見上げれば星の海R

宝塚は花組&月組、歌舞伎は猿之助(二代目亀治郎)
イチオシ俳優は高橋一生
元同人描きによるインドア生活日記

宝塚月組「Misty Station ―霧の終着駅―」

2012-05-27 12:09:26 | 舞台
作・演出/齋藤 吉正

開演アナウンスが終わるやいなや、我々の目に飛び込んできたのはアニメ映像でした
「出たよ、サイトー・・・」と隣席のMちゃんと苦笑い
『STUDIO54』(’11年/月組)といい、齋藤センセはどこに作画を発注してるんだろう(爆)

でも、スクリーンに映し出された切符には“For Misty Station From London”の文字が。
うわー、お芝居の世界とリンクさせてるんだなあ、とちょっと感激

プロローグのお衣装も、モスグリーンと赤を基調にしたタータンチェック!
娘役のミニスカが可愛いの! 黒ブーツとの間の絶対領域は必見です(爆)
曲も現代的で、振付けも洗練されていてとても良かった~。

黒と赤のお衣装で、研ぎ澄まされた剣舞 を魅せるのは、我らが娘役トップ・まりもちゃん!
特撮物の悪の女ボス が今すぐできると思う。超カッコイイのだ!!
姐さん、ケツの青い男役よりもずーっと男前っす! しかもセクシー。惚れる

九龍城を思わせるようなセットへ。うぉーどうしても『TEMPEST』(’99年/宙組)を思い出しちまうよ!
あれは齋藤センセのデビュー作だったよねえ(遠い目)。変わってないよねえ、作風(笑)
きりやんは軍服のようなブルーのお衣装で登場。かつて香港はイギリス領だったわけで。ここでもリンクさせてんのかな?

マフィアのボスはソルーナさんだ。渋い渋すぎる。
彼の囲う女は何故かちゃぴ(愛希 れいか)。・・・ロリコンですか?

まさおはブラックシャドーが一番良かった。違和感なく綺麗かったよん。
みりおは駅員さんがハマってたなあ。本職イケそう ロング丈の上着が似合ってた。
でも、インパクト勝ちは、越リュウ組長&もりえ(青樹 泉)&マギー(星条 海斗)の銀橋渡りですよ。
濃すぎだろ。
ここ数年のもりえは好印象だったので、退団は惜しいわ~

事前にきりやんが「魂のルフラン」を歌うという情報は仕入れていました。
もう、齋藤センセってばオタクなんだから~っという軽いノリで臨んだ私。ちょっと反省。
きりやんの「魂のルフラン」は、ハンパなかった。歌声がビシバシ胸を打って 泣きそうになった。
私に還りなさい 生まれる前に 」 ホントに魂が熱唱してるようだったなあ・・・

「まもなくミスティステーション。終点ですよ」
と告げ、きりやんを起こすのはがちゃんさん(一色 瑠加)扮する車掌さん。
そーだよね、列車には車掌さんが付き物だよね。懐かしいな999

旅の終わりは近づいて・・・
第何場だったかは忘れてしまったのですが、舞台上に揃った組子たちを、きりやんが銀橋を渡りながら眺めるシーンがありました。
自然にスローモーションに見えちゃってね。視界がぼやけそうになったよ~

再び、冒頭のタータンチェックのお衣装で踊るのはこの後だったかな? こーゆー、元に戻る演出って好きだわ。

まりもちゃんのソロは「グッバイマイラブ
同じアン・ルイスなら一度「六本木心中」を歌って欲しかったなあ、なんてことを思いながら聴く。
彼女を知ったのは『ベルサイユのばら』(’06年/星組)の小公女だった。あの頃から貴女はデカかった(笑)
あれからまだ6年だけど、すっかり役者としてデカく、立派になったねえ。

しんみりした空気を吹っ飛ばすように、続くは大階段の男役群舞っ!
聞いて驚け音楽は、「 ファイナァール カウントダーウゥン~
きりやんの英語の発音がキレイだぞっと。選曲には正直ビビった。サイトー先生、どこまで冒険的なんだ
曲のせいか、組子の目が挑戦的 に見えてカッコ良かった~。

そして、ジーンとせずにはいられない トップコンビのデュエットダンス。
曲は「マイウェイ」。ええい、こうなったら泣くよ、泣けばいいんだろーっ?!
きりまりのダンスは、情景が浮かぶんです。技術だけに走ってないところも好き。
お互いを信頼し合っているけれど、決して寄りかかってはいない。なんて素敵なコンビ

お芝居もショーも、きりやんの餞(はなむけ) にふさわしい作品でした。
今こうして思い出しながら、また笑顔になってる。涙が浮かんでくる。
優しい気持ちになれて、一観客としても幸せだ。

送り出した組子たちが、次はどんな夢を描いてくれるのか楽しみだ。
せっかくだから、まさおロミオを観に行くよっ

宝塚月組「エドワード8世―王冠を賭けた恋―」

2012-05-20 18:23:28 | 舞台
於:東京宝塚劇場 3月24日(土)に観劇。

「プリンス・チャーミング」と聞くと、私は『ドリアン・グレイの肖像』(’96年バウ/星組)を思い出してしまうのだが(爆)、
こちらが本家本元のプリンスです!
理屈抜きで、はためくあのユニオンジャックには心惹かれてならない。

物語の舞台は、1930年代のイギリス。
大衆に愛される皇太子の人気を夫の事業に利用しようと、一人の人妻が彼に近づく。
皇太子はそれを受けて立ち、彼女に愛人のフリをするよう提案する。
王室の一員として自分に許される自由の限界を知る為に。
やがて本当に恋に落ちた二人の前には、高過ぎる壁が立ちはだかっていた。

★主な配役★
デイヴィッド・ウインザー(後のエドワード8世)・・・霧矢 大夢
ウォリス・シンプソン(離婚歴有りのアメリカ人)・・・蒼乃 夕妃
ガイ・バージェス(BBCニュースキャスター)・・・龍 真咲
ゴドフリー・トーマス(デイヴィッドの側近)・・・明日海 りお
ウィンストン・チャーチル(イギリス首相)・・・一樹 千尋
ジョージ5世(デイヴィッドの厳格な父)・・・磯野千尋
ブルース・ロッカート(大衆新聞記者)・・・青樹 泉
アーネスト・シンプソン(ウォリスの二番目の夫)・・・星条 海斗


わーん、きりやんのデイヴィッド、めっちゃ良かったよぉ~!
こーゆー仕立ての上等なスーツはもちろん、ノーブルな軍服とか礼服とかが似合うんだよねえ。
育ちの良さが出るのかしら。だんじりの岸和田出身だけど

まりもちゃんも、気の強いアメリカ娘・ウォリスがピッタリ!
嘘泣きしたり、「甘えないで」と言い放ったり、姐さん カッコよ過ぎっす。

二人の出会いのシーンはベタなんだけど好きだ
わざとじゃないのだけれど、デイヴィッドがウォリスに花瓶の水を引っかけてしまう。
アメリカ人だったらすぐに謝っているだろうと憤るウォリス。「がっかりですわ」と言われて、ぽかんとするデイヴィッドが可愛い。
普通、王族を相手にここまでぽんぽん言う国民はいないもんね。

その後日を改めて、ウォリスにわざわざ逢いに来て「悪かった! 以上!」とだけ告げるデイヴィッド。
ウォリスじゃなくても「あれっ、この人、ちょっと良いかも?」って思っちゃうよなあ~
いやーしかし、“ロイヤル・ミストレス(愛人)”という言葉があるのが凄いよね。

デイヴィッドが、身分を越えて一般市民と気さくに言葉を交えたことは、王族ではありえないことだったようです。
他にも斬新なファッション、夜毎の女遊び、労働者階級の肩を持つような発言・・・。
伝統ある英国王室において、自分の振る舞いがどこまで許されるのか。父の視線。王位の重さ。
葛藤するデイヴィッドを、ウォリスは本心から支えたいと思うようになる。
しかし、外国人で離婚歴のある女性との結婚は、到底許されるものではなかった。

ついにエドワード8世として即位するデイヴィッド。
立ちつくすデイヴィッドの背後には、玉座に鎮座した父・ジョージ5世の幻影。
このシーンの、ジョージ5世の存在感が凄かった! ソルーナさんさすがやわー。

弟妹達がデイヴィッドの前にひざまずき、手にキスを捧げてゆくところも良かったな。
祝福のシーンなのに、いよいよ国王になるんだ、という圧迫感がハンパないの。

弟のヨーク公アルバート(as 一色 瑠加)からは、兄を慕っている様子がひしひしと伝わってきた。
「に、兄さん、ぼ、僕は」というどもりから、後のジョージ6世なのだなと判る。『英国王のスピーチ』ですね。
ということは、と板の上を注視してみる。この幼い娘(as 夏月 都)がエリザベス公女なわけだ。
まさかこの頃は自分が女王 になるとは思いも寄らなかったんだろうなあ。

皇太子時代から型破りな行動をするデイヴィッドから何とか言質を取り、英国内の混乱を企図しようとしていたのがまさお演じるガイだ。
BBCニュースキャスターは世を忍ぶ仮の姿。果たしてその実体は!
――今は亡きソ連のスパイ。バリバリKGBである。
狂言回しとしてあっちにフラフラ、こっちにフラフラと出没する姿が何とも怪しげ。ちょっとルキーニ残ってる?!
新顔の同志を一瞥して一言「えー…、ヤだなあ・・・」って(笑)。男の趣味にはうるさいようです(爆)

健気な側近・ゴドフリーはみりお。やりたい放題のデイヴィッドと良い勝負で、結構言いたい放題咎めていたような。
私は基本“主従萌え”なので、彼の語尾「です」「ます」は好みです

悩みに悩んだ末、デイヴィッドはウォリスとの愛を選び、退位を決意する。
自らの言葉で国民に表明したいとラジオ放送に臨む彼の前に現れたのは、ヒロさんのチャーチル。
時の首相としてデイヴィッドの行動に苦言を呈すこともあれば、皇太子の人気を政治にも利用してきた。
そんな百戦錬磨の政治家に、スピーチ原稿の推敲を頼んだのは他ならぬデイヴィッドだった。
「少し…直しを入れさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「もちろんだ」
ここの、二人の遣り取りがとーっても良かった。チャーチルなりにデイヴィッドのことを気にかけてくれていたんだろうなあと感じられた。
「寂しくなります」
やっぱり専科さんの演技力にはグッと来る。芝居がもの凄く締まる。デイヴィッドの表情も晴れやかでねー。
ヤバイ、このままだと自分泣くかも・・・ と構えたのがこの辺り。

肝心のラジオ放送の内容は、この舞台では描かれません。
デイヴィッドが「退位の歌」を、スピーチの代わりに歌い上げます。優しいメロディにきりやんの伸びやかな歌声。
もー何でそんなに上手いんだあー!

ラストシーン。黒衣のウォリスがデイヴィッドの幻影に問いかけます。
「後悔してない?」
「後悔しているに決まっている。
 だが…たとえ時計の針を戻せても、私は同じ道を選ぶだろう」

涙腺決壊!! 国王陛下カッコ良すぎ!(てか退位してるけど。もう死んでるけど)
涙が顎の下まで零れ落ちそうな勢いで号泣だよ。

“たとえ時計の針を戻せても、私は同じ道を選ぶだろう”というコピーは、公演のチラシにも書いてあったんだ。
にもかかわらずだ。ここまで泣かせる力量って凄いわ 脱帽しました。
きりまり最高!

穴を埋める

2012-05-13 17:29:36 | 日記
明日(14日)はいよいよ宙組大劇場公演の千秋楽
今日の前楽でさえチケット取れませんでした。この週末はしょぼーん としています。

嗚呼、今頃お城では煌びやかな舞踏会が・・・ という心境で過ごしていたら、
「今日テレビに亀ちゃん出るよ 」と母が教えてくれた。
マミー ありがとう! 母の日のプレゼント、もっと張り込んで贈るべきだったわー
「おしゃれイズム」(日曜22:00~/日テレ系)ね。了解。
上田さんのツッコミに上手く返せるのか? ちょっと不安

今週は「Wの悲劇」(木曜21:00~/テレ朝系)で、一生くんも活躍しそうだ。
前回放送分ではラスト数分の出番だったけど、どうやらお医者さんの役らしいということは判った。
外山先生よりは落ち着いた見た目です(笑)

宝塚関連で寂しい思いをしていたら、楽しみなことが2つも飛び込んで来た。めぐり合わせって面白いね。
だから一本に絞れないんだよねー

観劇という趣味は葛藤の連続である

2012-05-07 19:31:34 | 日記
テーブルの上に積んだまま手つかずになっていた、通販のカタログや郵便物を片付けていたら、封も開けていない
Kame Pro の会報が出て来た。しかも2号分。一体どのくらい放置してたんだ自分・・・。

思えば、去年の8月以降、全く亀ちゃん の舞台を観に行っていない。
理由はシンプル。金が無かったからだ・・・
開封してみた会報の表紙には【特集:芸術祭十月花形歌舞伎」「新春浅草歌舞伎」】の文字が踊っている。
どちらも観られなかった公演だったので、ページをめくることにした。

『南総里見八犬伝』犬山 道節、蟇六の二役
うわぁ、これ観たかったんだよな~。作品的にもそそられたし。

『當世流小栗判官』小栗判官と浪七、お駒の三役
お駒ちゃんてば、私の好物の町娘だったのねっ。観れば良かった。

『江戸ッ子繁盛記 ご存知一心太助』太助の女房・お仲
・・・写真を見て固まりました。めっちゃ可愛いやん。
“爽快な女っぷりは「染五郎さんとの『竜馬がゆく』以来かな」と亀治郎さん。”
おりょうちゃん系だったってことね!? 
どうして観に行かなかったんだろう。(後悔先に立たず)

最終ページ近くに、(舞台)写真集発売のお知らせが載っていた。
撮影は齋藤 芳弘氏。氏が撮ると、亀ちゃんは三割り増し美人に写る(←オイ)
これは買いだ買い! と盛り上がり次の行に視線を移す。我が目を疑った。

9,800円(税込)。

高いよ。
同○誌もびっくりだよ
猿之助襲名披露公演のチケット代にもひっくり返ったけど。
もうちょうっとこう・・・下々のお財布の事情を鑑みて下さっても・・・としばしば思う。

でも一回遠征を取り止めれば買えるんだよなあ。
宙組東京公演の観劇回数を減らすか。減らしても惜しくないのが幸いというべきかその実不幸なのか・・・


※注)私は宙組ファンです

2012-05-06 11:18:32 | 舞台
宝塚大劇場で上演中の宙組を観て来ました。

今回の作品が好き、という方々には大変申し訳ないのだが。
あくまで私見、ということを強調した上で物申したい。

S席は一枚8,000円です。
今回の価値の内訳 ↓

芝居で5,000円

ショーはハスラー500円、ローズ・ラメント1,000円、黒燕尾1,200円、
あと残りの場面まとめて300円( うち、中詰は10円

宝塚は、楽しんだもん勝ち。それが私の持論だったんだけど。
今回は完膚なきほど叩き潰された感・・・

辛口の感想はまた後日。

あ、これだけは言っておきます。
組子は全然悪くないからねっ。