たろおの小屋

昼間は「聖職者」を演じる永遠の若造「たろお」のつぶやき。
仕事のこと,家族のこと,そして脳出血や失語症のこと・・・。

黎明編【まるで赤ん坊?】

2024-03-06 21:46:27 | 脳出血・失語症
 熱が下がらないままの集中治療室。寝たり起きたり、意識が薄い状態で朦朧と続く。
 今後の生活や仕事の不安は全く感じない。
「どうせ社会復帰は難しい。それよりも、生きているだけで丸儲け。」
という安ど感がある。赤ん坊になった私は、現在の流行りの言葉でいうと「二周目の人生のスタート」だったのだろう。

 数日して熱が下がり始めると、夜が怖くなる。機械の音と、周囲で寝ている他の患者のいびきしか聞こえない。薄っすらと電灯は点いているが、とにかく、夜の闇が怖い。
 逆に夜が明けて、看護師さんの朝を告げる声がうるさく感じる。開け放たれたカーテンから差し込む光が痛く感じる。
 昼間に寝ているから、夜が眠れない。夜泣きする赤ん坊の気持ちがよくわかった。

 熱が下がると、「ドラえもんのような手袋」を煩わしく感じた。
 トイレも行きたくなって看護師さんに訴えたのだが、
「点滴だけで生活しているから、尿も便が出るころもありません。
 便意も尿意も気のせいです。」
だそうで、
「でわでわ…」
としてみたら
「出てますねぇ。」
だとか…1週間、溜まってたらしい。

こうして、集中治療室から、ナースステーションの隣の「看護師さんのすぐ近く」の部屋に移動した。この頃に、正常に近い生活に戻り始めると、自分のおかれた「後遺症」の重さを味わうことになる。


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