朝、最寄り駅から乗った電車はいつもの様にまだこの時点では閑散としたもの。
とはいえ、まだギリギリ通勤時間ということもあり座席は埋まっている。
私は座席前のつり革に掴まりいつものように読書をしている。
1時間の通勤時間も本を読んでいれば大して苦痛でもない。本は好きだ。
集中して読んでいると駅に着いたことにも気づかないことが多いが、今日もそうで
いつの間にか次の駅に着いていて新しい乗客がちらほら流れ込んでくる。
すると、私の隣にぴったりとつけ、というよりむしろちょっとグイグイ押す勢いの男が。
念のため周囲を見渡すが座席以外は相変わらずガラガラだ。
(他行けよ!何なんだこいつは)
と、この状況なら一般的に、思うはずで、もちろん私もそう思ったわけだが
なんというかちょっと広い意味でおかしな人なのかと思い、場所を譲り2歩ほど離れてから
どんな奴なのかと顔を見たところ、若い、学生風の普通の青年。
いらつきと腹立ち半々ぐらいのところから自然、疑問がわいてくる。
(さっきのはなんだったんだ?)
おかしなそいつは私がずれると何もなかったかのようにそこに立っていて私には興味がないようだ。
もちろんあったら困るのだか。
要は私に恨みがあったりとか私個人には関係がなくその場所に立ちたかったということ。
ただ、その場所に特別なことは何もないのでさらに色々考えていると次の駅に到着。
すると、さっきまで私が立っていた場所
今はそのおかしなそいつが立っている場所、その下の座席に座っている年配の乗客がすっと立って電車を降りていった。
当然のように、おかしなそいつはそこに座る。
そういうことか。
わかって、とても気持ちが悪くなった。
その学生風の男は座っていた年配の乗客がそこで降りることを知っていたのだ。
そして空くであろうその席に座るためにガラガラの車内で私を押しのけそこに立ちたかった。
電車の座席にはそこまでして座るものなのか?
見たところ若く、別に体が悪いわけでもなく、今はポータブル端末で何かゲームでもしているのだろう。
気分が悪い。自分が座りたかったからではもちろんない。
人を押しのけ元気一杯に走って座席をとりにいく人々がいるが、彼はその最たるものだ。
見ているだけで恥ずかしい。
1日のスタートのなかでは最悪の部類だ。
本に没入して電車を降りるまでに忘れよう。
結果 : 忘れられなかったので書きました
ではごきげんよう