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さまざまなことども

さまざまなことども書いとります

女は強し

2008-07-15 01:26:20 | 
ここ最近、読んだ本について、書きます。

映画「サイドカーに犬」の原作も収録された、
芥川賞受賞作品「猛スピードで母は」。
両方とも、淡々としている。
平熱が35℃くらいの作品。
時々、泣きたくなる。
そして、ちょっと人間を好きになる。
細かいことは言えないけれど、
オススメしたい作品です。

猛スピードで母は (文春文庫)
長嶋 有
文藝春秋

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横溝正史さんの金田一シリーズ。
最後の事件「病院坂の首縊りの家」。
私は、このシリーズが大好きで、ほぼ全部読んでます。
文庫本でシリーズが出ているので、揃えようかなと思っています。
何がいいって、このおどろおどろしさ。
文章からほの香るいやらしさ。
タイトルからして、普通こんなんつけます?
ま、このタイトルがぴったりな小説なんだけども。
金田一さんは相変わらず大活躍です。
ちなみに、私の中の金田一さんは、古谷一行さんです。

病院坂の首縊りの家―金田一耕助最後の事件 (1978年)
横溝 正史
角川書店

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大石静「四つの嘘」。
今、テレビドラマにもなっているこの作品。
41歳の女たちの物語。
高校時代の同級生たちなのですが、
どの女も好きになれない・・・。
私の周りに、こんな人たちいないし、いたら疲れそうだ。
肉食獣の匂いがぷんぷんする、色気のある女たちの話。
ドラマでも、大石静さんが脚本を担当されるそうで、
今後が楽しみです。
この小説が、新聞小説であったことにもびっくり。

四つの嘘 (幻冬舎文庫 お 20-3)
大石 静
幻冬舎

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この作品たちは、いずれも強い女達が出てくる。
生き方がへたくそで、ちょっとアホで、
「こんなはずじゃなかった」と思ってる人もいて。
ただ、魅力的な登場人物の共通点は、
「言い訳をしない」潔さを持ち合わせているところ。
そこが、かわいげにもなる。
こういうところから、ちょっとずつ
生き方のヒントを得ている私は、
「とにもかくにも、夏の夜には、横溝正史」
と思う強い女の一人です。

STANDING AROUND READING

2008-06-10 02:57:02 | 
会社帰りに本屋さんに寄った。
おもろい本、ないかしら?
マンガの新刊出てないかしら?
おしゃれ雑誌にピンとくるものはないかしら?
本屋さんを一周した。

新刊コーナーで、伊坂幸太郎さんと山下敦弘監督の本を発見。
買うかどうか迷うが、ハードカバーなので、
今回はパス。
実験4号―後藤を待ちながら
伊坂 幸太郎,山下 敦弘
講談社

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次に文庫コーナーへ。
フランスものしり紀行になぜか惹かれる。
フランスものしり紀行 (新潮文庫 (へ-2-7))
紅山 雪夫
新潮社

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こどものコーナーで、こんな本も見つけた。
欲しい!
甥姪に・・・というよりも、自分が欲しくなった。
象なんて、ほとんどページに収まってない。
まつげのふさふさがほとんどを占めている。
ほんとのおおきさ動物園

学習研究社

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そのほか、学習コーナーに行ったり、
大人の切り絵コーナーに行ったり、(今、流行ってるのかな?)
料理本コーナー、永田農法の本、ハーブの育て方、
いろいろ散策して、最後はこの本をじっくり読んで帰った。
その名も誕生日大全。
誕生日大全
サッフィ クロフォード,ジェラルディン サリヴァン
主婦の友社

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自分の誕生日のページをじっくり見る。
うわぁ~。なんか言い当てられてるっぽい。
同じ誕生日の人が同じタイプであるとは思わないけど、
自分にとっては、80%ははまっている。
私は、自信を失った時に、ものすごく落ち込むタイプだと書いてあった。
ズバリ、当たっているでしょう。
短所は、自己中心的。
これも、ズバリ的中。
気持ち悪いわ。
そう思いながら、いつも立ち読みで済ませてしまう本である。

本屋さんを一周するだけで、
気持ちが豊かになった。
あ~、楽しかった。

目からウロコ

2008-04-29 23:42:17 | 
最近、垣根涼介さんの本を好んで読んでいます。
図書館で借りてきた「ワイルド・ソウル」。
上下巻あり、結構なボリュームです。
でも、時間を忘れて、むさぼり読みました。

ワイルド・ソウル〈上〉 (幻冬舎文庫)
垣根 涼介
幻冬舎

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ワイルド・ソウル〈下〉 (幻冬舎文庫)
垣根 涼介
幻冬舎

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戦後の南米移民計画にまつわる話。
政府の打ち出した移民計画に、希望を見出し、
海を渡った人達が、過酷な運命に遭い、
現代の世の中で、彼らは政府への復讐を誓う。
ハードボイルド小説です。
私は、戦後の移民計画をこの本を読むまで知らなかった。
日系ブラジル人と呼ばれる方がいらっしゃるのは知っているが、
そもそもなぜ、その人達が生まれたのかを
知ろうともしなかったんだと思う。
教科書に載っていない歴史を知った。
こういうことを学ばずして、
日本史を知ることなんてできないんじゃないか。
無性に腹が立った。

政治的な話が太い筋としてありますが、
その中で、恋愛、家族愛など絡み合って、
それはそれは、骨太のステキな小説となっております。
いっぱい賞をとっている作品のようです。
そりゃ、そうだろうとも。
オススメ中のオススメでした。

雪の日に思うこと

2008-01-23 08:02:05 | 
おとといは、雪が積もりました。
庭は真っ白、犬駆け回る朝、
通勤でマイカーを出すのもはばかられ、
タクシー呼んだぜ、贅沢にも。
早々に駅に着くも、ダイヤは乱れまくり。
来た電車に乗って、ボックス席の背もたれに寄り掛かり、
本を読み始めた。

荻原浩さんの「噂」。

噂 (新潮文庫)
荻原 浩
新潮社

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真剣に魂を傾けて読んでいたら、アナウンスが。
「ただいま徐行運転中です。到着が遅れ、皆様にはご迷惑を………」
そこで時計を見ると、
長針一回転、1時間たっておりました。
あ~ビックリした~。

さて前置きが長くなりましたが、この本。
殺人事件が起こり、刑事が解決していくミステリー小説。
口コミの威力の怖さを感じさせるお話です。
都市伝説も元は、口コミで広がった荒唐無稽な話。
口裂け女ってほんまにいると思います?
今でこそ、なんですのん?って思うけど、
小学生くらいまでは、純粋に信じていました。
友達の友達が言うことは、真実だと。
ちなみに、コックリさんやエンジェルさんの類いにも、
思いっきり恐怖をおぼえていました。
ある日、クラスの男の子が、目の下をクマで真っ黒にしてきた。
どうやら、家でコックリさんをやっていると、
そのコックリさんは「お帰りください」と言っても帰ってくれないらしく、
眠れない日が続いていると言うのだ。
こ、こわ~っ。
自分も数日前の放課後、
コックリさんに将来の結婚相手を占ってもらったばっかりやし。
なんか起きたらどうしよう?
ちょっとだけ、心配になった。
だって、私の結婚相手は、
「オオカミ」やったし、
友達にいたっては、
「スヌーピー」やったもん。
半信半疑やったけど、
7割信3割疑になった。
私は将来、「オオカミマキ」になる。
もしくは、オオカミ顔の人と結婚する。
友達は、スヌーピーさんと?

今、考えると、ほんまにバカバカしい。
しかし、私がオオカミさんと結婚することになったら?
新たな伝説が始まる。

さて、この都市伝説。
噂のひとつの種類ですが、
噂というのは、人の不安を駆り立てるものが、
広がりやすいらしい。
不確かなものに対する不安。
それをビジネスにしたのが、霊感商法。
「これをつけたら、ハッピーになれる」
「あなたの家に不幸ごとが続くのは、先祖が怒っているから」
・・・なんでそれがアンタに分かるん?
百歩譲って分かるとしても、それでお金をとったらあかんがな。
どこまでが霊感商法っていうのは、難しいけどねえ。
宗教の範囲の問題にもなるからなぁ・・・。

さてさて、この本の中に
「なぜ人を殺してはいけないのか?」という話が出てくる。
これは、この本の隠しテーマの一つだと思うけれど、
なんで殺したらいけないのか?
刑事は言う。
頭じゃなくて、心で感じるものなんだと。
説明なんてできないものだと。
そうですな。
あかんもんはあかんのじゃーっ。
理屈で解決できないものが世の中に、一つくらいあったっていい。
ここで死刑廃止論が絡んでくると、またややこしいのだが・・・。

なんだか、あっちこっちへ意識が飛んでいますね。
たくさん感じることのできる本でした。

されど、マンガ

2007-12-12 03:32:55 | 
今日は、ふらふらと本屋さんに立ち寄った。
コミックスコーナーをうろついて、
まさか出てないであろうと思っていた最新刊を発見。
小躍りして買いました。

ぽっかぽか16巻!

ぽっかぽか 16 (16) (YOUコミックス)
深見 じゅん
集英社

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深見じゅんさんの人気コミックスで、
ドラマにもなっています。
連載から20年たっていて、しかもまだ16巻。
いつも、「まだかな~まだかな~?」と本屋さんでチェックしている作品です。
早速、帰りの電車で2回読みました。
いや~、泣けたね。
3箇所くらいで、うるっときました。

深見さんの作品は、大分前にご紹介した「悪女(わる)」もあります。
そこでは、新人OLが成長していくドラマが描かれていました。
「ぽっかぽか」では、幼稚園児の娘のいる母親が、
楽しく子育てをしているドラマが描かれています。
家庭円満の秘訣が満載です。
主人公は、ほんわかしているのですが、
取り扱われるテーマは、現在社会を反映していて、
幼児虐待、家庭崩壊、両親の死、不妊症・・・など、
決して明るいものだけではありません。
でも、主人公とその周りの母親たちがたくましく、朗らか。
そこが救いとなっています。
主人公の言葉に救われたお母さんたちもたくさんいて・・・。
ただ、主人公も最初からそうではなかったんですよね~。
1巻の頃は、「このままでいいのか!?」と葛藤していたこともあります。
人間は、成長するのだなぁとか、
人間関係は、自分次第の部分もあるかもなぁとか、
子育てを楽しくやるには、がんばりすぎない方がええんやなぁとか、
いろんなことを学んでいます。
マンガを侮ることなかれ。
特に、深見じゅんさんの作品世界は、深いです。

ちなみに、よくよく見ると、16巻は8月に出ていた様子。
うわお、3ヶ月も見逃していた~。侮っておったわ!

川原泉の世界

2007-12-07 01:39:24 | 
この季節、フィギュアスケートをテレビで見る機会が多くなりましたね。
銀盤の妖精というのでしょうか。
華がありますよね~。
私は一冊のマンガを思い出します。
川原泉「銀のロマンティック・・・わはは」という作品です。

銀のロマンティック…わはは (花とゆめCOMICS)
川原 泉
白泉社

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バレエの貴公子の娘とスピードスケートの有望選手が、
一度は挫折して、フィギュアスケートのペアとして目覚めるというお話。
喧嘩しつつも、目標に向かって懸命に練習する二人。
ほのぼのしつつも、最後の最後には、ホロリ。
名作です。

川原泉さんという漫画家をご存知でしょうか。
鹿児島県指宿市出身。私のルーツです。勝手に親近感・・・。
「暖かい」を「ぬくい」という土地柄。
そして、どの作品も「ぬくい」んです。
主人公がぽわ~んとしていて、癒される。
映画になった「笑う大天使」もかなりよくできた作品です。

手足が冷える冬の日に、ぬくい「銀のロマンティック・・・わはは」。
この冬、あと2回は読み返す自信あり。

恋ってなんじゃろ

2007-10-26 01:25:00 | 
恋をすることがこんなに難しいこととは思わなかった。
そんな私に、もう一人の私が言う。
恋はするものじゃなくて、堕ちるものだよ。


・・・なんてね。
ベタな小説もどきで書き出してみました。
恋であふれた小説集を読んでしまった影響なのか、
はたまた秋というもの悲しい季節がそうさせるのか。
秋だから、そんな小説集を読んでしまったのか。

I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)
伊坂 幸太郎,石田 衣良,市川 拓司,中田 永一,中村 航,本多 孝好
祥伝社

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どれも、恋愛ど真ん中の話ではなく、
恋愛を斜めに見ている私にとっても、すんなり入りやすいお話たちでした。
私はやっぱり、伊坂さんの書き口が好きだなあ。
出てくる人たちがさりげなくいろんな角度から描かれていて、
どの人にも人生があるんだなぁ、面白いなぁと思わせてくれるから。
恋愛を書いているようで、人間愛に近いかも。
この人の作品は、肌になじむわぁ。


さてと、恋愛のことをたまに書いている私ですが、
本当に疎くて疎くて。
今、ベクトルが自分にしか向いてないのかもしれない。
自分の人生をどういう方向に進めていくのか、
仕事とどう生きていくのか、
自分のことで精一杯で、
自分を輝かせるために人を愛したいと考えている。
そんな私には、恋に堕ちるということがどういうことか、
絶対に分からないと思う。
多分、知らず知らず、踏みつけていっているか、
ふわっと跨いでいるんじゃないだろうか。
もっと自然体に、
素直に生きて、
あんまり深く考えず、
邪推もせず、
いい女ぶらず、
好きなことを好きと言えて、
何よりも、もっと自分を好きになれたらいいな。

ってなことを考える秋の夜長でした。

ステキな男たち

2007-10-04 10:57:10 | 
久しぶりの更新!
何を書こうと何から書こうと、悩みつつ
まずは、本のこと、書きます。

自慢じゃないが、私の読書ペースは、早い。
早ければ、1日に1冊読む。
仕事のある日も、通勤時間に読んで、
面白ければ、続きを家でも読む。
なので、万年、本不足です。
買う時は、極力文庫本。
図書館もバリバリ利用しています。
そんな私は、忘れるのも早い。
ちともったいない。

さて、最近読んだ中の3冊を紹介します。

君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))
垣根 涼介
新潮社

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これは、本当に面白い!
リストラ請負会社(ほんまにあるかどうかは不明)の社員が、
さまざまな業種の会社でリストラ面接をする中で、
恋に堕ちたり、旧友と出会ったり、思いっきり恨まれたりする。
主人公の仕事に対するスタンスは、安定している。
人の人生を背負う責任を感じるのはもちろん、
納得いくまで調査をし、プロとしての仕事をこなしていく。
男としては、ちょっと手に負えない感じだけど、
仕事に対する姿勢は、格好いいんだよなぁ。
そして女性に対する価値観に、ズキュンとくる。
山本周五郎賞受賞作。
納得の作品です。

完四郎広目手控文明怪化
高橋 克彦
集英社

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「完四郎広目手控」シリーズ。
江戸から明治に時代が進み、アメリカから完四郎が帰ってくる。
強いし、アイデアマンだし、力の抜けてる感じが、ステキ。
瓦版が新聞になっていく過程を描いたフィクション。
出てくる登場人物みんなに愛嬌がある。
安心して読めるシリーズです。

探偵ガリレオ (文春文庫)
東野 圭吾
文藝春秋

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今度の月九ドラマになる作品。
主人公の湯川教授は、頭が切れて皮肉屋で、
いざという時には力になってくれる、これまたステキな男です。
ドラマでは、福山雅治さんが演じられるのね。
あ~、こりゃ文句なしだわ。

いずれも、一癖二癖あるけど、
とっても愛すべき男たちが主人公のお話です。
ぱっと選んだ3冊がこれ。
私、こういう人たちとの出会いを
現実世界にも求めているのかもしれない。
あぁ、切ない。

武士道に涙

2007-08-13 00:53:02 | 
藤沢周平さんの「蝉しぐれ」。
映画にもドラマにもなってるんですよね。
この秋には舞台にもなります。

藤沢さんの作品、初めて読みました。

蝉しぐれ
藤沢 周平
文芸春秋

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めーーっちゃ、面白い。
のめりこんでしまいました。
主人公の男気にぐっときます。
立場がどうあれ、絆で結ばれている友人たち。
江戸時代、道理にかなわないこともたくさんある。
ぐっと歯を噛み締めて、前を向いて生きる文四郎。
う~ん、かっこいい。
武士道や。
私は基本的に、強い剣士が出てくる作品が好き。
池波正太郎さんの「剣客商売」シリーズも痛快だったなあ。

時代物になじみがない方もぜひ。
男の中の男の姿に涙です。

女って・・・

2007-08-06 22:58:40 | 
ほぼ日手帳を使いこなすつもりだった2007年。
ほぼ白です。
こんなはずではなかったのに~。
今年から、読んだ本も付けていこうと心に決めておったのに~。
ちなみに観た舞台は付けており、今年は27本。年間40本ペースかな。

さて私は、自慢じゃないが、いや、自慢か。
本を読むスピードが速い。
通勤時間が長いからということもあるが、
1日で1冊読みきることもある。
今年は、何冊読んだのだろうか。
あぁ、気になる。

さて、最近読んだ本です。
その名も、「嫌な女を語る素敵な言葉」。
岩井志麻子さんの本は、初挑戦。
テレビのコメンテーターとして出演されている時、
ものすごく個性的な発言をされ、人間的にとっても憧れている御方。
さてさて~。

嫌な女を語る素敵な言葉―恋愛ホラー (祥伝社文庫 (い16-1))
岩井 志麻子
祥伝社

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うん、意地悪さ加減が、すっごく心地よい。
女に対して手厳しい!ちょっと怖い。
でもおもろい。
短編集なのですが、読むにしたがって、
段々、怖く、エロくなっていく。
うわぁ~~。泥沼や。
ずぶずぶ嵌まっていく感覚が、お嫌いでない方には、
きっとぞくぞくする快感な作品なのでは。
初めて読む私にとっては、行きはよいよい帰りはこわい。
これが逆だったら、引き込まれなかったかも。
うまい構成でした。

私もこんな本を読むような大人になったのだなぁと
しみじみと思う夏の夜です。