見上げれば星の海R

宝塚は花組&月組、歌舞伎は猿之助(二代目亀治郎)
イチオシ俳優は高橋一生
元同人描きによるインドア生活日記

GW初日に花組を<後編>

2014-05-29 18:55:22 | 舞台
<前編>のつづき

ミナとの新居になるはずだった、海辺の屋根のない家。そこにモンローはキャサリンを連れて訪れる。
ほさちちゃんのリアの声で「木馬があるわ…」という台詞が頭に浮かんだのですが、どうやらこちら側には無かったようです(爆)
二人はお互い自慢できない過去を語り合い、殻を取りはずして打ち解ける。

みりおちゃんのブレーディーは、モンローの才能に嫉妬していたのかな。自分が育て上げたのにね。だからこそか。
ブロンソンに上手いこと言ってユニオン設立を認めた辺りから、ああ、やっぱり最後はこの人がブロンソンを唆してモンローを撃ち殺させるのね、と思い込んでいたのですが、違った。(←またか
髭は予想していたよりも似合ってたよ。あとは貫禄だねえ。

ユニオンの要求を受け入れる形で、ブレーディーはモンローを解雇する。
喜びもつかの間、返した手でユニオンは解散を命じられ、結局キャスト・スタッフたちも解雇されてしまう。
自らを追い落としたスタッフたちを映画を愛する仲間として再び招集し、再起を図るモンロー。その中にボックスレーの顔があるのも微笑ましい。
成功を確信し、モンローはスポンサーを求めてニューヨークへ旅立つ。白い空へ。

暗闇の中に、照明を点けてくれ、とモンローの声が響く。
パッと照明が点く。モンローは一人、映画館の座席に腰かけている。
「ありがとう」
この、スタジオのスタッフをねぎらうような言い方が好きだった

ラストシーン。
紗幕の向こうで、モンローを失った仲間たちが映画を撮っている。
一人の黒衣の女が、ストーブで手袋を燃やしている。

これにはやられた。

『失われた楽園』でも、オープニングのショーがスローモーションで(←ここポイント)再現されていたことを思い出す。
どちらも本当に映像作品に見えてきて、泣ける。

蘭とむの最後の作品がスーツもので良かったと思う(トップに就任してからコスプレものが多かったから)
男役の身体の線を堪能できるし、スタイリッシュな芸が光るしね。何よりスーツでのダンスはカッコイイ!

さてさて、ショーは『TAKARAZUKA∞夢眩』
脚本・演出は齋藤吉正先生。

緞帳のデザインからサイトー節炸裂です。
描かれているのは、「宝」「塚」「夢」「眩」の文字がそれぞれ入った四つの珠。
八犬伝か、と突っ込んだ人は少なくあるまい。

ここで同行者のMちゃんが、いきなり「紫龍の必殺技って何だっけ?」
と聞いてくるから、即「廬山昇龍覇!」と答える私。
そこからアンドロメダ瞬の話になり、「ネビュラチェーン・クロスオープン!」とか言ってたら、とある場面でさお太組長(高翔 みず希)が鎖巻いて出て来たから噴きました(笑)

閑話休題

オープニングの、全身ピンクのお衣装のみりおちゃん。
よく見ると、両手の指先が、な、長ーい!
SPIDER~」と歌ってるのを聴いて、あ、クモなのね、と納得。
みりおちゃんは、こーいう昏い煌めき が似合うんだよなあ。トート様はぴったりかもね。

みつるくん、だいもん、キキ(芹香斗亜)の三人がメインのシーン。
何故か歌は昭和の懐メロ V・A・C・A・T・I・O・N~」
三つの大きな貝を釣り上げまして・・・。
パカッと桃が割れると貝が開くと、三人のマーメイドが入ってました。そんなバカな
蘭はなちゃん、べーちゃん(桜咲 彩花)、華雅 りりかちゃんのマーメイドなコスプレが可愛すぎた
サイトー先生ってば、つくづく趣味と実益を兼ねてるよねえ。

銀狼の蘭とむはワイルド。鎖な組長はここで登場します
大人の男の対決!ってなダンスがカッコ良かった。

盲目の花売り娘ちゃんに心奪われました! 悪夢ちゃん的な黒と白のコントラスト+おさげ髪にキュンキュン きたよ。どちらのお嬢さんかしら?
・・・ネット検索中・・・
ふむふむ、朝月 希和ちゃんとな。覚えておきましょう。

銀橋には、これまたキラキラな蘭はなちゃんとだいもんが降臨。
歌い出した時、「あれ? 何だかこの曲紅白で聴いた気がする」と思ったの。
観劇後調べました。当たってました。
水樹奈々×T.M.Revolution『Preserved Roses』
レベル高過ぎ。本家に引けをとらない迫力だったよ!

フランス人形とジョーカーが、それこそビスクドールのような肌のみりおちゃんを獲り込むシーン。腐女子にも優しいサイトー先生(笑)
お芝居ではいまいち影が薄かったゆずかれーくん(柚香 光)、ここで面目躍如です。口づけをされたみりおちゃんの無表情さがたまりませんでしたわ

歌いながら銀橋を渡る蘭とむ。宝物を愛でるような眼差しで、舞台上の組子たちを見渡す。
きりやん(霧矢 大夢)のサヨナラ、『Misty Station』でもこんなシーンがあった。こーゆー見せ方は何度観ても泣けるね。

組子は蘭とむの背中を見つめて、群舞をビシィッ!とキメる。
黒燕尾の男役って、神聖な感じがするよね
他者が、決して汚してはいけない領域に立っている。そんな気がする。

儀式を終えたとも言える蘭とむが柔らかい表情になる。
蘭はなちゃんとのラスト・デュエットダンスはしっとりと。
この二人のリフトは毎回安心して観られたなあ、とこれまでのショーを振り返る。
ガッツリハードに踊るのも得意で。そこはかとなくエロいダンスもお手の物で
こちらからの要求も相当高くなっていたと思うんだけど、見事に胸がすくような贅沢な舞を魅せてくれた。

大人の男を体現化できる男役が、また一人宝塚を去った。

寂しくて仕方がない。
夏には、壮くん(雪組トップスター・壮 一帆)までいなくなる。

中性的な男役には物足りなさを覚えてしまう古いファンは、どうやって生きていったらいいんだろう。
ますます日比谷から足が遠のきそうだ

GW初日に花組を<前編>

2014-05-25 16:25:30 | 舞台
観に行って参りました!
4月26日(土) 11時の部、東京宝塚劇場にて。
トップスター・蘭寿とむのサヨナラ公演です。


まずお芝居は『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛―』
脚本・演出は今作品が大劇場デビューとなる生田大和先生。

最初にタイトルとあらすじを目にした時、’97年に花組で上演された『失われた楽園~ハリウッド・バビロン~』のパクリなのだな、と思い込んでいた。( オイコラ)
しかし、今作品は“F・スコット・フィッツジェラルド作「ラスト・タイクーン」より”と堂々と謳ってある。
てことは、実はパクっていたのは『失われた楽園』の方だということなのかしらん。’97年上演当時はオリジナル・ミュージカルという触れ込みだった気がするので。記憶違いだったらスミマセン

物語の舞台は1930年代後半のハリウッド。
蘭とむが最後の男役として演じたのは敏腕映画プロデューサー、モンロー・スターだ。
撮影スタジオを訪れた直属の上司であるブレーディ(as 明日海りお)は、映画に対する情熱ゆえに製作費と時間を顧みないモンローに対し、
「‥‥もっと現実を見ろ!」と一喝する。
即座にモンローが返す。
「現実を見たい奴は、ここから出て行ってくれ」

けだし名言だね!
この劇場の客席に座っている者の中に、現実を見たい輩は誰一人いないであろうから。

と、最初から私はモンローに好感を持ったので、独裁者と非難されるほど酷い人物とは思えなかったな。
(マヤミキのアーサーの方がよっぽど傲慢で厚かましかったよ?
解雇したスタッフの再就職先を人知れず斡旋してたし。しかも、その現場をボックスレー(as 華形ひかる)に見られてしまう。人知れずなのに

みつるくんのボックスレーは、モンローに脚本家として招聘された作家。
実は結構人情派であることを彼に知られてしまった照れ隠しなのか、モンローは映画のワンシーンを惹起させるシチュエーションを語り始める。
ボックスレーは「映画には興味ない」って言い切ってるのに(笑) やはり強引だわ。

一人の黒衣の女が、オフィスに入ってくる。
5セント玉をデスクに置いた女は、そこにかかってきた電話に出る。
「これまで黒い手袋など持ったことはありませんわ」
電話を終えた女は、ストーブの前にひざまずくと、手袋を入れてマッチを擦った。


ボックスレーでなくとも「それからどうなったんだ」と聞きたくなると思う
一方的に話を打ち切るモンローも人が悪いかもしれないが、このイギリス人に映画への興味を抱かせることには成功したようだ。

蘭はなちゃんは二役。
モンローが見出した女優にして亡き妻のミナ・デービスと、彼女に生き写しのキャサリン・ムーア。
うーん、厳密に言ったら三役なのかもしれない。
ミナの本名はジェシカ・ハウエル。その名前と理想像はモンローが与えたものだから。
ポスターでモンローに絡みついてる金髪の女性は、キャサリンでもジェシカでもなく、ミナという幻影なんだろうと思う。

ほさちちゃんのリアのように、キャサリンも女優として育て上げられるのかと思ったら、違った。
最後まで市井の人で、同情するのも憚られるほど幸薄い女性だった・・・。
昔同棲していた男に売られそうになったり、逃げてきたアメリカでもDVな恋人に囲われたり、やっと自分を救い上げてくれる相手と想いを通じ合わせた矢先、先立たれてしまうんだよーっ

しかも愛しい人の死を知った瞬間には、DV男から拳銃をこめかみに突きつけられていたという。
さらに高笑いされながら「餞別だ。使いたくなる時の為にとっておけよ」と拳銃を渡されちゃう。
あんまりだ。これって、宝塚のヒロインとしてどうなんだ?

DV男・ブロンソンを演じたのはだいもん(望海 風斗)。
モンロー組のエンジニアだが、労働条件の改善の為にユニオンを立を目指している。
アンサンブルのセンターで歌う「 スチームローラー」は迫力あった。巧いから安心して聴けた。
物語前半は結構硬派に活躍していた彼。果たしてその実態は?ってな感じで、キャサリンを暴力の恐怖で縛る恋人であることが判明する
タータン(香寿 たつき)のレスリーは騙されてクスリ漬けになっちゃったけど、ブロンソンは自発的に常習してそうだった。正気だったらなお怖いが。
静かなる狂気を魅せただいもんが次作で挑むのは、あらゆる境界線に立つルキーニ役。期待するなと言う方が無理!

ユニオン側のバックに付いている共産党員のブリマー。
最初のうちはまよちゃん(鳳 真由)だと気づかなかった。ゴメン
だってだって既に他の役で出てたし、あまりにイメージと違ったから~
でも得体の知れない黒さが出ていて新境地だったよ!
(個人的にはリビングストンちゃんと宇佐美定満が好きだけどね
<後編>へつづく

宝塚宙組「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」その6

2013-05-04 21:09:42 | 舞台
<その5>のつづき

八個艦隊、総動員数三千万の将兵を以って、同盟軍はアムリッツア恒星系において帝国軍と激突する。
アスターテ会戦に続いてアニメ映像がスクリーンに映し出されるのだが、そればかりを目で追ってはいられない!
同時進行で、舞台上では両軍の将兵たちが艦隊戦を群舞で表現していたり、艦橋に見立てた高ーい階段状のセットには、戦況を見守るラインハルトと背後に控えるオーベルシュタインが居たりするのである。
またこの、高飛車に 足を組んで座っている獅子王と、長ーい脚を強調するかのように階段を数段跨いで立っている参謀 が絵になるもんだから、ついつい見てしまう。本気で目が6つくらい欲しかった
キルヒアイスが中心になって、「ファイエール!」と叫ぶところがツボだった。あ、そこ伸ばすんだ?みたいな

同盟軍は徐々に劣勢に追い込まれる。
舞台が回転しながら場面が転換されてゆく こういう空間の使い方も小池先生は巧い。
階段状のセットは第十三艦隊、通称ヤン艦隊の艦橋に切り替わり、副官フレデリカが司令官の不摂生を慮っていた。
私は女性キャラの中ではフレデリカが一番好きだ。れーれも予想以上に毅然としていて似合っていたので、もっと出番が欲しかったなあ。
「酒量を控えていただくようにとユリアンからおおせつかっています」
「何だ、君たちは繋がっていたのか」
戦闘中なのに、どこかホッとさせられる会話はヤン艦隊ならではであろう しかしここに、帝国軍の大艦隊の接近が告げられる。
生き残れたら余生は栄養に心がけることにする、と顧みてヤンは司令席に戻るのだった。

圧倒的優勢に立った帝国軍から、ビッテンフェルト艦隊が突出する
最大戦速で同盟軍の懐に入り、接近戦に持ち込もうとしたのだ。
それを最大の好機と見たヤン艦隊は、三方からビッテンフェルト艦隊を包囲せんと全砲門を連射させた。
ここの、舞台後方から同盟軍の多数の将兵たちが出現し、ビッテンフェルトたちを取り囲んでゆく群舞が、迫力があって良かった!

盆はさらに回る。
援軍を要請され、ラインハルトは冷厳に即答する。
「総司令部に余剰兵力はない。現有兵力を以って部署を死守し、武人としての職責を全うせよ」
(この台詞だけ見るとどこぞの戦争映画みたいだな
「部下には厳しい方がよろしいかと」と、オーベルシュタインも賛同するが、その作り物の緑色の両眼は、「(別働隊の)キルヒアイスは何をしているのだ!」と焦れる己の主君を、少なからぬ懸念を以って捉えていた。
その時、スクリーンに赤い艦影が姿を現した。
キターッ バルバロッサ!
ここで原作&アニメファンの興奮は最高潮に達したと思う(笑)
そう、バルバロッサはキルヒアイス艦隊の旗艦なのである。
設定どおり、ちゃんと赤いことが嬉しくてね~

別働隊が到着し、作戦を発動させたことで再度帝国軍は優勢に転ずる。
「さすがはキルヒアイス」と満足げに微笑むラインハルト。彼の感情が粟立つのは常に赤毛の幼なじみに関してのみ。
“覇者に聖域があってはならない”
やれやれ、困ったものだとでも言いたげにラインハルトを見下ろす(ほら、背が高いからね仕方ないね)オーベルシュタイン。ここの、無表情なのに表現力たっぷりの視線が好きだった。

結果的には同盟軍の大敗に終わったが、ヤン艦隊は帝国軍包囲網の弱い部分――即ちビッテンフェルト艦隊の薄さを突き、同胞の損傷を最小限に食い止めて全軍撤退に成功する。

またも完全勝利を逃したラインハルトは、苛立ちを隠さぬままビッテンフェルトを叱責する。
ここの、オレンジ色の髪を震わせてうなだれるビッちゃんが可哀想だったなあ
戦闘中は「調子に乗り過ぎだ!」と呆れていた双璧も、処分の手厳しさに同情気味だったし。

解散を告げて踵を返したラインハルトに、キルヒアイスが駆け寄る。
「閣下の怒りは、ビッテンフェルト提督に向けられたものですか?」
「知れたこと!」←この時、自分の前髪を指で払うところが女王様っぽくて好き
さらに、「“閣下”はよせ!」とか言っちゃうところも可愛い。「ではラインハルト様、」と返しちゃうキルヒアイスもカッケー!
キルヒアイスの指摘はさら続く。あなたの怒りは己自身に向けられたものだと。
「ヤン提督に名を為さしめたことが、それほど悔しいのですか?」
「悔しいさ、決まっている!」
ああダメだ、この辺のやり取り可愛すぎて全部好き。原作の再現率高くて満足
「どうか部下の中にまで敵をお作りになりませんよう――」
「・・・わかった、俺が間違っていた。ビッテンフェルトの罪は問うのはやめよう」
キルりんの前では一人称が「俺」になっちゃうおハル。お互いへの想いに溢れていて、観ていてキュンキュンしてしまった。
こんなに信頼し合った二人が、すれ違ってしまう時が来るなんて・・・・。

「お邪魔でしたかな?」
お前だよ原因は。と全力で突っ込みたくなったオーベルシュタインの登場でした。
どーして、そんなにデカいのに(失礼)気配が無いんだよいつもいつも!
それを受けて、もの凄く嫌そうに「ッ何だ?」と返すおハルがツボ

もちろん、ただ邪魔しに来たわけではない(と思う、多分)。得体の知れない男だが参謀という職務に忠実なだけなのだ(おそらく、きっと)
新皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世が即位すれば、門閥貴族との覇権争いが勃発するのは必至である。
その間叛乱軍(=同盟軍)が進攻して来たら、鎮定に兵を割く余裕がない。
火急の対応策を迫る参謀をラインハルトは一笑に付すと、味方の一兵も使うことなく同盟を混乱に陥れる方法を語り始めた。
「さすがは閣下」と感嘆するオーベルシュタインに、
本来はお前が考えるべきだろう。と突っ込まなかったおハルって結構大人だと思う

それは最大限に効果を発揮する策であったが、と同時に、共に歩んで来た幼なじみの運命の歯車が回り出す、残酷な呼び水となるのだった。
<その7>へつづく

花のアカボシ

2013-05-03 21:30:38 | 舞台
CD『Bon Voyage~タカラジェンヌと出かけよう~』を聴き込んでるおかげで、他組の下級生にも興味が湧いてきました。

キンモクセイのカバー曲「二人のアカボシ 」を歌っているのは花組のまよちゃん(鳳 真由)
まだ男役として完成されていない甘い声で、

 二人ここから 遠くへと逃げ去ってしまおうか

なんて歌われちゃうと、ちょっとドキッとしたりして。

そんな折、花組「オーシャンズ11」を観に行って参りました!


かなり面白かった
まよちゃんのリヴィングストン、ぽわぽわした金髪が雛鳥みたいで可愛かった
下手なのか上手いのか、はたまた普通なのか判然としないラップも(笑)、ハラハラしながら聴きました
ひたむきさに胸打たれたよ
オタクで、ひきこもりで、リアルでの人間関係が苦手なハッカー。
まあでも、不法侵入の得体の知れないマイケル・ジャクソン気取りの男が迫ってきたら、リヴィングストンちゃんじゃなくても引くだろ(爆)
「あんた誰ッ?! (悲鳴)」
みっちゃん(北翔 海莉)のラスティは面白過ぎた。毎回あんななの?

11人の仲間を集めて盗みを成功させる、という至極単純なストーリーなんだけど、見せ方が巧い。ラストまでハラハラしたし、全然飽きない。

だいもん(望海 風斗)のベネディクトチームからして、どっかで見たような敵役だったけど、それもご愛嬌
良くも悪くも、小池先生!って感じだった。

いきなりほぼ2番手格のだいもんもイイ線行ってた。
眉をつり上げた冷酷そうな表情も好きだ。あとは場数だね。
みーちゃん(春風 弥里)のバシャーは、そこに居るだけでエロかった・・・
花組に組替えしてから色気が凄いことになってる。どーしたんだ
長めの前髪が顔にかかって「現役離れてから長いからなあ・・・」ニヤリ
なんてされた時は、ど、どーしてくれよう、って思ったよ。クィーン・ダイアナ(桜 一花)は何故惚れないんだっ?

そんなバシャーが、みつるくん(華形 ひかる)のイエンの前だと屈託なく笑うのだ(錯覚じゃないと思う)
そんなイエンはバシャーにワンコのように懐いている(ように見えた)
みつるくんをこんなに可愛いと思ったのは初めて。ショートヘアーとカタコトの台詞のせいかなあ。
そのくせヨーヨーの技と身軽さはネ申 カッコイイ。
あ、バシャーはギャップ萌えしてんのかい?(爆)

他にもフランク役のあきら(瀬戸 かずや)、ライナス役のキキ(芹香 斗亜)、モレル兄弟役のマイティー(水美舞斗)&ゆずかれー(柚香 光)と、若手パワーが一気に前面に出てきた感のある花組。
どこのステキなオジサマだ、と思わせたルーベン役のふみかさん(紫峰 七海)も、立ち枯れ具合&ギラギラ感がハンパないソール役のまりんさん(悠真 倫)もしっかり芝居を支えてた。
みりおちゃん(明日海 りお)も来るし、これから美味しい組になるんじゃな~い?

蘭はなちゃん(蘭乃 はな)のテスの、華奢なのに出るとこ出てるスタイルに、オペラグラスロックオン!
アメリカ娘らしい身振り手振りもキュートだった。お芝居巧くなったねえ。

そして蘭とむのダニーがどこまでも男クサくキメてくれる。惚れる
どうかライナスばかりでなく、リヴィングストンちゃんにも「男にしてやる」って言ってあげてください。
あ、でもあんまりオトナなことを教えると、リヴィングストンちゃん気絶しちゃうかも・・・

毎公演、蘭蘭コンビのデュエットダンスには魅了されているが、今回のはとりわけ良かった!
大階段上に、ヒョウ柄のロングトレーンのドレスで登場した蘭はなちゃんにドキッ!
もうね、最初っから目が据わってるの(笑)
獲物を狙う肉食獣のように、妖艶に蘭とむを誘い、誘われ、、、成熟した男女の駆け引きといったダンスに突入。
それでもどこか可愛らしくてニクい 小悪魔上等!

今回私が注目したみつるくん、みーちゃん、まよちゃん(学年順)、3人とも『戦国BASARA』に出るからめっちゃ楽しみです!
みつるくんのお屋形様どうなるんだ(笑)
「ゆーきむらよー!」「おやかたさまぁー!」
蘭とむとドつき合いしてくれるよね? ね?

個人的に千住 明氏の主題歌がものすごく気になる。
大河ドラマ『風林火山』→アニメ『鋼の錬金術師』ときて、宝塚『戦国BASARA』だもんなー。
どうして彼の人は私の趣味に沿う仕事ばかり引き受けてくれるのでしょう

来週には贔屓が所属する宙組の東京公演が始まるというのに、気持ちはすっかり花組に向いてしまっている状態。
困ったなあ

宝塚宙組「銀河英雄伝説@TAKARAZUKA」その5

2013-04-21 10:06:52 | 舞台
<その4>のつづき

ぱっとスポットライトが当たると、そこにはヒルダが居た。
ゴメン、他のキョーレツな人物たちのせいでちょっと忘れてた・・・
採用が決まったオーベルシュタインに負けじと(?)、ラインハルト宛に自己PRの手紙をしたためる。
操るのは貝殻型のノートPC(←プチミュージアムで現物を見たら、PCに着せ替えした感じだった)
「元帥府へのメールは秘密警察にチェックされてるでしょうから、本に挟んで送ります」
その本のタイトルが『なぜ地球は滅んだのか』。お嬢さん、選択が渋い(笑)
でも、リンデンバウムで作った栞を添えたのは成功だったと見えて、ラインハルトはその香りを気に入る。
香りと記憶は直結するからね。上手いことやったな

それでは歌っていただきましょう。ベーネミュンデ侯爵夫人とブラウンシュヴァイク公筆頭・門閥貴族チームの皆さんで、『過去の栄光 』です!
↑とでも紹介したくなるような、素晴らしい歌唱にシビレル場面
ま、歌詞はアンネローゼとラインハルトの姉弟を中傷する内容なんだけど、全員巧いんだもんよ!
特にフレーゲルの「世間を欺いてるぅ~」の歌い方がツボだった。
姉弟を陥れるために、皇帝暗殺未遂事件を起こす計画が練られる。
アンネローゼを失脚させる為ならばと、ベーネミュンデは逡巡した末に毒を盛る役を引き受ける。
暗転前の一同の「プロージット!」がカッコ良くて気に入ってしまった私は、その後しばらくプライベートでもプロージットプロージット言ってたよ。ドイツ語の響きってステキ

同盟の首都ハイネセンでは、反戦主義を説く民主平和党からの評議会議員立候補者が、市民を集めて演説会を開いていた。
強い目力で『国を救うのは誰? 』を歌うのはせーこのジェシカ。
感情が乗るとこの人の歌はイイ。愛する人を失った痛々しさは既に消えて、前を向いて世論を変えよういう気概に満ちている。
「私は戦う平和のために~
トリューニヒトが「国のため戦争に行くのは名誉だー」と返す。
「本当に国を愛しているなら~」と二人はハモるが、込められた意思は完全なる平行線だ。
そこに、軍からの命でヤンがユリアンを伴って現れる。
だがその場にトリューニヒトの姿を認めたヤンは、“戦災孤児を養う英雄”として利用されようとしていることを悟り、自分は戦争で愛する家族を失った遺族たちの悲しみを知っているから、協力は一切できないと突っぱねる。
ここの、制止しようとするトリューニヒトの護衛の兵士に「失礼」「失礼」といちいち断って階段を下るヤンの言い方が好きだった
紳士なのか慇懃無礼なのかようわからんところが
ヤンとジェシカは、敵対する立場同士だがお互い自分を見失わないように生きよう、と笑顔で握手を交わして別れる。

さて、原作ではこの後、ヤンがイゼルローンを落とすわけだが、@TAKARAZUKAにおいては、それはもっと後で起きたことにされている。
第七次イゼルローン攻略と銘打たれた出撃が、アムリッツア星域で帝国軍に阻まれる、といった形で展開される。
よって、同盟軍が帝国領内に進攻するエピソードも存在しない。
(イゼルローン攻略戦が大好きで、かつ民衆さえも武器と見なすラインハルトの采配に感服した自分、涙目・・・

迎撃の準備に臨む元帥府に、オーベルシュタインが皇帝危篤の一報をもたらす。
ラインハルトとキルヒアイスが王宮へかけつけると、アンネローゼが皇帝の盃に毒を混入したという容疑をかけられていた。
アンネローゼを宮廷警察へ引き渡そうとするブラウンシュヴァイク候を、そこに現れたリヒテンラーデ候が制する。
国務尚書が真犯人として突き出したのは、憔悴したベーネミュンデ侯爵夫人であった。
哀れなかつての寵姫は、ブラウンシュヴァイク候の姿を認めると「・・・未遂に終わるって、言ったじゃない・・・!!」と訴えるが、正気を失ったことにされ捨て置かれる。
ブラウンシュヴァイク候の真の狙いは皇帝を亡き者にすることだったのだ。
そのスケープゴートにされたことに、ベーネミュンデは気づいたのか気づかなかったのか。薬漬けにされた彼女は廃人の道を辿る。
(ある意味原作より残酷だよねえ

ラインハルトは、今際のきわにある皇帝に呼び出される。
@TAKARAZUKAのフリードリヒ四世は、原作と同じく厭世的ではあるが、原作ほど捨て鉢ではなく、
「どうせ滅びるなら、せいぜい華麗に滅びるがよいのだ」とは言わない(笑)
若き元帥が皇帝を憎み、ゴールデンバウム王朝を倒そうとしていることを見抜いた上で、
「この帝国を救うのだ」と言い残す。
すっしぃ組長が演じる役は、どうしても熱い人になるのだなあ
私は、姉を売った父と、姉を買ったフリードリヒ四世に憎悪の炎を燃やす、ラインハルトの激しい感情の発露が好きだっただけに、皇帝の言葉に従おうとするラインハルトに物足りなさを感じてしまった。

でも、この後第1幕ラストまで続いて行くモブシーンは大好き!
小池先生は、こういう見せ方は巧いよね~!
『銀河の運命 』を歌い継ぎながら、登場人物たちが入れ替わり立ち代わり、今後の己の道筋を見据えて歩みを進めて行く。
「皇帝が亡くなった 帝国の運命が変わる 銀河の運命も 変わってゆくのだ
「次の時代を築くのはあなた」とヒルダは歌い、そのためには親しい貴族たちを説得し、ローエングラム伯の味方につけると確約する。そして自らは元帥府に身を投じたいと訴えるのだった。
もう一人の黒衣の女性、アンネローゼは、幼い頃から弟に付き従うキルヒアイスに改めて懇願していた。
「今まで以上に、弟を見守ってやって下さい。もし、道を見誤り、踏み外すことがあるなら、灯りを照らし、戻してやって。たとえ喧嘩になったとしても」
「このキルヒアイス、命にかえてお守りいたします!」
うわあぁぁん、今後の展開を知ってるだけに、ここで毎回泣いてたよ私は

“命にかえて”「貴族社会に殉じる覚悟です」と忠節を誓うのは、ブラウンシュヴァイク軍の参謀・アンスバッハである。
かちゃの二役目にしてメインの役。キリリとした目元が印象的だ。

いよいよ三人の皇孫をめぐって帝位継承の抗争が始まろうとしていた。
嫡孫エルウィン・ヨーゼフを擁立したいリヒテンラーデ候は、後ろ盾の武力としてローエングラム陣営に助力を求めてくる。
結果的に門閥貴族を滅ぼさんとする利害が一致し、ラインハルトは快諾する。

銀河皇帝崩御の報は、瞬く間に自由惑星同盟にももたらされる。
戦争はどうなるのかと問うユリアンに、
「終わらないさ。国と国、軍隊と軍隊がある限り」とヤンは答える。
「生きて帰って下さいね」
「それが私のモットーだ」
ああ、オイラやっぱりヤン提督大好きだ・・・

フリードリヒ四世の国葬の場面になり、音楽とコーラスに厚みが増す。
皇帝の遺骸を前にして、オーベルシュタインは何を思うのか。
俯き、跪いた背中からは何も読み取れない。
[皇帝側に回ってどんな表情をしているのか観たかったよー]
ラインハルトが銀橋に出ると、義眼の参謀はさりげなく舞台のセンターに陣取って(笑)何やら歌っているのだが、歌詞が聞き取れないくてねー やっぱDVD買おうかなー。

「銀河をおさめる日まで 戦いつづける」とラインハルトが歌い締め、宙を仰ぐ。
舞台上で、キャスト全員が登場人物として生きている。そう見えた、圧巻の第1幕ラストでした。
[ここの照明がかなり明るく強く舞台を照らすので、オベ様の緑色の義眼がめっちゃ煌めいて見えた
素のともちんとは別人みたいでドキドキしたわ]

<その6>へつづく