理研が第三者委設置 雇い止め 調査・提言へ

　理化学研究所は２４日、3月末に雇い止めした元卓越研究員の男性の事例について、外部有識者による第三者委員会を設置したと明らかにしました。理研は卓越研究員の申請要件を満たすため、男性について２５年3月末まで再契約可能だと文科省に報告する一方、有期雇用の契約上限を理由に今年3月末で雇い止めしました。

　男性はこれまでに文部科学大臣若手科学者賞などを受賞し、昨年は国際的な科学誌『ネイチャー』に論文が掲載。雇い止め後は中国の大学で教授を務めています。

　この問題をめぐって日本共産党は、宮本岳志衆院議員と田村智子参院議員が5月に国会で追及。宮本氏の質問に永岡桂子文科相が、理研で調査が始まったことを明らかにし、調査結果を待って卓越研究員制度のあり方を検討すると表明していました。

　理研の内部調査を第三者委員会が引き継ぐかたちで、委員長は白井幸夫名古屋高等裁判所元長官。調査・分析を行い、提言を出す予定です。