【TPP】米国外交公文、ウィキリークスが公表「日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。」

2011年05月22日 | news
[TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 米国外交公文から読む 本音と現実 上
(日本農業新聞5月19日)

 ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。(米国大使館公電から)

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や食品の安全性などの規制や基準を統一した「絶対標準」を定め、受け入れ国を広げることで経済自由化を進めようとしているーー。TPP交渉を主導する両国のこうした狙いが、在ニュージーランド米国大使館の秘密公電に記載されていた両国政府の交渉当局者の会話から浮かび上がった。ニュージーランドの交渉当局者は「絶対標準」を受け入れさせる国として日本と韓国を名指ししている。これは国内の規制や基準の緩和・撤廃につながり農業だけでなく国民生活の多くに影響を与える可能性がある。公電は、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」が公表。ニュージーランドの当局者らへの取材と合わせて分析した結果を報告する。

 囲み記事は2010年2月19日、ニュージーランドのシンクレアTPP首席交渉官が、米国務省のフランキー・リード国務副次官補(東アジア・太平洋担当)に語った内容だ。シンクレア氏は、TPPの目標が農産物などの市場開放だけではなく、アジアなどで推進する米国型の経済の自由化が両国の長期的利益につながると強調した。

 公電は、ニュージーランドのウェリントン市内で行われた両者の会談の概要を、当地の米国大使館がまとめた。「秘密」扱いだ。外交を担当する国務省だけでなく、農務省や通商代表部などにも送るよう記述してある。

 日本農業新聞の取材に応じたシンクレア氏は、公電にある自分の発言に対する真偽については確認を拒んだ。しかし、TPP交渉では投資や金融、知的所有権など幅広い分野が対象になり、中国を含めたアジア太平洋州で経済の自由化を進めることが交渉の目的であると強調。実質的に公電の内容に沿った発言だ。

 公電によると、シンクレア氏が強調したのは、日本と韓国などに「絶対標準」を受け入れさせることの重要性だ。農地や農業関連分野への投資が米国などに比べて難しいとされるアジア市場で、TPPをてこにして、自由貿易圏を広げていくことが長期的な目標だと明言。米国と同一歩調を取る考えを明らかにした。

 両国の交渉当局者が、国の違いを超え通商や経済の自由化の障害となる規制や基準を緩和・撤廃させるための仕組みづくりを話し合っていたことがうかがえる。

〈ことば〉 ウィキリークス

 政府や企業などの情報を内部告発で入手し、ウェブサイトで公表する組織。オーストラリアの元ハッカー、ジュリアン・アサンジ氏が06年に立ち上げた。これまでイラク戦争の秘密情報などを暴露。米政府などは情報が関係者を危険に陥れる可能性があるとして批判している。米国大使館の公文書も米政府内の情報提供者から入手し、文書数は25万点に上る。その一部を、ウィキリークス関係者が日本農業新聞に提供した。

・TPPの問題点 ニュージーランド・オークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授に聞く

 ニュージーランド・オークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授に、環太平洋経済連携協定(TPP)の問題点などを聞いた。

 ーーーTPP交渉での農産物の市場開放についてどう考えますか。

 ニュージーランドの農業にとって最大の関心事は米国市場の開放だが、米国は自分のセンシティブなマーケット(重要品目の市場)を守ってきた。実際、米国とオーストラリアとの自由貿易協定(FTA)交渉は砂糖、牛肉、乳製品の市場開放を制限して決着した。米国は常にテーブルの上から乳製品を取り除くように努力しており、今回のTPP交渉でも同じだ。

 ーーーTPPで何が一番問題ですか。

 TPP交渉の重要な特徴の一つが、「規制の調和」。基準や規制を国際的に統一していこうというものだ。米国が熱心に進めようとしている。衛生基準や知的所有権などが 対象になる。中国を含めたアジア全体のルールを、米国主導で決めていこうという狙いがある。

 ーーーニュージーランドの乳業団体などは何を求めようとしているのでしょうか。

 米国市場の開放は期待できないが、投資の面で規制が緩和されれば利点は大きい。例えばベトナムの農協の酪農事業に出資するとか、チリやペルーでの農地取得を進めやすくなるといったことが想定される。

 ーーーニュージーランドにとってどのような不利益が予測されますか。

 まず、比較的安価な医薬品を供給している医薬品政策への悪影響だ。医薬品管理庁が買い入れて安く供給する仕組みがあるが、公的機関が購入することに国際医薬品企業は批判的な態度を続けてきた。米国はTPPで必ずこの制度の撤廃を要求してくるだろう。

 薬の価格を市場原理に任せようという主張であり、日本の公的な健康保険制度が攻撃される可能性もある。米国の要求が通れば貧しい人たちへの打撃となるだろう。

 ニュージーランドは民営化と規制緩和の失敗という負の財産を抱えている。多くの銀行が規制緩和の中で外資の支配下に入り、小さな町、田舎の銀行店舗が廃止された。

 投資分野も問題が大きい。米国の企業が内国民待遇(進出先の国の企業と同じ権利を保障されること)を得れば、外国でも直接その国の政府を訴えることができるようになる。

http://www.twitlonger.com/show/ai76qd





[TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 本音と現実 米国外交公電から 中
(日本農業新聞5月20日)

 ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「米国との自由貿易協定は長年の目標ではあったが、広く一般に信じられているように(酪農など)国内産業にとってエルドラド(理想郷)となることはあり得ない」と強調した。(米国大使館公電から)

 ウィキリークスを通じて明らかになった在ニュージーランド米国大使館の外交公電から、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉では、ニュージーランドの国民には輸出拡大への期待が大きいものの、実現が困難なことが浮き彫りとなった。情報公開不足が、国民の認識と実態との隔たりを招いている。

 ニュージーランド政府は1984年、核搭載米艦船の寄港を認めない政策を取り、米政府と厳しく対立した。

 「オーストラリアが米国との自由貿易協定(FTA)を結ぶなど経済関係を強化したのとは対照的に、(核搭載米艦船の寄港問題を機に)ニュージーランド国内には世界最大の米国市場への輸出が伸び悩んだとの思いが強い。いじめられているという印象だ」とニュージーランド・オークランド大学のジェーン・ケルシー教授は解説する。

 米国を含むTPPが実現すれば、「輸出が急成長する」との期待が国民に膨らむのは、当然の成り行きといえる。特に乳製品は、輸出額全体の2割を占める大切な戦略品目だ。

 ところがシンクレア氏は、囲み記事(上)のように「エルドラドは無理だ」との表現で、大幅な輸出の増加は難しいとの見方を示した。なぜか。

 日本農業新聞の取材に同氏は「米国の乳製品市場はすでに比較的開放されているし、米国に限らず多くの国で乳製品は政治的に難しい品目だ。これまでわが国が結んできたFTAでも乳製品の市場開放は制約を受けた」と真意を説明する。

 ニュージーランドに本拠を置く世界最大手酪農団体フォンテラのフランシス・レイド貿易担当が詳しく事情を解説する。

 「TPPを成立させるには米国議会の承認が必要だ。米国内の酪農団体の政治力は強く、大幅な市場開放を盛り込めばTPPが議会の承認を得られないのは明らかだ」

 国民の期待と現実の難しさ。国民には知らされていない。

 「交渉内容の情報公開が不十分だからだ。交渉内容が分からないまま、国や消費者にとって非常に大切なことが決められようとしている」とケルシー教授は警告する。

 シンクレア氏は「交渉の節目で情報は公開している」と反論するが、ケルシー教授は「政府はどんな文書も出さない」と秘密主義を強く批判。教授らのグループは昨年、国民へのTPPの影響をさまざまなデータから試算し『異常な契約』と題して出版した。表題には「十分な情報が提供されない中で、国民の生活に大きな打撃を与える“契約”が行われるのは正常とはいえない」とのメッセージを込めた。

http://www.twitlonger.com/show/aiptbu





[TPP反対 ふるさと危機キャンペーン TPP“主導国”] 米国外交公電から読む 規制緩和 下
(日本農業新聞5月21日)

 「モンサント社が、ニュージーランドの遺伝子組み換え規制が嫌いなのは周知の事実」(ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官の発言)。海外からの農地への投資に対する規制緩和などは国民の評判が悪いことも付け加えた。(米国大使館公電から)
 ニュージーランドは1984年に大胆な規制緩和をスタート、世界的に民営化の優等生となった――。こんなイメージが強く、日本の「小泉改革」の際にも手本とされた。

 首都ウェリントン市から北に車で3時間の位置にある地域の中核都市・マスタートン市。近くに住むもやし栽培農家のジェレミー・ホウデンさん(55)は、違う見方をしていた。

 「市中心部には銀行店舗がいくつかあるが、少し外れるとほとんどない。国営郵便局が解体され外資に売られ、もうからない店舗は廃業させられたからだ。住民は皆、不便を強いられるようになった。大企業はもうかっても国民に利点はない」

 民営化などに詳しいオークランド大学法学部のジェーン・ケルシー教授は「ニュージーランドは規制緩和の痛い失敗を繰り返してきた」と指摘する。その典型の一つが建設業界の規制緩和だ。

 昨年5月、ニュージーランドのモーリス・ウィリアムソン建設相が記者会見で驚くべき発表をした。90年代半ばから2000年代初めに建てられた個人住宅の雨漏りの補修について「国と地方自治体で費用の半分を負担する。残り半分も融資に政府保証を付ける」ことを明らかにしたのだ。約4万2000戸が対象となると見込む。

 なぜ、個人住宅の修理費用を国が面倒を見るのか。答えは90年代に立て続けに行われた建築基準の緩和を契機に、多くの住宅が雨漏りや腐れの問題に直面したからだ。相次ぐ苦情に政府は重い腰を上げ、規制緩和で使用が認められた防腐処理をしない合板の利用などが原因であることを突き止めた。2000年代に入り政府は慌てて規制を強化したり検査を厳しくしたりしたが、“後の祭り”となった。

 囲み記事(上)にあるウィキリークスが報じた在ニュージーランド米国大使館の外交公電によると、ニュージーランドのマーク・シンクレア環太平洋経済連携協定(TPP)首席交渉官は、食品安全などの規制緩和に対する国民の懸念と、TPPを推進する側との意見の違いが大きいことを米国に素直に伝えている。

 ニュージーランド労働組合評議会のビル・ローゼンバーグ政策局長は指摘する。

 「TPPがこのまま進めば安価な労働力への依存や安価な薬価政策の見直し、多国籍企業による規制への訴訟が増え国民生活を圧迫する。米国からニュージーランドへの投資規制の撤廃が迫られることは確実だ」

 世界に先駆け規制緩和を大胆に進め、その失敗から規制緩和が国民生活に牙をむく可能性があることを知るニュージーランド。ケルシー教授は「TPPが結ばれれば、国民が必要だと感じても再規制の道が閉ざされる。問題は、国が役割を果たせなくなってしまうことだ」と警告する。

http://www.twitlonger.com/show/ajf0om

http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=6738
http://nicoasia.wordpress.com/2011/05/20/






TPP:環太平洋戦略的経済連携協定 ≒ NAFTA:米加自由貿易協定

クレイトン・キース・ヤイター - Wikipedia
アメリカ合衆国通商代表
ヤイターはカナダとの間での自由貿易協定交渉を行い、1988年1月に米加自由貿易協定を締結した。後にヤイターはこの協定について「カナダ国民は何に調印したのか理解していない。今後20年で、カナダ経済はアメリカに吸収されるだろう」と発言した[1]。







震災後のTPP参加 石川幸一氏、中野剛志氏
2011.6.17 07:39

 工業品や農産物の関税が原則全廃される環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加の是非について、政府は6月の判断を先送りした。東日本大震災で被災地の農業、漁業が壊滅的な打撃を受けたためだが、経済の立て直しのためには、TPP参加が不可欠との意見もある。自由貿易の推進を説く亜細亜大の石川幸一教授と、復興を優先させるべきだと主張する京大大学院の中野剛志准教授に聞いた。(高橋寛次、滝川麻衣子) 

                   ◇

 ≪石川幸一氏≫

 ■参加判断、遅れるほど不利

 --東日本大震災で、TPPどころではないとの声がある

 「日本が大きなダメージを受けた震災の復興を優先するのは当然のことだ。ただ、少子高齢化による市場縮小や貯蓄率の減少、産業の停滞など、中長期的な課題に変わりはない。日本はアジアでもっとも早くFTA(自由貿易協定)に取り組んだが、現在は熱心な中国や韓国に対して遅れ気味で、競争力も低下している。日本の成長の軸は、目覚ましい経済発展を遂げるアジアの成長を取り込むことにある。復興の一方で、国際化という中長期の課題に取り組む手を止めてはならない」

 ○農業にプラスの面も

 --東北の農業にとって追い打ちになる

 「TPPといえば関税が即時撤廃されるかのように言う人もいるが、実際は発効から10年以上かけて段階的に引き下げていくことになる。震災の打撃を受けたところに、すぐに安い輸入品が流通することにはならない。関税撤廃の品目についても、1%の例外が設けられる可能性がある。対象の約1万品目のうち100品目程度に相当し、交渉の余地がある」

 --福島第1原発事故の風評被害で、農業競争力が低下している

 「確かに、おいしく安全な日本の農作物のブランド力に影響が出ている。ただ、TPPには検疫やそれに付随する措置があり、風評被害をなくすために国際的な証明書を発行するなど、共通のルールづくりができる。こうしたプラスに働く可能性にも注目すべきだ。日本の農業はTPPに関係なく、高齢化や兼業、小規模農家の問題に取り組む必要がある。震災復興を、基盤強化と抜本改革のきっかけにすべきだ」

 ○11月めどに決断を

 --6月の参加判断が先送りされたままだ

 「TPP交渉は、関税だけでなく、投資や環境、知的財産権などアジア太平洋地域の新たなルールづくりの場。日本の参加が遅れるほど、ルールに意見が反映されずに不利になる。今後一切、交渉入りしないのであれば別だが、参加が視野にある限り、早期の意思表示をすることがプラスに働くのは明白だ」

 --参加のタイミングは

 「農業の自由化や非関税障壁の問題は、TPPに限らず、あらゆるFTAで必ず立ちはだかるハードルだ。その中でTPPは、自由貿易拡大を狙うASEANや韓国などがドミノ式に参加する可能性があり、産業の国外流出を招く。その時になって参加するようではあまりにも不利だ。実質合意を目指す11月の米ハワイのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を一つのめどに、決断のタイミングは早い方がいい」

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【プロフィル】石川幸一

 いしかわ・こういち 亜細亜大アジア研究所教授。昭和24年、東京都生まれ。62歳。東京外大卒。日本貿易振興機構(ジェトロ)、国際貿易投資研究所を経て平成17年から現職。専門は東アジアの地域経済統合。共著に「ASEAN経済共同体」「日本通商政策論」など。


                   ◇

≪中野剛志氏≫

 ■東北の農業復興を最優先に

 --東日本大震災の発生で、東北の農業は壊滅的な打撃を受けた

 「東北で農業をしている人は、借金を抱えながら農地のがれきを取り除き、津波による塩分を抜き、耕作し直すのに5~10年かかるかもしれない。TPP参加で(海外の安価な農産物が入ってきて)農業ができなくなるかもしれない不安があったら、誰が農地を元に戻そうと考えるのか。本気で東北の農業を復興させるのなら、TPPには参加しない方針を打ち出すべきだ。効率的な農業モデルとして、被災地を実験場として利用するのは失礼な話で論外だ」

 ●立場で判断異なる

 --TPP交渉に早期に参加し、日本に有利なルールづくりを進めるべきでは

 「多国間交渉では多数派工作が重要だが、日本以外の交渉参加国は、米国や豪州などの農産品輸出国や低賃金労働力の輸出国で、連携できる国がない。そもそも、政府がこの『有利なルール』について定義したことがない。例えば、コメの関税撤廃は農家は反対だが、自由貿易論者は逆の考えで、立場により判断は異なる。『有利なルールとは何か』がわからず、国民的合意もなければ、ルールづくりを進めようがない」

 --人口が減る日本は、関税撤廃で輸出を増やし、海外の成長を取り込む必要があるのでは

 「TPP交渉参加国は外需依存度の低い小国が多く、日本の実質的な輸出先は米国くらい。その米国も、オバマ大統領はTPP参加の目的を『米国民の雇用を増やすために輸出を増やす』と言い切っており、輸入を拡大する気はない。米国への輸出で成功しても、(リコール問題が起きた)トヨタ自動車のようにトラブルになる」

 --韓国は米国やEUと2国間協定を結び、日本に大差をつけている

 「サムスン電子など一部の韓国企業は確かに強いが、それはウォンが暴落して輸出に有利になったからで、自由貿易協定のおかげではない。グローバル化で韓国の実質賃金は下がっているし、貧富の差も拡大している。輸出企業やその株主にとってはいいかもしれないが、日本国民が韓国をモデルとしてうらやましがる理由はない」

 ●食糧高騰に備えを

 --食糧安全保障からみたTPP参加は

 「関税撤廃で食糧の海外依存を強めることは、日本を弱い立場に追い込む可能性がある。これから世界的に食糧や水資源の獲得競争が重要な問題になるからだ。日本は水が豊かというが、多くの食糧を輸入していることは、その作物をつくるのに必要だった水を輸入しているのと同じ。気候変動や世界的な食糧価格高騰に備えなければいけない」

                   ◇

【プロフィル】中野剛志

 なかの・たけし 京大大学院工学研究科准教授。昭和46年、神奈川県生まれ。40歳。東大教養学部卒、通商産業省(現経済産業省)入省。英エディンバラ大で博士号。経産省産業構造課課長補佐を経て平成23年から現職。著書に「経済はナショナリズムで動く」「TPP亡国論」など。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110617/fnc11061707430001-n4.htm


民主党の規制仕分けという茶番劇 ~「規制を撤廃しろ」米国の対日要求 TPPで“拍車”









ゴールドマン:小泉元首相を投資家会議に招聘-震災後の日本占う

5月18日(ブルームバーグ):米ゴールドマン・サックスは6月に東京で国内外の投資家向けコンファレンス(会議)を開催する。小泉純一郎元首相や銀行首脳など政治・経済界からリーダーを招聘(しょうへい)し、東日本大震災後の日本経済や国内企業について議論する。モルガン・スタンレーも今月下旬に投資家向けフォーラムを開く計画だ。

ゴールドマンは来月2日と3日、都内で「ジャパン・ライジング」を開き、海外と日本から約300の機関投資家を招く。2006年まで5年間にわたる首相在任中に郵政改革や不良債権処理を進めた小泉元首相は、2日午後「日本の歩むべき道」について講演する。ブルームバーグ・ニュースが18日までに入手した招待状で明らかになった。

米ウォール街を中心としたグローバル投資銀行は3月11日の大震災以降の日本にビジネスの機会を見いだしている。戦後最大の国家的危機に直面している日本で今後、復旧・復興需要などをきっかけに経済と企業業績が回復するとみており、外資系証券によるこうした投資家向け会議の開催が目立っている。

  ゴールドマンの松本弘子広報担当は、イベント開催について確認したが、スケジュールなどの詳細についてはコメントを避けた。ゴールドマンの会議では、三井住友フィナンシャルグループの久保哲也副社長や東京電力の大槻陸夫株式グループマネジャーも講演する予定だ。

  一方、モルガン・スタンレーが今月30日、31日に開催する「ジャパン・リバイバル・コンファレンス」では、前原誠司前外相のほか、日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)が講演する。モルガンSの渡辺美嘉広報担当は同会議の開催については認めたが、詳細についてはコメントしていない。

http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90900001&sid=a3Gs6412VS_U






【コラム】日本が誇るべき「ショック療法だけでない希望」-ペセック

  3月14日(ブルームバーグ):日本の書店が地震コーナーを設けるだけでなく、通路全体を「地殻変動」関連の書籍に割いていることにいつも奇妙な感覚を抱いていた。しかし、11日の大震災を経験した今、私は地震学の信奉者の1人となった。

  日本人の精神において地震は複雑な位置を占める。構造プレートの変動と同時に地上でも大きな変化が起きると広く信じられている。1855年の安政の大地震は徳川幕府の衰退期に向かう節目に発生し、1923年の関東大震災の復興の取り組みは日本の軍国主義の台頭と歩調を合わせるように進められた。また、95年の阪神・淡路大震災は戦後の工業ブームの終わりやデフレの到来と時期を同じくする。

  今回のトラウマ(心的外傷)を伴う震災も歴史的変化の前兆となるのだろうか。

  米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授(経済学)は、日本が巨額の債務削減という苦難にあえぐ「最悪の時期」に震災が襲ったと述べた。私はその反対の道、すなわち今回の震災がもたらすかもしれない3つの希望の光を探ってみたいと思う。

  第1にこれは日本を目覚めさせる効果がある。日本はデフレが深刻化し、賃金が伸び悩み、公的債務が国内総生産(GDP)を上回る中で何年も迷い続けてきた。中国のGDPが昨年日本を抜き去り、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が1月に日本の信用格付けを引き下げても、日本政府当局者はこれまでと同じようにまひ状態に陥ったままだった。

  震災が襲う直前の日本の政治状況は最悪だった。次期首相の最有力候補とみられていた前原誠司前外相(48)が在日韓国人から献金を受けた責任を取って辞任に追い込まれ、震災が起きた11日午前には菅直人首相も同様の献金を受けていたことが明らかになり、野党の追及を受けた。

  現状に安住し、つまらぬことに気をそらせるような選択肢はもはやあり得ない。日本の指導者は今こそ腕まくりし、過去最悪の大震災からの復興に取り組む必要があり、巨額の借り入れというぜいたくが許されない中でそれを成し遂げなければならない。今回のような衝撃は、世界最大規模の公的債務の抑制を困難にするとルービニ教授は指摘している。

  それにもかかわらず、政治的意思が乏しければ、ナオミ・クライン氏が2007年の「ザ・ショック・ドクトリン」で取り上げたような別の衝撃が日本を襲う恐れがある。世界の国々に後戻りできない急激な変革をもたらすチャンスとして危機をとらえる自由市場主義者の主張がクライン氏の著作の中心テーマとなっている。

  企業家精神を新たに鼓舞し、競争を促進し、国を実際に動かしている官僚、断固として変化を嫌うこの勢力に変化を引き起こす何らかの変革によって日本は恩恵を受けるかもしれない。学識経験者は何年もの間、深刻な危機だけが日本に変革をもたらすだろうと主張してきた。3月11日の大震災は衝撃を与えた。指導者は適切な行動を起こす必要がある。

  第2の希望は、中国との関係修復のチャンスだという点だ。中国が日本の震災の犠牲者に素早く哀悼の意を表し、支援を申し出たことは、緊張の緩和に大いに役立つ可能性がある。過去半年を振り返ると、中国各都市での反日デモや訪日行事のキャンセル、レアアース(希土類)の輸出割り当て設定などが相次いで起きた。怒りに満ちたレトリックの言葉がこの間発せられたが、中国が今回示した連帯の姿勢はそれとは著しく対照的なものだ。

  最後の希望の光は、日本に対する信頼感の高まりだ。大震災の発生後、中国の新聞の論説はこれまでの日本たたきを転換し、その迅速な対応と国民の秩序正しさから中国が何を学べるかを探る方向に論調が変化した。これは正しい論点だ。救援の取り組みはまだ初期段階だが、東京の自動車専用道路が地震の打撃を持ちこたえたことから、略奪や社会不安が起きていないことに至るまで、日本が誇るべき点は数多い。高度に市民社会として成熟し、安定し、思いやりのある社会であることを日本自らが立証している。

  6000人余りの命を奪った95年の阪神・淡路大震災の被害を踏まえた建築基準の強化や訓練、さまざまな教訓が今回は数千人の人々の命を救ったことだろう。

  もちろん問題は山積している。東京電力の福島原発で発生した少なくとも過去33年で最悪の原子力事故の収拾が最も急を要する。日本政府は東京電力の安全記録をこれまでになく綿密に調査することが求められる。

  不人気な菅首相の働きも目覚ましいものではない。菅氏は震災発生前の段階で基本的に末期状態だった。今後数日間で事態にどのように対処するかが政治家としての運命を決めることになるだろう。徹底的な破壊と不透明感が支配するこの時期にあって、日本社会は政府の混乱にもかかわらず、多くのレベルでうまく運営されていることが示されている。

  今は悲しみと内省の時期だが、より明るい将来を見据える時期でもある。それは間もなく現実になる可能性が確かにあるのだから。
(ウィリアム・ペセック)

(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)

更新日時: 2011/03/14 14:57 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=aD1zX_9DWnHc

【経済コラム】カムバック小泉!あなたはまだ必要だ‐W・ペセック
米財務省は数十年前から日本の米 国化を図ってきた~日本企業は誤った教訓を学んでいないか‐W・ペセック






「ショックドクトリン 大惨事につけ込んで実施される過激な市場原理主義改革」 ナオミ・クライン新著を語る

放送日: 2007/9/17(月)
 1973年のピノチェト将軍によるチリのクーデター、天安門事件、ソ連崩壊、米国同時多発テロ事件、イラク戦争、アジアの津波被害、ハリケーン・カトリーナ。暴力的な衝撃で世の中を変えたこれらの事件に一すじの糸を通し、従来にない視点から過去35年の歴史を語りなおすのが、カナダ人ジャーナリストのナオミ・クラインの話題の新著The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism(『ショック・ドクトリン:惨事活用型資本主義の勃興』)です。ケインズ主義に反対して徹底した自由市場主義を主張したシカゴ学派の経済学者ミルトン・フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」と述べました。この主張をクラインは「ショック・ドクトリン」と呼び、現代の最も危険な思想とみなします。近年の悪名高い人権侵害は、とかく反民主主義的な体制によるサディスト的な残虐行為と見られがちですが、実は民衆を震え上がらせて抵抗力を奪うために綿密に計画されたものであり、急進的な市場主義改革を強行するために利用されてきたのだ、とクラインは主張します。

 投資家の利益を代弁するシカゴ大学経済学部は、「大きな政府」や「福祉国家」をさかんに攻撃し、国家の役割は警察と契約強制以外はすべて民営化し、市場の決定に委ねよと説きました。でもそのような政策は有権者の大多数から拒絶され、アメリカ国内で推進することはできませんでした。民主主義の下では実現できない大胆な自由市場改革を断行したのが、ピノチェト独裁下のチリでした。無実の一般市民の処刑や拷問を行ったことは悪名高いですが、それと同時にシカゴ学派による経済改革が推進されたのは、クラインによれば偶然ではありません。これがショック・ドクトリンの、最初の応用例だったのです。

 ショックの効用を研究したもう一つの機関は、カナダのマッギル大学でした。同大学の精神医学科はCIAの資金で拷問手法としてマインドコントロールや洗脳の実験を行っていたようです。囚人に幻覚剤を投与し、近く刺激を奪って長期の孤立状態に置くことにより、精神を幼児まで退行させ、人の言いなりにさせる手法は、現在グアンタナモやアブグレイブで使われている拷問マニュアルに酷似しています。  戦後イラクで連合軍暫定当局(CPA)のブレマー代表は意図的に無政府状態と恐怖の蔓延を助長する一方で、急激な民営化を進めましたが、これを個人に対するショック療法のパラレルとしての国民レベルのショック療法とみることもできます。人類最古の文明におけるゼロからの再出発、既存体制の完全な抹消という発想には、個人の精神を幼児に戻して言いなりにさせるCIAの拷問手法が重なります。これはさらに、ハリケーン被害においても踏襲され、長年の放置により劣化したインフラが必然的に災害を招くと、それを口実に、まるごと民間に売り飛ばせという主張に拍車がかかります。

 クラインを驚かせたのは、このようなことを公然と認める経済学者たちの発言が、たくさんの文献に残されていたことでした。自由市場経済を提唱する高名な経済学者たちが、急進的な市場経済改革を実現させるには、大災害が不可欠であると書いているのです。民主主義と資本主義が矛盾することなく、手を携えて進んでいくというのは、現代社会における最大の神話ですが、それを唱導してきたまさにその当人達が、それは嘘だと告白しているのです。この事実をふまえて、この数十年の歴史を振り返ってみることは、私たちがいま、どうしてここまできてしまったのかを理解する大きな手がかりとなるでしょう。

http://democracynow.jp/video/20070917-1




ナオミ・クライン 火事場泥棒の資本主義を検証 "ショックドクトリン"応用編

放送日: 2008/7/15(火)
2008年7月ブッシュ大統領は、環境保護のため米国近海の大陸棚での石油・天然ガス採掘を禁止してきた1981年の法律を、解除するよう議会に強く要請しました。エネルギー資源の対外依存を引き下げ、ガソリン価格の低下をもたらすためと説明しています。果してそうでしょうか? ゲストのナオミ・クラインは、北極圏や大陸棚での石油採掘は、価格低下にも供給増加にも貢献せず、むしろ大手石油企業の市場支配を強化するだけだと反論します。

クラインは2007年に発表した『ショックドクトリン 惨事活用資本主義』の中で、社会が大きな危機に見舞われたとき民衆がまどわされ、目の前にある救済策に飛びつくのを利用して、本来なら容易に受け入れられない企業寄りの政策を強行するネオリベ政府の手口を論じています。今回の石油価格高騰を受けたブッシュ政権の対応も、まさしくこの火事場泥棒の手口に他ならず、本当の問題解決にはならないけれど、石油企業は念願の海底掘削権を手に入れるのだと論じます。

むしろ原油高の脅威を正面から受け止め、石油企業の不当利益への課税を再生可能エネルギーの開発に向け、生活様式を根本から転換する好機とすべきだと云うのがクライン氏の主張です。

クラインはまた、民主党の大統領候補オバマ上院議員がシカゴ大学のロースクールで教えていた経歴を持ち、経済政策においてはシカゴ学派の影響が強く、きわめて保守的であると指摘します。イラク撤兵に関する曖昧な態度も批判し、変革のイメージに期待してやみくもに支持を与えることを戒めています。候補者に白紙委任をするのではなく、条件つきの支持によって圧力をかける、成熟した民主主義文化の必要性を説いています。

さらに、五輪を目前にした中国で、政府と米系兵器産業が協力し、悪夢のような市民監視システムを構築しようとしていることにも警告を発します。テロの脅威、原油高、サブプライムローン危機、食糧危機など、多くの政策課題を前にして、徒に危機感のみを煽り、企業本位の政策を強行しているのは独り米政府だけではないでしょう。(斉木)

http://democracynow.jp/video/20080715-1





ナオミ・クライン 金融救済で暴利をむさぼるのは誰?

放送日:  2008/11/17(月)
11月15-16日ワシントンで開かれた緊急金融サミットには、世界20カ国/地域の首脳が集まり、金融危機や世界不況への対策を話し合いました。先進国が金融市場の十分な監督を怠ったことが、今回の金融危機を引き起こしたという認識が参加国のあいだで共有され、国際金融規制の強化をうたう共同声明が出されました。新興経済諸国の参加により従来のG7の枠を超えた画期的な方針が打ち出されることが期待されていましたが、結果はどうだったのでしょう?

一方米国では、ブッシュ政権が金融機関救済のため7千億ドルを超える公的資金を確保してから1カ月になります。金融サミットの数日前ヘンリー・ポールソン財務長官は、すでに投入が決まっている政府資金2千9百億ドルとは別に、新たな救済措置の必要を訴えました。その骨子は、消費を下支えするためには消費者金融のテコ入れが必要として、ノンバンクへの財政支援を行なうというものです。

オバマ次期大統領の政権移行チームはブッシュ政権の救済措置の運用に抜本的な修正を検討中ですが、新政権の発足は2009年1月20日です、それまでの2カ月の間、ブッシュ政権による野放図な金融救済措置が続きます。議会が義務づけた救済措置監督の独立機関の人事にとりかかる様子はありません。

「詳細が明らかになるにつれ、政府のウォール街救済策は役に立たないどころか、犯罪と紙一重であることが明らかになってきた」と、ベストセラー『ショックドクトリン』の著者ナオミ・クラインは言います。ブッシュ政権下で進められてきた諸政策は、危機的状況を利用して、企業が儲かるだけの民衆に不利な政策を「特効薬」と偽って押し付ける「ショックドクトリン」の典型例として分析してきたクラインは、今回の金融危機の救済策についても鮮やかな切り口で現状を解き明かしてくれます。(中野)

http://democracynow.jp/video/20081117-1


ゲスト
* ナオミ・クライン (Naomi Klein) カナダの有名ジャーナリスト、活動家。2000年に出版した『ブランドなんか、いらない』は、企業中心のグローバリゼーションへの抵抗運動のマニフェストとしてベストセラーになった。昨年9月に出版された話題作The Shock Doctrine: The Rise of Disaster Capitalism (『ショックドクトリン 惨事活用資本主義の台頭』)は、25ヶ国語に訳されている。








原発賠償条約、加盟を検討 海外から巨額請求の恐れ
2011年5月29日3時5分
原発事故の賠償条約の仕組み

 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、日本が海外から巨額の賠償を負わされる恐れがあることがわかった。国境を越えた被害の損害賠償訴訟を事故発生国で行うことを定めた国際条約に加盟しておらず、外国人から提訴されれば日本国内で裁判ができないためだ。菅政権は危機感を強め、条約加盟の本格検討に着手した。

 原発事故の損害賠償訴訟を発生国で行うことを定める条約は、国際原子力機関(IAEA)が採択した「原子力損害の補完的補償に関する条約」(CSC)など三つある。日本は米国からCSC加盟を要請されて検討してきたが、日本では事故が起きない「安全神話」を前提とする一方、近隣国の事故で日本に被害が及ぶ場合を想定し、国内の被害者が他国で裁判を行わなければならなくなる制約を恐れて加盟を見送ってきた。

 このため、福島第一原発の事故で海に流れた汚染水が他国の漁業に被害を与えたり、津波で流された大量のがれきに放射性物質が付着した状態で他国に流れついたりして被害者から提訴されれば、原告の国で裁判が行われる。賠償金の算定基準もその国の基準が採用され、賠償額が膨らむ可能性がある。

http://www.asahi.com/politics/update/0528/TKY201105280573.html



日本は原発事故補償条約批准を 米エネルギー副長官

 パネマン米エネルギー副長官は12日、将来起きる可能性がある原子力事故の賠償金を、世界各国が拠出した基金で補う「原子力損害補完的補償条約」を「日本が批准することが極めて重要だ」と述べ、日本政府に早期条約締結を促した。共同通信との電話インタビューで語った。

 東京電力福島第1原発事故については「作業は明らかに長期間に及ぶ。(収束の)確たる見通しはない。道のりは長い」と厳しい見方を示した。

 副長官の発言は、未曽有の巨額賠償金の支払いが予想される福島の事故を受け、将来の重大事故に備えた国際的な協力体制構築が急務であるとのオバマ政権の見解を代弁している。

 原子力損害補完的補償条約は1997年に国際原子力機関(IAEA)で採択され、米国は2008年に批准したが、締約国が少ないため発効していない。副長官は「世界中のあらゆる企業が損害賠償で適切な保護を受けられる。世界全体が利益を得られ、原子力の安全にもプラスになる」と条約の意義を強調した。

 副長官は、今月下旬にフランス・ドービルで開かれる主要国(G8)首脳会議が「すべての国に原子力の安全について注意を怠らないよう促す」との見通しを表明。IAEAなどの枠組みで「福島の教訓」を踏まえ「安全指針や基準を変更することは適切だろう」と語った。

 福島第1原発事故をめぐる対日協力については「初期段階は、現場で実際何が起きているのか、情報が明確さを欠いた」と述べ、当初は十分な情報が日本側から得られなかったとの認識を示した。

 これまでの事故対応について米側からみた焦点は(1)原子炉と使用済み燃料プールへの冷水注入(2)海水注入で炉内に生じた塩分の処理(3)汚染水への対応―に順次移ってきた、と説明した。(共同)

2011/05/13 10:12 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051301000199.html









米、イラン制裁に二重基準 アザデガン油田 日本に撤退圧力、中国の活動容認
2011.4.25 12:28

 【ワシントン=佐々木類】核開発疑惑の持たれているイランへの制裁をめぐり、米政府のダブルスタンダード(二重基準)が鮮明になってきた。日本など同盟国にイランのアザデガン油田開発から撤退させる一方、中国企業は制裁対象とせず経済活動を容認しているためだ。国連安全保障理事会での対リビア決議などで「中国の協力をとりつけるための取引」(日米外交筋)との見方が強い。日本の中長期のエネルギー政策が中国に気兼ねする米政府の思惑に振り回された形で、日米間に禍根を残しそうだ。

 イラン政策をめぐり「ダブルスタンダード」(日米関係筋)だと批判されているのは、国務省が3月29日に発表したイラン制裁に関する制裁対象企業のリストだ。

誤ったメッセージ

 対象企業には中国が含まれず、ベラルーシの石油関連企業1社が載せられたが、この企業は米企業との取引はなく、米メディアは「制裁対象にしても実害はゼロ。中国企業という巨人に目をつぶり、小さなハエを捕まえて外交成果だと自賛している」(ウォールストリート・ジャーナル紙)と米政府の対応を批判している。

 これまでに日本のほか、英、オランダ企業などが安保理の対イラン制裁決議や米国の対イラン包括制裁法を受けて、油田開発からの撤退を余儀なくされている。

 米下院外交委員会のロスレイティネン委員長(共和党)は3月29日、「中国企業が制裁対象に含まれていないのは大きな問題だ」との声明を発表。31日の外交委公聴会ではバーマン議員(民主党)が、イラン政策を主導するスタインバーグ国務副長官を前に、「失望を禁じ得ない。米政府の決定は、イランに対し(本気で制裁する気がないという)誤ったメッセージを与えてしまうことになる」と批判した。

「振り回された」思い

 日本政府が出資する国際石油開発帝石(INPEX)は昨年10月、アザデガン油田に所有していた10%の権益放棄を発表。逆に中国はその前年に権益の70%取得でイラン政府と合意していた。

 日本政府が撤退を決めたのは、米国内で昨年7月にイラン包括制裁法が発効、アザデガン油田に権益を持っていたINPEXが制裁対象とされる恐れがあったためだ。

 実際、スタインバーグ国務副長官は藤崎一郎駐米大使にINPEXの撤退を数回にわたり強く要請、撤退しなければ制裁対象にすると圧力をかけていた。制裁対象になれば米金融機関との取引が禁止され、大きなダメージとなる。

 日本政府は国務省の発表後、中国が制裁対象に含まれていない理由の説明を求めているが、スタインバーグ氏は「イランで新しい事業を始めているわけではないから、制裁対象にする必要はない」などと釈明している。このため日本側には「東日本大震災での『トモダチ作戦』はありがたいが、それとこれは別。米側に振り回された」(関係筋)との思いが強いようだ。

 米大手シンクタンク「ヘリテージ財団」のディーン・チェン研究員は、「確たる証拠はないが、リビアに対する安保理決議で、中国が棄権も含む協力的な態度を示したのは油田問題と無関係ではないだろう」と述べている。

       ◇

【用語解説】アザデガン油田 イラン南西部に位置し、推定埋蔵量約260億バレルの中東最大級の油田。米国が核疑惑を持つイランへの投資に強く反対したため、国際石油開発帝石(INPEX)は75%持っていた同油田の権益を2006年に10%に縮小した。日本側は10%の権益は米国のイラン包括制裁法成立以前に獲得していたため、制裁対象には含まれないと主張したが、INPEXは昨年10月、同油田からの完全撤退を発表した。

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110425/mcb1104251232022-n1.htm











反捕鯨団体が岩手県大槌町で活動 恩を仇で返す
2011.5.25 15:18

 反捕鯨団体「シー・シェパード」のメンバーがイルカ漁を監視するため訪れていた岩手県大槌町で東日本大震災に見舞われ、避難の途中で住民に助けられた。メンバーは今月になってまた大槌町に現れ、漁船などを撮影している。

 漁業関係者や「シー・シェパード」のホームページによると、団体のメンバーは2月下旬から、大槌町を訪問。イルカ漁にかかわる漁師や魚市場などをビデオやカメラで撮影した。

 3月11日の震災当時もメンバー6人が乗用車で監視活動中だった。津波から逃れるため高台に避難。その後、宿泊先のホテルがある約50キロ離れた遠野市に向けて徒歩で移動を始め、途中から地元住民の車に乗せてもらい、食事の提供も受けていた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110525/dst11052515220018-n1.htm






【40×40】山田吉彦 SSにとって手ごわい敵
2011.5.12 07:51

 東日本大震災の時、シー・シェパード(SS)の活動家を岩手県の人々が助けたことが報道された。日本人の心の広さを感じたが、SSのポール・ワトソン代表は、「海の怒りにより日本は大地震に見舞われた」と心ない詩を発表した。

 今年4月、SSがパラオ共和国と提携しサメの密漁警戒に当たる協定を結んだ。SSは南極海で日本の調査捕鯨を妨害し派手に勝利宣言をしたが、内実は困惑している。敵役の日本の調査船が帰国したため、米国のテレビ局でSSの活動を紹介する番組「ホエールウオーズ」の撮影が頓挫したようだ。次のターゲットは生きた化石ともいわれるサメだ。サメがヒレを取るためだけに殺されるのを阻止するというのだ。

 パラオは、2009年に同国の排他的経済水域内でサメの捕獲を原則禁止する施策を行っている。海上警備力が脆弱(ぜいじゃく)なパラオのトリビオン大統領は、SSからのアプローチに同調してしまった。しかし、国内に反対意見が多く協定の実施は断念したようだ。それは、米国やオーストラリア、そして日本など支援を受けている国々からの理解が得られないためだという。現在、豪州は、サメの保護政策を決めかねている。サメは稀少(きしょう)な生物であるとともに、毎年数人の命を奪う獰猛(どうもう)な害獣である。そして、魚肉は低カロリー高タンパクな食材として利用されている。先日、中国の福州の水産会社を訪ねた。この会社は太平洋やインド洋でサメを捕獲している。同社の冷凍庫はヒレを取られたサメでいっぱいだった。ヒレは高級食材として国内で流通し、その他の肉は豪州へ輸出するそうだ。

 パラオは今、日本からの支援を条件にSSと手を切ることを考えている。折しも海上保安庁や日本財団などが、同国を含む太平洋諸国の海洋警備体制の支援を検討しているところだ。SSにとっても今度の敵は手ごわい。サメの密漁の多くは中国漁船であり、フカヒレの世界的な流通を牛耳る華僑たちとの戦いにもなる。孤立したSSは中国という新たな敵とどのように戦うのだろうか。尻尾を巻いて逃げてしまう気もする。(東海大教授)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110512/asi11051207530000-n1.htm







【薬学】タミフル、若い脳に入りやすい…サルで実験 理研・東大

 インフルエンザ治療薬タミフルは、幼いサルの脳に取り込まれやすいことを、理化学研究所分子イメージング科学研究センター(神戸市)と東京大のチームが実験で明らかにした。

 ネズミでは同じ傾向がみられたが、人に近いサルでも確認されたことで、子供への投与のあり方を巡り議論を呼ぶ可能性もある。米放射線医学誌6月号で発表する。

 体内での薬の動きを観察できる陽電子放射断層撮影(PET)装置を使い、タミフルを投与したアカゲザルの脳内濃度を調べた。

 人間なら10歳未満の生後9か月のサルは、5~6歳(人間の成人相当)のサルと比べ、投与してから20秒後に平均2・5倍濃度が高まった。人間なら10歳代の2歳のサルも2倍濃度が高くなった。脳に取り込まれるスピードを解析すると、9か月~2歳のサルは大人の1・3倍速いこともわかった。

(2011年5月25日21時10分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110525-OYT1T00935.htm

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