時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

ハリス旋風

2024年08月14日 | 時のつれづれ・葉月 

多摩爺の「時のつれづれ(葉月の50)」
ハリス旋風

昨日、ワイドショーを見ていたら、あと3ヶ月後に迫ったアメリカ大統領選挙の特集をやっていて、
つい1ヶ月前には、テレビ討論をしくじった現職を揶揄したうえに、銃撃事件もあって、
「もし(もしも)トラ」が「かく(確定)トラ」になったと・・・ 自信満々に言ってたにも拘らず、
いまじゃ各州で「ハリス旋風」が吹き、風向きが変わったと無責任なコメントを発していた。

五大湖の南を囲むように広がるイリノイ、インディアナ、ミシガン、オハイオ、ペンシルバニア州は、
時代遅れの工場や技術に依存していることから「ラストベルト(さびついた工業地帯)」と呼ばれ、
選挙の度に投票先が変わる激戦州に数えられ、今回も動向が注目されていたが、
そこでも「ハリス旋風」が吹いているようで・・・ 支持率が逆転したというから驚いてしまった。

テレビ討論での反応が鈍く、致命的なミスを犯してしまった現職は、
その後、前職が集会で銃撃を受けたが、一命をとりとめたことで、情勢は一気に前職に傾き、
「もはや、これまでか?」と思っていたが、
そこでようやく現職は事態を認識し、良識的な判断を下すに至ったようである。

自らの出馬を辞退し、現職副大統領の黒人女性(ハリスさん)に後を託すと、
確かに中絶問題や、銃社会の規制などについては、幅広い支持を得たと思いもするが、
当面の課題にあげられる移民問題については、圧倒的に前職の方が支持を得ていたはずなのに、
あっという間に風向きが変わるんだから・・・ この国の思考は読めない。

個人的には・・・ 「なんと単純な国民性なのか?」と思いもするが、
移民大国であって、多様な文化や思考があるはずなのに、選択肢が二択だから、
ちょっとした切っ掛けによって、個々人の価値観のプライオリティに変化が生じ、
風向きが変化するのは、この国では別に不思議なことではないようである。

昔からそうだったのか、最近になってそうなったのか・・・ そこんとこは分からないが、
その切っ掛けとなる選択肢が、政策論争ではなく罵り合いだから、
民主主義国家の代表のような大国がこれでは、いささか情けなくなってくる。

今回、メディアがキャッチコピーにした「ハリス旋風」という言葉を目にしたとき、
まったくもって話は違うが、私が小学生から中学生に上がったころ、
当時の子どもたちに大人気だった「週刊少年マガジン」という漫画雑誌に、
ちばてつやさんが「ハリスの旋風(かぜ)」という、人気漫画を連載されてたことを思いだした。

記憶が確かなら・・・ 乱暴者だが、どこか憎めない石田国松が、ハリス学園に入学すると、
数々のトラブルを起こすものの、卓越した運動神経をかわれ、
剣道部、野球部、サッカー部で次々と成果を挙げるという、痛快な漫画だったはずだ、

後に、テレビでアニメ化され、
 ドンガ ドンガラガッタ ドンガ ドンガラガッタ 国松さまのお通りだい 」の歌が、
いまも耳元に残っており、あり得ないことばかりで痛快だったが、
いまになって思えば、あまりにも破天荒なストーリーだったと思う。

そんな「ハリス旋風」と「ハリスの旋風」だが・・・ 基本的に違うのは、
「ハリス」と「旋風」の間に「の」が入ってるか否かじゃないし、
「旋風」を「せんぷう」と読むか、「かぜ」と読むかでもなく、
主人公の石田国松が、ハリスさんタイプじゃなくて、前職のトランプさんタイプだから、
「ハリス旋風」と「ハリスの旋風」は・・・ やっぱり、似て非なるものになる。

まっ、そんなことはさておいて、この国にとってだけじゃなく、
世界にとってどちらが良いのか、という視点で捉えれば、
「ハリス旋風」が吹けば良いのか、
それとも「かくトラ」が良いのか・・・ これがけっこう悩ましい。

ウクライナ問題や、妊娠中絶、銃規制などに着目すれば・・・ 「ハリス旋風」に期待したいが、
現職はそうでもなかったが、オバマさんや、クリントンさんなど民主党大統領の政策が、
この国の経済に、歓迎だったかといえば・・・ 必ずしもそうではなく、ブレーキを踏まれまくりで、
トランプさんの自国第一主義は論外だが、共和党の大統領の方がマシだったとも思っている。

トランプさんの発言を信じれば、円安問題には早急に手を打つと思うものの、
すでになりゆきで、解決しそうな流れが出来上がっていて、
経済的には良い政策にかもしれないが、その他で負担を押しつけられる可能性の方が高く、
リターンが乏しい持ち出しが増えるのは・・・ 勘弁願いたいものである。

いまのところ、ハリスさんに勢いがあるようだが、
彼女は、なにがやりたいのか、なにをやろうとしてるのか、
いまいち、そこんところの訴求力が乏しく、
トランプさんとの罵り合いを、軽くいなしているようにしか見えないのが気にかかっている。

勝敗を分けるポイントは・・・ あと3ヶ月のうちに、ロシアやイスラエルに向けて、
どちらが、どんなメッセージを出し、共感を得られるか否かだと思っているが、
とにもかくにも罵り合いで始まり、罵り合いで終ることだけは、
なんとしてでも避けてもらいたいと思うが・・・ 如何なものだろうか?

もし、共和党代表の指名を争って、トランプさんと最後まで戦った女性候補だったら、
ちょっとグラついていたかもしれないが、
多くの裁判を抱え、すでに有罪が確定しているトランプさんが、再び大統領になることは、
道義的に許されないと思うが、それを許し認めるアメリカ人の感覚が・・・ 私には理解できない。

アメリカのことは、アメリカ人が決めるのは当然だが、
一方で世界の諸課題が・・・ アメリカ人に託されていることを、
忘れてもらっては困るのである。

アメリカ人の良識に任せるしかないんだが、
まだ3ヶ月もあるんだから、なにが起こるか分からない。
さて、どうなることやら、
心配がしても仕方がないけど、心配が尽きないっていうのが・・・ 本音だろう。


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2 コメント

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Unknown (なおとも)
2024-08-14 14:43:19
こんにちは!
私もこのニュースを聞いて直ぐに、漫画とあの歌が頭に浮かびました。懐かしいです。
そしてアメリカの国民性にも同じ感想を持ちました。たしかに移民が多く、仕方ない事かもしれませんね。
アメリカの影響力を考えると、とても心配で興味の尽きない大統領戦です。今日、岸田さんの不出馬のニュースもありましたが、岸田さんは肩の荷を下ろしたかったでしょうね。なおとも
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Unknown (多摩爺)
2024-08-14 16:16:00
なおともさん、こんにちは

ハリスの旋風の歌を知ってるなんて、迂闊に言ったら・・・ 歳がバレちゃいますよ。
冗談はさておき、アメリカのトップは世界の揉め事に影響力がありますから、
他国のことではありますが、だれが選ばれるのか、もの凄く気になります。
ハリスさんが、ロシアやイスラエルに向けて、どんなメッセージを出せるのか、そこがポイントになると思っています。
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