黒電話が町内一番に取り付けられました

新しもの好きの父はなんでも一番に買ってきます
近所に電話がまだないころ、我が家に真っ黒な電話がつきました
リ～～～～ンとなると大抵
『〇〇さんお願いします』と呼び出しの電話です
その度走って呼びに行くのはばばの仕事
『〇〇さんのおばちゃん、お電話ですよ～～～～』　よく走りました
でも運動会では・・・ドベ　遅かったな　ビリから２番でもよかったドベよりも・・・・

この電話がばばに幸せを運んできました
1年生の頃かな　父の妹のおばが時々電話してくるようになりました

『〇ちゃん、来るかい？』
『ハイ、行きます』
小さなバスケットにパンツ、歯ブラシを入れてバス停４個分、てくてく歩いて叔母の家に行きます
3つ年上の従妹と１つ年上の従兄弟二人の子供がいます

叔母はばばの事を、〇ちゃんは手がかからなくていいね、電話したら自分でちゃんと来るから
と、土曜日によく電話してくるようになりました
嬉しい楽しいお泊りです

いとこ二人とも仲良く遊びました
ある夜、チャラリ～～～ラリ・・と聞こえます
なんだろうと思っていると『ラーメン食べようか』と叔母が言います
ラーメンってなんだろう
と思っていると、どんぶりが4つテーブルに並びました
さぁ～～～〇ちゃんもおたべ

言われたばばは『私のもあるん？』『どうぞ召し上がれ』
いとこたちはさっさと食べ始め
ばばもチュルチュル・・・わぁ～～～～～い、おいしい　これ全部食べていいの？

その後ことあるごとに叔母はばばを誘ってくれます
菊人形展にお船に乗って行ったり
サーカスに行ったり
家では、決してない喜びがここにはありました
そして何よりうれしかったのは、いとことばばは、同じ扱いをされたことです。

外は喜びでいっぱいの世界でした