徒然日記~港幸樹’sブログ~

道産子・港幸樹のブログです。

ルドルフの音楽

2012-06-16 12:35:26 | 舞台
今回の東宝版“ルドルフ”は、D・ルヴォー演出によるウィーン版をベースとしていますが、DVD・CDとウィーン版のものが発売されておりますので、既にご覧になって楽しまれてる方もいらっしゃることでしょう。
特に音楽に関しては、最近日本でその楽曲が上演されることの多い、“ジキルとハイド”や“スカーレットピンパーネル”でお馴染みのF・ワイルドホーンですから保障済みですよね(*^_^*)
そんなワイルドホーンの手による楽曲ですが、この作品では演出の意向もあり、ある手法を強く意識して作られていることにお気づきでしょうか?
その手法とは“ライトモチーフ”というものです。
この“ライトモチーフ”、日本語では“示唆動機”という風に訳されますが、その言葉通り、曲のフレーズ“モチーフ”が、主に人であったり、二人の関係性などを示唆するという、特に映画音楽で効果的に使用される手法です。
例えば“スターウォーズ”で、ダースベイダーが登場する時に流れる“チャーンチャーンチャーンチャッチャチャーンチャッチャチャーン”という重厚な音楽(わかりますかね…)、あれは帝国軍のテーマとなっており、帝国軍の象徴であるダースベイダーを示すモチーフとなっております。
ちなみにオープニングの“ドドドドーソーファミレドーソー”というのは(今度は少しはわかるはず)、旧三部作の主人公であるルークのテーマだそうです。
西洋音楽史では、歌劇(オペラ)の次元を更に高めた、“楽劇”というスタイルを作ったワーグナーが、このライトモチーフをその作品の中で非常に重要な要素として使用したことが有名なのですが、ミュージカルにおいても特に“ルドルフ”が初めてというわけではなく、“チャー、チャチャチャチャチャー”というオペラ座の怪人のテーマは、本編でもファントムの存在を漂わせるライトモチーフとして効果的に使われていますので、映画音楽やミュージカル好きな皆様には親しみやすい古典的な手法ともいえるでしょう。
そんな一つ変わった視点からこの作品を楽しむのも、より深い感動につながるのではないでしょうか…