きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

見えない傷

2020年07月21日 | Petit santé
いつのまにやら、コロナ禍が医療問題ではなく、政治、経済問題として扱われるようになり、日々翻弄されて、誰もが少なからず心の疲れを感じている今日この頃。

パンデミックの状態が長期化すればするほど、政治や経済問題へと拡がるのはいたしかたないことなのでしょうけれど、世界的に第二の波が来ている今は、新型のウィルス感染拡大という自然災害が引き起こした医療の問題がコアになって、私たちを苦しめているのだということを、いまいちど認識する必要があるのではないかと思っています。


医者をやっていますから、友人、知り合いから個人的に相談されたり、健康関連の疑問等、質問されることがよくあります。

私たち医療者は、人のために働きたい一心でこの道のプロになっています。
人生で持つべき3人の友のひとりに挙げられている医者。
どうぞ頼ってください。


さいきん、ある友人から、時々メールがきます。
お母様のご病気のことです。

どんぴしゃりの専門ではありませんが、アドバイスできることは多岐にわたります。
病院を受診するときのコツや心構え、診断に至るまでの一般的な手順、担当医から受けたという説明内容の補足解説、飲んでいる薬の作用等。

何度か彼女とやり取りをして気づいたことがあります。

お母様のからだの痛みの話をしているけれど、じつはこれは彼女自身の心の痛みについての相談なのだわと。

目に見えない傷は気づきにくいので、手当てが遅れないように注意が必要ですね。
でも、見えないものは、目でなく、心で見ようとすればいいんじゃないかな。














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