三十日、七月最後の土曜日早朝、田舎家へ向かう途中で寄り道をし、清里町青葉の小麦畑に沿った農道に入り、婚姻色の出たサクラマスが産卵場所を求め上流を目指して上るので有名な「さくらの滝」を見てきた。何度も来ているが、実際には40~50㌢もあるサクラマスが小魚のように見える大滝を越えようと躍動する姿には感動を覚える。霧雨の中を三十分ほどカメラを構えていたが、跳躍に成功したサクラマスは皆無だった。ま、成功しても安物のデジタルカメラのレンズで瞬間的映像を捉えるのは至難の業だ。
この川の上流では、かつて、魚籠からあふれるばかりのヤマメが釣れたが、今はオショロコマが圧倒的に多い。ヤマメの放流を止めてから本来の生態系に戻ったのだ。何のための、誰のための放流だったのか。いくつかの自然の障壁を乗り越え上流で産卵するサクラマスは、もともと僅かに過ぎない。無駄な銭を費やしたとしか言いようがない。さぞかしオショロコマが喜んでいることだろう。
今朝は霧雨で小麦の穂が濡れているが、長雨にさえならなければ芽が出る心配は不要だ。今季の秋蒔き小麦は二年ぶりの豊作だという。七月十日に斜里町朱円で撮影したときはまだ畑全体が緑色だったが、二十日経過して小麦は褐色に変じ、刈り取りの時期も近い。
日本の小麦の自給率は十数%に過ぎない。気象変化や人口増加に加えて消費意欲増大といった食糧不足の要因を常に注視すべきだ。将来的に、国際的な食糧危機の発生が避けられないという明確な認識を国家は忘れてはならない。
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