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峰猫屋敷

覚え書と自己満足の場所

祖父の霊の仕業かいな?

2006年05月13日 10時25分43秒 | 不思議だったり、そうでもなかったりの話
昨日の「ちょいと不思議な話」カテゴリー収録話は、それほど不思議ではありませんでしたね。
不思議な話は大好きなんだけど、私の人生でいかにも不思議って話はあまりありません。

その中で一番不思議だったのは、大学4年生のときのこと。
卒論を書くために、神田の古本街を見て回っているときのことでした。

私の卒論は、『山岳宗教についての考察~天狗信仰~』とかいうタイトルで、
とにかく50枚書ければいいやという、写真と引用をふんだんに使ったインチキ卒論でした。

ある古書店に入ると、宗教関係の本は地下にありました。
卒論に使えそうな本を探していると、私が1歳になる前に亡くなった父方の祖父の著書がありました。

祖父は昭和前半時代にちょっと有名だった人で、何冊か著書があります。
しかし、祖父の本は宗教関係の書棚に分類される本ではありませんでした。

私は、「へえ~、とうとうちゃんの本だ」(父方の祖父のことは‘とうとうちゃん’と呼んでいた)
と思いながら手にとって見ました。

表紙の裏に、「○○○○さんへ」と書いた祖父の直筆サインがありました。

そのときは本を書棚に戻して帰りました。
自分に必要な本じゃなかったし。

家に帰ってから、父にその話をしました。
すると父は、
「お父さんは人に贈った本が売られるのを嫌がる人だったからなあ。買ってきてくれよ」
と、本代をくれました。

何日かして、私は再び神田のその古書店に行きました。
地下への階段を下り、宗教関係の書棚をくまなく探しましたが、祖父の本がありません。
決っっして売れるような本ではないので、(とうとうちゃん、ごめん
階段を上がってレジにいた若い男の店員さんに、
「階段の下に、○○○○○の本が前にあったんですけど?」と聞きました。

すると店員さんは、レジ前の列の本棚を指差し、
「その関係の本なら、そこの棚にあります」と言いました。

探してみると、たしかに前に見たのと同じ、祖父のサイン入りの本が1階の書棚にありました。
私は狐につままれた思いでその本をレジに持っていき、会計してもらいました。
そして店員さんに聞きました。
「この本、前は地下の本棚にありましたよね?」

すると店員さんは、変なことを言う人だといわんばかりの薄ら笑いを浮かべ、
「いえ、この関係の本は地下じゃありません。ずっとそこにありました」
と言いました。

気の弱い私は黙って引き下がりましたが、
そんなはず ないですよぉ
地下のあの場所になかったら、私が気がつくはずがないんだから。
とうとうちゃん、よっぽど自分の本を買って欲しかったのかなあ。


なお、今回の画像は某サイトから拝借した祖父の写真です。
モザイク モザイク
そのまま使っても誰も知らないと思うけど。