ロシア・チェチェン 武装集団が襲撃
ロシア南部のチェチェン共和国で4日、独立系メディア「ノーバヤ・ガゼータ」のエレナ・ミラシナ記者とアレクサンドル・ネモフ弁護士が、覆面の武装集団から襲撃を受け、重傷を負いました。2人はチェチェンの反体制派の活動家の母親で、当局から告発された女性の裁判を傍聴するため、中心都市グロズヌイの空港から市内に移動中でした。ロシアの人権団体「メモリアル」などが、文書送信サイト「テレグラム」で明らかにしました。
メモリアルによると「(ミラシナ氏らは)殺すと脅され、器材も取り上げられ壊された。(暴行中に)ここから出ていけ。何も書くな」と脅されました。病院に搬送されたミラシナ氏は、頭部を負傷していたほか、指を骨折。頭は丸刈りにされ、全身に緑色の液体を浴びせられていました。
ミラシナ氏は2017年に、チェチェンで男性同性愛者の大量逮捕が行われ、犠牲者が出たことを伝えた報道など、人権問題に長年取り組んできました。
チェチェンはロシア領内で自治を認められている共和国。プーチン大統領の盟友であるカディロフ首長が最高権力者で、ウクライナ侵略戦争に私兵を送っています。
ロイター通信によるとカディロフ氏は4日、「有能な機関に対し、攻撃者特定のため、あらゆる努力をするよう指示した」と述べました。
プーチン政権は、ノーバヤ・ガゼータを敵視し、22年に同社の報道機関の認可を剥奪しました。(田中健一)
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