸峠

トイレ 道の駅あしがくぼ

交通機関 
西武池袋・秩父線 小手指~芦ヶ久保 471円 正丸~小手指 409円
西武観光バス 松枝行き 芦ヶ久保駅~長渕 178円

関連記事:
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 平成27年11月28日 高山不動から正丸峠
 平成28年4月23日 旧正丸峠を越えて甲仁田山
 平成28年12月25日 正丸駅から浦山口駅 ~武川岳と大持山~
 2020年3月22日 武川岳から松枝のザゼンソウ自生地
 2020年11月15日 虚空蔵峠の峠道を探る 芦ヶ久保駅から西吾野駅

本文中にもあるように柏木沢からサッキョ峠へ向かう林道は立入禁止となっています。
追分から古峯神社まではハイキング道が延びていますが、踏み跡が薄く、初心者の入山は控えましょう。
柏木沢は上部まで出れば傾斜の緩い沢となりますが、道はありません。
サッキョ峠と親不知の間は木段が流失している所があります。通過に不安のある人は旧正丸峠から虚空蔵峠の間の縦走は避けたほうがよいでしょう。


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