写 真 散 歩

特別じゃなくて、普段の散歩のときに見つけた
モノを写真で綴る、ページです。

複眼

2010-09-24 | 機材考察など
この目玉、一体どんな風に世界が見えているのだろうと・・・
大きな目ですが、中空のボウルの様な構造の頭の表面に無数のちぃさな目が並ぶのは、
いつ見ても不思議です。レンズを通してみると、幾何学的な模様というか,規則正しいバタンが見えますね・・・

ナツアカネ
トンボ目 トンボ亜目 トンボ科 アカトンボ亜科

E-3  
ZD ED50mm F2 MACRO + EC-20
100mm F8.0 -0.3 1/60 ISO400


E-5の発表からようやく10 日ですが・・・
その間にいいろな噂やら、否定のコメントやら、そのときの一言がまたも衝撃的だったり・・・
慌ただしい10日間でした。ようやく一呼吸置いて,冷静に考えられそうです。

その中で、やはり疑問に思うのは、E-5の解像感の話です。
オリンパスの発表では、1230万画素の撮像素子を用いて他社の1230万画素機をしのぎ、
1600万画素から、1800万画素の撮像素子を持つ機種に並ぶほどの解像感を達成しています。と、いう事です。

ここで、語られるのは,あくまで解像感で会って解像度ではないことです。
このすぐれた解像感を得るために,要素技術としては、ローパスフィルターの効きをほとんど無いのと
同じぐらいに弱め、そのことで今までローパスフィルターで,カットしていた高周波の成分が、そのままに撮像素子に
届き、解像度を損なうことなく取り込むことが可能になる。そのために同じ1230万画素でも,他社と同じ解像では無いと
いう説明でした。
ところでこのローバスフィルターですが一体、何のために付いていたかと言うことです。
読んで字のごとくなのですが、低い周波数成分はそのままで通しますが、高周波の成分は、ここで阻止をするわけです。
阻止と行っても光を全く通さないのでは無くて、フィルターを通るときに水晶の屈折を利用して、高周波の成分だけを
屈折により散乱させてぼかすのです。これによりモアレとか、偽り色の発生を抑制するのです。
では、なぜモアレとか偽り色が発生するかは、これは撮像素子の仕組みに根本があります。
よくベイヤー配置の撮像素子というのを聞いたことがあると思うのですが、一般的に売られている撮像素子は、ある一部を
除いて、みんなこのタイプの素子です。では、一部というと何かと言うことなのですが、SIGMAが開発している
フォビオンと言われる撮像素子です。あとは、フジの開発しているスーパーCCDハニカムの撮像素子がありますね。
まあ、この二つはとりあえず横に置いておいて・・・
ベイヤー配列の撮像素子に話を戻しますが・・・
では、なぜ折角レンズで大変なコストを掛けて、焦点面に集光した光をローパスフィルターで高周波の成分をぼかす
様なことをしないといけないのかと言うことです。ぼかすということは、もちろん解像度を得ようとする行為と全く
逆の行為をしているわけです。
ここで、ベイヤ配列の撮像素子の構造を見てみると、この撮像素子の構造的な欠点を補うために、必要悪として
導入されたモノがローパスフィルターだったのです。
ベイヤータイプの撮像素子は、この4つの素子で1画素を形成しています。

R-G
G-B

撮像素子というのは、本来モノクロでカラーを感知することはできないので、
カラーの信号を得るために、R・G・Bそれぞれの色フィルターを素子の前に置いて、カラーの信号を得ているのでです。
Gの素子だけが2つ有るのは、人間の目の感度が 緑の色の周波数に対して特に敏感なため、解像度を高めるために
RとBの倍の素子数を配置しているらしいです。

撮像素子の表面は、この順でびっしりと覆われています。
ここで、見てほしいのは、Rの素子に注目すると・・・
Rの素子の右隣はGの素子があってRの情報が無いのです。そして、Gの隣に次のRの素子があります。
下を見ると,すぐ下の列には、Rの情報が全く無いのです。そして、次の列になって
ようやくRの素子が現れます。
早い話が、横方向は、1つおきに,縦方向は1列おきにしかRの情報が無いのです。
Bの素子もRと全く同じ状況です、横方向は、1つおきに,縦方向は1列おきです。
Gの素子は、R・Bと比べると2倍の素子の数をを持ちますが・・・それでも、縦・横一つおきにしか情報がありません、

たとえば、縦3000×横4000ピクセルの撮像素子の場合は、1200万画素ですが・・・
Rの素子の数は、縦1500×横2000 = 3,000,000ピクセル
Bの素子の数は、縦1500×横2000 = 3,000,000ピクセル
Gの素子の数は、縦3000×横2000 = 6,000,000ピクセル
全部併せて            12,000,000ピクセルです。

一般に、ベイヤー配列の場合は、縦3000×横4000の撮像素子は、1200万画素と言うことになりますが、
何かおかしな事に気がつかれたのでは無いでしょうか・・・
本来、画素といった場合は、R・G・Bの3つのデーターを持つ最小単位を、1画素と定義していたはずです。
本当の意味での、1200万画素の場合は、

(縦3000×横4000)×3 = 36,000,000ピクセル必要です。

見事に計算があいませんよね・・・
で、ここで先ほどのベイヤー配列は、演算によりこの足りないドットを補うのです。

Rの素子の数は、 縦1500×横2000 ×4倍 =  12,000,000ピクセル  
Bの素子の数は、 縦1500×横2000 ×4倍 =  12,000,000ピクセル
Gの素子の数は、 縦3000×横2000 ×2倍 =  12,000,000ピクセル
全部併せて                  36,000,000ピクセルです。

R・Bの素子の場合、わずか1/4のデータから、残りの3/4のデータを作り出すわけです。
Gの場合は、1/2から、残りの半分を演算により求めるわけです・・・ちょっと驚きですよね。
ここで、もう一つ・・・
この補完演算をする前の撮像素子のドット数を数えてみると、
R-Bは、それぞれ300万素子、Gで600万素子の情報量しか有りません。解像度を語るときに
ベイヤー配列の素子は、これだけの元情報しか持たないと言うことです。

ここで、先ほどのフォビオンの撮像素子の場合は、たとえベイヤ配列の撮像素子と同じ
画素数であっても、全く同様の解像度とは言えないと思いますね。
なぜなら、フォビオンのばあいは、3層構造として、本来必要な素子が実際に存在するからです。
つまり、各層毎に単独で1200万個の素子があるのですから、解像度では大差が付きますよね。
ベイヤー配列のばあいは、同一の画素数では、ありますが,必要な素子の1/3しか実際の
素子を持たず、残りの2/3は演算により補完処理されるのですから・・・

SIGMAのSD-1の発表時のコメントに4600万ピクセル(3200×4800×3層)の表記がありましたが、
画素数で書くと、1536万画素と言うことになります。
とても紛らわしい表現だと思いますが・・・3200×4800×1層のベイヤー配列の撮像素子と、
同じ1536万画素と同列として扱われたくなかった、SIGMAの気持ちは、よく分かります・・・

ちと、長くなってきましたので・・・ここで一端切ります。
すいませんが、もう少し続きます。

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