時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
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プーさん、あんたはサタンか?

2022年02月24日 | 時のつれづれ・如月 

多摩爺の「時のつれづれ(如月の20)」
プーさん、あんたはサタンか?(強国ロシアが、狂国に変貌した。)

アホ面と、悪人面の違いぐらい・・・ パッと見だけで、だれにでも分る。
乱暴な言葉遣いで申し訳ないが、まずは自分勝手な思い込みで記したと前置きして、
昨今のウクライナ情勢について、思いの丈を少し綴ってみたい。

つい3週間前、国としての国際大会への出場を認められてなかったにも拘わらず、
恥ずかしげもなく、アホ面に含み笑いで、オリンピックスタジアムにやってきたロシアのトップが、
今度は悪人面に仮面を換えて・・・ 他国を侵略しようとしている。

平和維持軍という名目を使って、ロシアがウクライナの領土に軍隊を送り込むと、
国連は直ちに安全保障理事会を招集したものの、
非難する声明が相次いだだけで、なに一つ対策を・・・ 打ち出すことはできなかった。
情けないというか、なんというか・・・ 明らかに機能不全に陥っている。

安全保障理事会とは、国連憲章のもとに、国際的な平和と安全に責任を持つ組織として、
先の大戦の戦勝5カ国(アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国)で構成される常任理事国と、
2年任期で選ばれる10カ国を非常任理事国として構成され、9票の賛成投票で議決される、
世界の安全保障においては、最も高い位置づけにある組織である。

一見すれば、よく考えられた組織のようにも思えるが、そこには重大な欠陥があって、
常任理事国の5カ国には、議題に反対を意味する拒否権があり、1カ国でも拒否があると、
5カ国一致の原則から、議題そのものが否決され、議論されることはなく廃案となってしまうのだ。

よって、多数決とはいえ、非常任理事国の位置づけは、その他大勢であり、
常任理事国だけで、総て決まってしまうんだから、
もはや存在価値すらない・・・ お飾りといっても良いだろう。

そもそも、民主主義3カ国と、社会主義1カ国、旧社会主義1カ国で構成される常任理事国が、
権威主義や独裁主義の国家や、軍や宗教が主権を握った国家等の暴走を、
どう処理するか議論して、制裁等の落としどころを決定するわけだが、
議題に上る国々の大半は、社会主義との親和性が高く・・・ 意見が纏まることの方が珍しい。

それでも、いままでは・・・ 「またかよ。」程度にしか思わなかったが、
今度だけは違うんじゃなかろうか?
国際的な平和と安全に責任を持たねばならない常任理事国が、やらかしてしまったのである。
絶大な権限を持つ強国が・・・ 狂国に変貌してしまったのである。

戦勝国であろうと、経済大国であろうと、
世界の強国には強国としての、大国には大国としての・・・ 果たすべき役割があるが、
狂国に、求められる役割などあるはずがない。
極論すれば、常任理事国から排除されても良いぐらいの暴挙をしでかしたのである。

西側諸国と、旧東側諸国との睨み合いといっても、それは昔のことで、
いまは東側に居た国々が、櫛の歯が欠けていくかように・・・ 西側諸国へ向かっている。
その主たる要因は・・・ おそらく「自由」の素晴らしさに目覚めたからだろう。

古い話だが、かつてチンギスハンや、ナポレオン、ヒトラーに攻められた経験のあるロシアは、
自国の周辺に、自分たちの主義主張に同調してくれ、
いざとなったら盾になってくれる、都合の良い緩衝地帯を設けたいらしく、
ロシアの周辺諸国が、西側諸国になびく・・・ 「自由」というものを認めたくないらしい。

思想的に、西側諸国が信用できないという思いが、そこにあるのは分るが、
自らが信用されてないことには・・・ 見て見ぬふりを装っている。

世の中に100人の人が居れば、100通りの考え方があるように、
100人が100%納得できるような考え方など・・・ あるわけなどなく、
個人であろうと、組織であろうと、社会であろうと、
民主主義の国家では・・・ 数多くの妥協という打算を繰り返しながら、前に向かって歩んでいる。

西側諸国のようなも民主主義国家の考え方が、総て満足できるとも思ってはいない。
なぜなら、その基本が多数決であり、最大公約数で進められることから、
少数意見や、弱い者の思いが退けられていることも多々あり・・・ 我慢を強いられてるからだ。

とはいえ・・・ 忘れてはならないことは、
民主主義の国では、たとえ少数意見であろうと、それを堂々と発言する自由があり、
「どうしたい。」という思いをもって、1票を投じる権利もある。

一方で、社会主義国家の考え方では、平等を掲げるものの、
それは決められた方向の中での平等であって・・・ そこに100通りの考えといった自由はなく、
一握りの人たちの思想と武力が結びついた、最小公倍数から始まり、
思想教育を通して、どこを切っても同じ金太郎飴を作り出し、右向け右を正当化している。

さらに社会主義では、異なる考えは意見の大小を問わず、武力によって排除されてしまう。
その最たるものが天安門であり、ウイグルであり、チベットであり、香港であり、
アフガンであり、クリミヤであり、歴史に刻まれた痛ましい事実が、厳然として残されている。

ロシアは連邦共和制をとっているものの、統治機構は強権体質であり、秘密主義であり、
為政者や政権の意にそぐわなければ、命の危険もあるぐらいだから、
ソビエト連邦社会主義共和国は崩壊して、30年以上の歳月が経つものの、
社会主義的な考え方が政権には残っていて・・・ 完全な民主国家になってるとは思えない。

その証拠に、20年以上も政権中枢に同じ人間がいて、要職に就いてることをみれば、
変わってないことぐらい・・・ だれでも容易に察しがつくだろう。

そして今回、安全保障理事会の常任理事国でもある強国ロシアが・・・ 狂国へと変貌し、
そのわがままを通そうと、平和維持軍などといった、取って付けたような悪知恵を駆使して、
自由な国の仲間に入ろうとした隣国ウクライナを、自らの傘下に治めようと、
軍に出動の指示を下してしまった。


こういった事態に陥った責任は、総てウクライナにあると無茶振りをしてるが、
あまりにも人の命を、軽視しすぎていると言わざる得ない。
ロシアが仕掛けた戦争で、亡くなった人々の命が戻ることはないことを、どう説明するのか。

ロシア軍が放った砲弾で亡くなった人々は、間違いなくロシア軍が殺めたのであり、
その事実を消すことはできない。

私は社会の片隅で生きてる、年金暮らしの生活弱者だが、
直ぐに武力を持ち出してくる思想信条は、好むところではないし、支持することもできない。

さらに外交上の手練手管に詳しいわけじゃないので、踏み込んだ見識は持たないものの、
血を流すことが、絶対にあってはならないことぐらいは分っているので、
なんとかしたいが・・・ できるはずもないし、ジレンマだけが残りイライラ感が募る。

この国の政府も、西側諸国の制裁発表に併せて、幾つかの制裁を発表したが、
かつて、この国の野党幹部が、国会審議の場で、時の総理に向かって、
「息をするように嘘をつく。」と、喧嘩腰で威勢の良い言葉を投げつけたことを思い出した。

政府や政権与党が立場上、お利口さんのような品のある非難しかできないなら、
ここはイチャモン好きの野党が頑張って・・・ その能力を最大限に発揮すれば良い。
野党の幹部からロシアのトップに向けて、お得意のSNSで同様の皮肉を発してくれたら、
拍手喝采であり、溜飲を下げるし・・・ 支持率の向上にも繋がると思うが如何なものだろうか?

さらに「アベ政治を許さない。」とか、「東京オリンピック止めろ。」のプラカードを掲げていた、
とっても威勢が良かった市民連合の方々にも協力していただき、
この際だから、ロシア大使館の前に座り込んで、朝から晩まで大声を張り上げて、
思いっきり抗議してくれたら・・・ 少しは見直すんだけど、如何なものだろうか?

屁の突っ張りにもならない講釈を、ダラダラ垂れてしまったので、
そろそろ筆を置くが・・・ 最後に、これだけはどうしても記しておこうと思う。

「プーさん、あんたは狂ってる!」
「鏡を見てごらん。」
「まるで、サタンじゃないか!」
「あんたは、いつから悪魔になってしまったんだ!」

あくまでも、私見だと前置きするが、
いまのロシアは・・・ 「ならず者国家」であり、「巨悪の権化」といっても過言ではない。

トップに責任があって、ロシア国民には責任はないという声も聞こえてくるが、
巨悪の権化に20数年も統治を任せた、国民の責任は極めて大きく、
社会主義時代の残滓は、30年の歳月を超えて尚・・・ 払拭しきれてないことが良く分る。

核戦争を平気で口走るトップがいて、それを支持する国民を、
国際社会は、絶対に信用することはないだろう。


追伸
ウクライナ問題は本当に気がかりであり、心配が尽きないが、
「類は友を呼ぶ。」という言葉を忘れてはならない。

中国がタイミングを見計らい、息を殺して様子を眺めているのは間違いなく、
もし、どこかのタイミングで、台湾有事を仕掛けてきた場合、
尖閣諸島どころか、沖縄に影響が及ぶ可能性は極めて大きいことを肝に銘じておくべきだろう。
そう捉えれば・・・ ウクライナ問題が、対岸の火事では済まないことが見えてくる。


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