アーカイブ『市民派アート活動の軌跡』

「アートNPO推進ネットワーク通信」
小冊子「アート市民たち」

35号 新潟絵屋との共同企画『渡邉早苗展』開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 「新潟絵屋」は、相談役でもある大倉宏氏が新潟で主宰する画廊である。画廊といっても、大勢の会員で成り立っているNPO法人であり、我々アートNPOと志を同じくするところがある。東京と新潟で交流を続けるうちにコラボレーション企画がもち上がり、「冨長敦也石彫展」に続き、「渡邉早苗展」が開催された。

34号 “新潟がんばれ”『美の探索展』開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 1月17日(月)から30日(日)にかけて南青山彩画廊にてアートNPO推進ネットワーク主催のチャリティー展が開催された。企画担当の常務理事原田俊一はこの展覧会の趣旨について、『美とは、みる人、描く人にとって、何を重視して意識するのかは、自由であり楽しいことである。とくに、明日への未知を求め、可能性を追求している若い作家にとっては、一番重要で一番思考するところである。新しい時代を築く若い作家がどこに飛び立とうとしているかを探ってみたい。』と語っている。こういう趣旨のもと、アートNPOにかかわりの強い若手作家中心に問いかけしたところ、賛同していただいた20名の作家から作品の出品があり、オークション方式のチャリティー展覧会が実現した。 また、今回の展覧会は新潟地震の支援をも目的としたものであり、オークション収益金は僅かなものであるがその一部を新潟の美術館などに寄贈することが予定されている。

《出品作家と作品名》
●藤倉明子・・・『水』
●田鎖幹夫・・『040509』
●田端麻子・・『カメラマン』
●福井青士・・『宵』
●大浦雅臣・・『川の風景』
●小高理枝子・・『大矢雅章』
●大矢雅章・・『霏霏』
●小原佑介・・『面(おもて)』
●小林まどか・・『夜灯』
●松村歩・・『湖畔』
●久松温子・・『水旅』
●門倉直子・・『ピンクグレイ』
●金鐘烈・・『アカシヤ』
●坂本藍子・・『鳩』
●濱口桜子・・『みなさん今日は』
●佐々木久実・・『羽音』
●山科理絵・・『時を待つ』
●中尾さやか・・『無題』
●横井悠・・『遥かな希望』
●二村潤・・『SOAK』

オークションについては、出品作家の了解も得て落札最低価格を1点5000円と低め設定したこともあり、アートNPO会員だけでなくNPO法人アートトラスト関係者など大勢の方が参加することになり、普通の方々にいい作品を提供するというアートNPOの精神に相応しい有意義な展覧会になった。オークション落札結果は会期終了最終日に第三者立会いのもとに開封されたが、結果は20点の内15点の落札となった。なお、落札金額については展覧会諸経費を除いた20%を作家に、30%を新潟に寄贈することとなった。

最後になりましたが、この展覧会に出品していただいた作家の皆様には心からの御礼を申し上げます。

33号 2004年度理事会及び総会開催となる

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 1月23日(日)彩画廊にて2004年度の理事会・総会が開催、2004年度活動と会計及び2005年度計画について報告と論議があり、承認されました。議事録は別途送付いたしますが、概要は以下のとおりです。



1、主要事業である二つの展覧会は立ち上げ時から3年、一定の評価と関心を呼び成果があった。

●実力中堅作家『ぼくらの・・・コレクション展』・・・今年度は渡辺早苗と岸田淳平を取り上げたが、これでアートNPOの推薦作家が森本秀樹、横田海とあわせ4人になったことになり、嬉しいことである。
●若手作家紹介展『コレクターの見る視点展』・・・アートNPOらしい活動として若手作家からも喜ばれており、質の高い作家に注目しながら2005年以降も積極的継続の方針。

2、個別事業としてあらたに“東京と新潟のアート交流”をテーマに相談役でもある大倉宏氏の新潟絵屋との共同企画『冨長敦也展』が実施できたが今後も継続発展させたい。自由が丘をテーマにしたアートによる街作りも検討中である。

3、クリスマスインピース展についてはアートNPOとアイアムの会実行委員会として全収益金214万のユネスコへの寄贈が無事完了、アートNPOにふさわしいアートボランティア活動として大きな成果を残した。

4、会計については会費収入報告の他、事務経費については極力切り詰め月2万円以下で運営しているが今後は事務所経費などの支出が予想される旨の報告があり、承認された。会員については、新規会員19人を含め50人及びボランティア会員・アーティスト会員30人を併せ約80人となった。

5、2005年度計画については、以下を中心に論議承認となった。
●『新潟がんばれ・美の探索展』すすめ方と収益金の新潟への寄贈
●『ぼくらの・・・コレクション展』についての第1期10回までの計画
●『コレクターの見る視点展』計画
●新潟絵屋との共同企画『渡邉早苗展』及び『森本秀樹展』計画

6、役員については、中核メンバーとして精力的活動を続ける原田俊一氏の専務理事(事務局長兼務)推薦があり承認となった。また当団体はアートに関するNPO型活動を続けているが、コストや各種業務負荷からすると当初構想のNPO法人より現行任意団体の方が相応しいとの意見が大勢を占めた。

32号 山下代表による美術対談シリーズ好評のうちに終了

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 美術雑誌「月刊ギャラリー」に、代表理事・山下透が美術会で活躍する人と語り合う対談が掲載、10回シリーズの特集記事として紹介された。対談のタイトルは「市民派コレクター時代の夜明け」。資産家ではない、純粋に美術を愛するアート市民にスポットをあてると共に、美術会が×問題を探ろうというもので、その意欲的な切り口が話題を提供してきた。
 朝日新聞文化部編集委員・田中三蔵氏、日本画家&金沢美術工芸大学教授・土屋禮一氏、医学博士&作家・米山公啓氏、佐藤美術館主任学芸員・立島惠氏、美術評論家&新潟絵屋代表・大倉宏氏、サラリーマンコレクターの草分け・丸山治郎氏、現代美術画廊主・池田一朗氏らとの対談が実現した。

31号 画家岸田淳平氏からの手紙“アートNPOへのエール 

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 アートNPO主催の展覧会「ぼくらの岸田淳平展」は好評のうちに終了、後日作家から心の籠った お手紙を頂戴した。私信というよりアートNPO宛てなのでそのまま掲載することとする。



 山下透 様
『 愛されて 』 
その作者は誰か、サインはあるかなんて、絵にとってはどうでもいいことなのだ。ましてや見る人の評価なんて、なんの意味もない。それがなにより証拠には、ほめられようとけなされようと、絵は少しも動かないし、なにも変わらない。絵は、描かれ、筆が置かれた時点で、もう完結しているのだ。私はずっとそうおもってきた。

ところが、この秋、アートNPO推進ネットワーク主催の『コレクターによるぼくらの岸田淳平展』の会場で、私は私の絵たちに、そんな顔をぶん殴られた。20年ぶりに逢う絵や、たった一年前に別れたばかりの絵が、成長し、変身していたのである。よちよちと歩いていたあの時の娘が、凛としてそこに立っている。嫁いでいったあのふつつかな娘が、私の視線を正面から受け止め、慈愛にみちたほほえみすら返してくれたのだ。 

 私の手元を離れたその時から、娘たちは、初めて、『愛される』という喜びを知り、歩み始めたにちがいない。私はただこの娘たちを産んだだけの人間であり、育てたのは、実は、この娘たちを愛してくれた人たちであった。私は、なんと、なんとふつつかな親であったことか・・・・。殴られた衝撃で、目からおおきな鱗が落ち、涙が落ちた。 
平成十六年十一月七日 岸田淳平



山下 岸田淳平氏 画廊主白水さん 御子柴    


作家の署名・・芳名帳

30号 コレクション展第4回『ぼくらの岸田淳平展』開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 アートNPO推進ネットワークがシリーズで進めているコレクション第4回展が、ギャラリーしらみず美術のご協力により開催された。作家は女性の哀歓を描いて評判の岸田淳平。18人のコレクターがそれぞれの時代を代表する貴重な作品を持ち寄っての素晴らしい展覧であったが、オープニングパーティーの席上岸田淳平氏から「こういう形で自分の作品に会えること嬉しく作家冥利に尽きる」との感極まるご挨拶があった。
会期中には朝日新聞田中三蔵氏、読売新聞芥川喜好氏など美術関係者の他、アートNPOの関係者200人以上の方々にお出でいただき、心に残る展覧会となった。会場ご提供の白水真子さん、DMデザインの小林まどかさんなど御協力いただいた皆様に感謝。




29号 第2回『コレクターの見る視点展』巡回展の開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 8月25日(水)から9月16日(月)にかけて『コレクターの見る視点展』の第2回展が開催された。この展覧会は何人かのコレクターが自らの目で選んだ若手作家を推薦・ご紹介するというもので、第一回展が好評であったため、今年は発展させ新作発表かつ購入もできる形をとることとした。会場も「もみの木画廊」の大塚まりこさん、「ギャラリー彩」の鈴木才子さんのご協力を得て二ヶ所巡回展となったが、大勢の方にお出でいただき有意義な展覧会となった。



《コレクターと推薦作家》
• ●鈴木忠雄・・はまぐちさくらこ
• ●原田俊一・・田端麻子
• ●小倉敬一・・・小高理枝子
• ●山下透・・・二村潤
• ●廣川和徳・・・藤倉明子
• ●御子柴大三・・・門倉直子



28号 美術雑誌に代表山下透の美術連載対談の掲載はじまる

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 代表理事山下透が美術界で活躍する人と語り合う対談が月刊ギャラリーに掲載、10回シリーズで始まった。対談のタイトルは“市民派コレクター時代の夜明け”。資産家ではないが純粋に美術を愛するコレクターにスポットをあてるとともに美術界が抱える問題を探ろうというもので、その意欲的な切り口が話題を提供している。第一回の2004年4月号は朝日新聞編集委員の田中三蔵氏をゲストに迎え、日本の美術教育に鑑賞者教育の視点がなかったことが芸術文化、とりわけ美術界の現状の問題に繋がっているのではないか・・という点で意気投合、生活の中でアートを楽しむ本当の豊かさとは何か・・など読み応えのある内容を提供している。



4月号・・・ゲスト 朝日新聞文化部編集委員 田中三蔵氏
5月号・・・ゲスト 日本画家&金沢美術工芸大学教授 土屋禮一氏
6月号・・・ゲスト 医学博士&作家 米山公啓氏
7月号・・・ゲスト 佐藤美術館主任学芸員 立島恵氏
8月号・・・ゲスト 〃 〃
*9月号以降もつづく・・・・・・・・・・

26号 新潟絵屋との共催企画『冨長敦也石彫展』開催 

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 《アートNPO推進ネットワーク》は地方都市のアート活動との連携を活動の柱の一つとしているが、この6月大倉宏氏の「新潟絵屋」との共同企画展覧会が実現した。“日常生活のなかの心の豊かさ実現”を掲げるアートNPOと、既に新潟の地において同様の活動を進めている大倉宏氏とのコラボレーションは意義深い。今回の企画はアートNPOが推薦する彫刻家富長敦也の展覧会であったが、古い町家を改造した新潟絵屋の和風の雰囲気のなかに石彫が溶け込み素晴らしい展覧会となった。




25号 クリスマス・イン・ピース収益金の日本ユネスコ協会寄贈

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 昨年12月の≪アートNPO推進ネットワーク≫及び≪アイアムの会≫主催によるクリスマスインピース展が多くの成果を残して終了したことは、既にご報告した通りである。その後、実行委員会事務局の岡野啓子さん、原田俊一氏を中心に会計処理を進めてきたが滞りなく終了。6月1日には≪アイアムの会≫の岡野啓子さん、≪アートNPO推進ネットワーク≫代表理事山下透、常務理事の原田俊一及び廣川和徳の4名が(社)日本ユネスコ協会連盟を訪問し、代表理事から収益金二百数十万円全額の寄贈式がとり行われた。併せて事務局長の竹尾徳治氏から日本ユネスコ協会のさまざまな活動のお話を伺いながら今後の相互協力について意見交換した。



24号 アートNPO2004年度計画概要&新役員選任

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信
 アートNPOも発足から約2年“組織作りより活動優先”の方針のもとにいくつかののアート企画を進めて参りましたが、美術業界にも波紋を投げかけ一定の評価を得つつあります。3月14日の理事会・総会におきましては2003年度の活動・会計報告や新年度計画の質疑と承認が行われ、順次本格展開に入っていくことになりました。また、今後の組織の発展のためには後継者ともなり得る有能な若手人材が必要と考えておりましたが、おかげさまで新理事を選任することもできました。特に常務理事に選任した飯島研一氏はあいおい損保が支援する介護系NPOの事務局長であり、もともとアート業界での経験を持つ好青年です。私が兼務しておりました事務局長にも就任していただくことになりました。(山下)

≪基本方針≫
「クリスマスインピース」「ぼくらの・・・展」など一定の評価を得ているアート企画については継続的に取り組むが、活動の発展のためには財政面の充実は必須であり、今年度は財政面の充実或いは優秀な若い世代の人材登用、事務局体制整備などにも力を入れることとする。

≪主要事業≫
1、財政充実
●収益事業の検討・・・常務理事会
・「企業団体とのコラボレーション企画」及び「行政助成金事業企画」
・「アートオークション企画」
●会員紹介
・個人・法人会員紹介 ・・・理事・監事・相談役全員
・NPOメンバーズカード推進

2、組織全体管理 ・・・常務理事が役割分担
・組織日常運営、広報、会員管理、会報、会計、HP運用管理など

3、展覧会企画実
・「ぼくらの岸田淳平展」
・「コレクターの見る視点展」
・「新潟絵屋との共催・富永敦也展」
・「オークション展覧会」

4、アート街作りプロジェクト推進プロジェクト

5、美術館とのコラボレーション推進プロジェクト

6、その他・・NPO法人化やアート拠点作りの推進

≪新役員の選任≫
・理事 飯島研一氏・・・常務理事かつ事務局長
・理事 鈴木才子・・・NPOアート企画&ネットワーク作り
・理事 黒田裕一朗氏・・・NPOカードプロジェクト&会員管理など事務局担当

23号 アートNPO主催『ぼくらの渡邉早苗展』開催

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信

 アートNPO推進ネットワークは『ぼくらの・・・展』と題したコレクション展をシリーズで進めているが、森本秀樹、横田海に続く第3弾として若手有望作家渡邉早苗展を後藤眞理子さんとの共同企画により実現することができた。出品コレクターは中村文俊氏、小倉敬一氏、平井勝正氏、山本勝彦氏など16人で、 オープニングパーティーには作家の野田哲也氏、カビール氏も駆けつけ盛り上がった。 会期・会場 1月13日~1月17日 銀座ギャラリーゴトウ ( 企画 山下透・御子柴大三 ・ 協力 後藤眞理子 )

 『オープニング・パーティの酒で火照った顔を冷ますべく銀座の街をほっつき歩いているうちに、とあるビル一階にあったミニポスターに誘われて、そのビルの6階まで吸われるように上がってしまった。偶然といえば偶然だ。そこには今まで出あったこともない赤と紺の美しい絵があった。それが渡邉早苗(当時27歳)さんの絵との最初の出会い(1999年)である。

 ワインのように、よく熟成されたような彼女の赤からは女性ならではの包み込むような温かさが、そしてその紺色からは彼女の祈るような一途な思いが、まさに醸し出される様に伝わってきた。今般、「平和」だとか「祈り」だとか尤もらしいタイトルの絵に出合うことも多々あるが、そこからは何故か白々しい概念的な感覚しか伝わってこないのは如何した訳だろう。恐らく、その色彩に込める思いの丈が違うのである。彼女の絵には「祈り」と言わずも祈りが感じられたのである。「女性ならではの」色彩と比喩するのは些か平板すぎようかー母性の色彩とでも喩えてみたい。

この度、画廊主のご好意により渡邉早苗を讃える16名のコレクターがギャラリーゴトウに結集した。それぞれの彼女の絵との出会いや如何にー』(御子柴 大三)

21号 反響を呼んだクリスマスピース展 

2016年04月04日 | アートNPO推進ネットワーク通信


 ニューヨーク在住のアーティスト、マコトフジムラ氏のアイアムの会とアートNPO推進ネットワークの共催によるクリスマスイベントは予想を超えた反響を呼び好評のうちに終了した。佐藤美術館における11月25日~12月25日の平和へのメッセージ展にはアメリカ、イギリス、インド、中国、韓国など外国作家を含め、135人のアーティストからの作品が寄せられた。特にNHKテレビ新日曜美術館アートシーンでの紹介が話題を呼び、アーティスト、美術館、画廊、コレクターなど美術関係者だけでなく、建築関係者や一般の方々を含め約3500人の来場者があった。



 オークションについては公開方式による落札の結果素晴らしい作品が特別価格で大勢の方に渡ることになり、“日常生活のなかの心の豊かさ実現”を掲げて活動する者として嬉しいかぎりである。同時開催の銀座協会におけるマコトフジムラ氏と千住博氏の展覧会、高島屋におけるマコトフジムラ氏個展とアーティストトークも好評であった。なお、今回のイベントはアイアムの会とアートNPO会員や若手作家たちのボランティアによるもので、しかもオークション収益金はすべてアイアムの会を通じ日本ユネスコ協会に寄贈されることになっている。また落札しなかった作品については作家本人への返却を優先するとともに、堀田力氏代表のボランティア団体「さわやか福祉財団」に寄贈する方向で調整中である。 (山下)