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自分のために書くことば。

普段の生活や会話などから感じたことを、書いてとっておきたいんです。あとで読み返して、私は幸せだなあと思えるためにも。

『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド

2024-06-11 10:35:38 | 読書
分厚い上下巻の本ですが、遅ればせながら読みました。
数ケ月かけて、なんとか読み切りました。やった!
とてもおもしろかった。

なぜ欧米社会もしくはユーラシア大陸の社会ばかりが発展し、
他の地域を圧倒しているのか、その差はどこから来たのか…
ということを、生物学やら考古学やら言語学やら、
色んな分野から掘り下げた壮大なスケールの本でした。

そこにどんな栽培可能な植物が生えていたのか、
家畜化しやすいどんな動物が生息していたのか、
自然環境のちがいが農耕の開始にどんな影響を与えるのか、
大陸の形により技術の伝播の仕方がどのように違うのか、
病原菌とは、発明とは、など、様々な要因を取り上げ、
ひとつひとつ紐解いてわかりやすく教えてくれました。

新大陸にヨーロッパ人がやって来て起こった虐殺や搾取、奴隷化などの出来事について、
なんでこんなひどいことになったんだ…との思いが、以前からありました。
侵略の詳しい経緯なども詳しく説明されていて、よく理解できました。
マヤやアステカやインカを作り上げた人たちに何故かシンパシーを感じている身としては、
心が痛かったけれど…
たまたま地理的に有利なところ(ユーラシア大陸)にいて、食料生産や動物の家畜化が
早くに始まり、人口が爆発的に増えたことで技術の進歩も早かった。
人口密度の高い地域で暮らすことにより、病原菌とも古くからつきあってきた。
そのようなひとつひとつが、侵略する側とされる側を作ってしまった。
人種や民族の差ではない、たまたまなのだ。
作者がこの分厚い学術書を通して一心に伝えたかったその結論が、本当にいいなあと思います。

世界をひとつにして観ることの面白さがありました。
いまこの世界で見られる様々な現象に疑問を持つことの大切さ、
そしてそれには理由があること、原因を探す楽しさ、
色んなことを感じました。

すご〜く読んでよかった!
私の物事の捉え方が鋭くなったような気がするぞ。


明恵上人

2022-08-31 11:01:07 | 読書
この間の私の誕生日に、夫のGやんが、
「白洲次郎・白洲正子 武相荘折々のくらし」
っていう展覧会に連れてってくれました。

元々このご夫婦が好きだったので、連れてってくれてうれしかったな。
その割に白洲正子さんの著作をちゃんと読んだことがなかった。

翌日、白洲さんの短い文章が載ってる本があったな、と思いだし読んでみた。
『日本の神々』という本の冒頭、たったの1ページ!
短いけど、いいな~と思いました。でも、もうちょっと読みたい…。
娘がやってきたので、「昨日の白洲正子さんの本読んでんねん。」と言うと、
「これ?」と指差したのが、『明恵上人』という分厚い本。
「こんなん、あったん!すごい、ありがとう!!」と手に取る。
母が売りに出そうとしていたのを、白洲正子さんのだからと持ち帰り、
そのまま置いといて、存在も忘れていた本でした。

偶然?に出会えた本、やった!と読み始めると。
おもしろい、でも古文の引用部分が超難しい…、うーん、
あ、こういうの好き!、この言葉どういう意味?私にはレベル高すぎか?
と、いろんな気持ちに。

それでも、数日かけて読破しました!
こんな素晴らしい本、最後まで読み切った自分に「よくやった!」という気分です。

明恵上人は名前しか知らなかったけど、すっかり大好きになりました。
お釈迦さまをただ慕って、入滅の日には涙を流すような、少年のようにピュアな人。
位や権力をもつことに興味がなく、ただただ仏道を求めた人。
権力もほしくなければ弟子もほしくない、でもたくさんの人に慕われ、尊敬された人。
いま毎週楽しみに観ている『鎌倉殿の13人』と時代がかぶっていたのも、わかりやすくてよかった。

明恵上人の「あるべきやう」という考え方について、白洲さんはこんな風に素敵に解釈する。
「自己発見とでもいうのでしょうか、それぞれの天性を知り、その天性に忠実であるべきだ、
それが生きることである」のだそうです。
こんな風に言ってもらえたら、生き生きのびのびと前に進んでいけそうだ。

鎌倉幕府3代執権北条泰時との交流もあり、そこもよかった。
泰時は明恵上人に「私淑」していたんだって。
初めて出会った「私淑(ししゅく)」という言葉、一番心にのこっています。
コトバンクによると、
「直接の教えは受けないが、ひそかにその人を先生だと考えて尊敬し、模範とすること」
だそうです。
「ひそかに」っていうのがいいよね~。

『明恵上人』白洲正子さんの愛情があふれかえった、すばらしい本でした。

ハッピーエンドサイクル

2009-12-14 07:40:21 | 読書
またまた平野秀典さんの本を読んで感動しました。
「共感力」という本。

彼の提唱するドラマティック・マーケティングが
彼自身の経験を通してつづられています。
とてつもなくすばらしい…。
ビジネス書を読んでるのに、涙です。


ハッピーエンドサイクルっていう考え方に、大きく共感しました。

誰の人生も、あがったりさがったりします。
そういう人生のグラフのようなものがあると想像してください。

さがったところをスタート&ゴールにして考える人。
あがったところをスタート&ゴールにして考える人。
同じようだけど違う。

前者の場合は、途中いいことがあっても最後は所詮こんなもんさ。
人生は悲しいこと辛いことの繰り返し。

後者の場合は、いろいろあるけど、最後はうまくいく。
ピンチのときは「最悪だ」のかわりに「ドラマティックだ」。
人生は、ハッピーエンドの短編小説の繰り返し。

どこを起点にするかだけのちがいなのに、大違いです。
もし今辛いことがあっても、それは先にうれしい結果が待っているから。
そう思えば、どんなこともがんばれそうです。

ギフト 君に贈る豊かさの知恵

2009-12-06 01:14:54 | 読書
平野さんは、やっぱり本物だと思う。えらそうに言ってるけど。
随分前に買ってよんでなかった『ギフト 君に贈る豊かさの知恵』を読みました。

社会の仕組みの中で、日々の生活の中で、わからなくなる
本質を思い出させてくれます。
本当の仕事の仕方・マーケティングの仕方・生き方を教えてくれる。

やっかいな仕事の前はこれを1ページでも開いて、自分自身を開く。
そして感謝の気持ちや相手を心から喜ばせたい気持ちで、
やっかいな仕事に向かう。
これってけっこういい。ちょっと素直な表現ができたりするように思う。

この本をひらくと、そこからキラキラした光の粒がふわあっとあふれる、
そういう感じです。

話すチカラをつくる本

2009-10-23 06:40:13 | 読書
山田ズーニーさんの「話すチカラをつくる本」を読みました。

すぐに読める文庫本です。

お詫び文の書き方
依頼文の書き方

などが紹介されてますが、ただの文例集などでは全くなく、
人に伝わるためにはどう考えるか、伝わらないものはなぜ伝わらないのか、
ということを、本当にわかりやすく解説されてます。
どうやら法則があるようです。

この本を読むと、書くのが辛いおわび文でも、
「伝わるかも」って、ワクワクします。
論理的かつ愛を感じる本です。

仕事やいろんな場面で活躍しそうで、いまから楽しみです☆

「小さな実践の一歩から」

2009-10-10 08:40:01 | 読書
トイレ掃除の実践で有名な、イエローハットの鍵山秀三郎さんの本を初めて読みました。
「小さな実践の一歩から」って本です。

鍵山せんせいの本を読んで、周囲の人が行動を始めてるからです。
職場の仲間が、最近会社を真剣に掃除し始めました。
武士道協会で会ったあるおじいさんは、トレイ掃除を始めてから
カーっとなりやすかった自分の性格が穏やかになってきたんだって。

読んでみたら、とってもよかった。

自転車1台だけで行商を始め、いまやそれを一流の会社にしたこの方は、
信念の人という印象です。

創業のころから、掃除だけは徹底的にやってきたんですって。
なぜなら、「人間の心はいつも見ているものに似ていく」から。
だから整理整頓をするんだって。

他にも心にじぃぃぃんとくる言葉がたくさん散りばめられていましたが、
今の私には「人の心はいつも見ているものに似ていく」って言葉が
いちばんでした。

そうだよなぁ。私の心がとっちらかってるのは、
家のなかゴチャゴチャしてるからかなぁ。
会社のデスクも。かばんの中も。
いかあーーん!!

さすがに帰宅後、部屋に置いてあるものを片付けました。
向きをそろえるだけでも全然ちがうものですね。
さっきよりずっとスッキリしてる。


これまでは掃除のことを「苦手の克服」としかとらえてなかったから、
けっこう苦しかった。
でも、これからは楽しみにしたい☆
私なりの掃除の効用はこんなかんじ。

掃除をすると気の流れがよくなる。
掃除をすると心が穏やかになる。
掃除をするときれいな部屋にいる自分が大事な存在のような気がする。
掃除をしたきれいな状況を目にしていると、自分の心もきれいになる。

他にもあったら教えてくださいマセ。
目標は習慣化☆

「般若心経」実践法

2009-10-09 07:51:48 | 読書
ひろさちやさんの本を初めて読みました。
『「般若心経」実践法』という本です。

ほとけさまの教えがとても分かりやすくかかれてました。
今の私に響いたのはこんなこと。

思うがままにしようとする心が「苦」をうむ。
あるがままにうけとめて、今できることをやろう。

がんばらないで生きよう。
努力にはしていい努力としてはいけない努力がある。
「がんばる」努力は自己否定の上になされる努力。
「精進」は自己肯定の上になされる努力。

世間のものさしにこだわらない。

こんなカンジ。
この本にも載っていたけど、「人間万事塞翁が馬」の話が最近好きです。
悪いことだと思ったことが実はいいことだった。
いいことだと思ったことが実は悪いことだった。
何がよくて悪いかなんて、結局死ぬまでわからない。
だからものごとにこだわらずに、今できることをしよう。
みたいなことだと思う。

渦中にいるとわからないし、どうせまた悩むんだけど、
深呼吸して、外から観られるようにしたいなぁ。


感動力

2008-06-12 09:27:39 | 読書
感動プロデューサーの平野秀典さんの本を読んだ。
感動力とは、「感じて動く力」。
21世紀は「満足」ではなく「感動」を目指す時代。
仕事にも、生活にも取り入れていけば、自分も含めて幸せになる人が増えるはず。
感動は設計できるのだそうだ。怪しい感情操作ではなく、
心が感じて、自分が動くと、人が動く。それが感動。

読んでみて、おもしろかったー!
優しい気持ちになるし、ワクワクもしてきたー!
ちょっと涙もこぼれた(もちろん感動して)。

私に足りないものも、わかった。
人を感動させる機会はいくらでもあるはずなのに、使いこなせていないぞ。
それどころか、その機会に気づいてなかった。
表現力も足りない。
というか、平野さん流にいうと、磨けていない。
表現力は身につけるのではなく、磨き上げるもの。
子供のときはみんなもっていた。子供のときは、心を体全体で表現していたのに、
大人になればなるほど、頭と口で説明する技術ばかりがついてくる。
私もそう。
笑顔が苦手。表情が固い。発声が悪い。
人から見れば、私はボソボソ話しているらしい。
あんまりハキハキ話してたって、そんなの私らしくなくて気持ち悪い!と
言いたくなるけど、まあやってみよ。
この本に表情筋を鍛えるレッスンと、滑舌をよくするトレーニングが
載ってるからね。ハキハキ話すほうが気持ちいいかもしれないし。

これはGやんに聞いたんだけど、「感動」はもともとは「感即動」なんだって。
感じてすぐに動く。「感動した~」なんて思っても、そのあと動かないなら、
感動してないのと一緒。私は感動したいから動くことにする。
そういえば英語でも、I’m moved. っていうもんね。

枕草子REMIX

2008-03-14 10:13:17 | 読書
とても面白い本でした。こういう気の利いた本、好きです。
著者酒井順子さんと清少納言との対談に始まり、
トピックごとに著者なりの読み解きがあり(秀逸!)、
原文で読んでみようのコーナー、ちょっとマニアックなおまけのコーナー、
最後は観光案内までついてます。
著者自ら現地に赴きレポートしてます。

1000年前のひとりの女性が感じたこと、私もよくわかる!って
著者は声を大にして言うんだけど、それを読んでいる私も、「よくわかる!」って
すっごく思う。おもしろい!!
「春はあけぼの・・・・」ていう書き出しに代表される、日本の情緒をつづった
読み物っていうイメージから、女性版の「あるある」ネタが満載の読み物だってふうに、
認識がかわった。
日本の情緒ってのもとても素敵でいいけど、この「あるある」が最高です。

もうひとつ。
清少納言が暮らした京都に私もいるということの神秘。
彼女が参った清水寺に、今も行けるということの稀有なこと。
とても不思議ですばらしい。

それから。
著者の、清少納言への想いが、もう、すごい。ほんとにすごい。
「あとがき」で出版社の人やいろんなひとに感謝して、
清少納言にも特大の感謝の気持ちを送る彼女に、じ~んときてしまいました。
この思い込みの強さ。いとをかしです。