時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

フローとストック

2020年05月13日 | 時のつれづれ・皐月 

多摩爺の「時のつれづれ(皐月の7)」
フローとストック

唐突だが・・・ フローとストックという経済用語がある。
フローとは一定の期間に蓄積された物量であり、
ストックとは一時点を捉え、その時点であった物量をさす。

一般家庭に例えるなら、フローはひと月当たりの収支であり、
ストックは・・・ 月末の現金・預金残高と捉えれば分かり易い。

さて・・・ なぜ、フローとストックを持ちだしたか?というと、
新型コロナウイルスに感染した方のデータについて、
マスコミが提示するトレンドの捉え方が、いま一つしっくりこないのと
PCR検査に関する評価が、未だに医療関係者によって様々であり、
自分の頭の中で、いま一つ整理がつかないのである。

いま、マスコミが提示してくれているトレンドは、感染者数と死亡者数と退院者数のフローであって、
ストック(累計感染者数-累計死亡者数-累計退院者数=現在の入院等患者数)の分析が
されてないのである。

私が言いたいストックの分析とは、
個々に分類されている重篤・重症・中等症・軽症の感染者数を明らかにし、
その分類ごとに用意すべき設備(ICUの病床数・一般の病床数・ホテルの部屋数など)の
マトリクスに当てはめると、設備の稼働率が分かるし、
その稼働率がいくらになると、危機的状況(医療崩壊)になるのかが見えてくる。

それを・・・ 示さないから、真面目な人は不安になるし、
不真面目な人は自分勝手な行動を取ってしまうんじゃなかろうか。

さらに付け加えれば、テレビでは日々の感染者を棒グラフで毎日見せてくれているが、
その際、いつも云ってるのは「この数値は2週間前の行動が表れてます。」である。
だったら棒グラフに、1週間なり2週間の移動平均線を被せて見せたらどうなんだと言いたい。

頑張って伝えてくれている人には申し訳ないが、
「もう少し工夫しろよ!」と思ってるのは私だけではあるまい。

大事なことは、ストック分析を行い稼働率を的確に判断して、医療従事者を休ませることである。
昼夜を問わず、献身的に汗を掻いてくれている、医療従事者の疲れをとることである。
目に見えるストック分析を行い、
それを見た国民から「大丈夫だから、休ませてあげようよ。」との声があがることである。

通常勤務より、ちょっと忙しいぐらいの体制で、
医療従事者を普通に休ませることができる余力があるか否か、
それこそが・・・ 緊急事態宣言を解除するキーワードなんじゃなかろうか。

PCR検査もしかりである。
まず、既に感染し再検査を受けてる方と、新規の検査者に分類されてないことに疑問があるものの、
そこは、新規検査者のみの数値であって、再検査者は含まれない検査者数だと信じたいが、
1度検査して陰性だった方が、2度3度と検査を受けた場合、
その都度じゃなく、1人でカウントされないと意味がない。

毎日検査をやってるんだから、そんなことはないと思うが、
そうでないと、いずれ人口を超える可能性だって否定できない。
その都度、検査者数でカウントしてたら分母が増えるだけで、陽性率が下がり、
誤った数値になってしまう。

もう一つは、PCR検査を受けて陰性だったとしても、それは検査時点での結果であって、
検査を受けた人の行動次第で、翌日、翌々日、翌週、翌々週も、陰性とは言えない。
よって、検査した検体の数と陽性率は、
感染状況と収束状況のトレンドを分析する視点で意味はあると思うが、
だからといって、検査数を増やすことに意味があるということが理解できない。

外出自粛などで感染者が減ってくれば、検査者も必然的に減ってくるので、
検査者を増やすことが全てとは思えない。

けっして、不安がある人を検査しないで良いと言うのではない。
必要のない人まで検査してを数を増やせば

それだけ市中に体調面で不安な人が多いということに繋がり、
日々データを確認してる人からすれば、いつまで経っても不安が続くことになってしまうだろう。

PCRの検査数を増やせば、市中の感染者数の割合が分かるという専門家がいる。
中国のように、1週間ぐらいの短い期間で、市町村単位で一斉に検査をするなら分からんでもないが、
市中の感染者数の割合が分かったからといって、
それが新規の感染者数を減らすことになるとには繋がらないばかりか、
だれが感染してたのかを、見ていた人から情報が洩れ、差別扱いされることの方が逆に怖い。

早い話が、検査を受けた人は、その結果次第で安心できるかもしれないが、
同じ町内で検査を受けた人が居るという情報が仮に洩れると、
周囲を不安に巻き込み人々に猜疑心を生んでしまうだろう。

よって・・・ 指定感染症は、インフルエンザのように町医者での検査じゃなく、
保健所などの特定の場所で検査すべきだと思っている。

いま、PCR検査に求められているのは・・・ なにか?
それは、検査体制の充実もさることながら、
簡易な方法で安全に短時間で判定できるようにすることである。
そのためにも、安全な唾液検査を採用し、早急に体制を見直すことじゃなかろうか?

その体制ができないと、国際空港などで入出国者を検査できないし、
今後、外国からの旅行客を受け入れることができなくなってしまうし、
観光立国なんて夢の夢になってしまう。

このウイルスは飛沫か接触で感染すると言われているが、
飛沫も接触も、その大元は唾液が大きく関わっており、
鼻腔の奥から粘膜を採取するという手法には、当初から疑問を持っていたが、
誰もそのことを云わなかったので「そんなもんかな?」と思っていたら、
最近になって、唾液が有益であるとマスコミが取り上げており、正直言って驚きを隠せない。

検体の採取が容易になれば、あとは様々な機関への検査キットの配備である。
保健所だけではなく、空港や港湾での検疫にも配備しなきゃ意味がない。
申し訳ないが、我が国のような技術大国で、
非常事態にそれが出来ないなんてあり得ないと思っているし、
そこんとこは、既に手配してると信じたい。

大事なことはワンチーム、オールジャパンで知恵を絞ることじゃなかろうか?
厚生労働省が、自らの影響が及ぶ範囲内だけで、事態を収束させようとしないことである。
そして・・・ この国のマスコミが、面白半分に政権批判に終始することなく、
有益な情報か否かを分析し、ピックアップして、政府に物申すことが出来る力をつけることである。

究極のPCR検査は、国内の感染者をいち早く見つけ隔離することのみなず、
大量に短時間で検査ができるように高度化し、
海外の窓口となる空港や港湾の検疫に配備する水際の強化じゃなかろうか?

特効薬やワクチンの開発も大事なことだが、
究極の取組みは国内の感染を潰すことと並行して、水際の強化を図ることにある。
また、世界がそういった検疫体制を取らない限り、
グローバル化は急速に萎み、楽しみだった観光はバブルと化すだろう。

皆が総がかりで、目の前のことに取り組むんじゃなく、
先々のことも想定して、着手しているなにかが形として見えてくると・・・ 人は安心できる。
評論家やコメンテーターは目先のことしか言わないが、
どんなに目の前が大変でも、1年後、2~3年後のことを考え、
具現化してくれる為政者がいると・・・ 人は安心できる。

素人の思いつきで、カバチ(中国地方の方言で、能書きや知ったかぶり)を垂れてしまったが、
第二波は必ずやってくるし、来年はインフルエンザとのダブルパンチも考えておかねばならない。

今回のような新型のウイルスに対しては、予め正解となる対策なんてないと思う。
しかし、第二波、第三波でしくじったら・・・ それこそ「なにを学んだのか?」になってしまう。

不安に備える必要はあっても、
不安を増幅させてはいけないということを、身に染みるほど経験したんだから、
為政者や専門家は、褌の紐を締め直して、しっかり分析してほしいし、
次の一手は躊躇なく打ってほしい。

結果的には新たな生活様式と合わせて、
ウイルスに対する心構えを、様々な場面で愚直に啓蒙していくことなのかもしれない。


コメント    この記事についてブログを書く
« ホームランバー | トップ | 日本一の豪速球投手 »

コメントを投稿

時のつれづれ・皐月 」カテゴリの最新記事