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きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

酒とタバコ

2024年05月29日 | ヘルスリテラシー
先日のチェロの発表会で、ある門下生の一人がリハーサル室で缶酎ハイを飲んでいたので、ビックリしてしまいました。

彼女は昔なじみの生徒さんで、元気で明るい印象の方ですが、ちょっとそそっかしいところがあり、過去にも発表会当日に楽譜を忘れてきてしまったなんていうことがありました。

ひきつった笑いを浮かべながら、「安定剤よ~」と言ってお酒をグビグビ飲んでいたので、緊張しやすい面もあるのでしょう。

だからといって、お酒を心の安定剤として利用するのはよくありません。

「ぐっすり眠るため」と言って、寝酒を習慣にしている人を時折みかけますが、お酒は抗不安薬でも睡眠薬でもありません。

そういう間違った認識でお酒を飲んでいると、アルコール依存症に発展する危険性があります。

そういえば彼女は喫煙者でもありました。


ある研究では、過剰な飲酒、喫煙、アルコール依存症、ニコチン依存症、起床してから最初に喫煙するまでの時間は相互に関連しており、早死にしやすい要因であることが示されました。

(18~64歳のドイツ北部在住の一般集団よりランダムに抽出された人たちを対象にした研究)

この研究では、アルコール依存症歴のある人の約3割は、現在タバコも吸っていました。

アルコール依存症歴があり、現在起床してから30分以内に最初の喫煙を行う人は、アルコール消費量の少ない非喫煙者と比較し、5.28倍も早期死亡しやすいことも示されています。


なるべく長く健康な状態で人生を全うするには、タバコを吸わず、お酒はほどほどにしておいたほうがいいことは明らかです。


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ベストコンディションでベストパフォーマンス

2024年05月27日 | ヘルスリテラシー
人前で話をするとか、楽器を演奏するとか、試合に出場するとか、緊張を強いられる場面は誰もが経験したことがあるでしょう。

適度な緊張は、パフォーマンスに良い影響を与えます。
しかし、極端に緊張しすぎると、実力を発揮できず、自滅してしまうこともあります。

自分なりの緊張のコントロールの仕方を習得すれば、色々な場面で役に立ちます。

私は子供の頃から楽器の演奏をしてきたので、発表会や演奏会、コンクールといった場面を数多く経験してきました。

考えてみると、子供の頃は本番で失敗したという記憶があまりありません。
今と違って無心で弾いていたからでしょうか?

人の評価を気にしたり、頭で色々と考えすぎると、パフォーマンスにマイナスの影響を及ぼします。

先日、チェロの発表会がありました。

手が震えるほどの緊張をするタイプではないのですが、難しい曲に挑戦したので、コンディションをベストにもっていくために、自分なりにいくつか工夫をしました。

当日の朝は、自分にとってのラッキーチャームを身につけ、好きなフレグランスをつけましたが、ゲン担ぎ的な意味合いが強いですね。

弾き始める時は少し気持ちが上ずって、胸式呼吸をしているのがわかったので、丹田を意識して2-3回深呼吸をしてから演奏に入りました。

呼吸というのは普段は意識をしませんが、意識的に呼吸する練習をしておくと、気持ちを落ち着かせるのに役立ちます。

丹田とは、おへその下あたりにあるツボのことです。
そこを意識しながら、鼻から息を吸い、口からゆっくりと息を吐くようにします。
自律神経に働きかけ、リラックスさせてくれる呼吸法です。














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怒りっぽい人は長生きできない?!

2024年05月24日 | ヘルスリテラシー
怒ってばかりいる頑固おやじは、ある日突然、心臓マヒや脳いっ血で倒れる・・・そんなイメージ、ありませんか?

昔は、特に男性はタバコを吸っている人が多かったので、タバコの影響が大きいことは確かです。

でも、タバコも吸わず、高血圧や糖尿病、高脂血症など、心臓血管系疾患を引き起こしやすいリスクのない健康な人を対象にした研究で、怒りの感情が血管機能へ悪い影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかにされました。


実験では、怒りの感情刺激をした場合は、不安や悲しみ刺激をした場合よりも、血管が拡がりにくくなる現象がみられやすく、怒りが繰り返されることで動脈硬化に進展するリスクが高いことがわかりました。

詳しい機序の解明にはまだ時間がかかりますが、おそらく、自律神経の乱れや、ストレスホルモンや血管の炎症を引き起こす因子の活性化などが関係していると思われます。

また、別の研究では、日常のストレスに対するネガティブな感情を翌日まで持ち越している人は、心臓病やがん、その他の慢性病などにかかりやすいこともわかりました。


健康で幸せな人生を送るためには、怒らず、嫌なことがあってもなるべく早く忘れることが大切だということですね。






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軽くいなしていきましょう

2024年05月23日 | ヘルスリテラシー
本当に力のある人は、決して誰かをいじめたり、自分の成功のために周りを踏みつけたりしません。
自分に自信があれば、力をひけらかす必要などないからです。

今日あなたが気になっている状況を注意してみておくのは大事なことですが、あなたが強引にそこに介入していく必要はありません。

あなたほどのスキルと才能があれば、関係者全員に喜んでもらえるような形で、その問題を解決できるはずです。

                 ~ジョナサン&オスカー・ケイナー~


5月は仕事を辞めたい人、辞める人が増えるそうです。
5月病と言ったりもしますね。

最近は、会社に辞意を伝えたり、その後の事務的手続き等を自分に代わってやってくれる代行会社が繁盛しているとか。

職場での困りごとの大半は、人間関係に起因しているといわれています。

困難にぶつかった時、私は正面切って果敢に戦おうとしてしまう性格で、それでストレスをため込んでしまうこともしばしば。

真面目で、正義感が強いせいでしょう。
理不尽なことに遭遇すると、黙っていられません。
他人の分まで戦おうとしてしまいます。

でもそれでは、疲労困憊し、自分が壊れてしまいます。

ひょっとしたら、戦う価値さえない相手のほうが多いかもしれません。

じょうずに「いなす」技を使えるようになりたいです。

まずは力を抜いて、静かに深呼吸をしてみます。
武道でも楽器演奏者でも、どんな分野でもそうですが、円熟者たちは、みな下手に力まず、いい具合に力が抜けているじゃないですか。

そうそう、私のワクチン注射のしかたは、めちゃくちゃ力が抜けていて、世界最高レベルのテクニックであることを思い出しました!




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大丈夫

2024年05月17日 | ヘルスリテラシー
コミュニケーションの基本は「言葉」です。

でも、言葉だけでは良いコミュニケーションは成り立たないと感じることが実に多いです。
コミュニケーションに際して、身振りや表情などといった非言語的要素の役割は、私たちが思っている以上に大きいようです。

「大丈夫」という言い方は、便利な言葉なので、外国語会話を勉強していると、割と早い時期に学習します。

けれども、実際のコミュニケーションの場では、「大丈夫」という言葉ほど、言葉通りに意味を受け取らないほうがいいなあと思うことがよくあります。

特にご高齢の方は、ぜんぜん大丈夫じゃないのに、「大丈夫」と、ほぼ反射的に、無意識に言ってしまっている場合が多いようなので、私が働いている医療現場では注意が必要です。



今日、病院の駐車場で転んでしまった方がいらっしゃいました。
80代男性。

おでこには大きな擦り傷。

私にも経験がありますが、不覚にも転倒してしまった瞬間というのは、本人は状況が全くわからないということがめずらしくありません。

ですから、傷の様子から、どんなふうな転び方をしたのかを想像するのですが、背中には小さな落ち葉がたくさんついていましたから、おそらく前に倒れただけでなく、勢いで仰向けにもひっくり返ってしまったようです。

幸い意識はしっかりしており、歩いている様子からも、捻挫や骨折などはしていないようです。

念のため他に痛いところはないか伺いましたところ、「大丈夫」とおっしゃいます。

でも、右膝を手でさすっています。

「膝もついて、打ったんですね。痛いですか?」

「うん。でも大丈夫だ」

ズボンは汚れたり擦り切れたりしていません。

額の傷を消毒したあと、手当を終わろうとしたとき、介助についてくれていた看護師が「念のため膝も見てみましょう」と言うので、ズボンをめくってみたところ、おでこよりもひどい擦り傷ができていたのでビックリしました。

優秀な看護師に助けられました。


「ぜんぜん大丈夫じゃないじゃないですか~」

「なんで転んだりしたのかなあ・・・年寄りはよく転ぶっていうけど、俺は大丈夫だと思っていたんだけどなあ」


打撲の痛みは後から強くなることもありますし、頭を打った後は、必ず周囲の人にそのことを知らせておいたほうがいいです。
特に高齢者は慢性硬膜下血腫という怖い病気に発展することがあるからです。

物忘れ、反応の悪さ、性格の変化、軽い麻痺などが、だいぶ日にちがたってから出現し、本人ではなく家族が異常に気づき、診断に至ることがあります。















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褒め上手

2024年04月25日 | ヘルスリテラシー
普段からポジティブ思考ができるようになると、様々な場面で役立ち、やがては生き方そのものにポジティブな変化が現れるようになります。

「私のどこが好き?」といった質問を恋愛中の相手にしたことがあるでしょう?

はたからみると、カップルどうしのラブラブ・イチャイチャなお喋りにしかみえません。

でも、付き合い始めてしばらくたつと、ふと「はたして私は愛される資格があるのだろうか?」と立ち止まって考えることがあります。
きっとそういうときに、聞いて確かめてみたくなるのかもしれませんね。

誰かに自分の良いところを言葉にしてもらうと、自己肯定感アップに繋がるきっかけになります。

場合によっては、相手のポジティブ思考力がわかったりもするので、興味深いです。

より良いパートナーシップを築き、それを維持するために重要なことは、相手の良いところをみつけ、言葉にして伝えあうことだと思います。

マイナス1点に対して、プラス5点くらいのバランスを保った夫婦は、良い関係が続けられているとも言われています。

世の中に完璧な人はいませんが、ポジティブ思考をもってすれば、5点のうち3点くらいは、マイナスをプラスに変換することができます。

もしも小さなころから褒められながら育ったら、褒めることが自然とできる大人になるのでしょうか?

今朝は、通勤途中でお花畑を見つけました。
雑草が生い茂っている小さな空き地だったのですが、オレンジ色と紫色の花が咲いていて、とても素敵でした。


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身を助けた学習

2024年04月24日 | ヘルスリテラシー
私がニコチン依存症の患者さんの治療、つまり禁煙治療に医師として携わるようになった頃、一生懸命勉強したのが、「ポジティブ(プラス)思考」についてでした。

そもそも、禁煙外来にくる方々は、医者にタバコを吸っていることを怒られるのを覚悟してやってきます。

でも、禁煙に失敗はつきもの。

タバコを吸っていることを怒られ、勇気を出して禁煙を始めてみても、うまくいかず失敗し、それをまた周囲から非難され・・・

こんなことを続けていくと、患者さんはもちろん、医者のほうも嫌になって、やめたくなってしまいます。

禁煙補助薬を使うと、禁煙成功率は格段にアップしますが、長年使い続けてきた依存性薬物と手を切るには、専門的かつ適切なカウンセリングサポートが必要です。
失敗を糧にして、あきらめずに取り組み続けるモチベーションをいかに維持するかが、成功への鍵となります。

世の中で成功している人たちに共通しているのは、おそらく「あきらめない」ということなんじゃないかと思います。
あきらめずに前に進もうとするときに役立つのが「ポジティブ思考」です。

私自身、どちらかというと、物事を悪いほうにとらえる傾向が強かったので、まずは自分自身がポジティブに考える癖がつくように、学習と実践を重ねていきました。

このことは、患者さんの治療という仕事のうえで役に立つだけでなく、その後の人生において、自分自身をも助けることになり、あのころ、一生懸命勉強しておいてよかったなあと思っています。

ポジティブ思考についてのハウツー本は、世の中にたくさんあり、どれか1冊を読んでみるのもよいと思いますが、基本的には、小学校時代の計算ドリルのように、毎日少しづつ練習を重ねるのがよいと思います。

たとえば、必ず毎日ひとつでも、「良かったこと」「うれしかったこと」「感動したこと」などを見つけて、実際に言葉にしてみるのです。
どんなにささいなことでもOK。

毎日同じネタでもOK。

でも、ネタ切れになってしまって手詰まり感を感じて楽しくないと思うなら、ネガティブ(マイナス)なことを見つけて、それをプラスに変換してみるようにします。
更にスキルアップできます。

世の中の物事には、かならず裏と表がありますから、必ず変換可能なはずです。

たとえば、ポジティブ思考だけが、物事への取り組みに役立つわけではなく、ネガティブな状況から逃げ出したいという思うことが、推進力を作り出すのだという考えもある・・・というように。

ですが、エネルギーの消耗が激しく、精神健康的にあまり良くない気がします。

今日のお昼のお弁当は、マカロニ入りのチリコンカンでした。
マカロニが幾何学模様のようにきれいに並んでいるのを見つけて、楽しかったです。
「ポジティブ=楽しい」のです。


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断捨離の極意

2024年04月15日 | ヘルスリテラシー
今週末は、何度もクローゼットの中や、洋服をしまっている引き出しのなかを何度も眺めてみては、もっと中身を減らせないだろうかと思案しつつ、服や靴下を畳みなおして、引き出しの中を整理したりしていました。

先月、自分ではだいぶ整理したつもりなので、なかなかその先に進めません。

持ち物を減らそうという時には、まずは、手放すべきか、手元に置いておくべきかの仕分け判断が必要となります。

そして次は、その判断に従って、要らないとものをゴミ袋に入れて捨てたり、リサイクルショップなどへ持ち込んだりする行動を実際に起こします。

目につくところや、大きな物から着手すると、結果が目に見えやすいので、片づけに勢いがつきます。

また、理想形を具体的にイメージして、その状態を目指すのもよいかもしれません。

私の場合は、「洋服ケースをあと2個減らす」というふうに決めてしまい、それに見合った量になるように処分品を選んでいくとよいのかなあと思っています。

肝腎なのは、目標は、物を捨てたり手放したりすることではなく、あくまでも、そうやってスッキリと整えたあとに、理想的な生活を楽しむことであること。


使わなくなった帯をアップサイクルして、ハート形のプチクッションを作りました。
クッションのアンコ部分も、古いスカーフなどを利用しています。

これにサンキャッチャーをつけて、部屋に光を呼び込むと、運気があがります!

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清明

2024年04月04日 | ヘルスリテラシー
冬の間ずっと眠っているように見えた植物たちが、ここ数日でいっせいに芽吹き始めました。

枯れ枝の(ように見える)先から、小さな緑色の葉が顔をのぞかせているのを見ながら、植物たちは季節の変化をよくわかっているよなあと感心します。

人間は、彼らの変化を見せてもらうことで、季節が巡っていることに気づかせてもらっているわけです。

春は、内なるエネルギーが高まるのを感じますが、同時に不安定さもあります。

マイペースを保ちつつ、自然界のエネルギーの高まりにうまく便乗して、今日も元気にすごしたいと思います。



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春来たり

2024年04月03日 | ヘルスリテラシー
やっと桜が開花しました。

まずは枝垂桜から。


勤務病院の敷地内にある枝垂桜。

こうしてみると、だいぶ年を取っているように見えます。
おそらく植えられてから30年以上たっています。

更年期を迎えてから関節がごつごつとしてきた自分の手を思わず見てしまいました・・・

しだれ桜 
愛でつ 
じっと手を見る 
遅き春かな


今朝、ベランダで、ラズベリーの花が咲いているのに気づきました。
昨年、グリーンセンターで叩き売りされていたのを買ってきたものです。

「珍しく黄色い実がつくよ」とのことでした。
悪い虫がつかないように、気を配るようにしましょう。

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