こぶた的思考―カラスのあしあと―

今うわさの「大殺界」。でも、それってどういうものなの?
これからのながーい4年間を記録してみたいと思います!

とうほく伝統的工芸品フェア

2006年09月17日 | Weblog

毎年、藤崎で開催されている「とうほく伝統的工芸品フェア」。
東北各地の伝統工芸士さんたちが、藤崎に集結!(というほどは、集まらないようですが^^;)
実演販売してくれるイベントです。
もちろん価格もグッとお求め安くなる!ということで、父のお茶碗を買いに行ってきました~。

藤崎の7階催事場で開かれています。
今年は9月20日まで!
何年か前にも行ったことがあるんだけれど、規模が小さくなったかも・・・残念だなぁ。
東北各地の伝統的工芸品と言われる21品目が、処狭しと並んでいました。
HPや写真で見ているのとは、ぜんぜん違います。
本物って、やっぱりすごいよ。
輝いて見えました。
すばらしいです。
職人さんの手元が、また一度見入ってしまうと、目が離せません。
私がたまたま見ていた職人さんは秋田の「川連漆器」。
この道50年以上の、大ベテランさんです。
下絵も何も無い、黒い漆器の上に、職人さんが細かい細工を黙々と掘り込んでいきます。
すると、あっという間に美しい柄が仕上がっていく。
すばらしいなぁ・・・と私が覗き込んでいると、その職人さん、ふと目をあげてくださいました。
そして、なんと!
彫りあがった「急須置き」に金粉を刷り込む作業をやらせてくれたのです・・・;;!
脱脂綿のようなものに金粉をつけ、ごしごしこすってみると・・・とってもきれい!
職人さんが彫っていた絵柄の中に金粉が入り込んで、真っ黒だった漆器に鮮やかに絵が浮き上がってくるのです。
感動です。
しかも、私がこすっているんです!
嬉しくて、ついお買い上げ。
すると職人さん、サービスで裏に名前と日付を彫ってくださいました。
「塗りが乾くまで、一週間は触るなよ」
箱をあけることができないので、写真でお見せすることが出来ないのがとても残念。
飾っておきます!と言ったら
「ぜひ使ってください。乾いたら、絶対はがれたりしないから」
笑われてしまいました。

そのあとお箸を買い、次に目に留まったのは欲しい欲しいと思っていた「鉄瓶」!
南部鉄器は有名なのだけれど、そのお隣に「山形鋳物」がありました。
お値段も、南部鉄器よりちょっぴりお高め。
今回いらしていたのは「長文堂」さんという、山形鋳物一筋の老舗の工房でした。
そこはご家族で鉄瓶を作っていらっしゃるそうで、まだ若い息子さんが3代目なのだそうで。
この彼が、またかっこいい!!
作務衣を着こなして(普段は着ていないそうです。「よそ行きです」と笑っていらっしゃいました)、まっすぐできれいな目をしていらっしゃいました。
ここでまた、製作体験!
鉄瓶のふたの、取っ手の部分。
ここの型をとる、というのをやってみましたよ。
粘土をこねこねして、鉄の型に押し付けて型取りします。
粘土には少量の砂が入っているそうで、ちょっと押し付けにくい・・・。
「一回でできたら、私が職を失います^^;」
そ、そうだよね^^;。
3代目さん、鉄瓶一筋なの?
「そうですね・・・。他にも注文があれば作っていますけれど、うちはこれで食っています」
か、かっこいいなぁ・・・!
お得意さんが多いみたいで、私がこねこねしている間にも
「頼んでおいた『薬研』出来てる?」(薬研…薬草なんかで薬をゴリゴリひく、あれです!)
「お父さんお母さん来ていないの?これ差し入れです」
とか、お客さんはひっきりなしでした。
おう!私も鉄瓶は君のところから買うよ!!

今よく「生産者の顔が見える食材」なんて言われているけれど、こういう伝統工芸品なんかはまさに「製作者の顔がよく見える作品」。
こうして工芸士さんとお話しながら、仲良くなりながら、一生使える品物を探していけるってとてもステキ。
そんな贅沢が気軽に出来る、「とうほく伝統的工芸品フェア」でした。