写 真 散 歩

特別じゃなくて、普段の散歩のときに見つけた
モノを写真で綴る、ページです。

複眼-2

2010-09-25 | 機材考察など
シオカラトンボ
トンボ目 トンボ亜目 トンボ科 トンボ亜科

E-3  
ZD ED50mm F2 MACRO + EC-20
100mm F8.0 1/320 ISO200

長くなってきたので・・・一端切ってしまいましたが、もう少し続きます・・・

ベイヤー配列は、以下のように画像を演算で補完処理して、欠損したデーターを求めます。

Rの素子の数は、 縦1500×横2000 ×4倍 =  12,000,000ピクセル  
Bの素子の数は、 縦1500×横2000 ×4倍 =  12,000,000ピクセル
Gの素子の数は、 縦3000×横2000 ×2倍 =  12,000,000ピクセル
全部併せて                   36,000,000ピクセルです。

自分でも、何を書いているのか良く分からなく成ってきましたが、
本来ほしいのは、1画素の中に
R 0~255
G 0~255
B 0~255
と言う3つのデーターのはずなんですよね。これがあれば画素毎にフルカラーの発色が
得られるはずです。これが最終的な出力形態だと思います。
ところが、撮像素子のスペックで言うところの画素というのは、意味合いが異なるようで
ピクセルで呼んでみたり、ドット、画素と呼んでみたり、非常にややこしいですね。

オリンパスのE-5では、総画素数1310万画素(RAW4032×3024)となっていますね。
有効画素数では、1230万画素となっていますね。
撮像素子の1素子はあくまで、一つの色の信号しか受けとらないはずで、
先ほどのRGBそれぞれの信号を作るには、最低でも3素子必要なはずなんですよ、
単純に考えると、1200万画素を得るためには、4000×3000×3素子=3600万個の素子が必要。
でも、ベイヤ配列の撮像素子は、単板の4000×3000で、合計1200万個の素子から演算により
足りない分を補って1200万画素の画像を作るわけです。
フォビオンは、演算ではなく実際に、4000×3000×3層で、実際に3600万個の素子を用意して
1200万画素の画像を作るというわけです。

補完演算の仕方は、私も詳しくは知りませんが、隣り合う同じ種類の画素から導き出すようです。
一般的な,周波数の低い画像では、周りの画素をつなぎ合わせて、何となく元の形が分かるように
補完するのは、今の技術では可能だと思いますが・・・イメージが適切かどうか分かりませんが・・・

すだれ越しの画像を見たときに、すだれに邪魔されて見ることができない部分があっても、見えている部分の
情報から、足り無い部分を頭の中で推測して過去の経験から、補完画像を作り出すと言ったところでしょうか・・・
では、同じ事を高周波の成分を含んだ、細かい繰り返しのパタンの絵を見たときはどうでしょうか???
すだれ越しで,同じように頭の中で補完画像を作ろうとしても、すだれに邪魔されて見えない部分と
見えている部分の大きさが等しいぐらいにだったとしたら・・・画像を頭の中で組み立てるのは、
困難では、無いでしょうか・・・何が見えているのか分からなく成ってしまいそうですよね。

ベイヤータイプの撮像素子がもっとも嫌うのが、市松模様の様な細かい連続パタンでは無いでしょうか・・・
あと、レースのカーテンとか・・・
ある程度の大きさまでは、何とか再現できますが、これが細かく(周波数が上がるほど)境目の輪郭を正確に
とらえるのができなくなってくるのです。そうすると、画像を復元処理したデーターに誤った演算処理が多発します。
モノクロのばあいは、だだ単に演算誤差があったとしてもノイズとして片づける事もできるのですが、
問題はカラー画像を得る為に,RGBで3枚の画像を演算により求めるわけです。
この3枚の画像がぴったりと重なってくれたら問題は起こらないのですが・・・現実は,ぴったりとは
重ならないのです。先ほど、市松模様の場合と言いましたが,この模様がたとえば白と黒だったとしても、
ぴったりと重ならなかった部分は、信号が誤って載っています。この誤ったデータの為に,本来そこに存在しない
色の信号が発生してしまうのです。これが偽り色が発生する原理です。
色のノイズとして、画像の輪郭の周辺に発生します。
モアレについては、光学的な要素でも干渉縞が原因で発生する場合もあるので、もっと複雑ですが・・・
3枚のRGBの画像を重ねたときに食い違った部分に、本来の画像にないバタンが浮かび上がる現象です。

では、このような不具合をどうやって解消するのか、カメラ内の演算装置では、複雑な計算式を組み合わせれば
ある程度は、緩和することができますが、これとて搭載できるCPUの能力に限度があります。
そこで、考え出されたのがローパスフィルターです。このフィルターは,純粋に光学的なフィルターで
撮像素子の前に,赤外線カットフィルターとともに、装着されて、撮像素子に入る光のうち、高周波の成分
を取り除いていたわけです。
このフィルターを通ることで、高周波の成分は市松模様の様に明暗のはっきりしたモノから、色や形がぼかされて
灰色のぼんやりとしたモノに変えられてしまいます。
こうすることで、偽り色とか。モアレの元になる成分を撮像素子に取り込まなくなるために、
後の処理が非常に楽になるわけです。
ただし、この副作用として解像度は、明らかに後退します・・・それは、細かい部分ほどぼかしているのですから、
当たり前の結果ですよね。そのために解像度を高めるためには、撮像素子の画素ピッチをどんどんと細密にしていった
訳です。こんどは、細密化による他の問題も浮上してくるのですが・・・こっちの話は、また機会がありましたら
書いてみたいと思います。

結局のところ、このローパスフィルターのさじ加減と画像処理エンジンの味付けによって,同じ画素数を持つカメラでも
画質に差が出てくると言うわけです。

ようやくこれで本題に入れますが・・・(石を投げないで
E-5の画質向上の鍵となる本命の部分だと思っているのですが、例のファインディティル処理というのが、
新しく搭載された画像処理エンジンの「TruePicV+」に組み込まれているのですが、上の記事でくどくどと・・・
書いてきた様なことを,一手に引き受けて、薄くしたローパスフィルターと組んで、解像感を向上させた
と、言う今回のオリンパスのキャッチフレーズな訳ですが・・・

実際のところは、まだ製品が発売されていないので,見ることができるのはサンプル写真だけであり
非常に情報源が乏しい中で、いろいろと自分なりにああでもない・・・こうでもないと考えているのでした・・・

もうすこしつづきます・・・

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ふぉ~す)
2010-09-26 01:55:11
素晴らしい講義ありがとうございます
知っていることもありましたが、深く知ることができました。
続きが楽しみです。
シグマのSD1は、相当にシビアなブレなし撮影が要求されそうですね。
三脚担いでフィールド撮影の根性が自分にあるだろうか。
手ぶれ補正のないカメラで頑張っていましたが、
最近はぬるい撮影してますからね。
返信する
こんばんは、ふぉ~すさん (Mura@管理人)
2010-09-26 23:31:27
そうですよね・・・カメラ歴が長い人には
当たり前に成って居ることもありますが・・・
では、なぜそう言うことが起こるのか・・・
なぜ必要なのかと思うと,結構掘り下げて理解できてないと
人に説明できないですよね。今まで付いているのが
当たり前だと思っていた,ローパスフィルターの役割
今回のE-5の件でいろいろと調べてみて
新たな発見がありました。

SIGMAのSD-1は,なかなか期待できそうですね。
でも、このフォビオンは高感度が弱く、ISO50か100を
常用すると成ると、本当に三脚が無いと私には無理っぽい
です。IS付きのカメラになれすぎてしまいました。
リハビリに、E-1でも買おうかと本気で考えています。>笑い
返信する

コメントを投稿