見上げれば星の海R

宝塚は花組&月組、歌舞伎は猿之助(二代目亀治郎)
イチオシ俳優は高橋一生
元同人描きによるインドア生活日記

宝塚宙組「クライマックス―Cry-Max―」その2

2012-07-29 10:19:34 | 舞台
<その1>のつづき

ローズ・ラメント~Cry-Max~
フラメンコ・ギターがかき鳴らされる。スパニッシュ好きにはたまらないイントロだ。
冒頭に登場したコロスたちが、赤と黒の衣装に身を包み、またも力強いコーラスで不可思議な世界に誘う。
ここのすみかちゃんの色っぽかったこと! まさしくカルメンが憑依したよう
可憐な娘も大人の女も演れちゃう。やっぱり好きだったなあ、すみかちゃん・・・
ゆうひくんのホセも前髪がふわっと下りていて、戸惑う瞳が可愛いくもありセクシーでもあり
テルのエスカミリオを交えて、ナイフで刺したり刺されたりするこの場面は、意味がよく解らないという声をよく聞いた。
私も全く解ってなかったけど、まあ曲も振付けもカッコイイからいいじゃん!で済ませてた。
ドロドロ好きよ~? 谷山浩子フリークは
ともちんファン的ツボは、エスカミリオの腕を掴んで止めようとするも振り払われて、さらにホセにはぞんざいに肩を払われるという、可哀相なところ
でも却って、「ゆひさんから触ってもらえたぁ」と喜んでたりしてなー

不満は頭に巻かれたターバンぐらいかな。「カルメン」といえばジプシーだししょーがないのかもしれないけど。
髪の毛って男役の魅力・色気を引き立たせる武器の一つだと思ってるから、それを全面覆い隠してしまうので惜しいなと。
あんまり好きなアイテムじゃない。人によって似合う似合わないがはっきりしちゃうしね。

真紅に染め上げた空間と、無音の闇が、コロスの「クラーイ!」の歌声で切り替わる。
ちや姉、真骨頂を見せてくれたよ・・・
死から再生した後の、総踊りがカッコ良かった! 振り数は多いし激しいし、時間も長いから組子達は大変だったと思う。見応えあったなあ

フィナーレ~Galaxy~
導入部はドヴォルザークの「スラブ舞曲」。ちょくちょく耳にする度にイイナ~と思っていた曲。作曲者もタイトルも知らなかったから、これを機に知ることができて嬉しい。
「世界中の星を 集めて・・・ 」という歌詞にキュンと来た。ゆうひくんの儚げな佇まいにうっとり
すみかちゃんが大階段上に登場し、上位体反らしを魅せる。
この時ちょうどゆうひくんが銀橋に出て来るので、どうしても観客の多くはそっちに注目してしまっていて、すみかちゃんがちょっと可哀相だったな。
二人の紫がかった青いお衣装が素敵
デュエットダンスが中盤にさしかかると、大階段上に男役の一群が現れる。
ライトは当たらないので姿は薄暗い。
トップコンビの呼吸に合わせるかのように、一歩ずつ、一段ずつ下りてゆく。
音楽の背後で、階段上の動く音だけが聞こえて、次第にフォーメーションができてゆく。
儀式のようだった。

抱き合ったままトップコンビがセリ下がる。この時、すみかちゃんの肩口に頭を預けるようにしていたゆうひくんの表情が忘れられない。安心して眠りについた子どものような顔。
ゆうひくんが自由に動けるように、今まで包み込んでくれていたのはすみかちゃんだったんだなあ。ずっと年下なのにね。いいコンビだったよ~

そんな二人の作り出した神聖な空気感の中、黒燕尾の男役の群舞が始まる。
「ある種、神懸かっているような状態」だとともちんが言っていたのも納得。
息が苦しくなるほど荘厳で、圧倒された。いっときも目を離してはいけない気がした。

曲はベートーヴェンの「月光」。ギターのアレンジがカッコイイ!!
振付けは羽山 紀代美先生。さすが男役の色気を良く解ってる。
腰の緩やかな動きと、顔の前で手をクロスする振りに毎回撃沈してました

ゆうひくんがセリ上がって来てからは、恍惚感までもがたゆたう空間となる。
また群舞も揃ってるんだこれ。ビシーッ と。気合いが違う。
幾つかのグループに別れて、走り抜けるように踊りながら(←かなりテクニックが要ると思う!)ゆうひくんに別れを告げてゆく。泣かせる~
時間にしたら一瞬なんだけど、お互いの視線の絡み合いが熱いんだよね。瞳で色々語っちゃってるんだろうなあ。

退団者3人のエトワールが歌い始めた時、その美しい声に癒されながら、夢の終わりが来たことを実感する。

ゆうひくんとすみかちゃんが中心に居る宙組が大好きだった。
間に合って本当に良かった。幸せな時間をありがとう。

このショーは、佳作であるとは言い難い。
それでも、観客に楽しんでもらいたくて、力いっぱい表現しようとしてくれた組子達に感謝だ
虚構の王国で生きている彼女たちの方が、我々よりよっぽどタフだね。

宙組を離れていく人、宙組に残る人。
歩む道を照らす光が、この先もどうか翳りませんようにと、祈らずにはいられない。

コミ○に行かない夏

2012-07-28 15:09:49 | 日記
私が最後にサークル参加をしたのが、’07年の夏である。
以降は「買う方」に専念して、昨夏まで毎年一般参加をしていた。
(冬は数年おきで。寒いから←オイ!)
何の力にもならない継続だけど それが今夏で一旦途切れる。

第一の理由が、再来月の遠征を見据えての節約。
第二の理由が、今、ハマッているジャンルが無いから。
ハガレンもJINも終わっちゃったからね・・・
宝塚舞台化で銀英スペースが盛り上がっているとも思えないし。
唯一の萌えの対象であったゆひとも(真の意味ではともゆひ)も解散しちゃったしなあ。
(そーゆー本はついぞ見かけなかったが
喉から手が出るほど、新たなる萌えが欲しい

オタ○的にも、女子的にも、虚しい夏を過ごすことになりそうだ

宝塚宙組「クライマックス―Cry-Max―」その1

2012-07-23 21:55:45 | 舞台
作・演出/三木 章雄

プロローグ ~Last Waltz~
静寂を破り、第一声を上げたのはコロス達。
「Cry,Cry,Cry,Cry,クラーイ!
お芝居『華やかなりし日々』ではトンデモトップスター(笑)へディ・ミラーを怪演したあゆみ姐さん(鈴奈 沙也)が、歌巧者の面々を率いて歌い上げる。
圧巻の大声量に、これは次のシーンも期待できそうだぞ とワクワクしていたら・・・
・・・続いて流れてきた音楽は、穏やかな三拍子だった 正直ガクーッとなった

が!場面自体は良かったよ。
(三木先生、相変わらず場面転換の繋ぎ方が下手だなあ
一人で歌うゆうひくんの周りに、テル,みっちゃん,ともちん,すっしぃ組長が順番に現れて、共に踊り始める。
今の宙組を――ゆうひくんと組子達の絆を表現するようなダンス。
走馬灯のように思い出が甦るというのは、こういうことを言うんだなあと思った。
胸にじわじわ来た。

一旦4人がハケて、トップコンビだけが残り、ラスト・ワルツを踊る。
「もう一度ワルツを 」のリフレインが寂しさを誘う。
もう一度と願っても、それは二度と叶わないのだ。
寂しくて泣きそうになってしまったところに、組子全員が終結!
一気に舞台が明るくなる
そして、客席参加型「L・O・V・E,Y・O,YUHI! 」へ(爆)
昭和のノリがどうもこっぱずかしく、なかなか羽目をはずせないでいたのだが、某会総見にて解き放たれました
「もっとやってー!とアピするゆうひくんが可愛かった
ところで、暗転後は全員手を繋いでハケていたそうですね。男役同士でも気持ちは相手役なのね(笑)
私は2階席ばかりだったから全然判らなくて。目に収めることができた方々がうらやましい!

ラスト・アリア~Opera Max~
青年士官のテルが、すっしぃ将軍の奥さんであるすみかちゃんを“略奪愛”するシーン。
タカラヅカ往年のパターンであるが、人妻なすみかちゃんが麗しかったから許す
真っ白でふわっふわのドレスが、羽のように彼女の軽やかな踊りを際立たせていた。
テルの白い軍服姿は、おハル(スミマセン、自分はラインハルトのことをこう呼びます)の予行練習だよね?
端正な顔立ちとスタイルの良さは文句ない ヘロヘロ気味の声がなー、ちょっと、いやかなり惜しい。
二人が踊っている時に流れる影ソロが、凄まじく巧かった!
今度プログラムを立ち読みして誰が歌っていたのか確認してこよう。(←買えよ)

ロスト・イン・ザ・スターズ(星影に消えた)~Jazz Max~
“ボス”という役どころを意識したのか、みっちゃんの歌が2曲ともドス効いててのけぞった さすがの歌唱だったけど。
ANJU先生振付けの、ビリヤードのキューを使った踊りが見せ場―――なのは確かだが、それ以上の見どころが、各カップルの濃厚な絡み具合
【一例】→背後から、首筋に唇を這わせながら胸をまさぐる。ビリヤード台に押し倒して×××・・・
しかも毎回さじ加減が気まぐれなので、余計目が放せないという(爆)
オペラグラスで追っていると、まるでのぞ○でもしてるような後ろめたい心持ちになっちゃったりもした

後半の、上手に男役、下手に娘役、と別れてそれぞれトライアングルで踊るところがカッコ良かった!
ここではただのともちんファンとなっていた
黒地に白の縦縞スーツを着せたら右に出るものはいないな! ダイナミックな動きをする時の背中がイイ!

勝負に負けて打ちひしがれ、ジャケットを相手に踊るゆうひくん。
この、無機質相手に踊る姿が異常にセクシーなの。ご馳走様でした

ソワレ・ド・巴里~Revue-Max~
さて、私が3ヵ月前に「10円」と評していた中詰である。辛口だよ?準備OK?!
まずお衣装がダセェ。パリだからといって何もトリコロールカラーで揃えんでも。
次に曲が古い。今さらな「モン・パリ」。いや悪かないよ。悪かないけどさ、何も中詰で使わなくてもいいじゃん?
さらにセットがちゃちい。エッフェル塔のハリボテと安っぽい電飾に呆然。
とどめは、振付けが最悪。みんなが一斉に、同じ方向に同じ動きをして揺れてるだけ。
おまけ。構成が古い。またカンカンかよ、香港公演の頃から変わってねーじゃん三木先生よ・・・
(ガラが悪くて申し訳ない
すみかちゃん率いる娘役は何も悪くないの! 弾けてて可愛いカンカンだったよ~

ゆうひくんが「何にも したくない 」とゆー驚愕の歌詞で歌い始めた時には、気持ちは解る!と思ってしまった
ともちんもせっかく銀橋ソロをもらっていたけど、白いジャケットに明度の低い水色のシャツ、という出で立ちがどうもぱっとしない。似合ってなかったなあ
ピンク系のジャケットを着こなしてた大ちゃんはさすがだった。歌わなかったらもっとカッコイイんだけど(←オイ!)
でも、5人口とはいえ、銀橋上の滞在時間(笑)が長かったからお得だよね!

ゴスペルバージョン「水に流して」は、ダンサー揃いのワンシーン。これは良かったよ。
れーれの弾むようなダンス が印象に残った。ゆうひくんは出ずっぱりで歌ってたからしんどそうだったなあ。
しんどそうなところもまたそそられるんだけどね 組子も頑張って支えちゃうよね!

<その2>へつづく

宝塚宙組「華やかなりし日々」その3

2012-07-15 14:06:17 | 舞台
<その2>のつづき

事態は急展開する。
ニックが恋人のキャサリン(as 愛花 ちさき)にプレゼントしたネックレスから足がつき、それがイミテーションであると判明してしまう。

これは私の勝手な解釈なんですが・・・。
ニックはさ、少し寂しかったんじゃないのかな。
ロナウドは自分を弟分として受け入れてくれたけれど、心の裡は見せてくれなかったから。ロイのことも。劇場を欲しがる理由も。
仕事道具の宝石を贈ってしまったのも、愛する女性を幸せにすることで、一人前の男としてロナウドに認めてもらいたい、という気持ちがどこかにあったんじゃないかな。
結果、ロナウドを追い詰めることになってしまって、きっとひどく後悔しただろう。だから、アーサーに揺さぶられても決して口を割らなかった。
みっちゃんは熱い芝居を見せてくれる 歌にもますます磨きがかかったんじゃない?

結局、状況証拠しか掴めなかったアーサーは、ウォリスキー邸へ乗り込み直接対決に出る。
ロイの遺した写真を突きつけ、
「彼が金の無心に行った相手はアレクサンドル・ウォリスキーではなく、ロナウド・フィリップだった――貴方の本名です」

アーサーの手から、古ぼけたコインが跳ね上がり、宙を舞う。
「彼は、これを握り締めて死んでいました」
チェックメイト。
「…ロイ――!!」
ついにロナウドは陥落する。
肩を寄せ合って過ごした親友を脅し、施しを受けようとした自分を恥じて、ロイは自殺したのだ。(と私は思う)

しかしそれでも、稀代の詐欺師は不適な笑みを浮かべる。
フォーリーズの初日まで一週間。ここでスポンサーの自分が逮捕されたらどうなるか。
「貴方の彼女への想いを、とくと見せてもらいますよ。敏腕刑事さん…?」
やっと闇の社会を生きる人間らしい姿を見せてくれたよー

「さあ、もうすぐだ 」と歌い上げる、
【上手】ウォーカー市長とその愛人・ジョセフィン(as 藤咲 えり)
【下手】グラント一味
【舞台中央】フォーリーズの面々
の3グループのセッション。
このシーン好きだった! ミュージカルみたいで
いや、ミュージカルなんだけどさ。他にそれらしいシーンが少なかったから・・・。
(ジーグフェルド経営陣が歌った『プラーイド~ 』ぐらいかな?)
厚みのあるコーラスに呼応するかのように、客席にも高揚感が広がる。

要するに、アーサーが折れたのだ。
逮捕を初日まで待つことに。終演と同時に連行する手筈となっていた。

カーテンのこちら側が舞台裏という設定で、オーケストラの音合わせが聞こえてくる。
この音はいよいよ始まるという臨場感があってワクワクするねー!

開演直前、何も知らないジュディはロナウドに抱き寄せられていた。
「ずっと、傍にいてくれるわよね?」
「ああ。愛しているよ」
ここは何度観ても複雑な気持ちになったな・・・

幕が上がる。
そこに描き出されたのは、ジュディとロナウドが夢見た光の世界
純白の羽根とドレスが眩しい。
すみかジュディの鬘は縦ロール付きのが好きだった。百千 糸ちゃんの鈴を転がすような歌声にうっとり~

気がつくと、客席には、真っ赤な薔薇の花束を手にしたゆうひロナウドが佇んでいた。
(1階後方の扉から入り、センターブロック下手側の通路を進み、4列目付近で立ち止まっている)
舞台の上のジュディを、本当に愛おしい瞳で見てるの。
一度だけ5列目で観劇した時、その表情を見ただけで泣けてきた。

銀橋に上がり、中央まで歩を進めると、足元に花束を置く。

割れんばかりの喝采。ジュディはマンハッタンの光の一つになった。
ロナウドは微笑んだまま、こちらにポーズを決めてみせると、闇の底へ下りて行った――

市警は、まんまとしてやられたのだ。会場は騒然となる。
「ジュディの奴、オレのことばかり見ていやがった… 」(←自分が観た中ではこれがいちばん好き)などとすっかり骨抜きにされたキングを、ビリーたちが腹いせに連行しそうになったりと、もうぐちゃぐちゃ(笑)

蓋の開いたマンホールを発見したと、同僚の報告が遠くで聞こえる。
アーサーは、通路に置かれた薔薇の花束に気づき、駆け寄る。
(お前が拾うんかい!と全観客が突っ込んだだろう)
「・・・まったく、たいした奴だよ・・・!」
苦笑いよりも一段明るい顔で笑う。銭形警部よろしく、世界の果てまで追いかける気かも?

で、最後まで騙されたことに気づいていなかったのが・・・フォーリーズの主宰者である(爆)
ゴールドのジャケットでキメたキングの後ろで、「何なのこの人。近寄るのやめとこ」って感じで引いてるのが「らしく」て良かったわ
思うんだけど、彼は後日詐欺に遭ったのだと知っても、ロナウドのことを恨みはしなかったんじゃないかなあ。形はどうであれ、夢を紡ぐのに力を貸してくれたわけだから。

ジュディは・・・泣くだろうね。どう好意的に受け取っても裏切られたって思うよね。
ニックの処遇についても置き去りだし。
原田先生には、この胴体着陸のようなラストを大いに反省していただきたい。次回作は頼みますよ?

「結局残ったのは、これ一枚きりか」と、5セントコインをひらめかせるロナウド。
だがその表情は清々しい。
対岸の摩天楼を見つめながら、ブルックリンの川岸を歩く。

笑って泣いて 愛して生きた日々 悔いはない、忘れはしないさ
この歌にはグッときた。サヨナラ色が薄い作品だったから、不意打ちを受けちゃったよ
ゆうひロナウドの笑顔が、柔らかくて。穏やかに、もう遠くを見ている。

思いついたようにコートを脱ぎ、肩にかける。
こちらに背中を向けて、軽やかな足取りで歩を進めてゆく。ついに振り返ることは無かった。

ロナウド・フィリップはどこへ消えたのか。
誰も知る者はいない――――

宝塚宙組「華やかなりし日々」その2

2012-07-14 16:10:44 | 舞台
<その1>のつづき

アンナが引き抜かれたことを、フォーリーズサイドは新聞記事になってから知る。
「どーして今まで気づかなかったんですか、貴方の奥さんでしょう!?」と詰め寄るピーターの容赦なさがツボ
そういえばせーこアンナは、夫を「あの人は夢を見過ぎなんですわ。仕事にも。結婚生活にも」と評していた。結婚生活に夢を見過ぎって・・・何か変なプレイでも強要されてたのかしら

そんな夢見る興行師は(笑)、もうお終まいだと頭を抱える。
右往左往するうちにチャップリンよろしく踊り出したり、そのアタフタっぷりが面白過ぎた 代役に大女優を呼ぼうと思いつくが、
「グレタ・ガルボはどうだ?」
「彼女はソプラノ歌手ではありません」
「マレーネ・ディートリッヒは?」
「・・・英語が喋れません」
いちいちピーターに否定される。もう、可哀相で大笑い

今いるコーラス・ガールの中から「ポーラ(as すみれ乃 麗)はどうです?」と提案するピーター。
どうやら二人は両想いみたいだねー。後のポーラとジュディの楽屋女子トークと相まって微笑ましい。

ほとほと困り果てたところに、ウォリスキーとしてロナウドが現れる。
「(やがて自分の物になるこの劇場の)下見に来たんですか?」とマネージャーの後ろに隠れる伝説のプロデューサー。
・・・隠れてないっての(笑)

ウォリスキーが連れてきたジュディを一目見るなり、ジーグフェルドとピーターは驚く。
彼らもオーディション時の彼女を憶えていたのだ。

かくして、ジュディはトップスターとして抜擢される。だが周囲のやっかみは防ぎようもなく、ある日嘘の稽古時間を教えられて遅刻をしてしまう。
振付師のジェームス(澄輝 さやと)に叱責され、ウォリスキーに稽古風景を見てもらおうとしたジーグフェルドにも不興を買う。
まあ、あっきーのジェームスは元々S設定っぽいんだけどね 厳しいところがまたステキ。
ジーグフェルドは怒ってるというよりも、頼むよー?と言ってるような感じだったけど。
「アンナ以上ですよ!」とジュディを絶賛していたしね。
ここの、連れ立って歩くジーグフェルドとロナウドとの身長差にまた萌えたわ~
ちょうどいいのよねー(←何に) 10cm以上はあるように見えた。いいのか、ともちんの実寸は18Xcmだから(爆)

嫌がらせを受けることはよくあるのかとウォリスキーに問われ、
「・・・たまにねっ」と答える強がりジュディ が可愛かった。
ウォリスキーは、自分も昔よくやられたが庇ってくれる友人が居たと言って、一枚の5セントコインを宙にひらめかせ、再び手の中に収めてみせる。
「あいつも、今でも持っているはずだ」
えーと、ロシア貴族の末裔様にそんな経験があるのはおかしいよね。綻び出まくりです

必死にこのチャンスを掴もうとするジュディは真っ直ぐで、もちろん魅力的なんだけど、すみかちゃんの北島マヤ的な憑依型演技力を活かしきれない役でちょっと残念だった。
つか、ジュディの台詞がいまいち陳腐なんだよなあ。
「やめて頂戴!」「私には、虫ケラにしか見えないわ!」とか、「やっぱり貴方もグラントと同じなのね。愛人になるのはお断りよ」だとか、とどめは「私は貴方のおもちゃじゃないわ!」(←ン十年ぶりに聞いたかも
原田先生は意識的に書いてるのかなあ。単にセンスが古いのかしら・・・

ロナウドは、ジュディをマンハッタンの夜景が一望できる川岸へ連れて行く。
(この書割り、夜景よりも光を反射する川面の色がすごくキレイだなあと思った)
そこでアレクサンドル・ウォリスキーは偽名だと、過去をすべて告白してしまう。
「ハドソン川をを北上したんだ。20年かけてね」
だから君も自分に魔法をかければ良い。そうすればあのマンハッタンの光の一つになれると。
この「20年」は、ゆうひくんの宝塚人生と重なって感慨深い。

ここのキスシーンがね~。一度寸止めして、わずかに間をとって、本番に臨むゆうひくん。どうよ?(爆)
リアルでエロい・・・研究し尽くしてるよなあ。

一方、市警では偽造為替と宝石詐欺事件の捜査に本腰を入れ始める。
アーサーは未だロイの死を追求していたが、一連の捜査に目を向けざるを得なくなる。

そんな折、ジュディの楽屋でアーサーとロナウドが鉢合わせする。
ジュディとアーサーは、同じ孤児院で育った幼なじみだったのだ。

この幼なじみの再会シーンは結構お気に入り。
自分は昔と何も変わっていない、と言うジュディの鼻をつまんで、
「鼻っ柱の強いとこだけはね!」と返すアーサーが可愛かった。うんうん、照れ隠しだのう、青年。本当はジュディが綺麗になって見惚れちゃったんだよね!
組替え後3作目にして初めて、テルの役に共感できたよ。テルも何だかんだと成長したんだなあ

アーサーの口からロイの死を告げられたロナウドは、必死に平静を取り繕うが、ジュディに花束を手渡すやいなや早々にその場を辞す。

ひらりと、花束からカードが翻って床に舞った。
何気なく拾い上げたカードに目をやり、アーサーは驚愕する。
そこに書かれていたサインは、古ぼけた写真にあったものと同じ。
“ロナウド・フィリップス”―――

もぉっ、だから言わんこっちゃない
再三突っ込んでるけど、天才詐欺師にしては脇が甘過ぎるんだよ~!!
<その3>へつづく