時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
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お怒りご尤もだが・・・

2022年01月07日 | 時のつれづれ・睦月 

多摩爺の「時のつれづれ(睦月の18)」
お怒りご尤もだが・・・(沖縄県知事が怒った。)

沖縄県知事が怒った。
「管理態勢の不十分さを示しており・・・ 怒りを覚える。」
「県内のオミクロン株の感染拡大が、米軍由来であるとの意識が欠如している。」

年明け早々に、在日米軍関係者から始まったオミクロン株の猛威に、
新型コロナウイルスの感染拡大が、一気に爆発した沖縄県で、
年明け早々に、知事が緊急記者会見を開き、
在日米軍に向けて、辛らつな言葉をぶつけながら・・・ 怒りを爆発させた。

確かに・・・ その通りであり、お怒りはご尤もである。
おそらく、この国の国民の大半が、知事の発言を支持しているのではなかろうか?

とはいえ、ちょっと気になるのは、
行政のトップである為政者が、特定の集団(在日米軍)に向けて、
分断と差別を助長するような発言をして良いものだろうかという疑問と蟠りが、
なんとなくだが、心の片隅にあって・・・ ちょっと気になっている。

これって・・・ 昨年、欧米であったアジア人への差別と似てないだろうか?
欧米で普通に生活しているアジア人たちが、通りすがりの人々から暴言を吐かれ、
暴力を受けている映像が、幾度となくメディアに流されていた。

この国の人々は、そこまで常軌を逸した行動を取るとは思えないが、
辺野古への基地移転問題もあったりして、在日米軍とは対立関係にある知事だけに、
その発言が分断と差別を助長する発言だったと捉えられても、ある意味仕方がないかもしれない。

欧米でアジア人差別があった当時、その国の為政者は、差別を止めるように呼びかけていたが、
この国では為政者が先頭に立って、差別を助長しかねない発言をしてしまった。
私自身も家の中では「米軍はなんてことしてくれたんだ。」なんて言ったりもしてるが、
それを為政者が、会見を開いて口にすると言うことは、どうなんだろうか?

この国に駐在している、世界各国のジャーナリストたちは、
この発言をどう捉え、自国に向けてどう配信したのだろうか?
この発言に好感を持って眺めていたのは、おそらく大陸と半島だけだと思うがどうだろう?

私としては、個人的な米軍に対する怒りはさておき、
どちらかというと・・・ そちらの方に興味があり気になっていた。

かつて第1波か第2波の時、埼玉県の知事が同県南部の感染者の大半は、東京由来だと発言し、
県境を跨ぐ移動の自粛を呼びかけたことがあったし、
兵庫県のある市長が大阪府知事は有害、兵庫県知事は無能と、コロナ対策を批判したこともあった。

しかし、それは全て、国内の行政トップの焦りから来る、ちょっとした失言として捉えられたが、
今回はハッキリと、駐留する他国の軍隊の規律が緩く、統率が取れてないと批判している。

個人的には、沖縄県知事の言葉は、間違いなく多くの国民の声を代弁している思うが、
為政者でもある行政のトップが、それを口にするかしないか、もし口にするしたらどう言うのか、
他国が相手だけに、発言の意図と配慮のバランスをどう取るのか、
それが上に立つ人の資質だと思うので、お怒りはご尤もだが、喧嘩を売ってる場合ではないと思った。

けっして、言葉を濁して曖昧に語れというのではないが、
それが外交や、安全保障に繋がることだと捉えれば、ここは一旦胸の中に納め、
必要なワクチンを、早期に確保するための切り札として・・・ 対応を国に預けると、
国は恩を着せつつ政治利用して、交渉を優位に進めることだって考えられないこともない。

また、そもそも現住所(在日米軍沖縄基地)で起こったことではあるが、
本籍まで遡れば、2年前の大陸で起こった出来事で、事態を隠蔽したことから始まり、
そこにもってきてWHOという、本来は中立で公正であるはずの国際的な機関が、
大陸の指導者におもねって、警鐘を鳴らすのが遅れたことから被害が拡大してしまい、
いまに至っても収束が見えてないのである。

WHOの判断が遅れた間に、本籍から世界へ旅だった大陸の国民を介して、
世界の各地に新たな住処を得た厄介者は、アルファだ、デルタだ、オミクロンだと
新たな居住地で元の名を隠したまま・・・ 悪さをし続けていたのだ。

そこんところに眼を向ければ、
どこの国で変異しようと、全ては貰い事故であって、その責任は本籍にあり、
各国で起こった出来事を非難するのなら、本籍をまず最初に糾弾しなければ筋が通らないし、
本籍を差し置いて、現住所を差別することは間違っていると言わざる得ない。

今回、沖縄県知事が非難したアメリカでは、
オミクロン株への対策は、ワクチン接種に力点を置いており、
医療体制については、季節性のインフルエンザと同等の扱いになっているようだ。

国内にも、インフルエンザ並みの扱いにすれば良いという声は根強く、
そうすれば、町医者で対応できるので、医療逼迫が解消されるというが、
インフルエンザ並になるということは、
診察(治療)や薬に、自己負担が発生すると言うことを忘れてないだろうか?

町中でインタビューを受けてた若者が、重症化しないからと、脳天気なことを言ってたが、
治療費に幾らかかり、抗体カクテルや、経口薬がいったい幾らかかると、
考えたことがあるのだろうか・・・ おそらく頭の片隅にもないのではなかろうか?

国内に駐留する在日米軍は、日米地位協定という特権によって、
施設及び区域においての、活動の設定、運営、警護及び管理のために必要な、
すべての措置を執ることができるが、今回の対戦相手は、人の眼に見えないコロナウイルスであり、
いかに世界最強の米軍であっても・・・ たちうちできる相手ではない。

よって・・・ 感染症対策においては、駐留国のルールに倣って、
同一の規範を基に、行動を同じにしなければ、信頼関係は崩れてしまうだろう。

この国には「郷に入れば郷に従え。」という、
長い時間と経験を経て、先人たちが今を生きる者たちに伝えてきた教訓がある。

最早いつまでも、ぐだぐだ言っても埒が明かない。
だれでも良いので「郷に入れば郷に従え。」を、英語で丁寧に説明し、理解させてくれないだろうか。
ただ・・・ それだけを望んでやまない。

追伸
今回、怒りを露わにした為政者も、
過去にコロナ対策で、隣県の行政トップを批判した為政者たちも、
本籍を辿れば、かつて政権を取った野党第一党に行き着くことが、なんとなく気にかかる。

気持ちは分るし、同調する声も多いと思うが、危機の時だからこそ言葉を選ばなくちゃ、
安心して政権を託されないことを・・・ 自覚すべきではなかろうか?

一方で、在日米軍岩国基地のある自治体のトップは、米軍の司令官と対面すると、
「感染拡大の犯人捜しや、どこから入ってきたかと言うつもりはない。」と口火を切り、
「だれが悪いではなく、同じ方向で戦うことが重要」と訴えると、
司令官は「積極的に濃厚接触者も追跡し、適切な措置でコントロールできている。」と返している。

目に見える形で、直ぐに結果はともなわないと思うが、
これが為政者の取るべき行動ではなかろうか。


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