播磨癒しのまち歩き

自然観察しながら散歩(兵庫県・北播磨)
イベント鑑賞や野球観戦も好きでしたがこのご時世全く行けていません。

馬鹿音頭の謎

2013-09-06 09:15:23 | うんちく・小ネタ

『お杉口説』鳥取県名和町に伝わる盆踊り歌
(『鳥取県の民謡』鳥取県教育委員会文化課(昭和62年3月) )

お杉口説

(サアヨーイ ヨーイ ヨーイヤナー)
国は長州 赤間が関で
(ヤートセー)
国で千軒 並びはないが
萬小間物 京屋の娘
(サアーヨーイ ヨーイ ヨーイヤナー)(以下囃子省略)

歳は二十一 その名がお杉 四月八日は お釈迦の誕生
それに参りて 坊さん見染め 見染め相染め ちょっとなびき染め
ひとめ見るより いとしさ湧いて 家に帰りて 奧の部屋入る
奧の一間に 硯取り出し 鹿の巻筆 コフキの紙に
思うとおり さらさら書いて 書いてふして うら書きをする
文の使は 寺中間よ 寺の中間 さばけたお方
和尚様にと ひそかに出せば 

和尚手に取り 開いて見れば
世にも大気な 女がござる 私を落とそうと 文書き呉れた
先ずはならぬと 文添え申す お杉返事と 開いて見れば
元の我が手に 添え書きもない 哀れなるかや 細谷川の 丸木橋から 文返されて
文で落ちねば 手段(てだて)で落とす サンサこれから 手段の思案

一の番頭に 内緒をいれて 一の番頭に 衣装借り出し
しまの下着に 上布の上着 帯は当世の 博多の帯で
黄金印籠 小脇に下げて 笠は深笠 深網笠で
長い刀を 忍びに差して

チャラリチャラリと 関の町越せば 関の若い 衆に抱き止められて
おしゃれ放しゃれ 縁切りしゃるな 帯の切れたは 結びもなるが
縁の切れたは 結びはならぬ 夏の御山に 登りて見れば
上に見えるが 上官様よ 下に見えるが 下宮様よ
沖に見えるが 千石船よ 中にしょんぼり あら園祥寺
サンサこれより 園祥寺忍ぶ
後は先生にお願いします

裏に回れば 弁天ござる それに参りて 大願こめる
神の勢力 大門開く 和尚お寝間の 屏風の外で
和尚和尚と 二声三声 和尚驚き早や目を覚ます
バケか変化か 迷いの人か バケじゃござらぬ 変化でもない
文のほん主 お杉でござる 今夜一夜の 宿かせたまえ

そこで和尚が 申する様には
恥をいわねば 理が成り立たぬ
私の生まれは 鍋町の生まれ 鍋町生まれの 半左がせがれ
七つ成る頃 出家と成りて 八つの春から経文習い
習い積んだる 経文ばかり 馬に積んだら 千駄荷物
船に積んだら 千石船よ お前泊めれば 此の経がすたる
先ずはならぬと 返答なさる

そこでお杉が申することにゃ
物のとたとえで 云うのでないが 道に生えたる 道草でさえ
露がおちれば 一夜は泊める 河に生えたる 河草さえも
ホタルとまれば 一夜は泊める 鮎は瀬に住む 鳥木に泊まる
お寺ありゃこそ お杉は泊まる 今宵一夜の お情頼む

そこで和尚様 理に込められて 何のデンボの皮 ヒョウタン酒よ
舞えや大黒 歌えや恵比須 鯛の浜焼き アワビの酢貝
これをまれなる 固めの酒を 呑んで祝って 寿終えん

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