カボスクラブ

消化器・小児外科勉強会Case and Evidence Based Surgery(通称:カボスクラブ)の活動報告

映画「風に立つライオン」

2015年03月18日 | 日記
3月14日公開 映画「風に立つライオン」。
さだまさし原作、大沢たかお企画、主演で送る壮大な物語でした。

皆様はさだまさしの歌「風に立つライオン」を聴いた事があるでしょうか?
原作小説「風に立つライオン」を読んだ事があるでしょうか?
もし、聴いた事も読んだ事もなければ、是非一度、聴く事、読む事をお勧めします。歌、小説ともに本当に奥深く、聴けばきくほど、読めばよむほど、味のある内容となっております。

今回公開された映画「風に立つライオン」も本当にすばらしい映画でした。
アフリカの紛争地域で大けがをして病院に運ばれた少年兵ンドゥングが、そこで出会った外科医、航一郎の人間の大きさに魅了され、「殺人者」から「人の命を救う医師」へと変貌を遂げて行き、最後には東日本大震災で荒れ野原となった東北へ恩返しに来るという、凄いあらすじです。あらすじのスケールの壮大さに加えて、日本の地域医療の現状(「八ヶ岳の野うさぎ」こと鎌田實先生、故小松道俊先生のエピソード)、アフリカの医療や紛争地域の現状(NPO法人ロシナンテスの川原尚行先生のエピソード)なども盛り込まれていました。
これらのエピソードの中には、ひとつひとつにさださんとそれぞれの人とのつながりがあり、ストーリーがあります。そのストーリーのひとつひとつについては、ここではとても書ききれませんが、そういう意味でも超大作と思える作品です。

また、アフリカの大地特有のなんとも言えない「神聖さ」を宿した景色、朝焼け、色鮮やかな自然、歌詞にもあるようにアフリカ人の子どもたちや老人たちのひとみの美しさ、それらを撮影した本当に美しい映像に、何度も心を奪われました。
さらにキャスティングの素晴らしさ。五島の、おそらくはエキストラと思われる出演者の方々にまで台詞があって、それぞれの出演者が映画の中で「生きている」と感じました。

◆9人殺したのなら、一生をかけて10人の命を救おう。未来はそのためにあるんだ。
◆がんばれっていう言葉は他人にいう言葉じゃない。あれは、自分自身に叫んでいるんだ。
の2つの台詞は、今後しばらく心に突き刺さって離れてくれない事でしょう。

さて、私は以前からこの「風に立つライオン」の小説や歌を、その精神を、学生の医学教育に、あるいは研修医の卒後教育に、良い形で活かせないか?と考えておりましたが、今回の映画を見て吹っ切れました。

本年度は消化器・小児外科病棟勉強会(カボスクラブ)を、臨床研修医たちの成長のための活動拠点とします。
そして医学研究・勉強のみならず、患者側の視点に立ち、地域医療をささえ、広い視野を持った医師の育成をめざすことを目標とします。
若きライオンたちの成長にどうぞ暖かい御指導とご声援を、よろしくお願い致します。