野老の里

奥武蔵をメインに日帰りの山歩きを中心としたブログです

奥武蔵へようこそ 平成26年3月16日 後編 朝日山と龍崖山

2014年03月19日 | 奥武蔵へようこそ
(燧山から大河原の工業団地を望む)

前編からの続き。

岩井堂を去り、県道195号を東に進む。尾根下バス停を過ぎて最初の信号を左に曲がる。成木川に橋が架かり、小高い丘の上に向かって広い舗装道路が延びていく。この先が美杉台の分譲地だ。みどり橋から見下ろす成木川は思ったよりも深い渓谷になっている。橋を渡るとすぐにあさひ山・ゆうひ山コースの入口がある。あさひ山・ゆうひ山コースは美杉台に住む人たちにとっての軽いウォーキングコースのようなものだ。今日は下はジーパンながらも山靴とザックを背負った少々物々しい格好をしている。ちょっと場違い感は否めない。

(みどり橋)


(成木川)

ステップの低い擬木の木段を登っていくと雑木林の静かな尾根が続く。雰囲気的には百草園や多摩動物公園のある多摩丘陵に似ている。ただあちらは団地や分譲地は既に完成している状態なのに対し、美杉台のほうは未だに分譲中の野ざらしの土地が残っているのが特徴的だ。美杉台は飯能駅から近いし、飯能駅から横浜方面へ直通となったので、これから売れる余地はまだ十分にあると思う。分譲地とウォーキングコースとは柵で仕切られていて、基本的に分譲地へは立ち入れないようになっている。でも分譲地は丸見えなんだよな。所々現れる木段を登り、少しずつ高度を上げていく。北側が広く伐採された小高い展望地がゆうひ山公園だ。あまり標高の高い所ではないし、今日は気温も高いので、正直大した展望ではない。ただ秩父からさいたま市方面まで広く見渡すことはできる。左端に割と間近に見られるのはクリーンセンターのある赤根ヶ峠と柏木山の辺りだ。右に目をやれば山頂部を突き出した天覚山が見える。天覚山の右に見える手前の高まりは龍崖山辺りのようだ。そこから尾根続きのように見えるのが朝日山周辺で芝草のあさひ山公園も見える。

(土留めの木段を登って)


(上部は雑木林になっている 意外に静か)


(野ざらしの土地 奥の方に大岳山が見えていたりする)


(ゆうひ山公園の展望台)


(赤根ヶ峠・柏木山方面 左端はクリーンセンター)


(天覚山)


(右背後に越上山が見える 右手前に見えるのがあさひ山公園)




(展望台からのパノラマ)

ゆうひ山公園から下り、住宅街を抜けていく。ややわかりにくい所もあるので、現地の案内板か飯能市発行の地図をよく見て歩いたほうが良いだろう。大きな西武バスの車庫が見えてきた。交通量の多い道路を渡り、車庫脇の車道を上がっていくとあさひ山展望公園の入口に着く。延々と続く階段とスロープの両方があるのだが、面倒なので、階段を上がっていくことにした。流石に息が切れる…。なんとか頂上へ上がると芝草の広場になっていて、中心には日時計が置かれている。地元の人なのか、憩っている人も多い。ゆうひ山公園よりもいくらか標高が高いのか、こちらのほうが眺めが良いように感じる。東側に見えるのは美杉台の団地と飯能市街地だ。南側には先ほどまで居たゆうひ山公園のこんもりとした小山がある。西側は奥多摩から秩父の山並みが見える。空気が澄んでいれば富士山も見えるそうだ。ゆうひ山からも見えたクリーンセンターの背後には赤根ヶ峠があり、奥には薄ら大岳山が見える。柏木山の手前にある広い野原は大河原の工業団地で、まだ空地が目立つ。柏木山の背後には奥多摩や大持山・武甲山などが見えている。右端に見える龍崖山の辺りは雑木林が多い。秋頃は結構綺麗な所なのかもしれない。

(西武バスの車庫 かなり巨大)


(あさひ山公園)


(公園上部の広場 奥は朝日山方面)


(クリーンセンターと大岳山)


(ゆうひ山公園を望む)


(武甲山)






(あさひ山展望公園からのパノラマ)

広場の奥には大河原・美杉台コースが延びていて、少し登った所に朝日山の三角点(213.3)がある。朝日山という名は元々は美杉台の北端にあった朝日山平等院に由来し、造成前にあったその寺の奥山を指していたそうだ。現在は平等院も無くなり(追記:現在も美杉台に建物はあるとのことです)、奥山は大河原・美杉台コースの一部となってしまったので、便宜上この三角点を朝日山と呼ぶこともあるようだ。

(朝日山の三角点)

往路を戻り、車庫のあった広い車道を西に向かう。この辺りはまだ空地も残る新しい分譲地で、クリーンセンターとローソンがよく目だつ。ローソンのある交差点を更に進むと大河原の工業団地がある。車道の向かいには赤根ヶ峠の尾根があり、ここまでは飯能駅からバスでも来られる。あかね公園を左手に見送り、スポーツ施設がある交差点を右に入る。この辺りも真新しい住宅街になっている。住宅街の奥にある山の麓に昨年出来たのが龍崖山(りゅうがいさん)公園だ。公園は谷間を上から東にある貯水池に向かって形成されている。上部にある展望地からは谷間の奥に天覧山と思しき山が見える。麓に見えるのはおそらく埼玉飯能病院であろう。能仁寺も見えるようだ。公園内は遊具や大きな滑り台などがあり、小さな子を連れた家族連れの姿が目立つ。ここでもボクの格好は異様だ。

(車道を歩く 左に見えるのは最終処分場)


(あかね公園 ここからも赤根ヶ峠に登れそうだ)


(龍崖山公園)


(展望台からの眺め)


(奥左の高まりはおそらく天覧山)

段々畑のような公園内には階段とスロープがあり、人に優しい設計になっていると言える。龍崖山の登山口は公園の一番下にある。芝生の上にグラウンドシートを敷いてピクニックを楽しむ姿を見るとこちらも思わず微笑んでしまう。登山口から見上げるとなかなかの急な斜面だ。ただ道は九十九折になっていて、比較的歩きやすいほうだろう。山頂へ行ってきたのか、親子連れが何組か下ってくる。ここも小さな子が多いなぁ。まあ危険な所が少ないとも言えそうだ。急斜面を登りきると尾根に出る。ここからはあまり急な登りは無い。杉檜の林から雑木林へと変わると道標が立っている。登山口から龍崖山の山頂へは1200mあるとされている。踏み跡がはっきりとしているから道標は距離表示としての意味しかない。

(龍崖山登山口)


(距離表示 結構あちこちにある)

造成地が辛うじて見える尾根道を外れて沢へと下っていく。奥武蔵の山では鞍部へ下ることはあるが、沢を横切るルートは珍しい。沢から登り返すと目の前が大きく開ける。ベンチが置かれ、御爺さんが一人憩っていた。奥の岩の上に燧山(234)と書かれた標識が立っている。眼下には造成地が広がり、遠くに目をやれば奥多摩や秩父の山並みが見渡せる。ここでも無骨な大岳山が顕著だ。その右隣にある優美な鈍角の三角形をした山は御前山だ。柏木山方面の右背後には大持山や武甲山もよく見える。

(沢を横切る 奥武蔵の一般ルートではあまり見かけない)


(燧山の展望台)


(大岳山と御前山)


(大持山と武甲山)


(燧山の標識)




(燧山からのパノラマ)

燧山からは土留めの木段が付けられた急斜面を下る。下りきると先ほどのような沢地形(追記:郭かも)に下る所がある。造成工事の関係であまり尾根に寄れないのだろう。沢から登り返すと富士山見晴台と書かれた道標が立っている。見晴台へ上がると先ほどの燧山からの眺めとそう変わりない。大岳山の左に富士山が見えるはずなので、燧山からよりは見易いのかもしれない。見晴台からは尾根上に踏み跡があるのでそのまま進む。登山道を仕切るロープを潜ると最後の登りだ。ロープに沿って少し登ると龍崖山(246)の頂上に出る。思ったより広い山頂で、伐採されたのか、なかなか眺めが良い。龍崖山は一帯を治めていた大河原氏の城であったと伝えられていて、以前から眺めの良い所として知られていたようだ。

(再び沢地形を歩く)


(富士山見晴台)


(見晴台からの眺め)


(龍崖山頂)

北側が180度開けていて、西側は遠く大持山から武甲山が見渡せ、その手前には伊豆ヶ岳辺りが見えているかもしれない。右に見ていくと山頂部がポコンと突き出す天覚山が顕著だ。この辺りでは一番目立つ山でランドマークに丁度良い。天覚山の手前には飯能グリーンゴルフ場も見える。尾根続きに右に行くと横手台・永田台の分譲地が見えてくる。その背後にある尾根はグリーンラインの辺りで、関八州見晴台や越上山などが見渡せる。北は間近に多峯主山が聳え、麓には幼稚園がある。そこから東へは天覧山への尾根が延びる。天覧山はあまり目立たないが、浄水場とライオンズマンションの建物が目印になる。

(左から大持山・武甲山・天覚山)


(奥に関八州見晴台と越上山)


(多峯主山 下に見える大きな建物は保育園と幼稚園)


(天覧山 浄水場の建物も見える)


(飯能市街地)


(横手台・永田台の分譲地)




(龍崖山からのパノラマ)

下山先は八耳堂に決めているが、道標には金蔵寺(こんぞうじ)のみを指している。現在、金蔵寺は八耳堂の少し東にある。八耳堂は金蔵寺(金蔵院)の建物で、金蔵寺自体が元々は八耳堂のある敷地内にあったそうだ。金蔵寺への道は土留めの木段が敷かれた急斜面となっている。川に向かって切り立っているというだけでも城跡の雰囲気がある。木段を下りきると道標があり、金蔵寺と八耳堂への道が分かれる。金蔵寺への道は遺構があるそうなのだが、今日は最短の八耳堂ルートを下りる。仕切用のトラロープが付けられた杉木立の急斜面を下っていく。傾斜が一旦緩むと再び金蔵寺への分岐がある。分岐からはまた急斜面となっているが、九十九折となっていて、思ったよりも歩きやすい。軍荼利神社の社が見えてくれば、八耳堂も近い。昨年大雨で溢れ出そうになっていた八耳堂のそばにある池は、今日は落ち着いた様子を見せている。

(金蔵寺分岐 龍崖山から八耳堂へは480mの距離しかない)


(再び金蔵寺分岐)


(おそらく軍荼利神社)


(八耳堂)

八耳堂の向かいにある道はドレミファ橋(吾妻峡)への近道だ。材木置き場の近くにドレミファ橋の入口がある。河原へ下ると早くも川遊びをしている一団と出会う。確かに今日は暖かいけれども、川の水はまだ冷たいんじゃないかな。前回来たときは増水して靴を濡らしてしまったドレミファ橋も今日は確り姿を見せている。橋の真ん中で立ち止まり、吾妻峡の流れを楽しむ。橋を渡り、住宅街の小道を抜けていく。ここまで来たらもちろん大里屋の四里餅を買いたい。店に入ると運良く出来立てを購入できた。永田大杉バス停で13:59発のバスをのんびりと待つ。久しぶりに良い山歩きになった。

(吾妻峡)


(ドレミファ橋)


(大里屋本店)

DATA:
岩井堂観音11:04~11:31ゆうひ山公園~11:48あさひ山公園~12:01朝日山三角点~12:21龍崖山公園~12:51燧山~13:05富士山見晴台~
13:07龍崖山~13:27八耳堂~13:34ドレミファ橋(吾妻峡)~13:43大里屋本店~永田大杉バス停(国際興業バス)飯能駅

国際興業バス 永田大杉~飯能駅(飯能駅行き) 200円

参考HP 大河原・美杉台/あさひ山・ゆうひ山コース 龍崖山公園 
      城跡ほっつき歩き 「埼玉の城館」→「飯能市」→「大河原城・殿屋敷」を参照
      飯能歴史散歩

トイレ あさひ山公園 龍崖山公園 八耳堂

地形図 飯能

七国峠・美杉台周辺ともに道はよく整備されていて、道標も要所に置かれ、初心者向きのコースだと思います。塩船観音からの道や大河原・美杉台コース、赤根ヶ峠などと組み合わせるのも面白そうです。

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