時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

国民が二極化している。

2020年12月08日 | 時のつれづれ・師走 

多摩爺の「時のつれづれ(師走の3)」
国民が二極化している。

新型コロナウイルスの新規感染者が・・・ 減らない。
総理が三密の回避や、マスク、うがいを強く訴え、
各知事が相次いで不要不急の外出を自粛して欲しいと、呼び掛けているにも拘わらず、
一向に減る気配が見えてこない。

携帯電話の位置情報から分析された、全国の繁華街の状況を見ても、
幾分は外出者が減ってるものの、目に見えるほどの数ではなく、これでは効果が期待できない。

医師会の幹部や、直接治療にあたっている医師たちからは、出を抑えるべきだとの声が上がっている。
尤もだと思うが、困ったことにその声が、国民の耳に届いていない。
いや、届いているのかもしれないが、自分ぐらいは、自分だけはと、
過信している人々が、あまりにも多すぎる。

メディアのインタビューを聞けば、なにかにつけて政治の責任にしているが、
もはやこの期に及んで・・・ それは違うだろう。
そんな悠長な状況ではないし「緩んでる。」なんて、他人事のように話してる場合か!
明らかに無自覚の極みであり・・・ のんきにインタビューに応える輩に、怒りすら覚えてしまう。

総理や大臣、さらには感染者の多いところの知事たちが、揃って土下座をして、
三密の回避や、ステイホーム、マスク、うがい、手洗いなどを、涙ながら懇願したら、
云う事を聞くのだろうか。
高飛車な発言で、大変申し訳ないが・・・ バカも休み休み言えである。

政策にさまざまな思いがあって、好き嫌いがあるのは構わない。
しかし、医師の声に耳を貸さなくなったら・・・ この先は、いったいどうなるんだろうか?
そこのところの想像力が・・・ いま、この国の国民から欠けているし、
悲しいかな、それを問いかける者がいないし、そういった声を発するメディアがない。

また、GoToキャンペーンが、諸悪の根源のように訴える声も後を絶たない。
医師会の幹部や、直接治療にあたっている医師たちのなかからも、
そういった声が多々上がってくるが、
マイナスのエビデンスはなく、かといってプラスのエビデンスもないのが、現状にも拘わらず、
そんなことはお構いなしに、トラベルとイートをごちゃ混ぜにして、
イートのことを喋りながら・・・ トラベルが悪いと結論付けてる医師もいる。

現実はエビデンスがあろうとなかろうと、
GoToキャンペーンをやってる限り、人の動きにブレーキはかけられない。
とはいえ・・・ GoToキャンペーンは、旅行業界や飲食業界のみならず、
農業や漁業などを含む、間接的に関わる多くの業界を動かし、潤し、
笑顔を取り戻せたこともまた事実である。

GoToキャンペーンを一時中断し、
旅行業界や飲食業界に直接支援したら良いという、尤もらしい声もある。

しかしそれじゃ、サービス業に間接的に関わっている、
一次産業などの人々を救うことはできないし、
原材料を提供してくれる人々がいて、サービス業がなりたっていることを知るべきだろう。

個人的には・・・ GoToキャンペーンの一時中断は、やむ得ないと思っている。
ただ、それを本当にやってしまうと、蛇口を閉めるだけじゃなく、
元栓を閉めることにも繋がり兼ねないだろう。
その時・・・ 世論は、それで良かったと総括するのだろうか?

外野席から傍観している人々は、みんな好きなことを云ってるが、この状態がこのまま続けば、
養殖した魚や、収穫した野菜などは値崩れを起こし、
お金をかけて廃棄することも、想定しとかなきゃならないだろう。

だから、小手先と云われようと、なんと云われようと、
都度都度の防護策を・・・ 講じるしかないのではなかろうか?

GoToキャンペーンの実施にともない、人出が増えて感染者も増えてるんだから、
間違いなく・・・ 相関関係はあると思うが、
とはいえ、因果関係まであると言い切れないところが悩ましい。

北海道や大阪で、GoToトラベルに急ブレーキを踏んでから約2週間が経つが、
感染者が減ったのだろうか?
残念ながら、期待する効果が出ていないどころか・・・ まだまだ増え続けている。
急ブレーキを踏ませた、判断そのものの正当性が見えないまま、だらだらと現在に至っており、
結果的には、GoToトラベルを止めたという、虚しい満足感だけしか得られてないのも事実である。

東京も同様に、65歳以上の高齢者などに、GoToトラベルの利用自粛を求めている。
その影響もあって、都内からGoToトラベルのキャンセルが、続出しているらしい。
テレビに出てくる都内の旅行業者を見ていれば、
65歳以下の人々も含めて、6~7割は減ったのではなかろうか?

それでも・・・ 東京の感染者は、減っていないどころか増え続けている。
もはや、GoToトラベルを止めれば、感染者が減ると信じる方が危ないし、
楽観すぎるのではなかろうか?

政府は、春先の非常事態宣言や一斉休校で、そのことを学んでいるから、
GoToキャンペーンが、いくらボロクソに叩かれようと、
その中断を躊躇するのではなかろうか。

不安の持って行き先がないから、政府を責めたい気持ちは分かる。
とはいえ・・・ ヒステリックに拳を振り上げ、
決めつけて悪者扱いするのも、如何なものかと思っている。

GoToキャンペーンを全国的に中断して、それでも感染者が減らなかったら、
次は何を(誰を)標的にするのだろうか?

残念だが・・・ いま、この国は完全に二極化されている。
コロナ禍を恐れ、政府や行政、さらには医師の言葉を真摯に受け止め、
マスクをしたうえで行動範囲を狭め、
三密が発生するであろうと思われる場所に出かけないようにする、慎重な層がある一方で、
コロナ禍を一人称で捉えることを拒み、
政府や行政、さらには医師の言葉までも、右から左に聞き流し、
マスクはしてるものの、行動する範囲と時間を広げ、深夜に及ぶ飲食やカラオケを楽しむ、
あまりにも軽率な層がある。

あくまでも私見だが・・・ その二極化の片棒を担いでいるのが、メディアではなかろうか?
早朝から昼下がりに放映される情報番組や、ワイドショーでは、
GoToキャンペーンを徹底的にこき下ろしながら、
夕方のニュース番組などでは、ホテルや飲食店などへ誘引するような特集を組んでいる。

その最たる例をあげれば、朝や昼の番組では、
飲食店へのアクリル板設置を義務化すべきだと云いながら、
夕方の番組では・・・ アクリル板が設置されてない飲食店を取材し、
美味しい店だ、良心的な店だ、頑張ってる店だと・・・ 持ち上げて誘引を促し続けている。

1日の放送で、ダブルスタンダードを毎日のように繰り返していることが、
可笑しいと思わないのだろうか?

なぜ、アクリル板のない店は、感染のおそれがあり、とても危険な店だと伝えないのか?
そりゃ、云えないだろう。
だったら、取材するなってことになってしまう。
そう・・・ 報道姿勢が、あまりにも支離滅裂なのである。

マッチ(放火)ポンプ(消火)になってるんだったら・・・ まだ良い。
ポンプじゃなく、現場に野次馬を送り込んで、
燃え上がるように、焚きつけているんだから始末が悪い。
このように、メディアが政策に対して批判と悪用を繰り返した挙句の果てが二極化である。

国民の多くが、マイクを向けられれば、
政治は三密回避と手洗い、うがいのことしか云わないと批判を繰り返す。
政治に責任転嫁したい気持ちは、分からんでもないが、
それ以外に、なにがあるというのだろうか?
それしかないのに、いまや・・・ それすら、できない国民になり下ったのである。

政策に、好き嫌いがあることは当然であり、そのことを否定するつもりはない。
しかし、医師の声に耳を貸さなくなったら・・・ この国は、いったいどうなるんだろう?
そこんとこに、最大限の想像力を膨らませてほしい。

もう一つ、大きな勘違いがあるとすれば・・・ 医療現場への支援だろう。
国からの支援がないという声が大きいが、医療現場をコントロールしてるのは国ではなく地方である。
冷静に見てみれば、国と地方に目詰まりがあるのではなく、地方のなかで目詰まりを起こしている。
国の政策と、地方の事務処理を混同して議論しようとするから、
どこまで行っても勘違いは解消されない。

国からの支援が、十分なのかどうかは分からないが、
国から配られたお金が、地方で活用できてないことに気が付かなきゃならない。
なんでもかんでも国の政策が悪いと、批判を繰り返していては、
いたずらに、混乱を招くだけにしかならない。
まずは、自分が住んでる町のトップが使える人物かどうか、それを確認してみるべきだろう。

長くなったが・・・ 私が訴えたいことは、1点だけしかない。
「私のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならないでください。」とのメッセージを残し、
人気グループを卒業したアイドルがいたことを思い出してほしい。
「政治家が嫌いでも、医師まで嫌いになってどうするんだ?」その1点に尽きる。

いつまでも、国民ひとり一人が「コロナ慣れで緩んでる。」と他人事を装いながら、
他責を口にしていては、
事態が好転する日は・・・ いくら待ってもやってこないだろう。

残念だが・・・ この国が、つい先日まで世界に誇っていた高い民度が、
凄まじい勢いで低下し始めている。

このままじゃ、低下した民度が、マイナスになることだって・・・ あり得るだろう。

なにを発言しても、この国は香港と違って、自由があるので構わないが、
ぐちぐちと・・・ GoToキャンペーンを批判する暇があったら、
まずは落ちつき、冷静になってほしい。


そして、身の回りにいるであろう、軽率な行動をとっている不届きな者に対し、

注意の一つでもすべきだと思うが・・・ 間違っているだろうか?


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