スティグリッツ氏「TPPは日本にとって不公平になる」TPPは特定集団のための貿易協定

2013年06月05日 | 政治 経済

TPPと規制緩和を問い直す ジョセフ・E・スティグリッツ

TPPは特定集団のために「管理」された貿易協定だ

 賛否両論を呼び、物議をかもしているふたつの分野について、お話をしたいと思います。ひとつは自由化や規制緩和に関することです。もうひとつは貿易にまつわる政策についてです。
 貿易政策について非常に重要なポイントは、TPP(環太平洋経済連携協定)をはじめとする自由貿易協定が「自由」な貿易協定ではない、ということです。
 どうして「自由」貿易協定ではないのか。私はときどき冗談めかしてこんなふうに答えています。
「もしある国が本当の自由貿易協定を批准するとしたら、その批准書の長さは三ページくらいのものだろう。すなわち、両国は関税を廃止する、非関税障壁を廃止する、補助金を廃止する、以上」
 実際の貿易協定の批准書がどんなものかご覧になったことはありますか? 何百ページ、何百ページと続くのです。そんな協定は「自由」貿易協定ではありません。「管理」貿易協定です。
 こうした貿易協定は、ある特定の利益団体が恩恵を受けるために発効されるものです。特定の団体の利益になるように「管理」されているのが普通です。
 アメリカであればUSTR(米国通商代表部)が、産業界のなかでも特別なグループの利益を代弁している。とりわけ政治的に重要なグループの利益を、です。
 TPPはアメリカの陰謀だと揶揄する人もいますが、そうです、確かにそういう側面はありますよ。こんなことは新しいニュースでもなんでもないでしょう。
 しかも、こういう二国間の貿易協定が発展途上国に多大な犠牲を払わせているのです。二〇〇一年一一月のドーハ開発ラウンドで発展途上国と合意事項がありましたが、アメリカはその合意を反故にしたのです。今から考えると、我々は発展途上国にとってフェアな多国間貿易体制をつくるべきだったと思います。実際に自分が関わったケースでも、二国間の貿易協定で途上国に大変な犠牲を強いることがよくありました。

九九パーセントの国民の生活を犠牲にするTPP

 かつてラテン・アメリカのある国の大統領が貿易協定に署名するべきかどうかを私に聞いてきたことがありました。私は彼の顔をじっと見て、「あなたが協定に署名することはできません」と申し上げ、彼は「なぜだ」と聞き返しました。じつは彼は医師でしたので、私はこう語りかけました。
「あなたは医者になるときにヒポクラティスの誓いをたてましたよね。人を傷つけるな、というあの誓いです。この協定に署名すると、(国民を傷つける結果となり)その誓いを破ることになりますよ」
 たとえば、ジェネリック医薬品の価格は高騰し、医療へのアクセスが難しくなり、多くの人が死ぬことになるでしょう。環境や資本の流れなどあらゆるところで、悪い影響が国民に降りかかってくるでしょう。貿易協定は人々の生活を苦しめる結果を生むのです。
 もうひとつ例をあげてみましょう。GMO(遺伝子組み換え生物)についてです。消費者は食料品にGMOが含まれていることを知る権利があるのか、ないのかという議論が今、アメリカであります。ほかの諸国の多くは、規制はしないけれども、国民が知る権利はあるだろう、という見解です。
 ところが、USTRは、国民に知る権利はないと主張しているのです。それは、USTRが特定の団体の利益を反映しているからです。このケースの場合、USTRが代表しているのは(遺伝子組み換え作物に力を入れている)モンサント社の利益です。
 私が言いたいのは、貿易協定のそれぞれの条項の背後には、その条項をプッシュしている企業があるということです。USTRが代表しているのは、そういう企業の利益であるということを忘れてはいけません。
 USTRはアメリカ国民の利益を代弁しているわけではありません。ましてや日本人の利益のことはまったく念頭にありません。

貿易協定と国内の法規制との対立

 貿易協定で決められた方針と国内の法規制との対立の可能性についても、お話ししましょう。
たとえば、シンガポールのチューイングガムにまつわる規制です。そんな規制が、反貿易的な政策でしょうか? いえ、噛んだ後捨てられたチューインガムが街中のあちこちにこびりついているのに困って、シンガポール政府はチューイングガムを規制しただけなのです。
 ところが、アメリカ政府やUSTRの言い分は、それは協定に違反する政策だ、チューインガムをシンガポールに輸出しにくくなる、というものでした。
 事は日本に対しても同じです。日本には日本独自の規制がある。たとえば大型車には余計に税金がかかるという制度です。排気ガスという点でも、燃費という意味でも、大型車には問題があるから、税負担も重くしている。私としては、これはとても合理的な税制だと思います。
しかし、(大型車を輸出したい)アメリカは、こうした税制を反米的な政策だと見るわけです。実際は、ドイツ製の大型車は日本でも売れていて、日本人はキャデラックに興味がない、というたったそれだけのことです。逆にいえば、日本の社会のニーズを反映した製品をアメリカがつくっていない。アメリカの大型車の販売が伸びない理由は、「反米的な税制」のせいではありません。
 ですから、日本にとって重要なのは、反・自由貿易的だとか、反米的だと批判されても、その批判に屈しないことです。軽自動車への減税を日本人はあきらめてはいけないのです。公害は勘弁でしょう。環境を守りたいでしょう。子どもは守りたいでしょう。
 そうしたことは、商業的な利益のために、投げ出してはいけない、基本的な価値なのです。そして、目指すべきは規制緩和などではないのです。議論すべきは、適切な規制とは何か、ということです。
 規制なしで、機能する社会はありません。たとえば、ニューヨークに信号機がなかったら、交通事故を引き起こし、交通麻痺に陥るだけでしょう。現在のような規制がなければ、環境は汚染され、私たちの寿命は昔と同じように短いままだったでしょう。規制がなければ、安心して食事をすることもできません。
「規制を取りはらえ」という考え方は、じつにばかばかしい。問うべきなのは、どんな規制が良い規制なのか、ということのほうなのです。
 先進工業国のなかでアメリカがもっとも格差がひどいのは、規制緩和のせいなのです。規制緩和という政策のせいで、不安定性、非効率性、不平等性がアメリカにもたらされました。そんな政策を真似したいという国があるとは思えません。

ウォールストリートの言いなりになるな!

 もし日本が危機的な状況に陥りたくないのなら、重要なことは、アメリカ流のやり方を押し付けるウォールストリートやアメリカ財務省の言いなりになるべきではない、ということです。すでに日本は二○年ものあいだ低成長のままです。アメリカの言いなりになって、さらに次なる経済危機を迎えたいのでしょうか。そうでなければ、自由化や規制緩和という政策課題を考えるときにはとても慎重になるべきなのです。
 必要な変化を進めようとするときに、それを妨げる既得権益グループというものが存在するのも確かです。私のような外国人が、何が日本にとって必要な規制緩和で、何がそうでないかを判断することはできません。
 しかし、自由化や規制緩和を進めるときには、心に留めておくべきことがあります。自由化それ自体が、ある特定の利益団体の狙っていることであり、彼らの利益になるということです。
TPPに関してもそれはまったく同じ構図なのです。アメリカの一部の利益団体の意向を反映するTPPの交渉は、日本にとって、とても厳しいものになることを覚悟しなくてはなりません。日本は本当に必死になって交渉する必要があるのです。

規制緩和が世界金融危機を引き起こした

 規制について、ここではっきりさせておきましょう。規制緩和が世界金融危機を引き起こしたのです。規制緩和がバブルを生成させたのです。もちろん、そんなバブルのような好景気は持続可能なものではありません。アメリカが率先して金融部門で規制緩和をして、その結果、世界全体が打撃を受け、この大不況に突入したのです。
 振り返れば、第二次世界大戦後から一九七三年まで続いたブレトン・ウッズ体制の下では固定相場制だったので、現在のグローバル経済よりも安定していたことは確かです。最近のアメリカの経済学者のなかではブレトン・ウッズ体制を再評価する声も出ています。
 しかしながら、ブレトン・ウッズ体制では、各国の生産性にばらつきが出てきたときに、対応できなくなってしまったのです。
 ブレトン・ウッズ体制が崩壊し、変動相場制に移行したわけですが、(もともと不安定性のつきまとう)変動相場制のもとで、規制緩和が進められたことにより、ありとあらゆる種類の投機の可能性をつくり出しました。それが不安定性をさらに増大させたのです。資本の流れが貿易の流れの多くを占めるようになってしまい、安定性を維持することが非常に難しくなったのです。
 ブレトン・ウッズ体制に戻ることができない以上、金融部門、とくに短期の資本の流れに、適正な規制をかけて、我々は世界経済の安定性を取り戻すしかないでしょう。
 今、日本のみならず、世界中で量的緩和が行われていますが、小国が量的緩和をしてもグローバルな影響はありません。しかし、アメリカのような大国が量的緩和をするとグローバルに影響を及ぼします。しかもアメリカでの実体経済にはおりてこないで、アメリカ以外の海外資産に使われます。為替市場に向かう場合も、(資源・エネルギー・食糧などの)コモディティ市場に向かう場合もありますが、その過剰流動性が世界経済の不安定さを助長しています。

イノベーションの方向転換が必要だ

 安倍総理が掲げる三本の矢のなかでもっとも難しい三本目の矢の成長戦略についてお話をしておきたいと思います。持続可能な成長を促すためにいかにお金を使うか、これは非常に難しい問題です。
 新興国市場の存在感が日に日に増している現代で、そうした国の消費者がアメリカやヨーロッパと同じように消費したらどうなるか。私たちの地球はもたないでしょう。
 持続可能な成長を成功させるためには、「イノベーションとは何か」という考え方そのものを定義しなおさなくてはならないのです。
 これまでのイノベーションといえば、人が働くコストを省くことに焦点を合わせてきました。その結果、他方では高い失業率に悩まされています。これはパズルみたいなものです。
 これほど失業率が高いときに、さらに失業者を増加させることにつながる、労働力を省くイノベーションを追求していていいのか。
 我々には新しい成長モデルが必要です。今までと同じようなやり方で、これからも成長することはできない。そこが明確化されているかどうかが非常に重要なのです。

多様性を考える言論誌[集英社クォータリー]kotoba(コトバ)2013年6月号
http://shinsho.shueisha.co.jp/kotoba/1306tachimi/04.html




世界の著名経済学者ら「アベノミクス」を議論(05/30 20:05)



 政府はノーベル経済学賞受賞者など国内外の著名な経済学者を集め、「アベノミクス」について議論する国際会議を都内で開催しました。

 甘利経済再生担当大臣:「安倍内閣は、これから打ち出す成長戦略を異次元のスピードで実行していくことをお約束します」
 ノーベル経済学賞受賞、米コロンビア大学・ジョセフ・スティグリッツ教授:「新しい一連の政策によって、より高いレベルにいける」
 会議は2日間の予定で、冒頭講演した甘利大臣は、経済成長と財政健全化を両立させると強調しました。また、ノーベル賞学者のアメリカ・コロンビア大学のスティグリッツ教授は、アベノミクスの経済政策を積極的に評価したうえで、女性や高齢者の活用を進めるべきだと提言しました。一方、TPP=環太平洋経済連携協定への参加について、スティグリッツ氏が「日本にとって不公平になる」と慎重な姿勢を示したのに対し、日本の学者らが反論し、TPPの重要性を強調する場面もありました。アベノミクスについての集中討議は31日に行われる予定です。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000006290.html

【TPP】米国外交公文、ウィキリークスが公表「日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる」
「TPPは富裕層のため」大企業優遇、食の安全崩壊…「米国の標的は日本」




TPP交渉、年内妥結を堅持=7月会合、日本参加は3日間-関与の余地限定的か
環太平洋連携協定(TPP)第17回交渉会合の閉幕を受け、記者会見する各国の首席交渉官=24日、ペルー・リマ

 【リマ時事】ペルーの首都リマで開かれた環太平洋連携協定(TPP)第17回全体交渉会合は24日、参加国による交渉妥結の期限を年内とする目標を堅持することを確認し、閉幕した。次回会合は7月、マレーシアで行われることが正式に決まり、日本がわずか3日間しか参加できないことが確実になった。限られた時間の中で、次回会合に日本が関与する余地は少ないとみられ、出遅れ感が鮮明になった。
 米国やオーストラリアなどTPP交渉参加11カ国は、10月の大枠合意、年内の交渉妥結を目標に掲げている。閉幕後の記者会見でワイゼル米首席交渉官は「既に3年も議論を続けている。早期に妥結したい」と述べ、期限を先延ばしする考えがないことを強調した。
 次回会合は7月15日から25日の日程で行われるが、米議会手続きの関係で日本は23日午後からの参加になる見通し。大枠合意の期限まで約3カ月しか残されていない中での交渉参加で、コメを関税撤回の例外として扱うよう求めるなど、日本の主張を議論に反映させる時間は限られている。7月会合の参加が3日間のみとなったことで、本格的な議論参加は次の9月会合までずれ込む可能性も出てきた。(2013/05/25-11:44)

http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013052500084




TPP 事前協議さえ一方的譲歩/参院予算委 紙氏、交渉参加撤退迫る
2013年5月9日(木)

 日本共産党の紙智子議員は8日の参院予算委員会で、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加に向けて行われた日米事前協議を取り上げ、日本側が一方的に譲歩を迫られ、重要品目などでは何一つ担保を取れなかったことを明らかにし、交渉参加を撤回すべきだと迫りました。

 紙氏は、日米事前協議について米通商代表部の報告書が「日本は高い基準での協定受け入れを表明した」と明記していることを示し、自民党が公約で掲げた農産物など重要品目について、何か担保がとれたのかとただしました。

 安倍晋三首相は「これから始まる交渉の中で努力する」というだけで何の担保もないことを認めました。

 紙氏は、事前協議では米側からの要求に日本側が一方的に譲歩を重ねたことを指摘。自動車分野では、関税撤廃の時期も不明確なもので米韓FTA(自由貿易協定)よりも米側に譲歩していることをあげ、「TPP参加のメリットとしてきたこともすでに崩れた」と追及しました。

 保険分野でも、日本郵政のがん保険、医療保険の販売について新規・修正は許可しないと日本側が表明したと米通商代表部が報告しているとして、「米国の保険会社の要求に応えたものだ」と批判しました。甘利明担当相は「アメリカから言われてではない」としか答えられませんでした。

 紙氏は「『守るべきは守る』というが事前協議ですら譲歩する一方なのに、『これから交渉力を発揮できる』といっても信用できない」と強調。「主権を放棄し、国の形を変える日米交渉は直ちにやめ、TPP交渉参加から撤退することこそ日本の国益を守ることだ」と主張しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-05-09/2013050901_02_1.html

【米帝俺様ルール】TPPルール 主張困難 米「参加承認に半年」~日本はルールが決まってから参加しろ
TPP日米合意、本交渉結果次第ではTPP交渉参加への高い代償も…と日経新聞




緊急潜入! TPP交渉の現場はアメリカ企業一色だった
[2013年04月01日]

高い支持率をバックに、ついにTPP(環太平洋パートナーシップ)協定交渉会合への参加を表明した安倍政権。なかでも注目されているのが、安倍首相が“聖域”と表現した、コメ、牛肉・豚肉、麦、甘味資源(砂糖)、乳製品の5品目の行方だ。

TPP参加によって、すべての農産物の関税がゼロになるという最悪の状況を想定した場合、これらの5品目はことごとく輸入品に置き換わってしまう可能性が指摘されている。そのため、安倍首相は5品目を“聖域”として、関税撤廃の例外にしようと考えているのだ。

実際に“聖域”を守れるかどうかは、あくまでTPPの交渉次第。だが、その肝心の現場が、どうも日本に不利な状況になっているらしい。NPO法人「アジア太平洋資料センター」(PARC)事務局長の内田聖子氏が語る。

「先日、私はこの目でTPP交渉会合を見てきましたが、その実態は、安倍首相が話した内容や日本のメディアの報道とはずいぶんとかけ離れたものでした」

参加表明をしただけの日本からは、まだ誰もTPP交渉会合に参加していないはずだが……。

「以前から交流のあった、アメリカのNGO(非政府組織)のメンバーとして登録をしてもらい、TPPのステークホルダー(利害関係者)として参加しました。霧に包まれたTPP交渉の実態を自分で確かめたかったんです」

内田氏が“潜入”したのは、3月4日から13日にかけて、シンガポールで行なわれた第16回のTPP交渉会合だ。

「その日、TPP交渉会合に参加していたのは参加11ヵ国の交渉官約300人と、各国の企業や業界団体、NGOなどステークホルダーが200人から300人。多く見積もって総勢600人ほど。TPPは交渉する分野が幅広いので、参加国はそれぞれ専任の担当官を集めた交渉チームとして会合に臨みます。そこには国力の差が表れていて、例えば、アメリカが20人ほどの交渉担当官をそろえている一方で、ブルネイやベトナムは10人もいない。小国は常にハンデを負うことになります」

その現場では、どのようにして交渉が行なわれるのだろうか。

「いざ公式の交渉が始まれば、21の分野ごとに長時間にわたって話し合いが行なわれるのですが、会議室に入れるのは各国の交渉官だけ。私たちステークホルダーは入れません。TPPの交渉は完全な密室で行なわれます」

国益を大きく左右する話し合いが、秘密裏に進められているのだ。ちなみに、会期中にはステークホルダーが交渉担当官とコンタクトが取れる「ステークホルダー会議」なるものが一日だけ開かれるという。ステークホルダーとは、どんな人たちなのか。

「参加していた200人から300人のステークホルダーのうち、8割は企業あるいは企業連合の人たちで、その半数以上がアメリカの企業の関係者でした。しかも、カーギル、フェデックス、VISA、ナイキ、グーグル、フォード、GEなど巨大企業ばかり。また、アメリカの大企業約100社が加盟する『TPPを推進する米国企業連合』や米国商工会議所、米国研究製薬工業協会などの業界団体も名を連ねていましたね」

ほぼアメリカ一色に染められたその会場で、ステークホルダー会議は始まったという。

「ステークホルダーと交渉官を招いたレセプションの主催は在シンガポール米国商工会議所。なぜ議長国でもないアメリカの団体が?と思っていたら、冒頭のスピーチで代表のアメリカ人が『TPPで自由貿易をさらに促進すれば各国の経済発展は必ず約束されている』と得意顔で話しました」

会場では、約70の団体・企業がブースで各国の交渉担当官向けにプレゼンテーションを行なっていたのだが、やはり、そのほとんどがアメリカ企業だったという。

「各担当者が交渉官向けに『TPPが実現すればこれだけアナタの国に投資します』『安価で高品質な商品を提供します』といった具合のPR合戦。もはやそれはプレゼンというより商談会。まだ交渉は途中段階のはずなのに、アメリカ企業と各国政府の間で“TPP後”を見据えた密接な関係づくりが行なわれていたのです。その光景は、まさに『アメリカの大企業のためのTPP』といった印象。こんな場所に今さら日本が乗り込んだところでいったい何ができるのかと感じましたね」

これほど不利な状況下で、安倍政権は交渉をどう乗り切るつもりなのか。具体策がないままなら、“聖域”の確保は難しいだろう。

(取材・文/興山英雄)

http://wpb.shueisha.co.jp/2013/04/01/18113/

アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体
http://gigazine.net/news/20111104_tpp_mastermind/

ウィキリークスが暴露したTPP交渉の狙い




【経済】TPPから日本の除外を 米自動車業界が1ドル100円を批判
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1368166272/-100

米自動車大手が円安めぐり議会に対応要求、ドルが100円突破で
2013年 05月 10日 07:01 JST 

[ワシントン 9日 ロイター] ドルが対円で100円の大台を突破し、4年強ぶり高値を付けたことを受け、米自動車大手3社(ビッグスリー)で構成する米自動車政策会議(AAPC)が議会に対応策を講じるよう求めた。

円安は輸出に打撃となり、環太平洋経済連携協定(TPP)から日本を除外することの根拠になり得るとしている。

マット・ブラント会長は9日に声明で「米議員がもう限界だと声を上げる時が来た」とコメント。AAPCは日本の拡張的な金融政策を通じた経済再生の取り組みを、輸出拡大のための通貨の意図的な引き下げだとみている。

会長は「円安を目指した日本の金融政策は、特に米国など貿易相手国を犠牲にして、引き続き日本の景気を押し上げ、輸出を拡大している」と指摘。円安が進むごとに「米国で輸出の減少と雇用の喪失につながり、TPPに日本を含めるべきでないという議論のさらなる理由になる」と付け加えた。

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE94806L20130509




TPPで為替操作に制裁を=米超党派議員が大統領に要請へ―ロイター報道
時事通信 5月31日(金)11時4分配信

 【ワシントン時事】米議会の与野党議員200人近くが、オバマ大統領に対し、環太平洋連携協定(TPP)に為替操作への制裁を定めた条項を盛り込むよう、来週にも書簡で要請する見通しとなった。ロイター通信が30日報じた。背景には、7月にTPP交渉に参加する日本が円安による輸出拡大を図っていると主張している米自動車業界の議会への強い働き掛けがあるとみられる。
 書簡では、為替操作への制裁条項は「不公正な貿易慣行への米国の対抗力を強化する」と強調。米自動車業界の拠点であるミシガン州選出のディンゲル下院議員(民主党)も署名を呼び掛ける中心メンバーの1人に名を連ねているという。 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130531-00000042-jij-n_ame






TPPで食の安全損なわれる? 食品添加物、残留農薬、遺伝子組み換え
2013.5.16 07:18

■ 科学的事実による判断必要

 7月にも日本の交渉参加が見込まれる環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)をめぐり、「TPP参加で食の安全が損なわれる」と心配する声も上がっている。実際はどうなのだろうか。(平沢裕子)

 ◆各国で異なる規制

 TPPは貿易や投資の自由化を目指す多国間の経済連携協定。食の安全が問題になるのは、現在は各国で異なっている食品添加物や残留農薬などの基準を、同一のルールで運用することが求められる可能性があるためだ。

 例えば、食品添加物。日本では食品衛生法で使用できるものが決められ、指定添加物▽既存添加物▽天然香料▽一般食物添加物-の4種類に分類。一般的に、指定添加物432品目と既存添加物365品目を合わせた約800品目を日本の食品添加物と数えることが多い。

 一方、交渉を主導する米国では「米国食品医薬品化粧品法」で定義付けられ、安全性と有効性についてFDA(米食品医薬品局)が認可した約600品目と「GRAS物質(長い食経験から一般に安全と認められる物質)」の約1千品目がある。FDA認可の添加物だけなら日本より少ないが、GRAS物質も含めると日本の倍。同一ルールになった場合、日本でこれまで禁止されていた添加物を認めなければならなくなる可能性もある。

 また、日本で農産物の収穫後に使用が認められている農薬(ポストハーベスト農薬)は「燻蒸(くんじょう)剤」だけだが、海外では防かび剤や防虫剤も認められている。同一ルールになれば、ポストハーベスト農薬も海外と同様の種類を認めるよう求められるかもしれない。

 添加物規制も残留農薬基準も食の安全を守る制度だ。変更を求められることで、それまで禁止されていた添加物を使った食品や高濃度の残留農薬を含む農産物が輸入される可能性がある。「食の安全が損なわれる」という声が上がるのはこのためだ。

 しかし、食の安全・安心財団理事長で、倉敷芸術科学大学の唐木英明学長は「添加物や残留農薬の基準は1日の摂取許容量(ADI)であり、これは各国で大きな差はない。一方、食品ごとの規制値が大きく異なる場合があるのは、国によって農産物や加工品の食べる量や種類が違うためで、海外の基準が日本に比べて緩いわけではない」と指摘する。

 ◆表示は選択のため

 TPPをめぐっては「遺伝子組み換え食品の表示ルールの変更を迫られ、食の安全が脅かされる」との主張も聞かれる。ただ、遺伝子組み換え表示は安全性とは関係なく、消費者の選択のために行われているもので、「組み換えでない」から安全という意味ではない。

 唐木学長は「食の安全を守り、国民の健康を守るのはどんな国でも政府の最も大事な義務で、各国が必死になってやっている。同一ルールのための調整は骨の折れる仕事だが、この困難を克服し、既に世界中から多くの食品を輸入し、それで日本の食の安全が損なわれるわけではない。TPP参加の賛否は別にして、食の安全は科学的な事実を知ったうえで判断してほしい」と話している。



【用語解説】1日摂取許容量(ADI)

 食品添加物や農薬などの物質について、毎日、一生涯取り続けても健康への悪影響が出ないと考えられる1日当たりの摂取量。日本では、内閣府食品安全委員会で行われるリスク評価(食品健康影響評価)の結果を基に食安委で設定している。国際的には世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同会議で安全性を評価し、各国に情報を提供している。

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130516/trd13051607190002-n1.htm






トヨタ初の社外取締役…GM元副社長ら3人

 トヨタ自動車の株主総会が14日、愛知県豊田市の本社で開かれ、初めて導入する社外取締役に、元米ゼネラル・モーターズ(GM)副社長のマーク・ホーガン氏ら3人が選任された。

 海外の投資家を中心に企業統治のあり方を厳しく問う傾向が強まっており、経営の透明性を高める狙いがある。

 トヨタは1996年から、海外の有識者数人に定期的に意見を聞く仕組みを取り入れている。ただ、取締役会に出席して外部の視点で経営をチェックする社外取締役については「実務を理解していない人にお願いしても効果的ではない」として導入していなかった。

 創業家の豊田章男社長が就任5年目を迎え、海外展開を加速する上で「より開かれた企業と見てもらう体制が必要」(トヨタ幹部)で、2013年3月末の外国人株主の比率が3割近くに達していることも考慮した。残る2人の社外取締役は、日本生命保険相談役の宇野郁夫氏、元国税庁長官の加藤治彦氏だ。

(2013年6月15日15時25分  読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130615-OYT1T00718.htm?from=ylist







メガソーラー建設中止も 北海道でソフトバンク
2013.5.21 13:44

 ソフトバンクは21日までに、北海道安平町の2カ所と八雲町の計3カ所で計画していた大規模太陽光発電所(メガソーラー)について建設計画の見直しを決めた。中止も含め検討する。北海道電力が売電申請を認めなかったため。関係者によると、3カ所で18万キロワット以上の発電を予定していた。

 北海道電は4月、固定価格買い取り制度導入に伴う大規模な太陽光発電の受け入れは出力2千キロワット以上で40万キロワット程度が限度と発表。天候で出力が変わる太陽光発電の割合が増えると電力供給が不安定になるためと説明していた。北海道電によると、2千キロワット以上の売電申請は4月末時点で87件、156万8千キロワットに上り、7割以上が実現困難な見通しとなっている。

 ソフトバンクの孫正義社長は16日、東京都内で開かれた会合にビデオメッセージを寄せ、「北海道電力だけでなく他の電力会社も同様に上限を設け拒否する構え。日本の再生可能エネルギーはここでストップしてしまう」と批判していた。

http://sankei.jp.msn.com/science/news/130521/scn13052113470001-n1.htm

「孫氏は政商、マイナスに日本導く」旧知の起業家がソフトバンクの太陽光発電事業参入を批判
【政商が濡れ手で粟】太陽光買取42円は高過ぎる―相次ぐ電池メーカー破綻が示す環境激変
1キロワット時40円、期間20年間 太陽光買い取りで事業者要望 ソフトバンクの孫正義社長
再生可能エネルギー促進法は、孫正義氏率いる「自然エネルギー協議会」保護法
「メガソーラー構想」得する孫正義、損する国民
【政商が濡れ手で粟】再生エネ価格、業界の「言い値」で家庭に重い負担 /ソフトバンクは韓国から太陽電池
中国系メガソーラー、続々と東北進出 国産後退、エネルギー安保に影





富士山西麓のメガソーラー参入待った 景観保全、国に直訴
(2013/5/22 7:29)
写真世界文化遺産登録が決定的になった富士山。山麓でメガソーラー設置を希望する業者が相次いでいる=2012年8月、富士宮市

 ユネスコの諮問機関イコモスの勧告で世界文化遺産登録に大きく前進した富士山の西麓の富士宮市で、大規模太陽光発電設備(メガソーラー)設置を希望する業者が相次いでいる。6月に世界遺産実現を控え、景観保全や周辺開発への対策強化が課題となる中、参入を食い止める有効な手だてがないのが実情だ。市は23日、国に対応を求める要望書を提出する。
 富士山の山肌や朝霧高原など広大な土地を有する富士宮市では、昨年7月に電力の固定買い取り制度が始まって以降、メガソーラー設置に関する問い合わせが急増している。
 市未来企画課によると、問い合わせはここ1年で130件に達した。イコモスの勧告後も後を絶たず、首都圏の不動産業者や環境コンサルタント会社などが牧草地への設置を希望するケースが目立つという。担当者は「加速し続ける動きに対応しきれない」と話す。
 東日本大震災後の国の規制緩和で、一定の形状のメガソーラーは法律上の建築物とみなされず、自治体の許可を得ないで設置が可能になったことでその動きに拍車が掛かった。富士山の景観や自然を守るため富士宮市は昨年9月から市域の75%をメガソーラーの抑止地域に設定し、新設自粛を呼び掛けている。
 要望書は、国の再生可能エネルギー政策には賛同するものの、美しい富士山を後世に伝える責務を負った地域の特殊事情に理解を求め、国に対策を要請する内容。須藤秀忠市長が経済産業省、国土交通省、環境省を訪ねて“直訴”する。
 県世界遺産推進課は「富士山の構成資産以外の地域でも保全管理が重要な課題になる」と受け止め、富士山周辺のメガソーラー設置をめぐる動向を注視している。

http://www.at-s.com/news/detail/618052325.html



御殿場「富士山にふさわしく」 景観保全条例制定へ
(2013/5/17 8:15)

 世界文化遺産・富士山のまちにふさわしい景観保全策を検討している御殿場市は、景観条例制定に向けた市景観計画の中間報告をまとめた。富士山の眺望を重視する一方で、企業や商店への負担軽減や緑化促進を狙い、沿道の緑化面積の大きさに応じて建物壁面への色彩使用基準を緩和する全国初の制度を導入するなど“御殿場型”を前面に打ち出した。屋外広告物条例も組み込んだ総合的な景観条例は県内初で、迅速化と実効性を高める。
 中間報告によると、景観整備重点地区に「東山・二の岡」「国道138号沿道」「国道246号沿道」「御殿場駅周辺」の4地区を指定。
 重点地区で高さ10メートル、延べ床面積250平方メートル、市内全域で高さ10メートル、延べ床面積千平方メートルを超える建物などで届け出が義務化され、形態や色彩基準の順守が求められる。
 東山・二の岡は高さ15メートル、御殿場駅富士山口SL広場から富士山を見通す地域では12~18メートルを超える建築物の建設を認めず、御殿場駅周辺では2018年までに電線の地下埋設を進める。
 屋外広告物への規制では、東山・二の岡地区では色を茶系だけに制限し、屋上広告は禁止する。富士山の眺望が望める国道138号では色の彩度を制限する。
 条例は早ければ来年4月に施行予定。違法広告物は3年間の猶予期間を設け、是正を促す。

http://www.at-s.com/news/detail/618050836.html






【投資】米ゴールドマン・サックス、日本で再生エネルギーに3千億円投資--固定価格買い取りで安定収入見込めると判断 [05/20]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1369005549/

再生エネ、日本で3000億円投資 米ゴールドマン
まず茨城でメガソーラー
2013/5/20 2:00

 米ゴールドマン・サックスは、日本国内で太陽光発電など再生可能エネルギー事業を展開する。今後5年で約3000億円を投じる方針で、第1弾として茨城県で大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設する。政府の固定価格買い取り制度で長期にわたり安定収入が見込めると判断した。海外でノウハウを蓄積した米金融大手の参入で、再生可能エネルギーの普及に弾みがつきそうだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGD1701C_Z10C13A5MM8000/?dg=1



【電力】韓国のLS産電、日本でメガソーラー設備を受注 約36億円--米ゴールドマン・サックス系のJREが茨城で計画する発電事業 [05/30]
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/bizplus/1369885818/-100

韓国のLS産電 日本でメガソーラー設備を受注

【ソウル聯合ニュース】韓国のLS産電は30日、日本の大規模太陽光発電所(メガソーラー)事業で400億ウォン(約35億7000万円)規模の関連設備を受注したことを明らかにした。

 米金融大手ゴールドマン・サックス・グループが日本の再生可能エネルギー市場進出に向け設立した再生可能エネルギー事業の運営会社、ジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)が推進する事業で、茨城県水戸市および城里町に4万キロワット級のメガソーラーを建設する。前日29日に起工式が行われた。

 LS産電は同事業の施工会社である鹿島建設を通じ、太陽光モジュールや電力開閉器(RMU)、変圧器などの設備・ソリューションを供給することになる。

 JREは太陽光事業に今後5年で3兆ウォン以上を投じる予定で、LS産電はJREの別の事業でも受注を狙う。

記事入力 : 2013/05/30 12:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/05/30/2013053001616.html






ロシア電力大手、サハリンから日本への送電を提案 日本政府の対応が鍵
2013.4.12 16:08

 ロシア政府系電力大手インテルRAO統一エネルギーシステムのコワリチュク社長は12日までに、ロシア極東サハリンからケーブルを通じた電力供給を日本側に提案していると述べた。11日のプーチン大統領とのビデオ会議での発言をインタファクス通信などが報じた。

 コワリチュク社長は、東京電力福島第1原発の事故後に日本は電力不足に陥っているとし、「ケーブル敷設により日本への電力供給を保証できる」と強調した。

 日本が電力を輸入する場合は、電気事業法改正など法整備が必要となるため、「電力輸入に関する日本政府の決定」が不可欠とも述べた。

 同社は今年2月、ロシアなどで発電した電力を日本に供給する送電網構築に関する事業化調査実施の覚書をソフトバンクや三井物産と締結している。(共同)

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130412/biz13041216080010-n1.htm





日露、オホーツク油田開発で合意 権益3分の1取得の見込み
2013.5.29 13:26

 国際石油開発帝石(INPEX)とロシア石油最大手の国営会社ロスネフチは29日、ロシア極東マガダン州沖のオホーツク海で海底油田の共同開発に向けて取り組むことで合意した。INPEX側が権益の約3分の1を取得する見込み。日本は原油輸入の8割を中東に頼るが、調達先の多様化で中東の紛争などによる輸入リスクの軽減と輸送コストの削減、価格交渉力の引き上げを狙う。

 ロスネフチのセーチン社長が29日、東京都千代田区の経済産業省を訪れ、INPEXの北村俊昭社長と合意文書に署名した。日本とロシアがオホーツク海で共同で資源開発を行うのは極東エネルギー開発事業「サハリン1」「サハリン2」以来となる。

 開発の対象になるのは、ロシア極東のマガダン州の沖合50~150キロに広がる「マガダン2」「マガダン3」の両鉱区で、水深100~200メートルの大陸棚に位置し、鉱区面積は約2万8000平方キロ。INPEXによると、これまで両鉱区での油田や天然ガス田の埋蔵量調査は行われていないが、地形などからみて有望なエリアという。開発スケジュールは未定としている。

 日本政府は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じた出資や債務保証で両鉱区での開発を支援する。

 日本とロシアは、安倍晋三首相が4月にモスクワで行った首脳会談で、エネルギー協力の推進を確認するなどエネルギー分野での関係を強化している。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130529/biz13052910060034-n1.htm





メタンハイドレート商業化へ加速、中国にらみ態勢強化 政府が海洋基本計画
2013.4.26 12:50

 政府は26日、今後5年間の海洋政策の新指針となる「海洋基本計画」を閣議決定した。次世代エネルギー資源「メタンハイドレート」の商業化実現に向け2018年度をめどに技術整備すると打ち出すなど、海洋資源開発を加速させる方針を明記。関連する海洋産業の振興を成長戦略の軸に据える。中国船の領海侵入などを踏まえ、海洋の安全確保へ態勢強化を図ることも盛り込んだ。

 安倍晋三首相は総合海洋政策本部の会合で「海洋資源開発の期待が高まっている一方、安全保障環境は一層厳しさを増している。政府一体となって海洋政策に取り組むことが重要だ」と強調した。計画では海底に眠るメタンハイドレートやレアアース(希土類)の埋蔵量を3年程度で調査。海洋での再生可能エネルギーの技術開発も推進する。具体的には福島県沖で世界最大級の浮体式洋上風力発電の実証研究を進め、15年度に経済性などを評価する。


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130426/plc13042612540044-n1.htm



「日の丸海洋資源」本腰 メタンハイドレート 埋蔵量を集中調査
2013.4.2 09:40
日本近海メタンハイドレート分布

 自他ともに「資源小国」と認めてきた日本が、近海に眠る資源開発に本腰を入れる。愛知県沖の東部南海トラフ海域で3月中旬、次世代エネルギー資源の「メタンハイドレート」から天然ガスを取り出す産出試験に世界で初めて成功。海底に存在するレアアース(希土類)の探査も本格化する。領海を含む日本の排他的経済水域(EEZ)の広さは世界6位を誇っており、「日の丸資源」ともいえるエネルギーや鉱物の開発が、これまで手つかずだった海底を舞台に熱を帯び始めている。

■ 世界初産出で期待感

 「やっとガスが出たか」。3月12日午前10時ごろ、愛知県沖に広がる東部南海トラフ海域の海上で全長210メートル、5万6000トンという巨大な地球深部探査船「ちきゅう」の船尾に取り付けられたバーナーから真っ赤な炎が噴き出した。

 炎はメタンハイドレートから天然ガスを取り出す産出試験に世界で初めて成功したことを意味する。連絡を受けた経済産業省の幹部は胸をなで下ろし、「日本の海洋資源開発にとって大きな一歩となる」と今後の進展に期待を込めた。

 メタンハイドレートはメタンガスと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質で「燃える氷」とも呼ばれる。独立行政法人の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)や産業技術総合研究所によると、埋蔵量は試験海域だけでも国内の天然ガス消費量の10年分以上。日本の周辺海域だと約100年分にのぼるとの推計もある。

 経産省から委託を受け、愛知県沖で産出試験に取り組むJOGMECのスタッフたちは成功の感慨に浸る間もなく、作業に追われた。約2週間の予定だった試験は、ガス産出用の井戸に砂が混じるトラブルもあって約1週間で打ち切られたが、取り出したガスの合計量は約12万立方メートル(速報値)。08年にカナダの陸上で約5日間行った試験の約1万3000立方メートルを上回り、茂木敏充経産相は「想定したよりも出た」と手応えを強調した。

■ レアアースも試掘

 メタンハイドレートは日本海でも幅広く存在する可能性が浮上している。明治大などのチームは昨秋、北海道網走市沖のオホーツク海や日本海の沖合で発見したと発表。経産省は13年度から15年度にかけ、新潟県の佐渡市沖、石川県の能登半島沖、新潟県上越市沖、秋田県沖と山形県沖、島根県の隠岐島周辺、北海道周辺を調査し、日本海全体の埋蔵量の把握に取り組む。

 原発の長期停止で火力発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入が増大しており、このままでは日本経済の屋台骨が揺らぎかねない。日本総合研究所の松井英章主任研究員は「メタンハイドレートの実用化にめどが立てばLNGなどの資源調達時の価格交渉力が増す」と指摘する。

 民間企業も少なからぬ関心を寄せている。三井造船はメタンハイドレートの探査システムや関連装置などの特許を多数保有しており、天然ガスを高速でペレット状にすることで通常のLNGよりも輸送コストを抑える技術も持つ。

 同社グループの三井海洋開発も深海から原油やガスを取り出す技術で優位性があり、「将来的には商機につながる可能性もある」とみる。大手商社も情報収集を怠らない。

 一方、13年度からは日本最東端の南鳥島周辺でのレアアースの調査も本格化する。島周辺のEEZ内の海底にはレアアースを多く含む泥が大量にあり、埋蔵量は日本のレアアース消費量の約230年分に相当するとの指摘もある。経産省は3年間で約40カ所を試掘する計画だ。



■ 鍵握る採掘コスト、官民の協力不可欠

 もっとも実用化に向けた課題は多い。技術革新でメタンハイドレートは採算ベースに乗せることが視野に入ったものの、北米などで増産が続く安価な新型ガス「シェールガス」に対し、価格競争力を持てるかは不透明だ。政府は1日公表した海洋基本計画の原案で、18年度をめどに商業化に向けた技術を整備する方針を示したが、スケジュール通りの実現は容易ではない。

 また、「表層型」と呼ばれる日本海のメタンハイドレートは海底の表面に一部が塊の状態で露出しており、海底から数百メートル下で砂と混じり合っている太平洋側の「砂層型」よりも、まとまった形での回収には技術面で難しさを抱える。

 経産省の幹部は「事業化には、いかに安く採掘できるかがポイントとなる」として、企業の参入を促す環境整備の必要性を訴える。日の丸資源の開発を夢に終わらせないためには、立ち塞がる壁を官民を挙げて一つ一つ乗り越えていく体制づくりと工夫が求められている。(三塚聖平)



http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130402/biz13040209070013-n1.htm






NTTデータ、韓国でデータセンター事業拡大
2013/6/8 0:38日本経済新聞 電子版

 NTTデータは韓国でのデータセンター事業を拡大する。韓国LG電子子会社と提携、同社が釜山市に新設したデータセンターで日本企業の情報システムを動かす。韓国は大地震が少なくデータセンターの利用料もアジアで最も安いとされる。事業継続計画(BCP)の強化ニーズが高まる中、韓国データセンターのメリットを打ち出して日本企業を呼び込む。

 NTTデータは6月から顧客への営業活動を本格化した。LG電子の情報システム子会社のデータセンターは延べ床面積は約3万2千平方メートル。高性能コンピューターである「サーバー」やデータをため込む「外部記憶装置(ストレージ)」を格納する棚(ラック)を約3千個そろえている。

 日本企業の利用を見越し、日本語が話せるシステム運用担当者を数人常駐させる。NTTデータは事前に自社システムの一部を東京都内の自社データセンターから釜山データセンターに移して検証。トラブル時にも日本語で問題なく運用できることを確認した。韓国のデータセンターの利用料は日本の7~8割。NTTデータは日本の顧客にバックアップ用途で提案する。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD040MI_X00C13A6TJ2000/

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