第4節 覚醒 第20話
「ラミエル陛下は,このように月のサークレットを送り返してきておられる。彼の君に月のサークレットを常時はめていただくことは,今となっては難しい」
「大司教様,もはや同じサークレットでは通用しますまい。この際,封印の力の強い新しい月のサークレットをお作りになられては・・・。ノブレス大神様の神力もお借りして作り直しましょう。そして,クリスタリアから送られた月のサークレットということは伏せ,どなたかからの贈り物ということにすれば,きっと陛下も疑いなくはめてくださるかと・・・」
「かなり用心せねばすぐ見破られるからのう。おまけに月の聖帝と認めぬ限り,月のサークレットをはめればひどい頭痛に見舞われてしまう」
「大司教様,あの時は魔性となられてやむをえない状況でした。魔性となられていない時であれば大丈夫かと思われます」
「ふむ・・・」
カルタニア大司教はクリスタリアのルナ・パレスから水晶を持ち出し,月のサークレットを作り直すことにした。ばれぬようにデザインも変え,封印の力を天帝ノブレス大神に与えてもらうことにした。
巨大な天帝像の前にカルタニア大司教は跪く。
「ノブレス大神様。もはや月の聖帝様は,前の月のサークレットをご用心なさってはめてくださいませぬ。どうか・・・・どうか新たにお力をこのサークレットにお与え下さい」
大司教の祈りに静かに天帝像の目が開く。
「よかろう。そのサークレットに封印の力を授ける」
天井から稲妻のような声が轟いたかと思うと,天帝像の目が黄金に光り,その光の矢はまっすぐに台上に置かれた新しい月のサークレットに向かって放たれた。サークレットは一瞬光り輝くとその輝きをおさめ,元に戻る。
「ありがとうございます。天帝ノブレス大神様」
丁寧にお辞儀をすると,大司教はサークレットを手に取り,神殿を後にした。
大司教はよくよく考えた末,ラミエル帝が一番用心しないアリエル皇子からのプレゼントということにして,アリエル皇子からラミエル帝にそのサークレットを送ってもらうことにした。アリエル皇子は月の聖帝とか言うことは口にしない男で,しかもラミエル帝と仲の良い友人ということもあって,さすがのラミエル帝もその贈り物のサークレットの正体を見破ることはできなかった。何しろ,アリエル皇子とクリスタリア神皇国は全く何の関係もないのである。
ラミエル帝はアリエル皇子を疑うことは決してしない。だから贈り物も疑いなく心から喜んでいた。よって,サークレットもはめてくれるかと期待したが,ラミエル帝は自分の大切な宝物にしてしまってしまい込み,飾り物にしてしまっている。
困ったアリエル皇子は何とかラミエル帝にサークレットをはめさせようと思った。
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「ある国の物語」
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「大司教様,あの時は魔性となられてやむをえない状況でした。魔性となられていない時であれば大丈夫かと思われます」
「ふむ・・・」
カルタニア大司教はクリスタリアのルナ・パレスから水晶を持ち出し,月のサークレットを作り直すことにした。ばれぬようにデザインも変え,封印の力を天帝ノブレス大神に与えてもらうことにした。
巨大な天帝像の前にカルタニア大司教は跪く。
「ノブレス大神様。もはや月の聖帝様は,前の月のサークレットをご用心なさってはめてくださいませぬ。どうか・・・・どうか新たにお力をこのサークレットにお与え下さい」
大司教の祈りに静かに天帝像の目が開く。
「よかろう。そのサークレットに封印の力を授ける」
天井から稲妻のような声が轟いたかと思うと,天帝像の目が黄金に光り,その光の矢はまっすぐに台上に置かれた新しい月のサークレットに向かって放たれた。サークレットは一瞬光り輝くとその輝きをおさめ,元に戻る。
「ありがとうございます。天帝ノブレス大神様」
丁寧にお辞儀をすると,大司教はサークレットを手に取り,神殿を後にした。
大司教はよくよく考えた末,ラミエル帝が一番用心しないアリエル皇子からのプレゼントということにして,アリエル皇子からラミエル帝にそのサークレットを送ってもらうことにした。アリエル皇子は月の聖帝とか言うことは口にしない男で,しかもラミエル帝と仲の良い友人ということもあって,さすがのラミエル帝もその贈り物のサークレットの正体を見破ることはできなかった。何しろ,アリエル皇子とクリスタリア神皇国は全く何の関係もないのである。
ラミエル帝はアリエル皇子を疑うことは決してしない。だから贈り物も疑いなく心から喜んでいた。よって,サークレットもはめてくれるかと期待したが,ラミエル帝は自分の大切な宝物にしてしまってしまい込み,飾り物にしてしまっている。
困ったアリエル皇子は何とかラミエル帝にサークレットをはめさせようと思った。
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