きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

好機

2020年04月29日 | 受動喫煙
東京で緊急事態宣言が出された週末のことでした。
自宅近くのパチンコ店が改装再オープンされました。

かなりの長い期間、工事業者が出入りしていましたので、パチンコ店以外の施設になるのかな、などと思いながら様子を伺っていました。

そして、4月。
高々と上がる宣伝用バルーンで、パチンコ店のまま新装再オープンしたと知り、「ははーん、さては・・・」と思いました。

入って確かめたわけではありませんが、恐らく、健康増進法改定にあわせて、店内に喫煙室を設置するための工事だったのだと想像できました。

今年の4月から、多くの人が集まる場所では、原則禁煙となりましたが、国は喫煙室の設置を一部認める内容にしています。


禁煙対策研修会などで、県や市町村のタバコ対策担当の方々が、改正内容について説明する場面に居合わせたことが何度かありましたが、この例外措置のほうの説明に何倍もの時間がかかってしまい、法改正の本質であるところの「完全禁煙化」ということが皆さんに伝わらないんじゃないかといつも心配していました(笑)

やはり、その心配は的中しましたね。

喫煙する人はどんどん減ってきているというのに、おそらく、何千万という費用をかけて改装してしまったんですね・・・

あげくに、オープン早々、閉鎖しろと圧力をかけられ・・・

「3密」であるからという理由で営業自粛を強制される結果となってしまったパチンコ店ですが、追い込まれた理由はそれだけではありません。

パチンコ愛好者は喫煙率が比較的高いと広く国民に認知されていることが、大きな世論となり、国を動かしたのだと考えます。

禁煙外来に通院中の患者さんで、お酒をノンだりパチンコに行って再喫煙してしまったという失敗談はよくありますので、私はいつも飲酒の習慣についてやパチンコ愛好家かどうかを最初に聞いて、禁煙治療アドバイスに役立てています。



喫煙防止教室では、子ども達にいつも言ってきました。

国を変えるのは、元首たちが作った法律ではない、私たち国民であると。

完全禁煙のパチンコ店だったら、スーパーマーケットと同様、入店制限をするとか、衛生管理をしっかりすれば、これほどまで槍玉にあげられずにすんだかもしれません。

例外措置などといって、喫煙室を許可することで、タバコ会社のご機嫌とりをしなければ、あるいは、依存症という問題に、もっと早く国としての手厚い対策をしていたら、「ペナルティー」という苦い方法をとらずとも、日本らしく「自粛」という方法でうまくやれて、一生懸命働こうという事業主さんたちの士気を削がずにすんだかもしれません。


ローソンが、灰皿の使用を休止するそうです。

いっそのこと、撤去しちゃってください。
灰皿があるから、吸いたくなっちゃうんです。
依存症って、そういう病気なんです。

ローソンの社長さん、英断を‼









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