北京での先週までの地獄絵巻のことをすっかり忘れていた。暫くはあの町には近寄りたくない。けど、そうはいかないかな?
日経のWEBより
中国大気汚染、経済に影 企業に操業停止など命令
北京、過去60年で最悪
- 2013/1/31 21:47
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最も深刻なのは北京市で、1月でスモッグがなかったのはわずか5日間。過去60年で最悪という。ぜんそくや気管支炎を引き起こす直径2.5マイクロメートル以下の微粒子状物質「PM2.5」の大気中濃度は世界保健機関(WHO)の基準の20倍以上に達する日もあった。
原因について市当局幹部は、厳冬で暖房用の石炭使用が急増したことに加え、自動車の増加や景気テコ入れのための建設工事拡大などの影響を指摘した。市内に吹く風の風速が低下し、湿度が高かったことで有害物質が地表に滞留したという。
市当局は1月14日、58企業の操業停止、41企業の減産を命じ、公用車の利用を30%減らすことを決めた。ただ、汚染は改善せずに29日には操業停止企業を103社まで拡大し、20社以上に減産を命じた。地元鉄鋼大手の首鋼集団の建材工場、日本のTOTOや韓国・現代自動車の北京工場なども含まれる。
「現在の操業は問題ないが、汚染がひどくなれば中国の取引先の工場停止などの影響を受ける恐れがある」。北京市内の日系食品メーカー幹部は打ち明ける。各社はマスクや空気清浄機を取り寄せるなど対策を強化。従業員を帰国させる企業は目立たないが、家族を個人的に早めに帰国させているケースが出ているという。
市内ではビルや地下鉄などのインフラ工事も中止。中国メディアによると、360カ所以上の建設工事が中止となった。視界不良などから高速道路は多くの区間で通行禁止となったり、航空便などの欠航が相次ぎ、企業の物流などに悪影響が出ているという。北京市は2月1日から自動車の排ガス規制を強化する。
大気汚染の総面積は日本の3倍以上の143万平方キロメートルに達し、河北省や山東省、天津などに広がる。江蘇省や陝西省、四川省などでも大気汚染が深刻化。江蘇省南京や陝西省西安では一部建設工事の中止を命令、河北省石家荘や西安、四川省では人工降雨による汚染解消の準備に着手した。
中国では2月前半に旧正月を迎えるため、ほとんどの企業が操業を1週間程度停止し、建設現場は2週間程度工事を止める。自動車利用も激減するため、大気汚染が緩和するとの期待もある。(北京=多部田俊輔)