カボスクラブ

消化器・小児外科勉強会Case and Evidence Based Surgery(通称:カボスクラブ)の活動報告

初心忘るべからず

2016年03月28日 | モーニングレクチャー
今年度の研修医のあゆみをまとめます。


研修した仲間たちは、総勢7名でした。
うち、研修医を卒業し、4月から外科医として羽ばたいて行くのは写真の4名です。


春の歓迎会。通常の飲み会は行わず、「映画 風に立つライオン」の映画鑑賞会を行いました。
九州外科学会・小児外科学会のスタッフ活動を通じて、学会の舞台裏の雰囲気も感じる事ができました。


教室旅行では、藤田くんが車酔いでほとんど使用不能な状況にもなりましたが、夜の宴会では最高のパフォーマンスを見せてくれました。
病棟の引っ越し。三階西病棟から七階新病棟へ移動しました。新病棟で働く最初の研修医となりました。新しい病棟で、さらにみんなの輝きが増したと感じました。
忘年会では、全員一丸となり、振り切れた芸を披露。いよいよ解禁、を印象づけてくれました。


3S人材育成。


CABSクラブでは、18の身近なテーマを取り上げ、知識の整理整頓や、主治医達がどのように考え患者管理を行っているか?などの勉強をしました。


日々の臨床やHands on Academyのイベントを通して、スキルアップを目指しました。


卒業する4名の評価(ペーパーテストならびに自己評価)です。

全員合格!!
ということで、猪股教授から修了証書が手渡されました。








おめでとう。

思えば本当に楽しい、充実した1年でした。
今から皆さんが歩む外科医の道は、険しく、きつく、厳しい(3K)の道です。
その道を歩みきるためのパワーこそが、今年度培った3つのSです。
どうか初心を忘れずに、立派な外科医になって下さい。

がんばれ!



大腸癌肝転移Up-to-date2015

2015年10月21日 | モーニングレクチャー
大腸癌肝転移の治療方針って、臨床試験も多いし、わかり難いよね?
なんて思っていませんか?

乳癌のSt. Gallen(ザンクトガレン)のように、世界共通のコンセンサス会議のようなものがあれば、苦労しないのですが、、。
今のところ、いろんな情報をまとめて、自分たちの臨床現場の状況と相談しながらアップデートして行くしか無さそうです。

3年ぶりにアップデートが必要と感じたのは、われわれが参加していた全国規模の臨床試験が終了したり中止になったりして、このままでは治療方針が決まらない症例が出て来たことと、「手術できたかも?」と思われる症例が見過ごされてしまったケースが出てきてしまったからです。
大腸癌肝転移の治療の中心は「肝切除」です。どうか根治が目指せる患者さんの、希望の光を損なわないように。


















肝切除後の補助化学療法については、現在JCOG0603試験が日本国内で進んでおり、この最終結果が注目されています。当院からも5名の患者さんから同意を得ることができ、登録しました。
現実的に感じているのは、「肝切除量の多い(残肝の少ない)手術ではFOLFOXの完遂は難しい」ということです。大腸癌の術後補助化学療法として広く使用されているUFT/LVならどうか?最近東京大学のグループから示されたUFT300mg/m2のレジメンでも完遂率は54.9%と,低い結果だったそうです。完遂可能なレジメンは?その薬剤投与量は?
???????

医学の世界は、まだまだわかっていないことで溢れていますね。



新しい術式に挑む「完全腹腔鏡下マイルズ手術」

2015年10月14日 | モーニングレクチャー
猪股教授から完全腹腔鏡下マイルズ手術の新提案がありました!
最近の腹腔鏡下マイルズ手術は、視野も良く、出血量も少なく、手術時間も短く、お腹の傷も小さく、良いことばかりです。正直いって、もう完成形だと感じていたのは僕だけでしょうか?

しかし。
まだ終わりではなかった、まだ教授は満足していなかった、という事実に驚くとともに、プロフェッショナルという言葉を強く感じたモーニングレクチャーでした。