カボスクラブ

消化器・小児外科勉強会Case and Evidence Based Surgery(通称:カボスクラブ)の活動報告

術後輸液(5月25日 担当:矢田先生)

2015年05月28日 | カボス
術後輸液ついて学びました。
「外液2本、維持液2本!」は正しいか?その根拠は?


<体液の分布・循環血液量>



<輸液の種類>





<体液への喪失>



<術後体液量・尿量変動>



<術後輸液のいろは>


最後に術中In-Outの計算方法について、みんなで意見をかわし共通の計算式を決めました。
In-Out計算に関しては様々な方法が錯綜し、一定のものがなく、正直言って「何の意味があるの?」との意見もありました。
そこで今回は不感蒸泄の係数なども含めて、みんなで統一した計算方法を作りました。ただし、大原則として、「血圧や脈拍数等の患者状態をしっかりと評価し輸液計画を立てること」「In-Out計算は術後輸液計画を立てるための絶対的な指標ではなく、重要な参考値として扱うこと」としました。


この計算式は正しくないかも知れない。でも僕たちは共通の尺度を手にいれました。今からはこれを基準に議論ができます。計算しよう!そしていつの日か、新しいスタンダードを産み出しましょう!!

教室旅行2015 in 長湯温泉

2015年05月23日 | 旅行
教室旅行(長湯 大丸旅館)に行って来ました。
曇り時々雨のどんよりとしたお天気でしたが、涼しくてさわやかな空気を感じながらの2日間でした。



往路はバスでの移動。後方のラウンジ席では、猪股教授を研修医たちで囲んでの賑やかな宴会が催されました。



横乗り席で長時間揺られたため、藤田くんが車酔い+酒酔いにより完全にイってしまうハプニングもありました。



日本一の地熱発電所「八丁原発電所」を見学し、地中で蠢くマグマと高温に熱せられた熱水貯留層、その温度と圧力を完全にブロックするキャップ・ロックに思いを馳せつつ、発電の仕組みをお勉強しました。

夜の宴会。



・・・最高に楽しいひとときでした。
ありがとう。来年も行きましょう!

SOLINEプレオープン

2015年05月17日 | 若獅子たち
2015年5月15日(金)アニマルラボセンターSOLINEプレオープンしました。
関係者各位のご尽力と、このプロジェクトへの情熱に、心から敬意を表します。

今回は、SOLINEというネーミングについて説明します。
このネーミングにはまず、学生が関与します。
「大分大学から世界へ」というイメージでアニマルラボが作られていることを説明し、学生にアンケート調査を行ったところ、多数の応募がありました。いくつかの有力候補の中から「大友宗麟」に関係するネーミングにすることに決まりました。

その後、猪股教授と小林副学部長の間で議論が行われ、このアニマルラボの目的であるInnovationとEducationを織り込んだネーミングとして
Surgical Operation Laboratory for Innovation and Education
と命名することに決まったのです。

以下は、アニマルラボSOLINEの命名に込められた説明文です。

1551年(天文20年)、国主大友宗麟によって、大分の地に西洋文化が取り入れられ、僅か6年後の1557年(弘治3年)に,日本最初の洋式病院が建てられた。そこではポルトガルの青年医師アルメイダによって、内科はもとより「日本最初の洋式外科手術」が盛んに行われた。1558年には日本最初の医学校が併設され医学教育が始まり、多くの若き日本人学生が西洋医学を学んだ。1562年(永禄5年) には入院患者が百人を超え、九州全域をまわって医療活動を行うなど高い名声を得るとともに、患者はこの新しい西洋医術を求めて,はるばる京都や関東から訪ねて来たと,当時の記録は報じている。これは シーボルトが長崎に渡来するより 270年も前のことであり,大分の地に、日本で初めて西洋医学、外科手術導入が実現したのは、宗麟(SOLINE)の理解と熱意である。



さて、SOLINEのプレオープニングである、消化器・小児外科ハンズオンアカデミーには3名のStage2学生が参加してくれました。
消化器・小児外科学講座Stage2の目玉行事として、大変楽しみにしてくれていた様です。しかし一方で、未熟な手技で実習に生体を使用することに対する心の葛藤、長時間の手術実習による体力的限界、さらには過度の緊張状態の連続もあり、外科医になるのは本当に大変だ、とも思ったのではないでしょうか?実習後の反省会では、充実した表情でそれぞれの感想を述べてくれました。皆さんの晴れ晴れとした笑顔がとても印象的でした。
疲労や緊張感、心の葛藤との戦い、そしてやり遂げた後の充実感、達成感。
外科医の仕事はまさにこの連続です。3名の金の卵たちは、とても良い実習をしたと思います。たくさんの経験をして、よい外科医になって欲しいと願います。

灼熱の炎に磨かれる黄金のように 
試練によってこそ人は高められる 
by 大友宗麟


参加して頂いてありがとうございました。
そして関係者の皆様、本当にお疲れさまでした。

プレゼン・手紙の書き方(5月11日 担当:原先生)

2015年05月13日 | カボス
プレゼン・手紙の書き方について学びました。
このテーマは、主治医の育った環境によって意見が異なるため、意外と担当医・研修医泣かせのテーマです。
これまでにも何度かカンファレンス等で問題になり、その度に微調整をして来ましたが、今回改めてテーマとして取り上げ、皆で情報を共有しました。


<プレゼンテーション>
プレゼンテーションとは、情報伝達手段の一種で、聞き手に対し情報を提示し、理解・納得を得る行為。
消化器外科では、教授回診、担当医-主治医のやり取り、担当/主治医-当直医のやり取り、水金の全体カンファレンス、臓器別カンファレンスなど、プレゼンする機会は多数。全てが同じ考え方ではいけない。
の考えのもとに、原君が常に意識している「聞き手を意識して時間内に情報を効率よく呈示する」コツについて例示し、解説してもらいました。
尚、消化器疾患ベストアンサーVol.1には、猪股教授の魂のこもった「Tea Break」が5項目掲載されています。原君はこのTea Breakを読まずに今回のプレゼンテーションの講義をしてくれたわけですが、奇跡的にも内容がほぼ一致していたことを申し添えます。すばらしい


<手紙の書き方>
ここでは主に当科の退院サマリーについて、相談をしました。お手紙として扱うのか、サマリーとして扱うのか?を中心として、かなりホットなディスカッションになりました。
結果として、現状の退院サマリーを「総括部分」と「お手紙部分」に分割するのが良いのではないか?との結論に到りました。
さっそく教授に相談し、この分割案を採用することに決まりました。


実はこれはかなり画期的な出来事です。
長年使用して来たものを変化(Change)することは、勇気とパワーの要る仕事です。
通常は、既存のシステムが存在する場合、(若干の矛盾を感じながらも)漫然と使い続けるものです。
それを皆で顔を突き合わせて相談し、変えることができたのです。これを改善(improvement)と呼ぶのだ、と感動しました。
変えたからには、検証し、反省する勇気を持つことも必要です。また皆さんで相談しましょう!


最後に、プレゼン・手紙の書き方といえば最低限思い出して欲しい項目を3つにまとめました。かなり無理矢理ですが、ご参照下さい

第52回九州外科学会・九州小児外科学会、第51回九州内分泌外科学会

2015年05月09日 | 若獅子たち
呼吸器・乳腺外科と消化器・小児外科の共同開催で行われた、第52回九州外科学会・九州小児外科学会と第51回九州内分泌外科学会が、大過なく無事終了しました。
今回の学会では、消化器・小児外科研修医たちも発表や学会運営の手伝いに、大活躍しました。

後期研修医の2名は発表をしました。
宗元碩哲くん:Zenker憩室に対する憩室切除術および輪状喉頭筋切開術(祝 優秀演題賞受賞
白坂美哲くん:卵巣位置異常が腹痛の原因と考えられた1例



初期研修医の4名(戸高、吉村、天野、藤田)も全員参加し、学会運営の手伝いを全力でがんばってくれました。2日間、お疲れさまでした。


学会の裏方さんの経験は、今後の発表の時などに運営側の立場で考え行動できるようになるため、貴重な経験です。早いうちに経験できて良かったと思います。また、学会の内容でもいろいろと勉強する事が多かったと思います。たくさんのご高名な先生方の講演も拝聴できましたし、一般演題の内容も本当に充実していました。特に研修医sessionやEducational sessionで、すぐ上の先輩たちが大活躍している姿は、とても印象的でしたね。
これからすぐに皆さんの出番が来ます。良いイメージトレーニングはできましたか?