JWKA 全国地蜂連合会

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「ヘボの多数回交尾」に関する佐賀博士の論文

2020年07月22日 04時18分28秒 | 日記

数日前、全国地蜂連合会佐賀博士の「ヘボの多数回交尾」に関する論文が国際学会誌に載ったのは

ネットにも載りましたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう

博士は「ネタ不足で中々記事が更新できない」

と私がこぼしていたのを覚えて居て呉れて

ありがたいことにその論文を解説付きで此処に載せても良いですよ!

と寄稿して下さいました 

                                       村夫子BUN

 

 

博士課程の時から研究していた、蜂と病原菌の関係について調べた研究成果がイギリスの国際学会誌Behavioral Ecology (Oxford University Press)のオンライン版で発表されました!

https://academic.oup.com/beheco/article-abstract/doi/10.1093/beheco/araa062/5871951?redirectedFrom=fulltext

多くの蜂や蟻の家族は一夫一妻制なのですが、女王蜂や女王蟻が複数のオスと交尾する種がちょこちょこいます。

謎:なんでわざわざ複数のオスと交尾するの?

これは3、40年前からの謎でしたが、今回はそれをシダクロスズメバチ(へぼ)を対象に調べました。

結果・考察:それぞれのオス親によって、生まれる子供の病原菌に対する抵抗性が異なることがわかりました。

女王が複数のオスと交尾した巣ほど、巣レベルでは多様な病気への抵抗性がもて、巣の個体が病気で全滅することが防げてより生き延びやすいのでは、と考えられます。

遺伝的に似たもの同士で密になって暮らしている蜂や蟻ですが、巣の中に(遺伝的な)多様性をもたらして、それに利点があるところは本当に面白いなあ、と思います。

蜂の採集や飼育には岐阜県中津川市と愛知県豊田市の蜂愛好家の方々に協力していただきました〜いつもありがとうございます!

今回、共著者の方々の大学経由でプレスリリースを出したんですが、一番早くネットにあげてくれたのが日経でした。

なんで取り上げてくれたんだろう?という感じがしておりますが、ありがとうございます。

https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP537766_V10C20A7000000/?fbclid=IwAR0eRSeF1oXeEYkY6RgbCtAGa8CKTjiaD-R8cSzq4RkdeOVDMsUhxiZx_yw

また、東海地域の方々にはおなじみのラジオ局 ZIP FM の朝のニュースでも取り上げていただきました!本研究に用いた蜂は中津川市と豊田市足助町の蜂です。蜂愛好家の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。

 

コロナ禍で今年は蜂追いにも行けそうにありませんが、来年にはコロナが落ち着いていることを願っております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

佐賀達矢

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2 コメント

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Unknown (歩地爺)
2020-07-25 04:33:56
なるほど・・生物の巣は人間を含めて三密なんですね。
殊に地中に巣するスズメバチは・・・・
佐賀博士に拍手です。
返信する
歩地爺さん (村夫子BUN)
2020-07-25 16:41:34
佐賀博士は遺伝子から、名大大学院生は微量元素からヘボの解析です。
ヘボの新しい時代が始まりました。
頼もしい限りですね。
返信する

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