横浜の弁護士(元社会保険労務士)寺岡幸吉のブログ

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社会保険労務士

2013年09月04日 | Weblog
 私は以前、社会保険労務士という仕事をしていた。今では、社会保険労務士(社労士)という言葉を知っている人は多いが、私が開業した当時は、まだあまり一般的ではなかった。
 
 これについて、今でも覚えているエピソードを一つ。

 ある日、巡回連絡で警察官がやってきた。私の職業を聞かれたので、当然、「社会保険労務士です。」と答えた。その警察官は、何度か聞き返していたが、巡回連絡カードになにかを記入して帰っていった。
 その時のやり取りについては、もうほとんど覚えていないが、たぶん私は、「社会保険労務士」とはどのような仕事なのかについて説明したのだと思う。
 
 そして数年後、また巡回連絡で警察官がやってきた。そのときの警察官は、数年前の警察官とは違う人だったと思う。その警察官が、私の仕事を聞きながら、巡回連絡カードを見せてくれた。その職業の欄を見ると、「社会保険ルーム士」
と書かれていた。
 
 たぶん、私は、巡回連絡カードに記入しようとしている警察官に対して、「企業の社会保険などの手続をする仕事です」などと説明したのだろう。そして、警察官は、「社会保険」という言葉は知っていたのだろう。だから、「社会保険」までは正しく書けた。しかし、「労務」という言葉は知らなかった。あるいは、その警察官の中では、「労務」という言葉と「士」が結びつかなかったのかもしれない。私としては、「ルーム」という言葉と「士」の方がよっぽど結びつきにくいと思うが、それは私の身勝手な判断かもしれない。
 
 とにかく、「社会保険ルーム士」のままではまずいと思ったので、私は巡回連絡カードを見せてくれた警察官に対して、名刺かなにかを見せ、書き直してもらった。
 
 
 ところで、みなさんは、社会保険労務士とはどんな仕事をする人だと思っているだろう? 詳しくは、「社会保険労務士法」という法律の第2条を見て頂きたいが、一般的には「社会保険の手続」と思っている人が多いのではないだろうか。最近は、年金の相談に乗ったり年金の手続をしたりする人というようなイメージを持っている人もいるだろうが、年金を受給するための手続(年金裁定)も、社会保険の手続に入るから、結局は「社会保険の手続をする人」というのが、社労士に対して多くの人が持っているイメージだと思う。
 
 しかし、私は、社会保険の手続はあまりやらなかった。年金裁定の手続については、一度もやったことがない。
 
 それでは何をやっていたのかというと、企業の就業規則を作ったり、労働基準監督署に行って、就業規則や、それに関連する協定など(いわゆる36協定や、フレックスタイム協定など)を作成して労働基準監督署に提出するのが主な仕事だった。

 最近は、このような仕事をメインにする社労士さんも増えてきているようだが、私が開業した当時は、あまりいなかったように思う。


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