数量限定にて発売されているブラックニッカ クロスオーバーをいただきます。
日本国内はもちろん、世界中で人気の高いモルトのタイプを2つ挙げるとすれば
おそらく、それはシェリーとヘビーピートではないでしょうか。
これら2種は単体では非常に人気があり、ブレンデッドにしても特徴が立つので
キーモルトとしてもとても優秀なモルトと言えます。
しかしながら、この2つをブレンドするのは難しく、
個人的に色々試していますが、凄い勢いで喧嘩するんですよね。笑
そこにニッカが切り込んで来ました。
シェリーとヘビーピートの「ダブルキーモルト」というべきブレンデッド。
「クロスオーバー」という単語は様々なジャンルで使われていますが、
最も近いのは「ジャンルを超えた融合」と言う使い方でしょうか。
ボトルは黒のマット調。ブレンダーズスピリットの黒版ですね。
ローリー卿が火あぶりにされているように見えますが、大丈夫ですか?笑
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/3e/fbf3ca3adfcd5537f56b1e19ebde2770.jpg)
ストレートで香りを嗅ぐと…おお、少し若いですがちゃんとシェリーしてますね。
レーズン、酸味を伴ってバニラ、カラメル、ややアルコールのツンとした匂い。
加水すると、樽香と洋梨系の果実香が増幅し、より複雑に。
ふわっと甘いシェリーが漂った後に、塩気を伴ったピートが押し寄せる。
やがてオークがようやく顔を出し、主張を開始する。
三位一体で力強く留まり、なかなか姿を消さない余韻。
トワイスアップだと、甘みがやや弱くなり、代わりに樽のタンニンが強め。
酸味を伴い、やや個性的な主張をするが、不快ではない。
そしてニッカがオススメしているロックで。
ストレートでも美味しかったので冷やしてしまうのに半信半疑でしたが、
シェリー、モルトの甘み、新樽の渋み、ピートの香りとえぐみが
非常に均整が取れていて、とても優等生かつ旨い。
ブレンダーズスピリットに続いて、やられました。笑
ハイボールにすると、ふんわりシェリーで、そこそこピート。
ライトピートでもハイボールにするとスモーキーさが立つ銘柄がありますが、
こいつは比較的穏やかですね。
程よく甘く、重くもなく、飲みやすいっちゃ飲みやすいですが、
特徴がスポイルされている感がありますね。
商品紹介を読んで「ディープブレンドと何が違うんだ?」と半信半疑でしたが、
同時に味わってみると、クロスオーバーは非常にふくよかで、芳醇。
対してディープはドライで、新樽とピートが前に張り出しています。
価格は税込で2000円程度。著名スコッチの12年より若干安い価格帯ですが、
十分以上に渡り合えてしまいます。ブレンダーズスピリットも再販されていますが、
ニッカはブレンデッドに本気出してますね。高騰しているジャパニーズはもちろんですが、
スコッチでもこの価格帯でこの満足感は、ちょっと思いつきません。
これをニッカの歴史でもブラックニッカの歴史でも区切りでない年にリリースしてしまう、
末恐ろしいニッカのポテンシャル。追随してくるメーカーはあるのでしょうか。
香りB+ 風味A- 厚みA- 余韻B+ C/P A+ 総合A
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