問題のフロントサスをオーバーホールする。
イキナリ余談で申し訳ないのだが、「オーバーホール」=「OVERHAUL」という言葉は非常に不思議である。
初めて俺が「オーバーホール」という言葉を聞いたとき(バイクに興味を持った頃の事ですぞ)、てっきり「OVERHOLE」かと思った。ボーリングしてオーバーサイズピストンを入れる・・・とか思ったのだ(恥)。
「OVER」は「~の上に」とか、「~を越えて」という意味。
「HAUL」は「引っ張る」とかいう意味。
どう考えてもバイクのオーバーホール作業は何かの上に引っ張る作業をしているとは思えないだろ?
語源については諸説あるようだが、最も有力なのは、「船を陸に引き上げて徹底的にチェックする」という意味なのだそうだ。
それはともかく・・・。
とっととバラす。まずはそーっとスプリングだけを引き上げて、スプリングの識別用刻印をチェック。YZはセッティング用に純正品に12種類(標準含む)のフロントフォークスプリングがあるようで、コレが硬いものに変更されている可能性も、少し疑っていたのだ。
が、どうやらスタンダードの物のようだ。標準のものだけは刻印が無いらしいのだ。社外品を使っている可能性は低いだろう。
まあ、俺はライディングテクニックがショボイので、少々乗ったくらいではサスがどういう状態なのか判断出来ないという事が証明されましたな、ハハハ。
ちなみにYZ250FとWR250Fは、輸出先によるものの、セッティングがちょっと異なる。
ライダーの平均体重の問題とか色々あるだろうから直接比較は出来ないが、’03を例にすれば・・・US仕様のWR250Fが4.31Nm/油面135mm、ヨーロッパ仕様のWR250Fが4.12Nm/油面130mm、オーストラリア仕様のWR250Fが4.22Nm/油面125mmに対して、YZ250Fは4.22Nm/油面130mm。
プレストのルートの’03WR250Fは4.12Nmのようだ。
しかしそうなると、このYZ250FにわざわざWR250Fのサスを移植した(と見受けられる)理由は何なのだろう? ※moritech氏のWR250Fと見比べた所、トップブリッジは間違いなくWR250Fの物だった
次に油面チェックをしようとするが、ナンと!! 油面計測できないほどに油面が低い。YZは標準が130mmで、調整範囲は80~150mm。それより遥かに低いのだ。もちろんスプリングを引き上げた時に多少はオイルがこぼれてしまうので、正確な数字ではない。だがそれを差し引いても低すぎる。
中身のオイルをメスシリンダーに移してみる。勿論コレも正確に量る事はできないが、出てきたのは片側約380ccずつ。標準では573ccなんですけど・・・(笑)。
賢明な読者の方々は「油面が低いのにサスが硬いのは何故?」と思われる事でしょう。エアが多ければ、エア部分が圧縮される量も多くなるので、「一定以上ストロークした時は」本来より軟らかくなる筈(動き始めはほとんど影響は無い)。
これは憶測なのだが、オイルの粘度が硬いのでは・・・と。※勿論バラす前に圧抜きされている事は確認してあった
計測器があるわけでも何でもないので数値的な表現はできないが、そもそも指定のヤマハ01は、かなりシャビシャビ。出てきたオイルは結構トロッといているのだ。
一体何を入れたんだろう?
まあコレも思い過ごしで、単純に俺がヘタクソだからという理由である可能性もかなり高いっスよ。何せ所詮は俺ですので。ヒヒヒ
ちなみに抜いたオイルはそれほど汚れておらず(写真ではかなり黒く見えるけど)、極端な乳化も無かった。
過去のフォークオイル粘度に関しての記事
そういえば現在の280馬邪は、この記事のときのように粘度の違うオイルをブレンドしているのではなく、HYPERPROの7.5ってヤツをそのまま使用している。
確かメーカーから公表されていた粘度を照合して、より安上がりで手間の掛からない方法に変更したのであった。現状ではかなり納得してます。実は前回の24時間耐久の時もコレを使っていたのだ。
さて。
GW前に純正部品を入手した際、中身の部品も注文してあったので、ついでに交換する。
徹底洗浄するためにはダンパーロッドと、ベースバルブを取り外す必要がある。
とりあえず充電式インパクトで取り外してしまう。ベースバルブの六角は、二面巾14mmの高ナットで外せる。
今後ココをバラす事が何回あるのかっちゅー疑問もあるが、取り外したダンパーロッドを見て形状を確認し、ダンパーロッドホルダーを製作。
31.8φの丸パイプを写真のように切り欠きしただけ。
組み付け時の締め付けトルク管理の為には、絶対あったほうが便利である。所詮は回り止めなので、塩ビパイプでも作れるのでは?
このYZにはベースバルブの銅パッキンが付いていなかった。こんないい加減なバイクでも、最低一度はバラされた事があるんだなあ・・・と感心してしまった(爆)。
OリングはベースバルブとASSY。ここからフォークオイルが漏れて油面が下がった・・・というのは、まず無いだろうけど(笑)。
仮にトップキャップ側にこのパッキンがあったとして(実際には無いよ)、コレを忘れるとダンピングが少々硬くなると思われるが、ベースバルブ側では影響は無いだろう。
部品を一通り交換して、フォークシールを打ち込む。フォークシールは品番が統合されたのだろう、番号が異なっていた。
中身のシールは全く同じ物で、当然刻印も同じ。
元々付いていたインナーパーツは、かなり使い込まれたように見える。
正立フォークの場合は適当なサイズの塩ビパイプで打ち込み可能だが、倒立の場合はフォークエンドが付いてるので、パイプを縦割りした状態の物が必要になる。
適当にそういう形状の物を用意して、手首にリストウエイト(というか、アンクルウエイトの2kgくらいの物)をはめて打ち込んだ事もあった(爆)。
そこで今回は読者の皆様に喜んでいただける(?)ウラワザを・・・。
普通「フォークシールドライバー」というと、スライディングハンマー的な物である。俺は持って無ェよ、そんなもん。
このスライディングハンマーだが、フロントフォークをOHしようとする人ならば必ず誰もが持っている物を使うのだ。
それは・・・インナーチューブである(笑)。
用意するのは正立の時と同じくサイズが適合する塩ビパイプ。コレはカッターや鋸で縦割りする。で、コレをインナーチューブにビニールテープで固定するのだ、ヒヒヒ。
スライドメタルとフォークシールは同時に打ち込もうなどと考えず、一つずつ。
まずはオイルシール・ワッシャーをリテーナー代わりにしてスライドメタルを打ち込む。
次はオイルシール。
コレは極力外側を叩きたいので、ホームセンターで売っているYZ250F専用のアタッチメント(爆)を取り付けで同じ作業。
DV40ってヤツを3等分の縦割りにして使用。
笑えるくらい簡単に打ち込み可能。
まあ決してオススメはしませんよ(笑)。
使用するフォークオイルは、当然ヤマハの01。
油面も規定どおり。判断のし難い油面でのセッティングは、あんまり好きじゃないな。
OHは他人任せ。実は不器用なんで...
今回のブログはPCに保存しときます。
自分でやるのは楽しいですよ。
トラブっても人に文句は言えませんが、上手くいった時の喜びはひとしおです。
坂内に限っていえば、足回りは馬耶という良いお手本があるのだから、あれっぽく仕上げれば良いYZになりますよ。ふふふっ。
Y社をH社のスパイスで仕上げる・・・・・ダメですかね?
元々そのまま乗れれば・・・という甘い考えだったんですが、予想外の出費と手間です。
実は既にED向きにカスタムしつつあるのですがw、そこそこの程度のマシンをそこそこの価格で購入した方が、絶対にお得です。ハハハ・・・。
そのころの話ですか?w
細マッチョな俺です(笑)