ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

「告白」フィクションの醍醐味満喫!

2009-11-09 21:19:14 | ブックレビュー
全国本屋大賞受賞作面白いから読んで!と薦められて読んでみました。
「告白」湊かなえ著はじめは小説のかたちを借りて、現代社会の不条理や、生きることの意味を問うシリアスものかと思いました。白石一文みたいな息詰まるものを想像しました。一つの事件がおこり無罪放免と思われた犯人を追いつめ、「藪の中」のように関係者の一人語りが始まり事件の真相がいろんな人の思いを通して見えてきます。それぞれに言い分があり感情移入した読み手を悩ませます。物語は事件後もいつしか不穏な空気をはらんだまま進行しノンフィクションを読むような緊迫感を漂わせて、最後は東野圭吾ばりの落とし所に唖然、読む楽しみに答えたプロの技!悩ませたまま終わらせないので、読後感壮快な一作です。