
そういえば、
映画全体の感想をまだ書いていないと思い出しました。
来週は、
身を慎んで、TVに齧り付かなければならないので、
記事の更新は滞りがちになるでしょう。
そのため、
今のうちに狂乱の更新は済ませておいて、
来週から二週間くらい、
写真だけ(笑)、
という構成にしようかとも考えています。
では、
感想です。
映画はもちろん良かった!
やったー!
って感じでした。
終わり。
という言葉で完結する素晴らしい映画でした。
ハイロー物語は、
作中で、井浦新氏演じる龍也が言う、
「永遠じゃない。無限だよ。」
というセリフに込められている思いが全てなんですよね。
永遠は、終わりはないけれど、
ムゲンは、
個々が終わっても、繋がっていく。
つまり、
人ひとり、は、永遠に生きる事はできないけれど、
ひとりが死んでも終わりじゃない。
というような、感覚。
映画1(「ザム」と呼ばれる一作目)で、
龍也を失った琥珀は、
「ムゲン」を失ったと絶望するんだけど、
ムゲンは失われていない!
って仲間が証明する話なんですよね。
この物語には、五つのチームが登場して、
それぞれに役目を持たされている。
第1作目、そして2作目、3作目で完結させた物語とは、
五つのチーム、SWORDのS、
山王連合会の役目。
ムゲンから山王連合会と、
名前は変わるものの、
引き継がれた根幹とは、
「無限だよ。」
という事。
人は、
別々の道を選んで離れてしまったり、
道を外れたり、
孤独に負けそうになったり。
一人一人の人生は様々なことがあるけれど、
仲間はあなたを見捨てない。
キズナは、ムゲンに広がっていくよ。
ということを、証明する物語を背負って、大きな物語を完結させたわけです。
その中で重層的に物語が仕込まれているのですが、
SWORDのW、
ホワイトラスカルズの物語は、
映画2、エンドオブスカイで終わり。
Rの、ルードボーイズと、
Dの、達磨一家は、
映画3、ファイナルミッションで一つの区切りがつきました。
そして、
残っていたのが、
Oの鬼邪高校なのです。
鬼邪高校のスピンオフ作品を作ることは、
映画1が終わった後に構想が始まったのではないかと推察します。
鬼邪高校に定時と全日がある設定は、
元々の設定なのか、途中なのかは不明ですが、
全日の設定を作ったのは、
ランページのためでしょう。
当時、未成年の多いこのグループで、
「花より男子」
「花ざかりの君たちへ」
的な物語を作る土壌を挿入したのでしょう。
結果、それは、
「PRINCE OF LEGEND」という作品で先にロールアウトしたわけですが。
とにかく、
学園枠を維持するために、
映画2、3では、
鬼邪高校全日を引っ込めた。
そして、
メインの、
鬼邪高校のアタマである、
村山が背負っている物語。
高校には、卒業があるけれど、
鬼邪高校の定時には卒業がない。
でも、この学校で初めて生まれたトップ、
村山は、
卒業を考えているのです。
それは、
映画1のラスト、エンドロールで、
鬼邪高校に戻り、
定時、全日、全員で勝利を喜んでいるみんなに背を向けて、
一人笑顔の消える村山。
というシーンが、
この物語の終わりを暗示していました。
逆の視点では、
もし、
鬼邪高校スピンオフ映画が作られるのなら、
村山の卒業物語しかないのです。
関役の一ノ瀬ワタルさんが、
最新映画(ザワ)を撮影する一年前に、
脚本の平沼紀久氏から、
鬼邪高校映画を作る約束を取り付けた!
と、喜ぶツイトをされていて、
今回の脚本を読んで怒った。
という話をなさってます。
下克上を目指して鬼邪高校を盛り上げ、
映画作ってもらうこともできて、
喜びと達成感に包まれていたのに、
蓋を開けたら、
村山の卒業ですから、
怒って当然です。
彼は、村山を卒業させるために頑張ったんじゃありません。
でも、
映画を作るなら、
村山の卒業。
という路線は、決まっていたと思います。
それに、
鬼邪高校の主人公、
村山と、
古屋と関。
このメイン三人は、
映画実現化する頃、
もう、三人集まり、作品を作るのが難しくなっていた現実。
村山役の山田裕貴くんは、
朝ドラと重なっていたし、
古屋役の鈴木貴之さんは、
渡英が決まっていたでしょう。
そして、
定時の団地戦で、
村山に、関がいない理由を問われて古屋が答える。
恐らくアドリブのこのやりとりは、
映画「宮本から君へ」の主人公役、池松壮亮氏が舞台挨拶で明かした、一ノ瀬ワタルさんのエピソードと重なります。
山田裕貴くんは、
ハイローは、自分の人生、今考えていることとリンクする事が多いと語っておられますが、
正にこの映画撮影時期も、
彼らの置かれている現実とリンクしていたのかもしれません。
そういう意味で、
真っ当な終わり方をした映画でした。
この映画が、髙橋ヒロシ先生とコラボし、
脚本も髙橋先生メインの案が多く描かれる中で、
ハイロー側として、
平沼氏が、これだけは譲れないと出したのが村山卒業だったし、
髙橋先生も了承されたという話です。
そして、
髙橋先生も、村山のキャラクタを大変気に入られて、
村山に負けないぞ、
という意気込みで新キャラを作っていったというエピソードも聞こえてきました。
轟役の前田公輝くんのインタビューで、
ハイローのアクション現場は、
一つのアクションを撮り終えてカットがかかると、
スタッフ、役者さん全員が拍手してくれる。
という話をされていました。
ドラマ・シーズン2
村山vs轟のタイマンシーンでは、
村山を応援する定時の面々。
轟を応援する全日の面々。
このたくさんの役者さん達に囲まれてのタイマンだったのですが、
シーンをみると、
たまに、
応援している面々が映るのですが、
もう、ギンギンに応援しているわけです。
恐らく、声が入ってはいけないので、
無言でしょう。
でも、
目で応援し、
体で応援している。
そして、
カットがかかればあの全員が祝福する。
これが、鬼邪高校。
だから、
村山の花道は、
校舎の中庭から校門へ続く道であり、
舞い降りる紙吹雪と、
定時の面々の祝福の声に包まれて、
村山は笑顔で卒業していきます。
定時の三人と括られる、
村山、古屋、関の三人は、
役者さん同士も物凄く仲良くなって、
役なのかプライベートなのか、
境界線が曖昧になっている姿をファンに見せていたのですが、
この映画では、
彼らの中の良さもちゃんと収められていますし、
定時の三人が揃えば、
たった三人でも、
束になってかかっても敵わない強さ。
レベルが違うとわかる。
新キャラの面々が、
プルプル震え上がったというアドリブの嵐は、
体育館のシーンでしょう。
村山役の山田裕貴くんは、
後のインタビューで、
村山は、戦わねーよ!ばっかり言ってるんですけど、
と仰ってますが、
あなたアドリブで、
脚本のたたかわねー言ってないから!
という出来でございます。
アクションも最高!
冒頭の、
村山vs轟のタイマンシーンも、
アタマがおかしいし、
団地戦でも、
全日とは次元の違うレベルで暴れ回ってる。
新主人公・楓士雄役の川村壱馬くんに、
託した、託したと山田裕貴くんが言うのですが、
つまりは、
次映画やるときは、
楓士雄と轟のタイマンシーンやればいいじゃん。
おんなじくらい、アクションすれば良いじやん。
という「託し」ですよ。
SWORDの五つのチームと、
五つのアタマ。
Sのコブラは、
三つの映画で物語の終着点が描かれ、
Wのロッキーは、
緩やかに着地し、新天地に向かう。
Rのスモーキーは死に、
Dの日向は、
復讐を昇華させ、
次に何をするかという仲間の言葉に答えない。
現在、
ハイローの好きなキャラ・ランキングを開催すれば、
必ず、
窪田正孝氏、林遣都氏、山田裕貴氏がワン、ツー、スリーです。
スモーキー役の窪田正孝氏は、
スモーキーが死んでしまったので、
二度と登場することはないし、
日向役の林遣都氏は、
「おっさんずラブ」の続編に出演しなかったのと同じ理由で、
ハイローには帰って来ないでしょう。
そして、
今回の村山の卒業で、
ハイローは、
人気キャラトップ3を失いました。
これからどうなるかは未知数ですが、
この映画がきちんと完結させた物語は美しかったです。
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