畦道に咲く彼岸花
2017年9月11日 午後 富士市内の田んぼにて撮影
秋のお彼岸が近付くと、誰に教えられた訳でも無いでしょうに、毎年律儀に花を咲かせる彼岸花。
彼岸花は、葉知らず。花知らずの花。
亡き親が、娘にお彼岸に咲くのだと、あの世から知らせているのかしら?
畦道に咲く彼岸花
畦道に咲く彼岸花は猛毒。
農家が丹精して育てて、折角実った稲を、ノネズミやモグラの食害から防ごうと田んぼの畦道に植えられました。
私が子供の頃は、古い家の屋敷墓や村の共同墓地等の廻りにも沢山植えられて、秋になると真っ赤に咲いていました。
昔は土葬だったので、死体を野生の動物に襲われないように、毒のある彼岸花を植えたようです……
今は川の土手や公園に普通に植えられていますので、
寂しげな場所に咲く陰気な花とか、
あの世とこの世を結ぶ特別な花等と言う感覚も薄れて来ているようですね……
数年前に、東京赤坂のホテルの広場風の場所にまるで観葉植物の様に植栽されて咲いている彼岸花を見かけて驚いたことがあります。
近付いて確認しましたが、本物の彼岸花でした!
私の故郷では、『はっかけばあさん⇒歯っ欠け婆さん』と呼んで毒だから触らないようにと教えられていました。
彼岸花に触ると、
実際に歯が欠けてしまうかどうか知りませんが、有毒物質を含む植物と言うことは現在では科学的に証明されているようです。
背後の山に、道の駅の観覧車、富士山スカイビューが回っています。
左側の青色の囲いは、名産の富士梨の畑。
観覧車、新築の家々、黄金色の稲、
彼岸花…
華やかなのに、
静かな秋の夕暮れ時