時のつれづれ(北多摩の爺さん)

下り坂を歩き始めたら
上り坂では見えなかったものが見えてきた。
焦らず、慌てず、少し我儘に人生は後半戦が面白い。

不揃いの蜜柑

2020年12月02日 | 四季おりおり

多摩爺の「四季おりおり(その13)」
冬の味覚 不揃いの蜜柑

毎年、この季節になると・・・ 旬なフルーツなんだけど、不揃いで、見てくれが悪く、
いかにも、美味しくなさそうな蜜柑が、実家から送られてくる。

長男が生まれた昭和54年、初孫の誕生を喜んだ父が、実家の庭に植えた蜜柑の木に、
「今年も、たわわに実が付いた。」と、母から電話を貰ったのは、ちょうど一週間前だった。

母は今年で卒寿(90歳)だから・・・ 「もう、無理しなくてもいいよ。」って言ったのに、
毎年、蜜柑を収穫して、私のところに送り、
近所に住んでる息子夫婦に食べさせてやるのが楽しみらしい。

「危ないから止めて!」って言っても、全く言うことを効かないんだからと、
週末のたびに実家に寄り、ご機嫌を窺ってくれてる妹が・・・ 愚痴をこぼしていた。

ありがたいものである。
親というものは、ホントにありがたいものである。
形が不揃いだろうと、皮が堅くて剥きづらかろうと、甘味がもう一つだろうと、
一つや二つ腐っていようと、そんなことは、どうでも良くて・・・ ただ、ただ感謝である。

年明け早々から、寒風とともにやってきた厄介者(新型コロナウイルス)が、未だに居座っており、
親孝行らしいことが、今年は一つもできてないのに、老いた親は季節の変化を楽しみながら、
「私たちは、元気ですよ。」と、違う形でメッセージを送ってきた。

婆さん(オフクロ)、ありがとう。
いつも、いつもすまない。
ついでで申し訳ないが、爺さん(オヤジ)のこと・・・ よろしく頼む。

せっかく送ってもらった蜜柑だけど、
あなたの自慢の孫は・・・ 皮が堅くて、
剥きづらいと文句言いながらも、ニコニコしていました。

そうそう・・・ お礼の電話をするって言ってましたが、
その場で電話しなかったのは、ちょっとだけ気恥しさがあったんでしょう。
あなたと、私に似て、シャイな性格だから・・・ しばらく待っててください。


見てくれは、あまり美味しくなさそうでも・・・ 祖父母の愛情がたっぷりの蜜柑に、
息子夫婦も孫たちも大喜び
でも・・・ 東京では炬燵を出してる家が少ないので、ちょっと量が多いかもしれませんね。

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