「たにぬねの」のブログ

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げんじつをみたはなし_i

2023-02-03 17:56:48 | texto
 借りてた漫画とラノベの返却を済ませ、図書館の玄関を出て自転車置き場に向かって歩く。角を曲がり体に日差しが当たるのを感じ、わずかばかり顔を上げる。夕方には幾分早い午後の青空は風も吹いてない感じの穏やかな天気で太陽の左右に同じくらいの距離で光ってる何かが。窓ガラスの映り込みみたいな光。

 明るい光をもう少しよく見ると赤っぽいと青っぽいに挟まれた明るい橙色、見ようによっては赤橙黄緑青藍紫が見える気もする台形で、並べたらアーチが作れそう。まるで虹の橋の端っこを取り出した虹の欠片みたい。
 でもあれって、虹じゃないんだよなぁ。光ってる位置は・・・・・・太陽を真正面にして直角の真横の半分の半分くらいだから太陽の左右二十度ちょっとかなぁ、なんて思っていたら頭の中、脳に?呼びかけられる?
《こんにちは、わたしはあなたが四、五年前に読んだ?見た?めくった?だけの虹の本の記憶です。正確な本のタイトルは、あなたが忘れてしまってるから不明です。》

 なんだ?呼びかけられたのか?どこから?誰だ?そもそも、どんな仕組み&どうして呼びかけられたことが分かるんだ?の疑問を残したまま状況把握を試みる。呼びかけは声みたいに聞こえてきて、寝ている時の夢で話しかけられる感じ、または妄想における自分自身以外から話しかけられる感じ。フィクションなどに出てくるテレパシーって、こんな風なのかも。結局、仕組みなど分からないままで初体験のテレパシー的なものとして受け入れ、

〈何か御用でしょうか、えっと、虹?の本さん?の記憶さん?〉
って、探り探りこちらから相手へ向けた思考で尋ねてみると
《用っていうか、あなた様が思うところの虹の欠片と同じような写真を先の本でご覧になった覚えはないのですか》
〈ごめん、覚えてない・・・・・・〉
なんて感じで夢や妄想の中の如く意思の遣り取りの成立を認めつつ、そういえば小三か四の頃、図書館の新しい本のコーナーにあった大きな虹の写真の表紙がキレイな本を柄にもなく借りたことがあったような気がして・・

・・・・くると声みたいに聞こえる呼びかけが再び、
《とりあえず、本を手にしたことは思い出せたみたいですね。しばらく、このまま、あなたの思考の隣に居ることになりそうです。》
〈別に居てくれなんて頼んでないけど、そもそも呼んで・・・・・・〉
と不平の思考を終える前に
《呼び出した自覚無しですか。あなたが虹の欠片みたいだなんて思ったからなのに。出てきた以上は仕事をしてから帰りたい!って、こちらの心情をご理解いただき、誠に勝手ながら、しばしお付き合いください。それでわたしにも呼び名があった方がいいかもしれません、既に実績ができた『虹の本の記憶』でお願いします。》
〈はい、虹の本の記憶様〉
《それでその本には虹以外の虹色な写真も載ってませんでしたか》

 太陽の左右二十度ちょっとの光を虹じゃないんだろうなぁって考えていたせいか、本を手にした記憶の芋づる式で
〈載ってたよ。虹じゃない空の写真。暈とかハロって呼ばれているって説明があったよ。
でも、見覚えがあるのは太陽のまわりに輪っかになっている日暈の写真だけ。他の写真を見ながら、いろんなタイプがあるんだなぁって。あるけど、全然『こんにちは』じゃない!多分、ハロをハローと似てるから〉
って・・・・・・くだらないことを思ったことも思い出し、ちょっと恥ずかしくなる。

つづく


txetotext

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